『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

135 / 162
132◇悪夢横丁十三番歪道『天堕』

 

という訳で王都に帰ってきました。

となりのラス…なんとかが五月蝿いけど無視無視。

門番の人…まだ変わってなかったんだ。

夜通しお疲れ様です。

 

「そこの方は…」

 

「ああ、…あれ…そう、拾ったの」

 

流石にスルーしてはくれなく、所在を聞かれる。

あ、太古の昔に天整統霧生やアンガラ・ジーンルットが作った対遡粒子予測機能付属電脳知能-《三永》改良特注特殊型0番-ラストホープっていうAIです。

なんて言った暁には私とラスティリアと巻き添えでこの門番さんがアリスに怒られる。

 

「わ、私は捨て犬じゃないです!」

 

あ、犬ってその時代いたのかな?

この世界では見ないけど…まあでも何処かしらにはいるかな。今度暇な時に教皇にでも聞いてみよっと。

 

「まあそういうわけです」

 

「は、はぁ…?」

 

「まあ私が責任持つんで大丈夫です」

 

「宮廷魔術師であるカタセ様が言うのでしたら…」

 

なんか無理矢理になったけど検問を突破する。

あ、ラスティリアってこのバッグに…何でもないわ。

ラスティリアが急にこっちを睨んで来る。

なにこのAI怖い……心を読む機能でもあるの?

 

「そういえばラスティリアって変形とか出来るの?ロボだけに」

 

「ああ、出来ますよ?帽子型とか…犬型とか…」

 

あ、変形できるんだ。そして予想以上に自由度高い。

 

「変わった所で言えば本型とかサイコロ型…ですかね」

 

まじで何に使うの?

TRPGでもやる?

 

『えーと、この場合どうするんだっけ?ラスティリア、ルルブに変形して?

 

あ、なるほど…ラスティリア。ちょっと1D100振るから変形して。

 

判りました!…コロコロ…61ですね!』

 

…みたいな?なんか嫌だな。

後ラスティリア本人の分だけズルされそう。

そもそも本型って中身どうなるの?

2、3秒考えてだけで地獄みたいな想定図が脳からあふれでてくる。

 

そんなどうでもいい妄想を横に置き目の前に近付いてきた王城に考えを戻す。

さて、王城の警備は…まあそのまま突っ切ればいいか。

 

「因みに今帽子型に変形できる?」

 

「出来ますけど…ここらへんに部品を散らかしますよ?」

 

あ、ダメか。

こういうときだけ謎に質量保存の法則が適用される…

あれだけ魔法とかでガン無視してたのに……『追憶の世界(ロスト・ワールド)』を見習ってほしいところだよね。

 

王城の警備員には友達ってことにして通してもらった。

さて、今日からは学校に行かなくても良くなった訳だけど…

 

「え、マスターって貴族だったんですか!?」

 

つねっていいかな。というか殴っていいよね?

 

さて、何しようかな…日課の散歩はここまで歩いて来たわけだし十分運動になってる。

 

「うわぁ!この絵画とか高そうですね!?幾らですか?」

 

ギルドもついこないだ行ったばっかだし…

セリアの家でも……うーん……

 

「わぁ!このベッドふかふかで気持ちいいです!」

 

「ちょっと黙っててくれない?」

 

軽いじゃれあいのつもりでドン、と軽く…軽くね?押す。

すると予想より軽かったのか、それとも何らかの別の理由かでラスティリアはベッドの方向に倒れる。

予想外に倒れられたので私はそれに釣られてベッドになだれ込み……

そして、私は丁度ラスティリアをベッドに押し倒す格好になる。

 

あうあー、(マスター、)おういうおおわああ(そういうことはまだ)……」

 

何を言ってるんだろうかこの機械は。

脳内お花畑か?

 

「本日の朝食の用意が…」

 

あ、ローズさん。

 

「私も手伝いにきました!」

 

あ、セリアも。

 

「…ハナ、今暇?」

 

あ、アリス……

 

「失礼しました…」

 

「ごめんね…」

 

「……」

 

違う!違うから!そういうのじゃないから!!

だから、そんな目で!私を見ないで!

待って!そっと出ていこうとしないで!

 

「三人とも、ステイクール!違う、違うのよ。誤解なんだよ。まずはラスティリアについて説明するから待って、話を聞いて、ね?落ち着いて?まずこのラスティリアは拾ってきた……」

 

「ご主人様…私とは遊びだったんですか!」

 

ラスティリア!お願いだから話をややこしくしないで!

あと突然マスター呼びからご主人様呼びに変えないでくれる?話がカオスってきてるから。

 

「ハナ……ここ、王宮だよ…」

 

「待って!アリス!誤解だよ誤解!この子(ラスティリア)とはそんな関係じゃあ…」

 

「ご主人様は私の事、大事にするっていってくれたじゃないですか!あれは嘘だったんですか!?」

 

え…そんなこと……

 

──

「つまり記憶は保持されないってこと?」

 

「そうですね…だから大事にしてほしいです!」

 

「まあ大事にはするよ」

 

「逆にですね…それさえ無事ならこの本体が壊れても何の問題もありません」

──

 

「都合のいいところだけ切り抜かないでくれる?」

 

確かに大事にするとは言ったけど!言ったけどさぁ…

 

 

誤解を解くまでに地味に30分かかった。

ローズさんには退室させて本当の事を話す。

 

「ラスティリアさんはAI?なんですね」

 

「はい!私は正真正銘AIでふっ…」

 

あ、噛んだ。噛む能力が備わってるAIとは。

やっぱりこいつ人間でしょ。こんな人間くさい機械ないよ。

 

「…ラスティリアは…どこまで記憶があるの?」

 

「どこまで…とはどういう意味ですか?」

 

「…昔の…科学文明について…」

 

「そうですね…ほぼありません!」

 

「前マスターが「事前に記憶を埋め込むと悪影響がある可能性がある」とか言ってほんとに基礎的な事項しか記憶…もとい記録はありません」

 

あえて記憶じゃなくて記録と言い直すことで人間的に忘れた…とかではなく正真正銘知らないことをアピールしてる。

ちなみにここに来るまでの道中でこういうときの『ほとんどない』がどれだけ信用出来ないものかを思い知らされてる私からすると、多分かなり知ってる、ということまではわかる。

 

「…セリア、訓練所の予約とっといてくれる…?」

 

「あ、わかりました」

 

?アリスは何をしようと?

 

「…有耶無耶にしようとしてるけれど王宮から抜け出した…」

 

「うっ…」

 

そういえばそうでした。深夜に誰に言うでもなく宮廷魔術師が外出…とか面倒なことになるに決まってるよね。

ぬー、アリスぐらいには言っておいてもよかった……いや、駄目だな。甘えちゃう気がする。

一応あそこにはケジメをつけにいったんだから甘えたら終わりだよ。

 

「…悪いと思うなら実験に付き合って…」

 

「じっけん…何の?」

 

「…呪祟濃度」

 

あ、それも8割方私の責任だ。

なんて言ったら実験(尋問)で1日潰れるから黙秘権を行使させてもらう。

それだけ言い残すとアリスは何処か…まあ訓練所に行ってしまう。

え?待っててくれないの?

まあ申請やらなんやらがあるからだろうけど……

それにセリアも付いて行っちゃうし。

悲しいなぁ。まあ取りあえず……

 

「帽子型に変形してくれない?」

 

「わかりました!─【義体変形・帽子】」

 

物々しい音と共に一つの帽子が出現する。

その周りには多数のガラクタが転がっている。

それらを丁寧にいつものバッグに入れて…

 

「その状態で何が出来るの?」

 

「そうですね…センサーを使って探知機がわりになれますね…あ、後拳銃ぐらいなら使えますよ!」

 

わあ、意外と多機能。

 

場所は代わり訓練所…なん…だけど……

何か人多くない?

宮廷魔術師団員だけじゃなくて騎士もたくさんいる…その上団長達もいる…ここって一応宮廷魔術師団員の訓練所だよね?

気のせいじゃなければ王族らしき人もいるし。

あ、目が合った……?おはよー、的な?

そんな観衆の中でアリスは厳かにかつ可愛く…じゃなくて普段通りの口調で実験を始める。

 

「1…」

 

そう言うとアリスの周りには黒い感じの靄が…『死帯享楽(ファイナル・リゾート)』の時のとは違うけど似たような靄が出る。

 

アリスは自分の掌の上にそれを集めて…

おもむろに私の方へと射出する。

 

「危なっ!」

 

思わず叫んじゃったよ。

そりゃ自分に向かってなんか禍々しい物が飛んできたら避けるよ。

 

「……当たってくれないと実験にならない」

 

あ、これ当たらないと終わら……

そう思った時後ろから呪祟の塊(濃度1)がぶつかってくる。

 

痛……くない?

どっちかっていうと動きにくい…阻害されてる感じ?

試しに腕を上げようとするが…かなり遅い。多少スローモーションかなって位。

 

「…なるほど……2」

 

あ、まだ続けるの。

まあ多少動きを阻害されるだけならいいか…

 

「痛っ!」

 

待って!滅茶苦茶痛い。

hpは…173/573

…『追憶の世界(ロスト・ワールド)』の影響でhpが半減してるとはいえ死にかけた…?

 

153/573

 

133/573

 

113/573

 

…待って、普通に継続ダメージ受けて死にそうなんだけど?

しかも痛みがないせいで余計に質が悪い。

 

「アリス?hpがなくなりそうなんだけど…」

 

「…ごめん…」

 

13/573

 

いや、死ぬ程ギリギリなんだけど。

ごめんで済むなら云々かんぬん。というわけで…

…やられたらやり返さなきゃね。

 

「呪祟濃度3!」

 

アリスのは黒い靄が漂う感じなのに私のは靄っていうより黒い雨が浮かんでる感じ。

 

でもこれをアリスにぶつける訳には往かないよなぁ。

2が直撃しただけでhpが400減ったから…単純計算なら600とか?

行き場を無くした呪祟をそこら辺に漂わせながら質問する。

 

「これどうすればいいと思う?」

 

「……2…」

 

アリスはそう言って呪祟の塊を作り私の塊にぶつける。

すると少し濃くなった様な気がする。

うん、それだけ。

それも気のせいだと思うし。

…ん?アリスが一瞬止まった?どうしたんだろう…

まあ何か考えてるのかな。

 

「…ハナ、何かやって?」

 

「え?」

 

「…騎士と宮廷魔術師団員…今のハナは『追憶の世界(ロスト・ワールド)』…あの凶悪な空間異常の魔法を使えない…リベンジしたくない?」

 

「え?」

 

まず一つ。いつ私が『追憶の世界(ロスト・ワールド)』を使えないことに気付いた?

そして2つ、突然模擬戦とかどうした?

 

「…安心して、私が王家の名を以て負傷者は回復してあげる」

 

「…30分後に…」

 

え?まじですか?

あ、ダメだこれ。皆やる気になってる。

そんなに私が憎いの?

……違うな。

 

「大変な事になりましたね!マスター!大丈夫ですか?」

 

私にだけ聞こえる音量でラスティリアが煽ってくる。

取りあえず帽子を軽くつねる。

 

「痛たたたたっ!な、何するんですか!?」

 

苦情はさておき対策を飲み物…もといポーションを飲みながら考える。

今の私に出来ることは…mpは『舞踏城(タンゼンシュラウス)』使えばほぼなくなる。いやまあポーションちょくちょく飲んでるからそこまで少なくはないか。

 

まあでも…つまり『叡知の図書(グリモワール)』の御披露目が出来る。もとい『叡知の図書(グリモワール)』を使わないと100%負ける、ともいう。

『愚者』と『天地』、『邪悪』を使えば…ワンチャンあるかな。

呪祟でも遊びたいし…?

あれ?この模擬戦って『追憶の世界(ロスト・ワールド)』使ってないから経験値入る?

よし、真面目に戦おう。

 

相手はざっと100人。

注意すべきは……なぜかこの場所に存在している団長4人。

そしてその中でもアルカトスさんは注意する。

前回はほぼ痛み分けだったから…今度こそ勝とう。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。