『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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天堕のモノより、刹那的永遠に未来を託して
125◇遥かなる遺物と運命の鎖


 

「舞踏会は就任したてで忙しいから断るっ…と」

 

大量に届いてるお見合い、お茶会、舞踏会のお誘いに対して拒否の手紙を書いていく。

 

「ちゃんと書けてますか?」

 

「それはもうばっちりよ。時世の挨拶から始めて時事問題について軽く触れてから本題を回りくどく丁寧かつ婉曲表現たっぷりに水増ししてるよ?」

 

……いや、これは別に悪意を持ってやってるわけじゃないのよ。

貴族同士の手紙のやりとりはこれが平常らしい。

直接的な表現や即効で本題に入るのは『余裕がなく』見えるから緊急……それこそ戦争とか当主交代とかじゃなければダメらしい。

貴族の手紙やら何やらに何かと面倒なマナーがあるのは『余裕を見せるため』だからね。

国を纏める側である貴族が動揺していたり焦ってたりしたら民衆にまで動揺が伝わって云々……みたいな話らしい。

それが特権意識とか差別意識に繋がるのでは?とか思わないわけではないけど、まあ慣習だから仕方無い。

ちなみにセリア調べだから疑う余地はない。

 

そのせいで死ぬほどどうでもいい要件に対して信じられないくらい長い手紙が送られてくるわけだ。

……おっ、これとかその典型例だね。

 

そんなこんなでお手紙(トラップ)を読み、丁寧かつ回りくどく返事を書いていると1日が平和に過ぎていく。

 

セリアは昼過ぎに帰った……というか王宮の侍女としての訓練をローズさんとするらしく、別れた。

アリスには……そういえば今日は会ってないなぁ。珍しいこともあるもんだ。

 

……。

 

沈みきった太陽を背景に決意を……いや、けじめをつる。

 

 

流石に、ね。

 

 

そういえば明日からは学校に行かなくてもいいんだよね?

なら夜更かししても問題ないよね?

美容の敵?肌が荒れる?

………大丈夫な…筈…

自分の頬やお腹を触る。

うん、大丈夫…だよね?

そういえばこっちに来てから体重計ってない…

ふ、太ってたりは…まあ体重計が無いからしょうがない。

私の体重はわからないまま。

私が太ってるか痩せてるかは今まさにシュレディンガーの猫状態にあるわけだ。

シュレディンガーの体重計……

 

まあ1日位なら大丈夫大丈夫。

一通り自分に言い訳をして、ベッドから降りる。

さて、行動開始だ。

こんな時間に動くのはあの時を思い出す。

あの時はエネステラの研究施設に入るはギルドに閉じ込められるは散々だったなぁ。

 

私はこっそり部屋を出る。

こんな時間でも働いてる人はいるらしく所々の部屋から灯りが漏れている。

 

細々と漏れる灯りの中私は城の中を歩く。

中世のお城の中を歩く様はまるで絵本のお伽噺の様な風景でもある。

 

【御伽之城主】……私の魔法の根源。ユニークスキル……

果たして私は城主たり得るのか…なんてね。

 

 

その勢いのまま私は王城を出る。

静まり返る街を歩き、抜ける。

灯りがもったいないのかここら辺一帯真っ暗である。

頼りになるのは上空で薄く光る月のみ。

やっぱり夜でも明るい日本ってすごいんだなぁ…

今や遥か遠くにある故郷に思いを馳せながら街並みを進む。

 

そしてこの街を守る門へと到着する。

流石にここは無人にする訳にはいかないのか警備がいる。

 

…この門を越えるのは…もし私に何かあったら皆が困るだろうから痕跡の一つや二つ残すべきだろう。

私はその門番に近付く。

 

「君、子どもがこんな夜遅くに出歩いたら危ないよ、王都の治安はかなりいいけれどそれでも……ってカタセ子爵様、失礼致しました。こんな真夜中に如何なされましたか?」

 

子供じゃないんだけど…まあいっか。

いつも言ってるような話だけど敬われるのはやっぱり苦手。

その人の個性が……っとその前に。

 

「少し外に出る用事がね」

 

「こんな真夜中にですか?明日の朝方でも…」

 

「私の友達…ね?ちょっとしたお墓参りに」

 

嘘は言ってない。

私の『友達』(の家族の事故原因を)ね?

私の誤魔化しが通用したのか申し訳なさそうに私を通す門番。

君は十分仕事をしたよ……というか騙してごめんなさい。

私はこんな深夜まで働いている門番にねぎらいの言葉を掛けてから外に出る。

 

そして数分歩いて木の影に隠れる。

私は『舞踏城(タンゼンシュラウス)』を使い夜の世界を疾走する。

セルグヌ領まで昔はかなり時間かかってたけど今はあの時計のおかげでaglに+200補正がある。

恐らく太陽が昇る前に目的地に到着するだろう。

 

私は青々と茂る森を横目に街道を走り抜ける。

夜風が私の体を吹き抜け、体が寒さで震える。

もう少し厚着をしてくれば良かったかなと思いつつ目的地へと急ぐ。

 

そういえばこっちに来てからこんなに暇な移動はなかったかもしれない。

基本的に私の側には誰かしらがいた。

少し心細い気がしなくもないけど……それでもケジメは着けなきゃ。

私の遠縁とはいえ、親族がやらかしたことだもの。

 

 

そこから暫く時間を掛けて私は目的地へと付く。

まだ夜が明けるまでは時間がある。

私は呼吸を落ち着かせながらそこらの木に腰かける。

そして私は喉を潤すためにポーションを飲んで息を整える。

 

このままその場に行くと私も彼、彼女達の二の舞になってしまう。

 

なので私は『追憶の世界(ロスト・ワールド)』を唱えて防護服を作る。

生憎あの地震の時の原発の作業のテレビを見てたので再現は容易だった。

 

私はその森に入る。

草を掻き分け邪魔な枝を折って進む。

暫く進むと開けた…いや、木という木が全て枯れ果てた場所に出た。

 

そしてその中央には巨大な機械…ロボットがある。

 

私はそっとそのロボットに近付く。

これが…大昔の技術。

この世界の科学力じゃもちろん、元の世界の科学力ですら作れない浪漫の結晶。

勿論動かそうなんて思っていないが、コックピットの様な場所を見つけたので近付く。

 

《異界者の因子を確認…》

《『転生者専用多機能型万能貯蓄形式魔力充填装置』の所持を確認…》

《『Statice Program』の実行を確認…》

《ようこそ、『異世界の友達』様…》

 

機械音声が響きコックピットが開く。

試しにそのコックピットに入るとそれがコックピットではなく…入り口である事がわかる。

 

中の空間が歪んでいるのかそれとも地下にもこの機体が埋まっているのかわからないがその中はとても広い。

 

すると目の前にホログラム?みたいのが突然出てくる。

 

《私はこの『永鎮』統括プログラムです》

 

《一部機能の破損が見られますが…》

 

私はこのロボットの管理者モドキが現れたので一つ質問する。

 

「それはそうと、あなたは私の助けをしてくれるのよね?」

 

《できる範囲で助力しろとの命令ですので》

 

「じゃあ一つ聞かせてもらえる?」

 

《何なりと》

 

「何でこのあたりに放射線を撒いているの?」

 

《周囲の大気に有害物質は含まれていないとの測定結果が出ていますが》

 

「でもこれの周りは放射能で汚染されてたの」

 

《周囲の大気に有害物質は含まれていないとの測定結果が出ていますが》

 

…多分その測定に難が……!

 

「一部機能の破損って何?」

 

《それは検知できない情報です》

 

「なんで?」

 

《製作者様から機械の進化を止めるためだと言えとの命令が出ております》

 

……なるほど?

 

「その製作者様ってのは?」

 

「天整統霧生様とアンガラ・ジーンルット様です」

 

天整統さん…天整統は知ってるけどアンガラ…何ちゃらって言うのは知らない人だ。

 

「逆に今この機械が出来る事って何?」

 

《測定結果では全行動に支障なしとの…》

 

ダメだこれ。

すごくポンコツしてる。

 

それはさておき、だ。

このロボットどうする?

①壊す

②放置

③直す

さてどれにしようか。

そう考えながらロボットの内部を散策する。

割りと部屋みたいので分けられてて少人数なら生活できそう。

その中でも一際厳重な警備…もとい物々しい扉が付いてる部屋を開け…られない。

 

「ここの鍵はどこ?」

 

《アンガラ・ジーンルット様が所持されております》

 

「予備の鍵とか…」

 

《アンガラ・ジーンルット様が所持されております》

 

…正直使えない。

 

「この扉壊してもいい?」

 

《事前命令内に含有されない質疑を確認…返答不能》

 

あ、ダメだこりゃ。

じゃあいきますよっと。

 

私は『追憶の世界(ロスト・ワールド)』で手榴弾を創る。

 

その瞬間けたたましい警報が辺りに鳴り響く。

 

《緊急事態発生!緊急事態発生!3npの使用を検知!早急な排除を開始!!》

 

あ、まずった。3np……mpを使うのは不味いか。

取りあえず手に持った手榴弾は扉に投げつける。

そしてどこからともなくわさわさと湧いてきたミニ警備ロボットみたいのと対面する。

 

さて、相手は未知の科学製品達。

本来多対一で有用な神域『科学式論理体系の世界(ロジカル・ワールド)』は効果が薄い。

そして機械…しょうがない。大技を一つ切ろう。

イメージするのは灼熱の地獄。燃え盛る太陽よりも熱く、熔け落ちる金属よりも熱い。

さて、相手に行動されると面倒だから先制で行くよ!

 

「『炎焔の束縛(フレイム・ピラー)』!!」

 

魔銅の時とは違い対象が1ではなく多だけどそれでもある程度の効果は発揮される。

 

さて、熱でオーバーヒートしてる間に私は後ろの扉に逃げ込む。

そして空かさずコンクリートで穴を塞ぐ。

がやがや騒がしい外の音が遮断され静かになる。

てっきりこの部屋にも警備ロボがいると思ったんだけど…

 

「統括プログラム?いる?」

 

あれだけ煩かったポンコツ機械音声も聞こえなくなる。

疑問に思いながら部屋の方を向く……

 

 

 

 

 

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