『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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106◇異常狂人の英雄と凡夫不当の精鋭達

◇

という訳で自分の部屋に帰って来た。

明日の教科は…歴史と数学か。

数学はいいや。歴史だけやろう。

これが王者の余裕、数学なんて所詮数字の塊ですよ!

私は人類の積み重ねてきた叡知を学ばねばならんのだ!

 

…っと、その前に疲れたから1時間だけ休憩。

それにしても試験で生徒に怪我を負わせるってどういう事?(自分を棚に上げる)

 

まあ確かに私も色々やらかしたよ?

でもあそこまでやる必要は…

 

(模造とはいえ神の恐怖を与える)

(燃えているメタンハイドレートを四方八方から飛ばし捲る)

(試験中に謎の公演を始める)

 

…あながちやられても文句言えないなぁ…特に最初の。

……歴史の勉強やろう!(話の方向転換)(天啓)

 

◇

 

歴史の勉強終わり!

それにしても色々あったんだなぁ。

まあそりゃそうか。

…個人的にはクロルマや天整統さんの時代についてはやらないのが気に入らない。

まああれは歴史っていうより神話だからしょうがないか。

 

という訳で今日は寝ようかな?

やっぱ止めた。

宮廷魔術師団員の訓練場所行こうっと。

地味に『追憶の世界(ロスト・ワールド)』は解除されてないわけだし。

まあ忘れてただけ、とも言うけれど。

 

 

はい、やって参りました訓練所。

一応夜なのに人多いなぁ…

知ってる人を探す……あ、あの時の雷属性の人だ。

 

「おーい、そこの雷属性魔術使える人こっちに来てくれない?」

 

名前を知らないので少し変な感じになってしまった。

 

「ハナ様、いらっしゃったのですか」

 

お?何か待ってたみたいな言い方。

どうしたんだろうか。

そうだ。一応宮廷魔術師団員達には威厳を持って接した方がいいんだった。

危ない危ない、ロールプレイは徹底しないと。

 

「どうした?」

 

「連携の出来を確認してほしいのですが…」

 

「わかった。何分後に始める?」

 

「騎士達にも召集をかけるため30分程で十分です」

 

「わかった。それじゃあ30分後に始めよう」

 

…え?騎士達も来るの?

今の内にmpを出来るだけ回復しよう。

最近mpポーション中毒な気がする。

今日だけで何本飲んでるんだろう。

あ、今日のこれは普段のより少し甘い……む、その次は苦めか。

個人的には甘いほうが……

 

ま、まあそれでも飲むんだけどね。

だって負けたくないんだもん。

…もしかして「~だもん」ってもう年齢的にキツイ?

……年の瀬には勝てなかったよ。

まあまだ(本来なら)高校生だし?

ギリギリ許容かな?

…やめよう。不毛な考えだ。

女性、みんな、13歳。おけ?

 

さて、そろそろ30分か…な……

私の目の前には合計200人位いる。

まじで?

私は万全じゃない上ある程度連携できる人達とこの人数で?

 

…やってやろうじゃないの!

人数差が何よ。

人間は量より質なのよ。

昼にギルマスにこけにされた(されてない)恨みを晴らしてやる!

 

「本気を出して下さい」

 

よし、神域とかの許可が出た。

 

「それじゃあ行くよ…3…2…1…0!」

 

0!って1では?

そんなどうでも良いことを考えながら模擬戦が始まる。

 

「神域『科学式論理体系の世界(ロジカル・ワールド)』!」

 

周りを夜にして重力を5倍にしてから神域を発動させる。

取り敢えずこれで宮廷魔術師団員は無力化出来たはず……出来てない?

 

魔術は使えてないが普通に立ってこっちに来る。

どうやって?そしてなんで?

原因の究明より取り敢えず目の前の出来事に対処しなきゃ。

 

「ほい、追加」

 

…重力を20倍にする。

良かった。宮廷魔術師団員達は無力化出来た。

でもこの魔術を使うために一旦神域の方を解除した。

そして案の定その隙に何かに勘づいた宮廷魔術師団員の一人が気付く。

 

「どうやら魔術の使えない結界は自身にも適応されるらしいぞ!」

 

ヤバっ、バレた。

という訳で仕方なく神域を解除する。

神域では騎士はどう足掻いた所で倒せないからね。

あ、勿論神域『科学支配世界(オーバーロジック)』は別。

でもあっちはあっちで範囲の問題があるし。

後あれは奥の手だからあんま使いたくないっていうのもある。

散々使ってるから奥義感は全くないけどね。

 

後重力の増加は私の想像力の都合で20倍が限界。

これ以上で想像できるっていうと後はブラックホールかな?

まあ流石にそれはmpも圧倒的に足りないし、この星が壊れるだろうからやらないけど。

 

さて、どうした物か。

今の状況は私に凄い不利だ。

宮廷魔術師団員は騎士に魔術でバフを掛けている。

それでその騎士は私を目掛けて攻撃する…

しかも連携が取れており予備戦力を残したり裏に回っている人もいる。

 

そう、これこそが本来の戦闘だ。

こうやって強敵相手にも作戦を立案して全員で立ち向かう。

私が元の世界に帰ってからも続けて欲しい物だ。

 

一人の強敵、はたまた異常者ともいうけれど、そんな狂人に対してできる限りの対策を積んで、積んで、そして打ち倒す。

『英雄』とは全く別の存在。

宮廷魔術師団員や騎士団というのはそういう存在。(byアリス)

 

…でもまだ負ける訳にはいかない。

まだ追い越される訳にはいかないなぁ。

 

mpは…ギリ50000ある。

よし、やるか。これで決めれなかったら残りmpは52だからいよいよ終わりだけどまあ…大丈夫だろう。

今回は人数が多いので効果が分散しそう。

だから少しでも火力をあげようときちんと(自作)詠唱をして効果を上げる。

 

「私は神術の末端へと踏み込む」

 

私は眼を閉じて周りの魔素をこの空間へと集めるイメージをする。

 

「そしてその未知を、力を、術を全て一点へと注ぎ込む」

 

その魔素に付与する形はあの恐怖。

思い出すだけど総毛立つ、おぞましい恐怖。

 

「人の子よ、荒ぶる魔物よ、その差異なく恐れるがいい」

 

その恐怖は『孤神の球体破片』による物でもあの本体による物でもいい。

あの時の恐怖を、恐慌を、震えを思い出して…

 

「これこそが恐怖の神髄!」

 

私は眼を開き彼等を見つめてその魔法を宣言する。

 

「『恐慌の神縛(カースド・テラー)・虚弱(フェイク)』!!」

 

あのギルマスですら行動不能になったんだ。

一応凄い人(英雄側)らしいギルマスでさえね。

案の定騎士や宮廷魔術師団員に耐えられる物じゃなかったらしく皆一様にその場に蹲る。

 

そして宮廷魔術師団員の一部は自身に魔術を掛けて回復しようと試みるが震えが原因なのか、それとも落ち着いた思考が出来ないからなのか、上手く魔術が発動出来てない様子。

まあ普通の魔術程度では解除できないだろうけどね。

弱体化版とはいえ流石『神』の恐怖だ。

国のトップクラスの戦力達を一撃で行動不能にさせるって…

まあmp50000使うしね。

武器なしだったら最大mp50000とか夢のまた夢だし適性威力なのでは?

そう。全てこの『純白の十字教会(イノセンス・クレルモン)』がぶっ壊れなんだ。

天整統さんの贈り物とアリスの技術がぶっ壊れなんだ。

私単体ではここまではできない。

私って色んな人に支えられて生きているんだなぁ。

そんな事を悟りながら周りを見る。

 

……死屍累々、その言葉が妙に合うなぁ。

お、少しずつ復活して来たらしい。

まあ時間経過で恐怖が薄れたんだろうね。

運良くその人が状態異常を緩和する固有魔術を持っている人だったので、mpポーションを渡して周りの人達を回復させてあげる。

 

 

それから10分位で見事全員が回復した。

………雰囲気が滅茶苦茶暗い。

何ていうか自信の有ったテストで0点を取った様な雰囲気が流れてる。

…やりずらいけど原因は100%私なので私が何とかする。

ロールプレイは続行するけど。

 

「君達はよく頑張った。私をあそこまで追い詰めてついには『恐慌の神縛(カースド・テラー)・虚弱(フェイク)』を使わせたんだ、誇るべき事だ」

 

「でもこんな子供相手に負けたんですよ!俺達の数十年の努力は何処に消えたんだよ!」

 

子供って言われるのはすこし心外だけど言いたい事はものっっすごくわかる。

まあ私が言うと火に油どころかアリスに魔法ぐらいの効果を発揮するから言わないけど。

ぽっと出の子供に二回もフルボッコにされたらそりゃキレるだろうし私ならまず殴りかかるわ。

っていうか騎士も宮廷魔術師団員も20代から50代位まで割と幅広いんだね。

 

「私は異常だ。それは自分が一番良く理解しているつもりだ。そして他人の気持ちも理解出来ていないという自負がある」

 

私はそもそも異世界出身だから魔術や魔法がありふれた世界の人とは価値観も考えも大分ずれている。

それにアリスが言っていた様にこの世界にとって私は異物だしね。

 

「でも異常な私だからこそ出来る事がある。私は君達に試練を課す事が出来る。私は君達に命の危険を体感させる事が出来る。これは異常な私だからこそ出来る事だ」

 

そう。この人達は仮にもこの国の防衛のトップだ。そんな人達が団結した時倒せない物なんてほとんどないだろう。

それこそかなり強いエネステラでも死者を0に抑えられるだろう。

でもそれで慢心しているといざ問題が起きた時…例えば戦争とかで被害が出た場合狼狽えて何も出来なくなるだろう。

そしてその慢心や狼狽は強いからこそ起こる物だからこうして今の内に何回か負けておく事が重要。

私も偉そうに言ってるけど、アリスがいなかったらかなり慢心してたと思う。

それに今日も調子に乗ってたからギルマスから攻撃を受けたわけだし。

 

「だから私は君達に試練を課すつもりだ。そして『恐慌の神縛(カースド・テラー)・虚弱(フェイク)』は本来使う予定のなかった魔法(・)……そう、私の中でも奥義の一つの魔法だ。つまり君達は私の想像を遥かに超えた。それは私が保証しよう」

 

それに『恐慌の神縛(カースド・テラー)・虚弱(フェイク)』も今日作った魔法だったから昨日呼ばれてたら負けてた可能性もある。

 

「だから君達は落ち込む事はない。集まり、そして私(異常者)と同等に戦えたんだ」

 

いわば、レイドバトルみたいなものだ。

最初は手札も戦力も足りず、難易度が壊滅しているエンドコンテンツ。

まあそこまでは行かないにしろ……そういう部類のタイプの戦闘だ。

でもレイドバトルは戦力の増加と、時間の経過に従い徐々に格を落としていく。

最初は苦戦に苦戦を、死闘を繰り広げて辛勝していたバトルも、最終的には素材集めのように周回されるようになる。

…まあ周回されるまえに私は帰りたいから、期間限定イベントのほうが近いかもね。

 

「つまり私と君達は同じと考えられる。なら人数を増やすでもよしら一人一人の戦力を上げるでもよし。そのどちらかを実行すれば私を倒せる様になるだろう」

 

「そう、君達は伸び代が無限にある。それに対し私はあまり伸び代がない。現時点で仮に私の方が優れていたとしても1ヶ月後、2ヶ月後はその関係が逆転していても何もおかしくない」

 

私の戦闘能力の異常さはある意味知識チートの産物だ。だから最初のブーストはすごくても、ここから延びにくくなる。

現にlvはここ最近上がっていないし、新しい魔法も、今までの魔法の改良で、本当の意味での新しい魔法は使えるようになっていない。

 

「その証拠に数日前は何も出来ずに負けていた君達が今は同等に戦えていただろう?」

 

そう言って励ます。

それに付け加えるなら、私は最初から魔法の詠唱を終わらせてた。

つまり最初から私有利のフィールドで戦ってた訳だ。いわば相手の陣地で戦っているようなものだ。

それでほぼ引き分けなんだから現時点では実力でもあっちの方が勝ってる可能性だってかなりある。

 

大分雰囲気も元に戻って自信が着いたみたいなのでここで一回締める。

 

「私が倒せる様になれば他の国や賊なんて全く怖くない。そうでしょ?」

 

「ということでこれからも鍛練に励んで頑張って」

 

そう言い残して私は自室に帰る。

これで成長してくれればいいなぁ。

どうせ私は異物だ。だから私なんかに心が折れずに成長してくれたら嬉しい。

 

凄く偉そうなことを言ったけど、あの発言自体、私自身への戒めでもある。

一騎当千でも、英雄でも殺す方法はある。

数で囲む、守るべき者を壊す、裏切り……本当に色々、ね。

 

 

 

 

…少しだけ歴史の復習しようっと。

 

 

それじゃあ今日も1日お疲れ様でした。

お休みなさい。

 

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