『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
「ふむふむ…アリスの【大賢者】を見る限りそういうのは一つじゃないよね?」
アリスは魔法弄りと魔法コピペと……魔法判別の3つがあるから【救聖女】も3つある…と勝手に思ってる。
まあ特殊職業は全部平等だろうしね。
違うとしても【勇者】くらい?
「そうですね。『
こういうのって魔術なのか魔法か微妙なところ。
というか魔法の限定版が魔術だから大まかには全部魔法だよね。
「ちなみに効果は……あっ」
そういえばアリスがいつぞやに使ってた気がする。
気がするだけだから何時かは忘れたけど…まあ名前的に防御系統のやつでしょ。
「どうしましたか?」
「これもアリスが暫定劣化版を使ってたなぁ、って」
「アリスさんは本当にすごいですね」
「でもセリアが一応本家よ?セリアの許可を取ってから使ってほしいよね」
「さすがにそんな恐れ多いことできませんよ」
「でも特殊職業なら頑張れば
実際どうなのかはわからないけど、適当に言ってみる。
アリスは王族+特殊職業だから実際には(権力的に文句は)言えないけど、特殊職業だということを隠してるからセリアが【救聖女】だって名乗りを上げれば……ってところ。
「…微妙なところですね。あっ…」
「どうしたの?」
さっきは私が何かを察したが故の『あっ』を漏らしたのでやり返させてもらう。
「ハナさんになら命令出来るなぁ、と思いまして……」
……そうね。宮廷魔術師くらいになら命令できるね……
やっば。セリアの給料上げたほうがいい?
出してるの私じゃないけど。というか丁寧にもてなしたほうがいい?全力で媚びへつらうの再来?
「セリア様──」
「も、もちろん!命令する気なんて全くないですよ!」
もしこれをアリスが言ったら微塵も信用できないのに、セリアが言ったら全幅の信頼が置けるのはなかなかのあれを感じる。
これが普段の行動ってやつか……
さて、脳内の仮想人格アリスメイトに殴られる前に話題を元に戻そう。
「まあセリアはこの世界初めての……」
言いながら思い出すことになったけど、セリアはこの世界初の友達というか仲間というか同類というか……まあそんな感じだった。
最初に合ったときから紆余曲折あって今の形になってるけど……何と証するのが正しいんだろう。
友達?
……それだと、『弱い』気がする。なんか親友の下位互換みたいな感じがする。アリスとは別ベクトルの関係性だから親友っていうのもなんか違う気がする。
じゃあ仲間とか?
そんな仰々しいものではないだろうし、それに私の偏見だけど仲間って微妙に疎遠な感じがする。
やっぱりゲームでは解散とかするからかね。
なら同類……は、ないね。私みたいな清濁の濁しかないような掃き溜めと仏の擬人化みたいなセリアが同類だとかほざいたら数秒後には桜の木の下に埋まってるわ。
…ほぼ同じ理由から相棒もない。
相棒はどうしても対等かつお互い支え合う感じがでてる。私ばっか助けてもらってるし、色んな意味で私とセリアは対等じゃないから無理。
じゃあ……なんだろう。
私とセリアの関係性を表す上手い言葉が思い浮かばない。
「どうしたんですか?」
「いや、改めて考えてみると私とセリアってどういう関係なんだろうと思ってね」
「……私が言うのもおかしいですけれど、友達や親友……というのは少し気恥ずかしいですが、そういう表現でいいんじゃないですか?」
「いやぁ、まあその通りなんだけど…何か違うなぁ、って」
「そもそも一つの言葉に収めなくてもいいんじゃないですか?人同士の関係性なんて一元化できるものではないでしょうし…」
一元化……たしかに、そうね。
なんとなく言葉…というか分かりやすいカタチになっていなかったから不安になっていたんだろうね。
というかないなら、いつもの私らしく定義すればいい。
そうね……って、私が定義することでもないか。
「さすセリ!」
「どうしたんですか?」
「森羅万象の真理を叫んだだけだよ」
「……えーと、それで何の話でしたっけ……」
あれ?何の話してたんだっけ。そしてどんな流れでこうなったんだっけ。
というか日常会話……もとい雑談ってこういうとりとめのない会話多いよね。
まあそんな感じで色んなテーマが紛れてるから『雑』なんだろうけとね。
でも今は……あれ?なんだっけ。
今後に関わる重要な話をしてた気がするんだけど……
「あ、あれよ。セリアの能力…【救聖女】の」
「そうでしたね……あとは『
……おおう?正真正銘聞いたことないやつだ。
アリスが劣化版魔法を使ってたわけでもないから…そういう方面からの効果予測はつかない。
なら名前からだけど……
『ラエディウルリエスト』?
なんか…うん、すごくつよそう。
いや、違うのよ。脳が溶け落ちたとかそういうんじゃなくてね。
本当に何も思い付かないのよ。
思い当たる節も、天啓もないから見当すらもつかないのよ。
せめて漢字…そう、漢字を知りたいところ。
例えば私の『
…だって『タンゼンシュラウス』とか『ロスト・ワールド』みたいに表記されるんでしょ?
そりゃ見にくい覚えにくい読みにくいの三段活用だよね。
だから予測推測推察できないのも仕方ない……と思う。
「…やっぱり名前格好いいなぁ」
「そ、そうですか?」
そういって照れるセリアを目で愛でながら……お、我ながら上手いこと言った!
……言ってないとか言わない。私のダジャレスキルはゴミだからこれでも頑張ってるほう。むしろ
「だって私は『ロスト・ワールド』とかだよ?」
「『ロスト・ワールド』…私は格好いいと思いますよ?」
そうかな……多分英語に関する感覚の差が影響していると思う。
『
それにくらべて『ラエディウルリエスト』はどうみても英語じゃない……英語じゃないよね?
私の英語力が貧弱で知らないだけ、みたいなことないよね?
ともかく、私の知らない高崇な単語かもしれないけど…まあ単純和訳できなければいいのよ。
もし『聖穢神域』を直訳するなら……『ホーリーダーティーゴッドエリア』…だろうか。
うん、見なかったことにしよう。考えなかったことにしよう。
「それで効果はどんな感じなの?」
「えーと、状態異常を完全に回避する感じ…ですかね」
……うん?
状態異常無効?
この
私はそんなチート魔法ないよ……って言おうとしたけど昔からある『
アリスの大量魔法所持+改変とセリアの回復+状態異常回避と並べる…並べるか?
きっと並べてる、はず。
「さて、そろそろ朝ごはん食べなきゃ…というか仕事しなきゃ」
普通に話が盛り上がって時間を喰ってたけど、仕事しなきゃ。わー、忙しいからシカタナイなぁ。
「ハ、ハナさん?もう少し反応してくれてもいいんじゃないですか?」
「ふぬー、私なんてどうせ一般人ですよー…あ、そうだ」
「どうしました?」
「セリア、明日は来なくていいよ」
「どうしてですか?まさか私が【救──」
「いや、全く関係ないね。単純に…ちょっとやりたいことがね」
「気にはなりますが……ここは聞かないことにします」
「ありがとね……さて、張り切って仕事やりますか!」
そんな感じで雑談しつつも仕事…というか机の上に貯まっている書類を眺める。
……この間に比べると政治関係みたいなのはなくなった。それは嬉しいこと。
だってどうみても私の仕事範囲じゃなかったじゃん。例えば孤児院がどうとかはその最たる例だよね。
……そう、それは嬉しいんだけど……
「なんでこんなに舞踏会やお茶会のお誘いが多いの?というかこれとかマジでなに?」
私がぼやきながら持ち上げるのは…言葉を濁さずに言うなら『お見合い招待状』だ。
いや、我15歳ぞ?日本の法律的にはまだ無理よ?
それにするつもりも全く……というと微粒子レベルで嘘になるかもしれないけど、ほぼない。
というかアリスから貴族に恋愛結婚なんてない、という悲しい事実を告げられた以上元々皆無なモチベがだだ下がりしている。
それに結婚しても、私が帰ったら色々と可哀想だな……とか思わなくもない。
そういえばこれだけ帰る帰る言ってるけど帰れないことが判明したらどうしよう……
まあ、そんなことないか。