『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
◇
朝、気分転換がてら日課の散歩に行ってから学校に行く。
試験でも余裕を持った方がいいからね。
ゆとりは大事よ。ゆとり世代は……あれ?私ってゆとり…ではない、よね。
円周率3の民じゃないから違うはず。
ほら、有名じゃん。円周率は3.14159……どやぁ。
さて、馬鹿なことは考えずにテストに集中しよう。
…まずは国語か。
試験開始の合図と共に問題用紙を捲る。
まあ普通の問題だ。
元の世界とほとんど変わらない。
まあ漢文や古文はそりゃないけどね。
……カタカナ語はあるけど。
…国語の試験が終わった。
感想としては問題がやっぱ特徴的だった。
元の世界では試験の文章に魔法とか魔術が登場する事はないからね。
「この魔術を放った時の気持ちを60字以内で答えなさい」
っていう問題は流石に違和感がすごかったけど。
振り返りはこれくらいにして、次は魔術か。ふと周りを見渡すと皆何かに取り組んでいる。
何してるんだろうか。
お手洗いに行こうと外に出ると偶然テレスさんに会ったので聞いてみた。
するとどうやら事前に一問出題される問題が判ってるらしい。
何それ聞いてない。
まあ私が休んでた時に言われたかもしれないし?
…ほら、アリスも何もしてないし。
すでに準備が終わってる説は否めないけど。
まあ悩んだって過ぎたものはしょうがない。
魔術の試験開始。
昨日急遽覚えたから最後の大問以外は滞りなく終わる。圧倒的超絶短期記憶。
余裕かな?
さて、最後の大問はこちら。
大問7(配点:15点)
授業中に示した通り次の武芸の試験で今までの授業で使ってない新規の魔術を使って貰います。
(1)その魔術の効果と消費mpを記せ
(2)詠唱が存在する場合それを示せ
注意:ここでいう新規の魔術とは必ずしも『誰にも見せた事のない魔術』という意味ではありません。今まで誰かに見せた事のある魔術でも十分な応用が見られた場合採点対象となります。
…これかぁ。
どうしよう。新規の魔術でしょ…?
残り時間は……後10分か。
先に他の問題の見直しをしよう。
…見直しは5分で終わった。
これで恐らく85点中80点は取れるんじゃないかな?
まあ後15点も取りに行くんだけど。
新しい魔術…あ、あれでいいかも。
魔銅に使った『
あれの派生形。
他の状態異常でしょ…最近の状態異常…あの神関係?
あ、恐怖とかよさそう
直接的な被害は出ないし…
完全な精神攻撃だからね。
名前はあの『神』にあやかって……『
呪われた恐怖……なんてね。
勿論あれをそのまま再現なんて不可能だからほぼほぼ嘘なんだけどね。
…やっぱり厨二病が再発したかもしれない。
まあいっか。帰れば治るでしょ、多分。
後は詠唱か……まあこんなとこでしょ。
確実に再発しつつある厨二病をフル回転させながら考えた死ぬほど恥ずかしい詠唱をノリっノリで答案に書き込む。
これ端から見たら……というか、元の世界で考えたら完全にアウト、黒よりの黒だよね。
やば、どうでもいいこと考えてたら時間がなくなってきた!
私は急いで詠唱を書ききって筆(鉛筆)を置く。
そして都合よく?時間制限を告げるチャイムが鳴ったので回答用紙を提出する。
…よし、早速校庭に向かおう。
校庭に向かうと人が沢山いる。
まあこの学年だけでも320人いるしね。
だから学年事に武芸の時間はずらしている。
その性で試験中校庭から爆音が響く事があるのが玉に瑕。
まあ私も私のやりたいようにやるから他の学年のことなんて考えないんだけどね。
このテストは名前順じゃなくて何かの法則性で順番が決まってるらしい。
何故か最後だし。因みに私の前はアリス。
これ絶対に被害が出そうな順番に並んでる。
皆が試験の方へ集中してるのでこれ幸いと『
そしてポーションを時間の許す限り飲む。
ポーションドーピングでmpを回復させていざ試験に挑む。
まあ私は順番的に午後だからまだ暇なんだけどね。
…午後4時になった。
ちなみに4時になるまではそこら辺でアリスやセリアと話していた。
セリアはこないだ覚えた属性を使って4属性混合魔術みたいのを使ったらしい。
なんか普通に強そう、いいなぁ。
…アリスの番…つまり次が私だ。
こんな時間だし皆教室の中に引きこもると思ってたのに急に人が増えた。
明らかにアリスがやらかす事わかってるからでしょ。
「まずは魔術の実技だ。問題用紙に書かれてある通りに新規の魔術を使って貰う」
ん?何か見たことある…あ、ギルマスじゃん。
久しぶりに見た。
アリスは魔術の詠唱をする。
「……天からの裁きよ、其方に天罰を…『
いつもみたいな妙に味気ない魔術名に反して……というわけではなく、今回は普通に『模擬雷』って言ってる。そのお蔭か、いつもより大賢者感が増してる。
そしてギルマスの真上に雷が落ちて…それをギルマスは剣で払う。
何これ、どっちも頭おかしいじゃん。
私は何を見せられてるの?
「殺す気か!」
「…死なないと思った…」
「まあいい。それじゃあ次は武芸の試験…いいな?」
「…どっからでもどうぞ……」
「じゃあ遠慮なく…!」
そう言ってギルマスはアリスに飛び掛かる。
それを最小限の動きで避けてその隙に色んな属性の剣を作る…それも私と戦った時とは別で合計20本。
そしてその20本を上手く駆使してギルマスを追い詰める。
それでもギルマスは対抗して何か魔術を使いながら剣を壊す。
でも壊した側からアリスが新しく補充する。
アリスのmpは武器なしの私のmpより多いからあの剣ぐらいじゃあ合計100本位作れるんじゃない?
そうするとどう足掻いてもアリスの勝ちだけど…
「終わりだ!これは模擬戦じゃねえ、あくまで実力を見る目的だ」
そう言って強制的に終わらせた。
アリスも素直に剣を消し校庭の中心から離れ…る前に一言だけ遺して去る。
「…次は私より奇想天外だよ?」
………ならいよいよ私の番か。
苦虫潰しの
「お、ハナじゃないか。まさかこんな所にいるとはな」
それは完全にこっちのセリフなんだよなぁ。
今度ギルドに顔見せでもしようかな。
「それにあの第二王女様から奇想天外って言われてんだ。その実力見せて貰うぜ?」
「こんなとこの試験監督に来るなんて相変わらず暇なの?」
「暇だよ!悪いか?」
あ、開き直った。
まあいいや。
懐かしくも安心感のある会話を繰り広げながらほがらかに試験は始まる。
「ならまずは魔術のテストだ…って説明いるか?」
「聞き飽きたしいらない」
「まあそうだよな。じゃあいつでも好きな時に撃てよ」
「じゃ、遠慮なく」
いつでもどうぞ、と言われたので私は
「私は神術の末端へと踏み込む」
私は眼を閉じて周りの魔素をギルマスの周囲へと集めるイメージをする。
「そしてその未知を、力を、術を全て一点へと注ぎ込む」
その魔素に付与する形はあの恐怖。
「人の子よ、荒ぶる魔物よ、その差異なく恐れるがいい」
『孤神の球体破片』でもあの本体でもいい。
どちらにせよ人類には到底辿り着かない領域だから。
「これこそが恐怖の神髄!」
私は眼を開きギルマスを見つめてその魔法を宣言する。
「『
因みにこの魔法は詠唱をしている間とても恥ずかしいという致命的な欠点がある。
まあそれを補って有り余る効果があるなら良いんだけど……
さあその効果は……予想通り絶大だ。
幾らギルマスとはいえあの『神』相手ではSANチェックに失敗するらしい。
…虚弱とかほざいてるのにmp50000も使った件については…まあいっか、そういう物だ。