『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
私は意を決して扉の外へ出る。
扉から出たら急に警告音が鳴った。
──────────
警告!警告!研究員用パスを所持していない侵入者がA区画2番で発見されました。退去用転移『魔法』を使用し3分後に強制退去を実行します。
もしパスを受け取ってない客人である場合、速やかに職員からパスを受け取って下さい。
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転移魔法!?ってそうじゃなくて3分後に跳ばされるなら荒らせるだけ荒らそうかな。
いや、落ち着こう私。こんな危ないとこ荒らしたらどうなるかわかったもんじゃないからさっきの部屋で隠れよう。
でも何も得られずに上に戻るのもなんか癪に障るから何か持って帰ろうと思い、使えそうな物を探していると…バックがあった。
普通のバックだったら勿論持って帰ろうとは思わなかったけど、どうやら普通のバックじゃないらしい。
「お?」
それを持ち上げて見ると
バサバサ…という音と共に…
なんか色々資料らしきものが落ちてきた。
これ、もしかして『マジックバッグ』じゃない?
中の空間が歪んでるファンタジー御用達の。
まあそれはそれとして…
足元に散らばった資料には何が書いてあるんだろうと思って読もうとした所、3分経ったのか足元に魔法陣が出てきた。
あ、これが転移の魔法陣か。(何も理解してない)
転移の魔法陣って言ってた以上一撃で死ぬ…みたいなことにはならないはず。
転移先で死ぬ可能性はあるけど。
まあどちらにせよ今の私に出来ることは祈るだけだしね。
──眩しい光で思わず一瞬目を瞑り、目を開けると見たことがない…
ここは……ギルドの訓練所、だね。
なんでこんな所に跳ばされた?もしかしてあの転移先ランダムなのかな?
それか何かの理由でここが選ばれてる可能性も…
まあ今考えてもどうしようもないから一回置いておこう。
さて、どうしようか。
今確認したところ、中から扉が開けられないからこの訓練所に閉じ込められてるんだよなぁ。
折角ここにいるんだし少し位使っても大丈夫だよね?
まあ使う前にここから出る方法を考えなきゃいけないんだけど……
それにもし勝手に使ったら使用経歴とか残るタイプだと詰みだからやめておこう。
石橋は壊して渡るんじゃなくて横に鉄橋が出来るまで待ってから渡るタイプなんで。
…え?全然そんな風に見えないって?
……気のせいじゃない?
色々と試してみたけれど、
……微塵も出れる気がしない。穏便じゃない方法を使えば(壁や扉を壊せば)出れる気がしなくもないけど…
ここは
いや、そんな事したら
それにそもそも私のstrで出来るか?いや、できない。(反語)
…ならどうするか。何か今持ってて使えそうな物は、っと。
金貨9枚と銀貨1枚、クレルモン、不死融壊の衣、Fランクのギルド証、異世界転移させられた時からずっと持ち歩いてるメモ帳、そして、さっき拾ったバック。
このバックだけど、やっぱりファンタジーお馴染みのマジックバックらしい。
つまりいくら物を入れても中に入るし重くならない奴である。
まああくまで手提げポーチの形だからこれの開け口から入れられる大きさじゃないとダメだし、それにもしかしたら上限があるかもしれないしね。
今度何かの機会があれば実験しようかな。
というわけで私は今、他の人から見るとバックを2つ持っている。
一つは元の世界でも普通に学校に持っていってたやつ、つまりはこっちの世界では見ない科学製品。
もう一つはなにやら怪しげな場所で使われてたやつ、つまり今は使われてない品。
この二つを持っている人が居たらどう思うだろうか。
そう、変人である。
…ってそんな事はどうでも良くて、ていうかそもそも明日からは一つでいいわけだし。
どうしたものか…本当に役に立ちそうな物がない。
絶望。これが異世界の私への洗礼か……。
いや何言ってんだ私、絶対違うでしょ(真顔)
どうみても自業自得。現在時刻は…時計とかないからわからないけど2時~3時位かな?
…ってことは長くても後4時間、短ければ後3時間位で帰らないと日が昇る。
日が昇ったからといって何かやばくなるとかそういうのはないけど、日が昇っちゃうと今日はもう寝れない気がするし、何より生活リズムが崩れる。
こんなんでも学校に入れたんだから生活リズムくらい整えないと。
……後一応肌にも悪い。この世界の人はあんま気にしなさそうだけど…
それにもし朝になってギルドの職員にバレた場合説明が面倒。
まあそれは最悪事実を説明すればいいから良いけど。
そういえば監視カメラみたいなのないよね?
良かった、なさそう。
…ギルドの受付の人はもう帰ってるだろうしこの付近は商店が多いから声を出しても気付かれない可能性が高い。
まあ要するに……詰んでる。
何か出来ることを増やさないと。
とりあえずmpは余裕あるから3025使って、【土属性魔術】のレベルを上げきろう。
「聳え立つ根源よ!我が意のままに従いて、我が身を護れ!【重複魔術】ウォール!」
案の定レベルが上がって新しい魔術が使えるようになった。
~~
「マッドボール」
消費mp:(飛距離m^2)×(直撃ダメージ)×(直径÷10)
「マッドヒール」
消費mp:(5×回復)
~~
相変わらずの下位互換。
【~属性魔術】作った人?神?はやる気無さすぎでしょ。
後同じ魔術撃ちまくるだけでレベル上がるのも何だかバグっぽいし。
まあいいや。
何か出来ること出来ること…あっ!
残ったmp440でドアをハッキングしよう!
①ドアノブを囲う様に「マッドボール」を発動
②発動する瞬間にめっちゃ回転をかけて鍵を抉じ開ける
③きっとドアがうまい感じに開く
よし、この方法で行こう。
「聳え立つ根源よ!我が意のままに従いて、敵を穿て!マッドボール!」
からの……超回転!!……よし、上手く行った。
多分だけどね。
《固有魔術を習得しました。命名して下さい》
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効果:「マッドボール」等の「~~ボール」系統等の質量を持った魔術にmp50を消費し回転を加える。秒間15回転程度
─────
……また「固有魔術」習得した。
空間制御のやつと「お風呂メイカー」に続く3つ目。名前は…「回転球メイカー」…
いや、これは…流石に自分のネーミングセンスのなさがわかるわ。
じゃあ「スピンエアー」…違うなぁ。
んん…あ、「回転弾丸」。
…よし、それっぽくなった。何気に便利なのが「固有魔術」って長い詠唱がいらないとこだよね。
後ドア開いたから普通に出よう。よし、後は宿に帰るだけね。
これ鍵壊れてないよね…?
壊れてると色々面倒なことになる可能性があるんだけど…
…まあ確認する
神…はこの世界実在しそうだし…あれ、邪神とかに。
さて、と。
予想以上に長かったし想定外の事も起きたけど『深夜の王都を徘徊しようプロジェクト』、これにて閉幕!
うーん、予想以上に疲れたし昼くらいまで寝ようかな。
朝日と共に眠りに入る…
私はいつから夜行性になったんだっけ。
そういえばこの世界って『エルフ』とか『ドワーフ』みたいのいるのかな?
でも試験問題とか見る限り一回も出てきてないからいないのかな?
それじゃあお疲れ様でした。
……おやすみなさい。