『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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98◇魔導の根幹は科学の森の下

朝!

起きて着替えたらすぐにローズさんを呼び出す。

もちろんローズさんは優秀なメイドなので数分もしない内に来る。

 

「どうなさいましたか?」

 

……いや、本当に来るんかい。

そこはフラグ的に来ないところでは?まあいいけどさ。

 

「今日の放課後…午後5時以降で1時間位国王に謁見できる時間が欲しいから申請して来て」

 

「要件はどのように伝えれば宜しいでしょうか」

 

「そうね……『魔術論理の革新』について、でお願い」

 

開けるなかれ、見るなかれ、これが世界の真実なり、ってね。

 

「畏まりました。その様に手配致します」

 

ローズさんは突然私が変なことを言ったのにも関わらず了承してくれる。

ほんとに優秀な侍女?メイド?さんだなぁ……

まあそれはともかく、これで準備完了。

後はいつも通りに放課後まで過ごすだけ。

 

私は、この世界を変えてやる!

 

……イキりもいい加減にしないと天罰が来そうだから控えめにしよっと。

 

今日の学校の授業が終わった。

国王にどう説明しようかとプレゼン方法を適当に考えてるとセリアと知らない2人がこっちに来る。

 

「ハナさん、頼まれていた2人です」

 

「ん。ありがとう」

 

私はセリアに軽く一礼して、一呼吸置いてから連れてきた2人に話しかける。

 

「えー、まずは自己紹介でも…私は片瀬花奈で宮廷魔術師の末席と子爵として勤めています」

 

さて、私の全コミュちからを使った自己紹介デッキの効力や如何に──

 

「噂は父上からお聞きしていますわ。私はキョウイン公爵の二女のヘスティアですわ」

 

「わ、私はテレス…です。父親は王都で鍛冶をしてい、ます」

 

初対面の印象はまあ悪くない、と思いたい。

右の気が強そうで如何にも貴族っぽいのがヘスティアさん。

左の貴族に萎縮してて天然っぽい……違うな、私と同じコミュちから不足の匂いがする。

まあともかく、同類っぽい方がテレスさん。

よし、覚えた。

 

「それで今日は何故私達を呼んだのです?私は公爵令嬢ですが正式にはまだ貴族ではないので出来る事は少ないですわよ?」

 

「私みたいな平民に出来る事がある、ますなら…微力ながら手伝わして貰う、ます…」

 

それにしても何だか妙に警戒されてるっぽい。まあいきなり接点ない人に呼び出されたんだからそんな物か。

 

「別に大変な事は要求しません。まず…お二方のステータスってどんな感じですか?

勿論隠したい所とかあれば隠して貰って結構です…但し、魔術に関する場所はやめて欲しいですが…」

 

まあ初対面なんだから敬語くらいは常識よね。

そんなことを考えながら、そう言うと二人とも紙を私に差し出してくる。

紙を広げると二人のステータスが全て書いてあり一番下に正式発行と書いてあり…今日の日付が書いてある。

…今日貰ったのか……っていうかこんなん有ったんだ。

初めて知ったわ。

まあ固有魔術の類いだろうね、多分。

そしてこんな気遣いしてくれるのは……さすセリ!

これどこ発行なのか、とか色々と訊きたいことはあるけど……

…まあこっちの方が信憑性が上がるしいいや。気にするのは後でだ。

 

で、何々……?

ヘスティアは火属性のみ。

テレスは…適正なしと。

これはセリアの人脈に感謝だわ。

二人に紙を預かってもいいか、と聞いて了承が出たのでバックにしまう。

 

「それじゃあ少し着いてきて欲しい所があるので…お願いしますね?」

 

「それは何処ですか?」

 

「まあまあ…それは秘密ということで…当たり前ですが危ない所や街の外ではないので安心してね」

 

そう言って私は3人(セリア、ヘスティア、テレス)を連れて王城まで…正確には王城の謁見室まで向かう。

 

「あの……ここって…」

 

「まあまあ」

 

「王宮ですわよね?こんな所に…?」

 

「さて、目的の場所に着きましたよ」

 

よし、ぴったり5時だね。

そう言って私は(近くにいた兵士の許可を取ってから)扉を勢い良く開く。

 

「国王様!さあ魔術時代の革命の時だよ!」

 

イキってるのは許して。

扉開けた瞬間にアリスが見えたからアピールだよ、アピール。

なんのアピールだって?

くふふ……なんてね。

 

「ちょっ!…ハナさん!?何してるんですか?」

 

「………」

 

使い物にならなくなった二人を引き摺って国王の前に行く。

よし、予想通りアリスもいるね。

…アリスと国王と私達以外には誰もいない。

兵士も護衛も…都合いいじゃん。

 

「騒がしい入場だな……さてハナ、どうした?」

 

私は自信満々に宣言する。

 

「前々から考えて構築していた論理が昨晩遂に完成しました!」

 

ちなみにここで言ってる『前』っていうのは国王相手に原子の説明した時ね。

あれは……セルグヌの間者に襲われる前、だったはず。

もう大分前に感じるなぁ……実際は1ヶ月くらいだけど。

 

「名付けて…全人類四属性化計画です」

 

漢字が多くて見た目が厳ついけどこれ以上いい名前が思い付かなかった。

マイネーミングセンスは残念だから……うん、『回転弾丸』とか『お風呂メイカー』からわかってはいたけどね。

改めて痛感させられると心に来るモノがある。

 

「…それ……!」

 

アリスが珍しく語尾を強める。

 

「アリス、そうだよ。遂に…ね」

 

「という訳で国王様、これを見て下さい」

 

そう言って私は2人のステータスの紙を国王に渡す。

 

「ふむふむ…それで?」

 

国王がこれだけ騒いでおいてつまらない物だったらどう落とし前をつけるんだ?的な目を私に向ける。

……この表現だと脅しにしか見えないなぁ。まあ実際は『どんなことやらかすの?』みたいな感じだけど。

まあそもそも、だ。

この『全人類四属性魔術化計画』がつまらない訳ない。

私が提案するのは革新的(イノベイティブ)知性に溢れた(インテリジェンス)プランだからね。

きっとこの国の軍事力も経済力もきっと増えるでしょう。

 

なんか胡散臭い詐欺師みたいだなぁ……

 

 

え?何でこんなことするのって?

決まってるじゃん。

この国の軍事力……もとい情報収集能力が上がれば。

そしたら…探索力も上がって行く行くは、私が元の世界に帰れる手掛かりも見つかるかもしれない。

 

ただそれだけ。

幾らこの世界に順応したとしても、帰れる方法は探す。

それは私が異世界転移に巻き込まれた以上変わらない。

 

「この2人が魔術をあまり使えない…いや、技能(スキル)を持ってないのを確認しましたね?」

 

そう確認を取ってから慌てふためく2人を宥めて昨日セリアにやった事とほぼ同じことをする。

するとどうだろうか。2人とも四属性使える様になったではないか。

 

「国王様、見ましたか?ちゃんと四属性…火、水、風、土の魔術を使える様になりましたよね?」

 

「ヘスティアさん、テレスさん、自分のステータスを見てみて下さい」

 

「どういう事ですか!?私が火属性以外の魔術技能《スキル》を持ってるなんて…」

 

「……」

 

テレスは思考停止しちゃったっぽい。

まあそれは置いといて…

 

「これで全人類が四属性使える事が証明されました!色んな事に悪用出来そうですね?」

 

ここまで演示実験をして国王は信じたらしく、色々と使い道や制度の整備方法を考えてるらしい。

まあ汎用性…というか悪用は出来そうだしね。

 

それでも、この場に一人だけ納得していない人がいる。

何故、それをわかったのか。何故それを見つけられたのか。

そんな視線を向けてくる人がいる。

 

 

 

 

 

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