『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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107◇試験の終わりと大天使アリスエル

朝!

適当に日課の散歩をこなしてから学校に行く。

今日は武芸みたいな時間のかかる科目がないから午前で終わりだしその後何しよう。

まあ終わってから…あ!洗濯の!

…思いがけずにもやる事が決定した。そのために今日のテストも頑張ろっと。

 

という訳で最初は歴史。

開始の合図と同時に問題用紙を捲る。

風の噂で歴史は時間がきつめらしいので割と早めに解く。

大問一は最近の話…つまり時事問題か。

あ、魔銅の問題もある。

そういえば魔銅については一部公開したんだっけ。

流石に王族や上位の貴族までが洗脳されてた事は伏せられてたけど。

私が報告した(アリスの報告書で)あの人型の…エネステラと融合した奴について問題になってる。

 

 

(4)古代呪怨コズミックグラウンドの出現の際に『強制執行:強敵察知型魔法』が発動されましたがその発動時に表示された危険度は何でしょう。

 

(5)『強制執行:強敵察知型魔法』に示される危険度を安全な順に全て記せ。

 

(6)『強制執行:強敵察知型魔法』に示される危険度の中で最も危険とされる物の例を示せ。

 

 

(4)は…keterだったはず…これって『keter』って書いた方がいいのか『ケテル』って書いた方がいいのか…

まあどっちも書いておくか。

 

(5)は昨日覚えた!

Issue(イシュー)

Euclides(エウクリデス)

Markt(マルクト)

Disaster(ディザスター)

Keter(ケテル)

Catastrophe(カタストロフィ)

の順番だった。

確か最初のエネステラ、融合人形エフェミルドールが二番目、あの魔銅の奴は融合前が4番目だったはず…

 

(6)は昨日見たけどやばかった。

確か一例しか確認されてない。

その一例がすごいやばいんだけどね。

もしエネロジスティクスを相手取るならいつかは倒さなきゃいけない相手なんだろう。

まあ関わる前に帰るのが一番ではあるけど。

 

─『原始怪奇・エネステラオリジン』

当時…って言ってもクロルマの時代よりも前。

魔法文明の真ん中らへんの時代に出てきたエネステラ。

当時はD.E.I.狩りが流行ってたらしく地下を掘り起こして無理やりエネステラを出現させたりしていたらしい。

そしたらある時とある国の王都でこれが出てきたらしい。

一晩にしてその国は滅びて…当時世界各地にいた英雄達を大量に犠牲にして『何処かに追いやった』。

そう、追いやっただけなのだ。

あの魔法文明の時に全力でかかって追いやるのが精一杯なエネステラを今の世界は対処できるんだろうか。

…まあ各国で色々対策はされてるらしいけどね。

 

その能力は強大な物である…らしい。

伝わってる能力の一個がこれ。

《原始怪奇》

敵対している人の魔法を暴発させるっていう能力。

確かにこれなら苦戦するだろうけど…

って今はテスト中!

そんな細かい事を考えてる時間はないの。

 

大問二は…

 

 

…大問六で終わりか。

それで問題は…?

以下の文章について自由に考察し自分の意見を述べよ?

 

──

この世界には特殊職業という物が存在する。

知っての通り【勇者】を筆頭に6人存在する。

【勇者】は現在無限迷宮にて鍛練していることが判明している。

【教皇】はソルム神国の最上位の地位に就いている。

【占宙者】は5年前に老衰での死亡が確認されている。

この様に特殊職業を所持する人達は話題性が高く注目されがちである。

一方【大賢者】や【救聖女】や【魔王】は手掛かりが全くなく、現時点で世界に存在するかも不明である。

前代【救聖女】は15年前の死亡が確認されたため現在存在していても幼年だろう。

【魔王】は60年前に目撃されたのが最後となりその先の情報は掴めていない。

しかし【魔王】という職業は寿命が極端に伸びるため現在も存命の可能性が高い。

では【大賢者】はどうだろうか。

──

 

…思わずアリスの方をちらっと見る。

そういえばアリスは職業を賢者って言ってるんだっけ。

賢者と【大賢者】はかなり差があるらしい。

【大賢者】は他人の魔術をコピー出来るけど賢者はできない。

【大賢者】は自由に魔術の式?を弄れるけれど賢者はかなり限定的だし非効率らしい。

 

さてどうしたものか。

ここで【大賢者】はこの国の第二王女様ですよーなんて書いたら、明日には私の死体が無残な姿で発見されることになるからなぁ。

 

適当に考察するか。

 

 

【大賢者】は魔術や魔法の改良、開発に特化した職業であるので一人で自身の職業を秘匿して魔術改良に励んでいる可能性が高いと考えられる。

しかし【大賢者】がその改良した魔術を理論だけ完成させて実践に使わないとは考えにくいためどこかしらで実験、もしくは披露しているとも考えられる。

よって公的に実験や改良に取り組むために何処かの国の宮廷魔術師や名誉教師等の魔術に関する研究をしていても不自然でない職に就いていると考察が出来る。

しかし【大賢者】に成った者が貴族等の自身で稼ぐ必要のない身分だった場合更に特定が困難になる。

彼等は態々新しく職に就かずとも立場が安定しているため上記の様な職業に就かず自身の家に実験用の場を作っていると推測出来る。

なので真面目に【大賢者】を捜索するならば『変わった魔術』や『変わった魔法』の情報に敏感になりその噂や情報を掴んだらその場所に行き聞き込み等をするという地道な作業の繰り返しとなるだろう。

主観的な意見が入るが私としては捜索はしないほうが良いと考える。

これは【大賢者】のみならず特殊職業全般に言える事だが特殊職業というのは強大な職業でありもし申告すれば各国から注目の的となるだろう。

しかしその場合特殊職業を得た人に自由はあるだろうか。

仮に【大賢者】を得たが本人は商人をやりたいという人がいたとする。

もしその人が自らが【大賢者】である事を公にすればその人が商人になれる事は恐らくないだろう。

何も全ての特殊職業所持者がその職業通りの職に就きたいかといえば違うのだ。

よって自己申告しない特殊職業所持者達はこういう事情や考えを持ち合わせている可能性が高いので国の都合で無闇に捜索するというのは得策ではないと考えられる。

又、最悪の可能性として国からの圧力に嫌気が指し敵国への逃亡等の事例が推測されるためそうなった場合世界に6人しかいない特殊職業を敵に回すことになり形勢が不利になることは容易に解る他、他国からも自国の国民からも特殊職業が逃げ出した国として国の威信が落ちる事となるだろう。

そのような事情も鑑みると無闇矢鱈と捜索しない方が良いと考察出来る。

 

ここまで書いたところで時間が来てしまった。

まあまあ書けたんじゃないだろうか。

後前半で意図的に隠した部分がある。

『宮廷魔術師等の職業に就いている可能性が高い』

『貴族の場合…』

等々。

意図して王族の話を書かなかったし地道さや無駄さをアピールしてアリスが【大賢者】だってバレない様にした。

 

さあ次は数学だ。

さっきと同じ様に開始の合図で問題用紙を捲る。

大問1は…ただの計算問題か。

 

大問1

以下の方程式を解け。

(1)x^3+x^2+x+1=0

(2)(x+1)(x+2)(x+3)(x+4)-24=0

(3)x- 1/x=1

 

簡単…って言っていいんだよね。

元の世界なら進学校の高1位でしょ。

まあかく言う私も(一応本来は)高1だから油断はしない。

(1)は両辺に(x-1)を掛けてから考えると上手くいく。

勿論x=1で与式が成り立たない事は確認する必要があるけど。

だから(x-1)をかけると(1)の問題文はこんな感じになる。

(1) x^4-1=0

つまり4乗して1になる数の内1以外を答えればいい。

まあx=-1だよね。

複素数は…問題文に書いてないし考えなくていいよね。

 

(2)は普通にやれば

(x^2+5x)(x^2+5x+10)=0

になる。(説明放棄)

だからx=0,-5になるね。

 

(3)はx=(1±√5)÷2だね。

単純に両辺にxかけてから二次方程式解くだけ。

 

やっぱり簡単だなぁ…でも親とかにやらせると出来ない!とか判らない!って言われるんだよね。

こんな簡単なのに…しかも高校卒業してるから一回習ったんだよね?

という訳でそれを疑問に思った事が昔にもあって家族に聞くと『授業を真面目に聞いてなかった(父)』

『20年以上やってないから記憶に微塵も残ってない(母)』

『こんなの簡単じゃん(祖父1 祖母1,2)』

『まだ出来るけれど大多数の人は出来ないだろうねぇ(祖父2)』

 

…なんか一部おかしい気がするけどなんとなく理解した。

普段使わないからかそれとも当時聞いてなかった(or付いていけてなかった)から出来ないのか…って納得したのを思い出す。

 

因みに1年位前、両親に数学楽しい…数学楽しい…って言いながら問題集解いてるのを見られてから妙に視線が優しくなった。解せぬ。

 

さて次は大問2だ…

 

 

はい、やって参りましたラストの大問。

各教科どれも最後の大問は頭おかしかったからね。

…そういえば国語はまともだったっけ。

まあいいや。

 

大問6

(x-1)^2+(y+1)^2+4z^2=9 とする。

その際にx+y+zの最大値最小値を求めよ。

但し途中式や解答までの過程も詳細に記述すること。

 

まあまあ難しい……のかな?

でもバカ難しい訳でも頭おかしいわけでもない純粋に難易度の高い問題だから平和。

という訳で記述タイム。

 

aベクトルを(x-1,y+1,2z)としpベクトルを(1,1,1/2)とする。

又aベクトルとpベクトルの成す角度をθとする。

x+y+z=(x-1,y+1,2z)・(1,1,1/2)=3×3/2×cosθ

よって最大値は9/2 最小値は-9/2。

これで終わり。

 

…僅か5行で終わる最終問題とは。

まあ簡単なら簡単でいっか。

 

そういえば採点結果は明日出るんだって。

爆速採点だけど教師陣は寝てるよね?

320人×3学年分の採点でしょ?

……闇が深そうだしやめとこう。

 

 

はい、学校が終わったので自分の部屋には帰らずに、ある場所へ向かう。

そう、散々引き伸ばされた洗濯確認。

今日こそは確認してやる。

部屋に行かないんだからローズさんに仕事で止められることも教皇からの情報提供が来ることもない。それにセリアとも鉢合わせないだうし。

今度こそは……

 

「……試験どうだった?」

 

わ す れ て た

一番の障害(親友)を忘れてた。

 

「…確認したい事がある…」

 

これは…ダメみたいですね。

まあ次の機会に保留かな(悲しみ)

 

「どこで話すの?やっぱりアリスの部屋?」

 

「…まあそうだね」

 

確認したい事…何だろう?

あ!あれか。

あの【大賢者】の問題。

あれの話かな?

 

「…あれ…何て書いた?」

 

「あれって特殊職業のやつだよね?」

 

「……そう」

 

「あれは確か…」

 

私の覚えてる限りは話した。

要するにちゃんと誤魔化したよっていう報告。

 

「…ありがとう」

 

「そんなことないよ、親友だもん。当たり前だよ」

 

「…重ねてありがとう…」

 

や さ し い せ か い

まあこの件は一回隅に置いといてこれで用件が終わりなら…帰って洗濯を……

 

「…それで……」

 

アリスの表情が少し真面目になる。

何の話だろうか。

あれ…あの神の話?

それとも私が倒れた時の…それか…

あれ?思い当たる節が多すぎるぞ?

どれが来てもいいように私は身構え────

 

「…お金の事なんだけど」

 

予想斜め上に現実的な話だった。

 

宮廷魔術師第六席(カタセ=ハナ)の月給は金貨20000枚…かなり高給取り…」

 

「まあそうだろうね」

 

国の戦力の要である宮廷魔術師に寝返られたら辛いからね。

だから死ぬほど好待遇にするのは納得。

 

「…ハナの場合ポーションだけで金貨10000枚分使ってる…」

 

え?マジですか?

まあしょっちゅう飲んでるイメージはあるけどそれほどとは…

 

「…もう少し減らせない?」

 

「それはキツい、これ以上減らすとmpが回らない。やっぱり消費mpが多いから」

 

……最近味とかに拘り始めたから微妙に元より高くなってるんだよねぇ。ポーションソムリエェ。

 

「…どうしても?」

 

「これ以上減らすのは無理かな…」

 

これ会話だけみると危ない薬とか煙草とかお酒の依存性みたい。

 

「…ならそれはいい…問題は残り10000枚しかない…」

 

「金貨10000枚ってかなり多いと思うけど?」

 

「…ハナは貴族になったばかりだから判らないかもしれないけど…貴族っていうのはお金がかかる生き物…」

 

「…見栄も張る必要があるしハナなら祝賀会みたいのも開く必要があるよ?」

 

「…その上会場も押さえなきゃいけないし…」

 

「それにハナ自身の屋敷も必要」

 

「え、どうしよう。10000枚じゃ無理?」

 

「…屋敷の前金で8000枚以上…祝賀会は…まあ軽く5000枚かな…」

 

既に10000を越えてる件について。

あ、そうだ。私にはまだ収入源がある。

こんなんでも一応セルグヌ領を治めてるんだ。それに子爵だから…

 

「…他の収入併せてもハナの月給は25000枚ってとこ…」

 

…残り2000枚。

それで緊急用の貯金と見栄(美術品等の購入)をしなきゃいけないのか。

 

…今までで一番切実な問題じゃない?これ。

異世界で一番苦労する問題が金欠って…

序盤とかならまだしも私貴族だよ?

…貴族も実情は辛いものだなぁ。

 

「どうしよう…」

 

「…そういうと思って屋敷はもう押さえたし美術品も買い揃えた…」

 

…この世界には天使がいた。

流石アリス!

略してさすアリ!

私が何も考えずにテストを受けてた間そんな事を考えられるなんて!

……何かむなしい。

何この気持ち…これが……恋?

…違うわ、ただの依存という名の盲信。

恐々、このままだとアリス抜きでは生きられなくなりそう。

はい、なので全力ぇお返ししなきゃ。

借りは作りたくないし……何か出来ること……

私でもこの天使様…じゃなかった。

アリスに出来る事は……まあ元の世界関係しかないよね。

 

歴史の続き?

だめだ。私の記憶の限界が先に来る。

化学とか物理?

私、中学理科(高校の一部)までしか基本できないよ?

数学は…普通にこっちでも出来る。

あれ?もしかしてもうアリスに教えられるものない?

……常識。

それがあった。

それに株みたいなのもないはず…まあ私が『主人公あるあるみたいに株やったことあるぜ!』なんてことはないから詳しくはわからないけど。

後は…テレビとスマホみたいな文明の利器系統。

折角だし私が話せることは全部話そう。

 

 

 

 

諸々まとめて話した。

反応が良すぎて若干引いてる。

何かもう大半を理解したらしく下手したらテレビはもう完成しそうな勢い。

まあ本人曰く放送する番組の調整や普及が難しいらしいけど…それは逆にテレビ本体は作れるって事だよね?

それにスマホとかほぼ説明せずに理解してたし。

一回実物でも見たの?

 

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