『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
◇◆アリス・フォン・トラウィス視点◆◇
『第三幕』
『其は自由に咲き誇る花ではなくとも』
今回は…そういうことか。
もしハナが居なかったら私はどうするのか問う試練。
なら私がセルグヌの中心地にいるのも理解出来る。
そして西側からは魔銅に心酔している人達の叫びが聞こえる。
つまり…ハナの分も私が受け持つ。
だから───
「『
『其は知識の結晶たる賢者である』
『自由は其の手にあらず…されど叡知は其の物である』
『二度目があるならば──』
『知識で、問いに答えるだろう!』
二回目だ。知識は初見の相手以外には有効、知らないの?
…なんてね。
さて、甘い世界を体現しよう。
試練では『知識』を以て答えるとか言っていたけれど…今回に限って私は自由に行く。
「私は世界を観測する者である」
「世界最高の叡知が諸君達に伝授しよう」
「これこそが世界の叡知の一部」
「大いなる書庫の知恵が一つ」
「『
左手を掲げ魔術を掌握下に、
「旅人《アリス》は不思議の中心へと舞い戻る」
「その世界は創られ改変されようとも…」
「不思議の国は不滅である!」
「『
右手を掲げて不可思議を掌握する。
私こそがこの世界での魔術の管理者、アリスだ!
この街全ての魔銅を全て目の前の化け物に収集する。
これで薬を使わずにセルグヌ以外は助かった。
後は本体…もといセルグヌを倒せば終わり。
恐らく試練の難易度から考えるとこれで終わり…なはず。
つまり死力を尽くしてこれを倒す。
魔銅が集まったそれは最早人型をとどめていなく人の様な何かへと変貌している。
腕が6本あり足も4本ある、頭部も3つある。
人外の異形になったセルグヌに哀れみと感謝を覚える。
でもこれは夢の中、試練の中、実際どうなるかはわからない。
だからその気持ちは形式上だけの物。
夢の者に本物の感情を一々感じていたらそれこそ本物に失礼。
それじゃあハナに習って…
「存在しない観客に告ぐ…」
「これより始まるは種も仕掛けも全てが揃う」
「歯車の如く綺麗で狂気的な…」
「そんな演目…」
「篤とご覧あれ!」
私は誰にでもなくその言葉を放つ。
それはセルグヌのためではなくましてや町人のためではない。
私がこの言葉を捧ぐのは唯一人。
私の唯一の親友にして…自由の申し子、ハナだけである。
私はハナと違い世界を創る事は出来ない。
私はハナと違い魔術の頂に届いている。
私はハナと違い目にも止まらぬ高速では動けない。
私はハナと違い幻惑を魅せることが出来る。
伸びてきた13本の銅の棘を一つ残らず見当違いの方向に延ばさせる。
種も仕掛けも全てが魔の力で構成される舞台へようこそ。
手荒く、手厚く歓迎しよう。