―――深夜 親不孝通り―――
「はぁっはぁっ…」
不良たちの巣窟であり、川神市内で最も治安の悪い区域。
警察ですら無暗に入ることのできないその場所で、息を切らしながら必死に逃げ惑う男がいた。
片足から血を流しており、やがて足がもつれ、男は道路に倒れこんでしまう。
その後ろから、一人の警官が歩み寄ってきた。
倒れてもなお、這いずり逃げる男に警官が言った。
「逃げればそれだけ罪が重くなるぞ」
「じ、冗談じゃねぇ!金を騙し取ったくらいで殺されてたまるかよ!」
「内容はどうでもいい。重要なのはお前が犯罪者ということだけだ」
必死に警官から離れようとする男だったが、やがて路地裏に追い詰められてしまう。
警官は、暗闇を纏った手錠を取り出す。
「このまま銃殺刑にするつもりだったが、私から逃げた罪も加わったからな。お前にはもっと重い罰を与える!」
警官が男に向かって手錠を投げた。
手錠は宙を飛び、ひとりでに男の両腕にはまり、男の体を暗闇で包んでいく。
「ひっ…ぎゃああああああ!!」
絶叫と共に、男は全身を闇で包み隠された。
数秒後、闇が消えると男の姿も消え去っていた。
その様子を見て怪しく笑う警官の後ろに、新たな人物が現れた。
「くくっ…一足遅かったな魔戒騎士」
「……」
やって来たのは、大和だった。
ホラーの気配を追ってここまで来たが、間に合わなかった。
大和は魔戒剣を警官に向けながら問う。
「今、何をした?」
「犯罪者を私の処刑場に送った。これから私の手で裁く」
「こんな時間まで仕事熱心なこった。処刑は警察の領分じゃねえがな」
ゼルバの皮肉を鼻で笑いながら、警官が答える。
「有罪と分かっている犯罪者をわざわざ他の人間に任せる必要などない。私自身の手で裁いた方が早い」
「…お前に治安は任せられないな」
大和は警官に急接近し、魔戒剣を振るう。
しかし警官は身を反らして大和の斬撃をかわし、建物の壁を高速で這い上がり屋上へ向かう。
大和も壁を蹴って跳躍し、屋上に到達するが、既にそこには警官の姿がなかった。
「ゼルバ、奴はどこだ?」
「…気配が消えた。異空間に逃げ込んだらしいな」
「ちっ…」
異空間…おそらく警官の言っていた『私の処刑場』とやらに入ったらしく、ゼルバは警官の気配を見失ってしまった。
その後、大和は親不孝通り周辺を探ったが、警官が再び現れることはなかった。
―――翌日―――
休日であるためか人通りの多い街中を、大和は周囲を警戒しながら歩いていた。
(そんな気張るなって。どうせ昼間はホラーとして動けねえんだし、向こうも警戒して出て来ねぇだろ)
(ホラーを取り逃がしたってのに呑気にできるか)
(だからって疲れを溜めてちゃ、いざって時に戦えねぇぞ?どっかで甘いモンでも食いながら休もうぜ)
(甘い物ねぇ…)
ゼルバの言うことも尤もだったため、大和は休息することにした。
甘い物と聞いて、仲見世通りの方に和菓子屋があったことを思い出し、そちらへ向かう。
すると、後ろから声をかけられた。
「おーい!大和!」
「ん…?クリスか」
あまり聞き慣れていない声で名前を呼ばれ、訝しみながら振り返ると、そこには風間ファミリーの新入りであるドイツからの留学生クリスティアーネ・フリードリヒがいた。
私服姿のクリスは大和の傍まで駆け寄って来る。
「やはり大和か。見覚えのあるコートだから遠目でも分かったぞ。その格好で暑くはないのか?」
「いや、別に」
ここ最近は気温が徐々に上がっており、明らかにロングコートを着るような時期ではなくなっている。クリスの目から見ても大和の服装はとても暑そうだった。
しかし、そのロングコートは魔戒騎士としての戦闘装束なので、大和も脱ぐわけにはいかないのだ。
「クリスは買い物か?」
「いや、この先にある和菓子屋の新作くず餅パフェを食べに行くんだ。クラスメイトがその店の看板娘で、大層美味いと言っていたのでな」
クリスが外出している目的を聞けば、クラスメイトから見事に客として誘導されたようだ。
大和もこれから同じ店に向かうところだったことを告げると、クリスが言う。
「では一緒に行こう。大和とは一度ゆっくり話をしてみたかったんだ」
彼女もまた、由紀江のように大和のことを翔一たちから聞いているのだろうか。
少々気になりながら、大和はクリスと仲見世通りに向かう。
―――仲見世通り―――
目的の和菓子屋に到着した大和とクリスを、店員の少女が迎えた。
「いらっしゃいませ~。ってクリスじゃ…!!」
その少女の名は、小笠原千花。
クリスと同じく川神学園2-Fの生徒で、この和菓子屋は彼女の実家である。
千花はクリスの横に立つ大和を見ると、突然クリスの手を引いて大和から距離をとった。
そしてクリスに顔を近づけ、小声で話し始めた。
「ちょっと何々男連れちゃって!もしかしてデート中?」
「い、いや違うぞ。大和とはそんな関係ではなく…」
「ホント~?彼、結構イケてない?怪しいなぁ~」
年頃の娘らしく恋愛話を好む千花は、クリスと大和の関係に興味津々だった。
あらぬ誤解を受けてしまったクリスは必死に否定する。
「ほ、本当に違うぞ!大和は風間ファミリーのメンバーなんだ!決して自分の彼氏とか、恋人とかじゃなく…」
「風間ファミリーの?でもあんな人、学園にいたっけ?」
千花は翔一を中心とした風間ファミリーのことは知っている。
彼女の記憶では、ファミリーは全員川神学園に在籍しているはずで、学園内で見覚えのない大和もファミリーだと言われてもいまいち信じられなかった。
と、ここでほったらかしにされた大和が介入してくる。
「あー、話してる内容が大体予想できるから言うけど、俺達は彼氏彼女とかじゃないよ?」
「あら、じゃあ風間ファミリーの仲間って本当?」
「ああ。五年間川神市から離れてて、最近戻って来たんだ」
「なるほど。じゃあ私が知らなくて当然か」
「なぜ大和の説明にはすぐに納得するんだ!」
今まで自分が必死に誤解を解こうとしても疑ってきた千花が、大和の説明をあっさり信じたことに納得がいかず、憤慨するクリスであった。
「落ち着けよクリス。店員さん、くず餅パフェ二つ」
「はいはーい。ちょっとお待ちを~」
ようやく落ち着いたところで注文すると、千花は店の中へ入っていった。
大和とクリスが店の前に置かれた縁台に座って待っていると、程なくして千花が二人分のパフェを持ってきた。
「うーん。並んで座ってるとこ見るとますます怪しいわ。ホントに付き合ってないの?」
「く、くどいぞ!」
「ゴメンゴメン。はい、くず餅パフェお待ちどうさま」
くず餅パフェと茶を渡すと、千花は「ごゆっくり~」と笑顔で言いながら去って行った。
未だ不機嫌そうなクリスだったが、くず餅パフェを一口食べた瞬間に破顔した。
「ん~!至福の瞬間だ♪」
「…分かりやすいな」
クリスの機嫌が戻ったところで、二人はパフェを食べながら雑談を始めた。
お互いのことを尋ね、教え合う中で、話題はクリスが初めて秘密基地に行った時のことになった。
聞けば、『こんなビルは取り壊すべきだ』とクリスが発言し、京や卓也達を激怒させたらしい。それが正しいと思って発言したクリスには京達が怒った理由が理解できず言い争いになったが、後から来て事情を聞いた翔一に言われた。
『お前の大事なものを誰かに貶されたら腹立つだろ?それと同じだよ』と。
それを聞き、クリスは自分の非を認めて京達に謝ったらしい。
「キャップがそんなことをねぇ…」
「本人曰く、『大和がいたらそう言うと思った』だそうだ。それで、お前がどんな人間か少し気になったんだ」
大和自身も、自分がその場にいればクリスの宝物を貶し、京達の気持ちを分からせようとするだろうと思った。
その事件の後、クリスはファミリーに改めて迎え入れられたが、しばらく京から厳しい目で見られたらしい。今ではクリスを弄るネタにする程度だそうだが。
「自分にとって正しいことだからって、他人もそう思うとは限らないからな」
「この件でそれがよく分かった。だが、相手が誰の目から見ても“悪”であれば、自分は己の正義を貫くぞ。自分は“義”を重んじる騎士だからな」
この会話を通じて、大和はクリスがどんな人間かを理解した。
“義”を重んじるという言葉の通り正義感は強いが、自分の考えが正しいと思うあまり空気の読めない発言をしてしまう。会って間もないうちは少々付き合いづらいかもしれない。
もっとも今は、秘密基地での事件を通して成長しているようだ。
「ところで大和。実は前から聞きたいことがあったんだ」
「何?」
くず餅パフェを食べ終わったところで、クリスが尋ねてきた。
何やら真面目な表情だったので、大和も姿勢を正して聞くことにする。
「大和は、『大和丸夢日記』の主人公、大和丸と同じ名前だな!もしや、剣術を使えたりしないか?」
「…いや、別に」
「なんだ、そうなのか?」
大和の答えに対して、クリスは残念そうだった。
『大和丸夢日記』と言えば、海外でも人気の大河ドラマである。
雑談の中でクリスが日本フリークであることは知っていたが、名前が似てるからって特技も同じとはどういう理屈だろうか。
大和は魔戒騎士として剣は使うが、時代劇の中で使われるようなものではない。
「だが、いざ戦うとなれば強いのではないか?お前からは強い気を感じるぞ」
「まあ、護身術は一応身につけてるし、そこそこ自信はあるけど」
「そうか。なら、今度自分と…」
言いかけて、クリスの口が止まった。
彼女の視線は、大和越しに通りの方を向いて固定されている。
何を見つけたのか、大和がその視線を追って見ると、通行人達の中に特徴的な人物を見つけた。
その人物は、若い女性だった。
紅い長髪、左目を覆う眼帯、そして異国の軍服。
通りを行き交う人々の中で明らかに浮いているその女性は、クリスの姿を見つけてこちらに近づいてくる。
「クリスお嬢様。こちらにおられましたか」
「マルさん!」
「…マルさん?」
クリスの女性に対する呼び名を、大和は思わず疑問形で復唱する。
カップ麺で有名な食品会社か、はたまた日本の長寿アニメの主人公か。
獰猛な獣のような威圧感を発する女性のイメージとはあまりにもかけ離れた名前だったのだ。
「お嬢様。この男は?」
「ああ、彼は直江大和。風間ファミリーの古参メンバーで、最近まで海外留学していたんだ」
「ほう…」
大和が固まっている内に、クリスが女性に対して大和のことを説明した。
そして、クリスは大和に女性を紹介する。
「大和、マルさんは自分の父様の部下で、昔から自分と遊んでくれてたんだ」
「マルギッテ・エーベルバッハです。クリスお嬢様のサポートを命じられ、
「…直江大和です」
年上とは言え初対面でいきなり命令口調をかますマルギッテに、大和は軽く頭を下げながら名乗る。
なるほど、マルギッテだからマルさんか。
大和が心の中で納得していると、マルギッテは吟味するように大和を観察する。
「直江大和…中々の手練れのようですね」
口角を吊り上げながらそう言うマルギッテの目を見て、大和は確信した。
この軍人も、戦いを楽しむタイプなのだろう。
手合せを申し込んでくる時の百代の目にそっくりだ。
「決めました。直江大和。私と…」
「お断りします」
「な!…人の話は最後まで聞きなさい」
言葉の途中で切られ、不満を漏らすマルギッテ。
大和にはその先が簡単に読めていて、聞くのも嫌だった。
「勝負しなさい、とでも言うんでしょう?生憎、私闘はしないと決めてるんで」
「そうなのか?自分も手合せして欲しかったんだが…」
大和の言葉に、クリスは残念そうに言った。
どうやら先ほど彼女が言いかけていたのは、マルギッテと同じ用件だったようだ。
しかし、マルギッテは諦めていないようだ。
「強者と戦ってみたいとは思わないのですか?」
「戦闘を楽しむ趣味はないもので」
「…ならば、戦わざるを得ないようにしてあげましょうか?」
笑みを浮かべながらマルギッテはパキパキと指を鳴らし始めた。
言葉で動かないなら、力尽くで戦わせようというつもりらしい。
大和はため息をつきながら言った。
「…いいんですか?」
「ん?何のことです?」
「軍人が異国で、それもこんなに人通りの多い場所で、戦闘する意思のない人間に殴り掛かったら国際問題になりそうなものですが…」
「む…」
「仮にそこまで大きな騒ぎにならなくても、確実に上司の顔に泥を塗るでしょうね」
国を守る立場の軍人が騒ぎを起こせば、確実に報道されて問題になるだろう。
それにマルギッテが川神市にいるのは、彼女の上司でありクリスの父であるフランク・フリードリヒからクリスの護衛や世話を命じられたからだ。
そのマルギッテが民間人相手に問題を起こせば、フランクにも責任が問われる。
尊敬する上司に恥をかかせるわけにはいかないと考え、マルギッテは手を引いた。
「戦闘好きなのは結構ですが、自分が国の名を背負っているという自覚を持った方がいいと思いますよ」
そう言いながら、大和は縁台から腰を上げた。
「む?もう行くのか」
「ああ。クリスの分のパフェ代も払っとくよ」
「え、いやしかし…」
「手合せはしてやれないけど、これくらいはな」
大和は千花に勘定を払うと、クリス達に手を振りながら人ごみの中に去って行った。
クリスはそれを見送るが、論破されたマルギッテは少々不満そうだった。
「直江大和…口の達者な男だ」
「ところでマルさんはどうしてここに?」
「ええ。実は今、中将殿が川神市におられます」
「おお、父様が!」
「はい。お嬢様と街を回り、夕食をご一緒したいと」
「それはいい!早速行こう!」
尊敬する父親が来ていることに喜びながら、クリスはマルギッテと共に和菓子屋を後にした。
一方、クリス達と別れた大和は――
(自分が正義と考えるって点では、嬢ちゃんとあの警官は似てんな)
(…クリスは、自分の非を認めた。あの警官とは違う)
思念でゼルバと会話しながら、来るべき夜の戦いに向けて歩んで行った。
―――その夜―――
「美味しかったですね父様!」
「うむ。やはり日本の料理は素晴らしい」
高級料亭での夕食を終え、フランクやマルギッテと歩くクリス。
彼女は尊敬する父や姉同然の女性との会食で上機嫌だった。
「ところでクリス。例の直江大和という青年とは本当に交際していないんだな?」
「と、父様。食事中にも何度も違うと言ったではないですか」
「そうだが、私は心配なのだよ。マルギッテ、その男には充分に警戒しろ」
「承知しております中将殿。あの男とはいずれ必ず…」
夕食の最中に話題に出た大和のことを、フランクは警戒していた。
親バカな彼は、クリスが男と一緒にお茶していたという話を聞いた瞬間に拳銃片手に店を飛び出しそうになったのだ。クリスの制止によってなんとか踏みとどまったが、少しでも油断すると軍隊を呼びかねない。
もっとも警戒を命じられたマルギッテの場合、大和とどうにかして勝負することの方が重要らしいが。
「もう!父様もマルさんも何を…」
「た、助けてくれ!!」
不穏な会話をする二人にクリスが物申そうとした瞬間。
汗まみれで走る男がクリス達にそう叫んできた。
「ど、どうしたんだ?」
「あの警官が、俺を殺そうとして…」
男はクリス達の背後に隠れ、自分が走ってきた方向を指さしながら答える。
クリス達がその方向を向くと、拳銃を持った警官が歩いてきた。
「そこのお三方。そちらの犯罪者を私に…」
「犯罪者?」
「喧嘩で殴っただけだ!殺されるような罪じゃねえだろ!」
「暴行は立派な犯罪だ。だから、私が処刑する」
「なっ…なんだそれは!」
平然と言う警官に異議を唱えるクリス。
フランクやマルギッテも警官を睨んでいた。
「確かに単なる暴力は犯罪だが、殺すほどのものではない!そもそも、処罰を下すのは警察の役目ではないだろう!」
「…昨夜の小僧と同じことを言う。邪魔をするなら、公務執行妨害でお前達も犯罪者の仲間入りだぞ?」
「ふざけるのはそのくらいにしなさい。むしろ、これは正当防衛です」
クリスとフランクの前にマルギッテが立つ。
三人の背後にいる男は、彼らが口論している間に身を隠しながら逃げようとするが―――
「逃がすか!」
警官が、取り出した闇の手錠を投げた。
手錠はクリス達を避けて空中を迂回し、男の両腕を捕らえる。
「う、うわあああ!!」
「な、なんだこれは!?」
手錠からあふれる闇が男を包んで消滅した。
その光景を見て、クリス達が戦慄する。
「お前達も送ってやろうか?私の処刑場に!」
「中将殿、お嬢様!お下がりください!」
男を消した闇の正体は分からなかったが、警官が危険な存在だと判断したマルギッテは、クリス達に害が及ぶ前に排除しにかかる。
「Hasen Jagd!!」
愛用のトンファーを両手に握り、マルギッテは獲物を狩る猟犬のごとく警官に迫る。
急所を狙ってトンファーを振り下ろすが、警官はそれを簡単に回避する。
追撃をかけるがそれも全てかわされ、反撃の拳を食らってしまう。
「ぐあっ!?」
「銃殺刑だ!」
膝をついたマルギッテに銃口を向ける警官だったが、接近してきたクリスによって阻まれる。
「マルさん!」
クリスが警官の手から拳銃を蹴り飛ばし、パンチを叩き込んだ。
マルギッテに集中していた警官は避けられず、顔面に食らう。
しかしクリスの渾身の突きにもかかわらず、警官の頭は微動だにしない。
「警察官を殴るとは…そんなに裁かれたいか!」
「ぐほっ!」
「クリス!!」
「お嬢様!」
腹に拳を叩き込まれ、うずくまるクリス。
フランクとマルギッテの声も空しく、警官はクリスの頭を踏みつぶそうと足を振り上げる。
その瞬間、警官の顔に新たに現れた何者かの蹴りが入る。
「ぐあぁ!」
蹴りの威力に耐えきれず、警官はそのまま吹き飛ばされた。
警官を蹴り飛ばした介入者――大和は、痛む腹を押さえるクリスに声をかける。
「大丈夫かクリス?」
「や、大和か?」
「大和…この青年が?」
突然現れ、クリスを助けた青年が大和であったことを知り、フランクは驚愕する。
一方、蹴り飛ばされた警官は怒りの声を上げる。
「また邪魔をするか!」
「当然だ。今度は逃がさない」
大和はクリス達の前に立ち、視線だけで警官を威嚇する。
警官は昨夜のように異空間に逃げ込むことも出来るが、自分を殴ったクリスを見逃すつもりはなかった。
「その娘だけでも!」
警官はクリスに向けて手錠を投げつけた。
大和は手錠を妨害しようと腕を振るうが、手錠は大和をかわしてクリスの腕にはめられてしまう。
警官はそれを確認すると、自分の体を闇で包み異空間へと姿を消した。
「さっきと同じ!?…うわああ!」
(大和!嬢ちゃんに触れ!)
クリスの体が手錠からの闇に包まれ始めた時、ゼルバが思念で言った。
大和がすぐにクリスに駆け寄り、彼女の肩に右手で触れると、闇が右腕を伝って大和をも取り込み、二人を異空間へと引きずり込んだ。
「お、お嬢様!?」
「クリス!どこだクリス!?」
大和とクリスが姿を消し、残されたマルギッテとフランクの声がその場に響いた。
―――異空間―――
全身を包む闇が晴れた時、大和は空中にいた。
そのまま重力に引かれて落下するが、バランスをとって無事地面に着地する。
周りを見れば、そこには警官の言っていた処刑場の光景があった。
現在大和が立っているのは横幅五mほどの通路だ。
左右には鉄格子のはめられた出入り口のない牢獄が並んでおり、それぞれの牢の中には絞首台やギロチン、電気椅子など処刑や拷問のための様々な器具が置かれている。
見上げれば無数の牢獄が一面に連なっており、通路の真上は天井が見えないほどに高く続いている。
「大した趣味だなぁ」
「全くだ…しかし、クリスはどこだ?」
通路にも牢獄の中にも、クリスの姿は見当たらない。
一緒に闇に飲まれたが、別の場所に飛ばされたのだろうか。
大和が周囲を警戒しながら歩いていると――
「やめろ!離せ!」
通路の奥から、クリスの声が聞こえた。
大和が急ぎ駆けつけると、クリスは看守らしき様相の二人に手錠でつながれた両腕を左右から掴まれながら連行されていた。二人の看守は肌が青白く、赤い両目と長い牙を持ち、明らかに人間ではない。
「クリス!」
大和が走りながらクリスを呼ぶと、看守達が振り向いた。
敵の出現に気づいてクリスを床に押し倒し、接近する大和に向かって来る。
二体の看守が手に持った警棒を振るうのを、大和はスライディングで看守達の間を通り抜けることで回避する。
倒れるクリスを守るように前に立ち、再度襲い掛かって来る看守たちを迎え撃つ。
警棒による攻撃をかわし、体勢を崩した看守の体に拳を叩き込んでいく。
殴り飛ばされ、大和との距離がいた二体の看守の内、一体が駆け出し、もう一体が遅れて続く。同時ではなく、それぞれタイミングをずらして二回攻撃を仕掛けるつもりらしい。
だが、大和は素早く魔戒剣を抜き、迫ってきた看守を一体ずつ斬り倒した。
斬られた看守は奇声を上げながら消滅し、それを見届けた大和は上体を起こしているクリスの下に駆け寄る。
「クリス。腕を前に出せ」
「あ、ああ…」
大和の戦いぶりに驚いていたクリスは、手錠でつながれた両腕を素直に差し出す。
その手錠の鎖に向けて大和が魔戒剣を振り下ろすと、鎖はあっさり断ち切れて手錠が消滅する。
自由になったクリスの手を取って立たせる。
「大丈夫か?」
「ああ。大和、ここは何なんだ?」
「あの警官の言う処刑場だよ嬢ちゃん」
「なっ…グローブが喋って…?」
「グローブじゃねぇっての」
突然ゼルバが喋り出し、またしても驚くクリス。
大和はゼルバの頭を指で小突きながら現状を説明する。
「ここはあの警官が作った空間なんだ。俺は昨日あの警官と戦おうとしたんだが、ここに逃げられてな」
「んで、何とかここに入る方法を考えてたんだがな?嬢ちゃんが手錠にかかってくれたおかげで、上手いこと潜り込めたってわけだ」
「ち…ちょっと待て!それはつまり、自分を利用したということか!」
ゼルバの言い方に引っかかりを感じたクリスが問う。
大和はこの処刑場に入るためにあえて自分に手錠をかけさせたのではないかと。
翔一達から大和は策を講じるタイプだと聞いていたクリスには余計にそう思えた。
誤解を招きかねない言い方をしたゼルバを再び小突きながら、大和は答える。
「誤解しないでほしいんだが、俺はクリスを巻き込むつもりはなかった」
クリスに向けて手錠が放たれた時、大和は手錠に手を伸ばしていた。
本来ならあの時手錠を掴み、自分の手に付けて処刑場に入ろうと考えていたのだ。
結局それは失敗し、クリスを利用したような形になってしまったが。
大和はクリスの正面に立ち、彼女の目を見つめながら言う。
「約束する。俺が必ずお前を外の世界に連れ戻す。だから今は、俺を信じてくれ」
「…ああ、分かった」
真剣な表情で真正面から見つめられて若干顔を赤らめながら、クリスは答えた。
大和が策を練るのは仲間を傷つけないため。そう聞かされていたことを思い出し、彼を信じることにしたのだ。
「しかし、どうすれば出られるんだ?」
「あの警官を倒すしかない。俺から離れないようにしてくれ」
大和はクリスを連れて通路を進みだした。
クリスに手錠をかけた警官が姿を消したのは確認していたため、確実にこの処刑場の中にいるはずである。
通路は果てが見えないほどに長く、牢獄もまた限りなく連なっている。
中の拷問器具には血にまみれた物もあり、あの警官に捕らわれた人間に使われたのだろう。
その光景は想像するだけでもおぞましく、クリスは大和と会話して気を紛らわせようとした。
「ところで大和。さっき剣を使っていたが、剣術は使えないと言っていたではないか。嘘は悪だぞ!」
「あー悪かった。教えるべきじゃないと思ってな」
「…そういえば、お前はモモ先輩との手合せも断ってるらしいな。なぜだ?」
「俺が戦う術を身につけたのは、人と争うためじゃないからさ」
「“人”と…?では、あの警官は…?」
「…もう“人”じゃない。この空間も、あの手錠も人の力で出来たものじゃない」
人を消す手錠の闇や今いる処刑場など、クリスには訳の分からないことだらけだったが、それらも全て人ならざる者の力だという。
詳しく聞こうとするクリスだったが、そこで状況に変化が起きた。
「…ああああああ!!」
通路の遥か向こうから絶叫が響いた。
大和とクリスが駆け出す。
やがて通路の終りが見え、そこには開け放たれた扉があった。
二人が扉をくぐると、そこは20m四方の広い空間になっており、絶叫はその中央にある処刑台の上から聞こえていた。
「あの男、さっきの!」
クリスが処刑台の上に見たのは、警官に追われ自分よりも先に手錠によって消えた男だった。彼は拘束具によって首と両腕を固定されている。
彼の左右には、黒いローブを羽織った二体の処刑人が剣を構えて立っており、今まさに彼の首を切り落とそうとしていた。
大和は魔戒剣を投げ、法術で遠隔操作して二体の処刑人を斬りつける。
二体がひるんだ隙に処刑台を駆け上がり、右手に戻ってきた魔戒剣で処刑人を斬り裂く。
そして、拘束具を剣で破壊して男を解放し、その体を片手で掴んでクリスの下へ連れ戻った。
一連の行動には20秒とかかっておらず、鮮やかな動きにクリスが驚嘆していると、その空間に新たな声が響く。
「まさかここまで邪魔しに来るとは思わなかったぞ魔戒騎士」
大和とクリスが振り向くと、そこには例の警官がいた。
服装は警官の制服ではなく、先ほどクリスを連行していた看守の着ていた服、背中にはマントがあり、手には鞭を持っている。
いかにもこの邪悪な処刑場のトップといえる格好だった。
「警官服より似合ってんじゃねぇか。いかにも悪の親玉って感じだぜ」
「お前を倒してこの処刑場も終わらせてやる」
クリスと男を背に隠し、大和が魔戒剣を振りかざす。
しかし、警官は余裕の表情で―――
「自ら処刑されに来たバカが何を言う!」
警官が鞭で床を打つ。
その直後、大和達の足元に巨大な穴が空いた。
「うわあああ!」
深い穴の中を落下しながらクリスが叫ぶ。
男の方は殺されかけた恐怖でとっくに気を失っていた。
やがて、穴の底が見えてきたところで、大和は左手の魔爪筆で下方に魔導陣を書いた。
三人が乗れるほどの大きさの魔導陣はクッションのように落下の勢いを殺し、三人を無事に穴の底へ着地させる。
「気分はどうだ魔戒騎士?」
穴の遥か上から警官の声が聞こえた。
罠にハマった大和達を嘲るように笑いながら聞いてくる。
「ぬるいな。落とし穴なら底にトゲでも仕込んで串刺しにした方が良かったんじゃないか?」
「ハッ!お前達はこれからなぶり殺しにするんだよ!」
警官の問いに余裕の声で返す大和。
それが面白くなかったのか、警官は吐き捨てるように言う。
「お前ら魔戒騎士は人間を喰うホラーを狩っているが、その人間は同族同士で争い、騙し合い、殺し合っている!ホラーよりも人間の方がよっぽどこの世界を脅かしているのではないか!?」
ホラーに憑依された警官は、元々犯罪者に対して強い憎悪と疑心を抱いていた。
犯罪者は刑が終わればまた世に放たれてしまう。
その犯罪者がまた罪を重ねないとも限らない。
罪を平気で犯すような人間など、いっそこの世から消してしまえばいい。
そんな危険な思想から生じた陰我が、ホラーを呼んでしまった。
「だから私はこの世のために”悪”どもを裁くのだ!私こそが”正義”だ!」
人間こそが悪である。
だから自分の行いは正しい。
警官の主張を黙って聞いていた大和は、魔戒剣で肩をポンポンと叩きながら、言った。
「だとよ。どう思う?”義”を重んじる騎士」
問われたのはクリスだった。
はっきり言って、クリスは現状を完全に把握しきれていない。
不気味な異空間に引きずり込まれ、その根源である警官は人間ではなく、今もこの深い穴に落とされて、これから自分がどうなるのかも分からない。
しかし、今の大和と警官の会話の中で、はっきりしている事がある。
だからこそ、クリスは口を開く。
「…話にならん!!」
「何だと!?」
クリスは警官の“正義”を否定した。
この警官は、間違いなく”悪”だと確信したのだ。
「確かにこの世には犯罪者はごまんといる。平気で人を騙す者も、殺す者もいる。しかし、だからと言って全ての犯罪者を一切の情けもなく殺すなど、それこそ”悪”ではないか!殺人鬼と変わらん!」
「“悪”…この私が!?」
「そうだ!自分は”義”によって戦う騎士だ!だから自分は、お前の”悪”を許さん!」
力強く言い放つクリスの姿を見て、大和は笑みを浮かべた。
彼女もまた、闇に屈しない強い心の持ち主である。
これまでにホラーに遭遇したファミリーの仲間達も、ホラーに立ち向かい、信念を突きつけ、その恐怖に打ち勝っていた。
風間ファミリーには、そういった人間が集まるのだろうか。
そう思う大和の思考を遮るように、警官が叫んだ。
「小娘ごときが!お前らは苦しみ抜いて死ね!」
その言葉の直後、穴の上から大量の水が流れ落ちてきた。
大和達を水責めで殺すつもりのようで、穴の中は瞬く間に水で満たされた。
突然の水責めに、息を吸い込む暇もなかったクリスは口の中のわずかな空気を逃すまいと口を手で塞ぐが長くは保たない。
(…大和!)
このままでは溺れ死ぬ。
クリスが大和に目を向けると、彼は魔爪筆で水中に新たな魔導陣を描いていた。
水中でも揺らぐことのない魔導陣に向けて、ゼルバの口から小さな光が放たれる。
(救え!『
光は魔導陣に達すると、長く大きな龍の如き霊体に姿を変える。
そしてその身に、大和の召喚した装甲を纏った。
翡翠色に輝く装甲には、白いたてがみと、鋭利な刃になっている無数の鱗が備わっている。
大和が従える三体目にして最後の魔戒霊獣・流咆である。
(クリス!)
大和はクリスの体を抱き寄せ、流咆に掴まる。
流咆は気絶している男に尾を巻きつけて、そのまま上に向けて水中を駆ける。
大和達の体は流咆の魔力の加護によって守られ、水中を猛スピードで潜行しているにも関わらず水の抵抗を全く受けていない。
数秒後、流咆は水面を突き破って穴の外へと出た。
―――グオオオオ!!
咆哮と共に、流咆の口に液状の魔力が蓄積される。
やがて魔力は水の砲弾となって、警官に向けて放たれた。
「ぐはぁ!」
砲撃を受けた警官は扉の方まで吹き飛ばされた。
流咆は大和達を静かに床へと下ろす。
「大丈夫かクリス?」
「ゲホッ…ああ。その龍は?」
「流咆。俺の仲間だ」
「…いいのか?見せても…」
大和が龍を召喚したことに驚きながら、クリスは尋ねた。
彼はその剣術でさえ秘密にしようとしていたのに、そんなものを自分に見せてもいいのだろうか。
クリスの疑問に、大和は当然のように答える。
「言ったろ?お前を絶対に外に戻すって。仲間との約束の方が大事だ」
その言葉を受けたクリスは、大和を信じてよかったと心から思った。
翔一達の言っていた通り、大和は仲間のために行動する人間だったのだ。
大和は流咆にクリスと男の護衛を任せ、警官に向き直る。
「さて、そろそろ処刑場を閉鎖させるぞ」
「オノレェ…全員喰ラッテヤル!」
怒りの形相を浮かべる警官の口が大きく裂け、その頭部はワニのような巨大な口を持つモノとなる。
両腕は獣の前脚、両脚は後ろ脚となって、四足獣の姿へと変化した。
「ホラー・アメミト。いかにも大飯食らいなやつだ」
―――グアアアアア!!
ゼルバがホラーの名を呼ぶと、アメミトは怒りの咆哮を上げる。
大和は魔戒剣で円を描いて鎧を召喚し、念狼として相対する。
アメミトの背から暗闇を纏う手錠が現れた。
クリスや男を処刑場に送ったものとは違い、枷を繋ぐ鎖が十m以上ある。
アメミトが咆哮すると、手錠が念狼に向かって飛来した。
念狼は剣で弾き返そうとするが片方の枷が念狼の右足首を捕らえた。
鎖はそのまま念狼の全身に巻き付けられ、もう一方の枷が念狼の左手首にはまり、念狼を完全に拘束する。
アメミトは縛られた念狼に向かってジリジリと近づく。
その巨大な口で念狼を鎖ごと噛み砕くつもりだったが、それは叶わなかった。
念狼が両腕を振り上げ、鎖をいとも容易く引きちぎったからである。
「縛られる気持ちを教えてやろうぜ!」
「流咆!」
念狼が流咆の名を呼び、左手で印を結ぶ。
すると、流咆の装甲から、鱗の刃が剥がれ落ちて念狼の下へ集う。
鱗は鎖のように一列に連なって念狼剣の刀身に合わさった。
無数に繋がった鱗の刃が鞭のようにしなり、蛇腹剣型の『龍鱗念狼剣』を完成させる。
「おおおお!」
念狼が雄叫びを上げながら龍鱗念狼剣を振るうと、しなる刀身がアメミトの体に巻き付いた。鱗の刃が体に食い込み、アメミトが悲鳴を上げる。
念狼はそのままアメミトを振り回し、床に思い切り叩きつける。
「獣こそ、鎖に繋げないとな!」
ゼルバが咆える。
鱗の刀身による拘束を一度解き、念狼が剣を真向に突き出せば、龍鱗念狼剣の刀身は一直線にアメミトへと突撃する。
龍鱗念狼剣の一閃がアメミトの体を貫き、その体を爆散させた。
そしてホラーの消滅により、処刑場の空間が崩れ落ちていった。
―――現実世界―――
気が付けば、クリスは川神市に戻っていた。
傍には鎧を解き、流咆の光をゼルバの中に戻している大和と、相変わらず気絶している男がいる。
彼らが今いる場所は処刑場に入る前にいた高級料亭近くではないようで、周りを見渡すとすぐ近くに交番が建っていた。まだ勤務している警官がいるのか、室内の照明はついているようだ。
「あの警官の勤務先かねぇ?職場の近くに処刑場作るとは仕事熱心なこって」
ゼルバが軽い口調でそう言った。
ようやく元の世界に戻れたことを実感し、その場に座り込んだクリスが大和に問う。
「大和。あの警官は…」
「警官が怪物に変わったのは見たろ?あいつはあの怪物に憑依されたんだ。その時点で、人間としてはもう死んでた」
大和が説明していると、クリスの携帯から着信音が鳴り響いた。
画面を見ると相手はマルギッテのようで、クリスはすぐに通話ボタンを押す。
「マルさん?」
『お嬢様!やっと繋がりました。ご無事ですか!?』
『クリス!声を聴かせてくれクリス!!』
「父様も…大丈夫です。自分は無事です」
『ああ、良かった。繋がるのがもう少し遅ければ、我が全軍で川神市中を捜索するつもりだったが…』
『お嬢様。今どちらに?』
クリスが交番の前にいることを告げると、すぐに向かうと言ってマルギッテは通話を切った。
大和は気絶している男についてクリスに聞く。
「ところで、この男も何かやらかしたのか?」
「あの警官は喧嘩をしたと言っていたが…」
「それで死刑にされちゃたまったもんじゃないな」
溜め息をつきながら、大和は男を抱え上げる。
「じゃ、俺はこいつを交番に押し付けて帰る」
「え?行くのか?」
「あの二人に会ったら、色々問いただされそうだからな」
そう言って大和は交番に向かうが、途中で足を止めて振り返る。
「悪かったな。巻き込んじまって」
「…それは違うだろう?大和は私を巻き込むまいとしてくれたんだからな」
もうクリスの中に大和に対する疑心はなかった。
クリスは大和に笑顔を向けながら言う。
「ありがとう大和。約束を守ってくれて」
「…ああ。じゃ、あの二人によろしくな」
大和も安心したように笑顔を返し、また交番へ向かっていった。
その後、大和が帰った後にマルギッテとフランクが大急ぎでやって来た。
何があったのか、大和はどうしたのかと二人はクリスに尋ねるが、彼女がそれに答えることはなかった。
「自分は無事に帰って来れました。それでいいではないですか」
晴れやかな笑顔でクリスが言う。
しかしそれは、結果的に親バカなフランクと姉バカなマルギッテに火をつけ、大和に対してさらに警戒心を強める要因になってしまったことに、クリスは気づいていなかった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
息抜きで始めた二作目の方が伸びてて驚きな常磐です。
とは言え、こちらも変わらず続けていきますよ。
今回のメインはクリス。
これで風間ファミリー全員の話が終わりました。
今後はまた違った展開を見せられればと思います。
では次回、第七話『主従』でまたお会いしましょう。