『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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99◇起源、根幹、神髄…そして──

しかし、しかしだ。

 

「……」

 

ここまで演示しても生憎と国一番の天才は納得してくれないらしい。

 

「…論理構成から発想の根源(ハナの思考)まで全て教えてくれる…よね?」

 

「…後…セリア達3人は少し席を外してくれない…?…案内は誰かにさせる…」

 

セリア達が出ていき…その隙にそそくさと国王も何処かへ帰った。

さて、ここからが本命で本題だ。

 

「……ハナ?」

 

「勿論。きちんと全て説明するよ」

 

「まず…アリスは何処まで魔術の歴史を知ってる?」

 

「…魔術の…歴史?…それは…」

 

そう言ってアリスは10秒程考え込む。

 

「そういうこと…」

 

そういうとアリスの表情が引き締まる。

ふむ?何を理解した?

 

「私は…魔術の元が昔から常にあると思ってた。でもそれは違うんだね?」

 

「そう。私は天整統さんの遺言でその時代に魔術や魔法がなかった事を知ってる」

 

「なら…『AI』が原因…待って!そしたら魔術の元は有限じゃあ…」

 

なんでそんなすぐに判るの?まあ話が早いから助かるけど。

 

「それだよ。私は誰でも全属性魔術が使える事を蓋に魔術の有限性を言いたかった」

 

「なら…だから……」

 

アリスは今凄い勢いで頭を動かしてるのだろう。

恐らく私では付いていけない位の速度で。

だからこそ私は相談しに来た。

アリスは【大賢者】として魔術絡みの話題には絶対食いついてくると思った。

だからそれを隠れ蓑に一番重要な事を話す。

じゃあ普通に話せばいいじゃんと思われるかもしれないがそれは非効率的。

まず国王は政治の重要な部分を割りとアリスに頼ってる。

だから隠れ蓑を言い訳にアリスをかなり自由に活動できる様にする。

 

「…『ステータス』も人工物…なら…」

 

「ハ、ナ…」

 

珍しくアリスが震える様な何かを恐れる様な声で言う。

そんなに重大な話?

いや、魔術が有限だということはとてつもなく重大だけど、今すぐ何か起こるって話じゃない。

それにその程度でアリスが震えるわけない。

 

「何?」

 

私は震えるアリスを肯定するように、だけど確かに疑問を受け止めるように聞く。

 

「人類は…魔物、一種で…ハナ以外のこの世界の全人類は一つの祖先から産まれて…進化して、ない…」

 

ちょっと待って、どういうこと?

話が飛躍し過ぎている。

人類は魔物?

これはまだ理解できる。人類だって生物の一種だ。だから魔物の定義にもよるけどそれの一種でも全くおかしくない。

問題は二つ目、人類は一人から産まれた?進化してない?

あれ?ミトコンドリアイヴとかそういう話?

どういうこと?

私の世界では人類は猿人から原人、原人から旧人、旧人から新人と脈々と進化して今のホモサピエンスになった。まあ所々被ってはいるけど。

なら猿人より前は?

そう考えると何十億年前の水中の原始生物が人類の祖先だからある意味一つの祖先から生まれてる。

でも『進化してない』…だって?

それは絶対にあり得ない。

人類は…いや、生命は進化して環境に適応して来たはず。

しかも天整統さんの時代やそれよりも前は魔術や魔法はない…つまり元の世界とほぼ同じ。

なのに進化してないだって?

そんなの…絶滅しないで済む筈がない。

 

「どういう事?」

 

生物学(進化論)が根本から覆される事態に動揺が思わず声に出る。

 

「……」

 

「…『ステータス』も『強制執行:強敵察知型魔法』も…そして『魔法自身』も人工物…」

 

「つまりそれ以前はハナのいた世界と全く一緒だったはず」

 

「ここまでは判る?」

 

勿論理解できるので頷く。

そりゃあ魔法がないこの世界は元の世界の平行世界みたいなものだ。

 

「ならどこで道を間違えた?ハナの世界の科学がどれだけ発達したら、こんな事が物理法則の適用下で出来る様になる?」

 

そう言ってアリスは手の上に六属性の球を並べ自在に動かす。

 

確かにそうだ。幾ら科学技術が発達したからと言ってエネロジスティクスみたいな技術は出来る?

不死はまだあり得る。

でも何もない所から何かを生やしたり、あたかも生きているような挙動をする魔銅みたいな事はあり得る?

流石にそれは無理だ。

 

「できない?」

 

「私より物理法則に詳しいハナが言うのだから本当に無理…」

 

「なら…どこからその技術は何処から来た物?」

 

人類が無理なら、そりゃあ……

 

「人類以外?」

 

「そう。人類以外に人類の技術を大きく超えた…もしくは技術の根本から違う種族がいる筈…」

 

「それが…」

 

この世界に『魔法』を与えた?

 

「便宜上…それを『神』とする…」

 

「その『神』はこの世界に魔術の根本知識を伝授した」

 

「恐らくハナを転移させたのも『神』…」

 

なっ…いや、確かにあれは自称『神』だ。

だけどその表現がここまで適切なものだとは思わなかった。

 

「それで…そんだけ干渉してる『神』がそれだけだと思う?」

 

「……」

 

「必ず他にも何かした筈…なら」

 

そこまでアリスの話を聞き思い出す事がある。

ロンラさんが言ってた事だ。

 

──今から4000年も昔と言われている程の大昔に神様と会話出来る…正確には神様から神託を貰える神子がいらっしゃいました。…確かマギラフ・ルクエ様と言う名前だったはずです──

 

──神様は複数柱…それも数え切れない程いらっしゃる、と書いてありました──

 

──4柱の『最上級神』様達はそれぞれ知恵、生命、思考、物質を司っていらっしゃるが誰も神達が管理する『世界』を作ってはいない。つまりこの4柱を統括する『神』…便宜上『創世神』がいらっしゃる筈である──

 

創世…神。

干渉…普通の『神』では読み方すらわからない…

なら…創世を司り、魔法を───

 

《直接強制執行: 溘譏�◼️溘�…訂正:『創世の秘神』により…称号『廻遡宙の基底世界』を強制付与されました。

Now Lording……該当事項の遭遇までの記憶の解放、復帰…称号の効果褒章のため『称号解放』『称号創造』を用いて称号に効果:『創世の廻臨(アトラス・オルビス)』を解放》

 

《称号『廻遡宙の基底世界』を取得》

 

私は思い出す。

この世界に来て数日の頃…

あの時の違和感を。

それは対した記憶ではないものの───

 

《固有魔術:『協奏曲(コンツェルト)』を習得!》

 

色々な物が頭の中を書き乱すが、全て無視して考え…確信する。

 

異世界の人類が進化しない?

一つの祖先から分裂した?

そんなことはこの世界の人からすれば重大かもしれないけど……

最悪。本当に最悪だけど、私にとっては些細な問題だ。

人間の様に話せて…人間の様に考えられれば私は問題にはしない。

 

でもそんな事より私にとって重大な事実がある。

この一連の『騒音』で判明した。

『創世神』は確かに実在する。

 

私は一介の一般人だし神に誓願出来る力や立場があるわけじゃない。

でも…『創世神』なら出来る。

そう。つまりだ。

この瞬間、

私が元の世界に帰れる事が確定したのである。

なんてったって『創世神』だ。

いとも簡単に世界の過去を書き換え、記憶を封印させた神だ。

私を元の世界に戻す位はそれこそ朝飯前だろう。

 

「アハハハハハハッ」

 

これが笑わずにいられる話?

……なわけないでしょ。

私は帰れる事が判明した。

天整統霧生の用意したらしい方法は確かにあったけれど、完成から長年経過してることもあるから作動するかも不明な上、動作確認もしてない品だ。

それに対して…だ。

死のうが消滅しようが私は意地でも『創世神』の所に行き…元の世界に帰る。

 

帰れる事が確定した。

それに貰った称号も恐らく『創世神』関係の物だろう。

『直接強制執行』なんて書かれてたたんだ。

御本人様がこの『近く』にいるに違いない。

 

ならやることは一つしかない。

 

強く願う。強く請う。世界を創造せし最上位の神にしてこの世界において最も偉大な神の顕現を。

 

《称号:『秘神朝見』を獲得》

 

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