『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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『少女世界放浪記録』
143◇Re:『無限迷宮』攻略RTA


穏やかな太陽の光とともに私は目を覚ます。

ふぅ……今日も一日頑張るか。

アリスとセリアは既に起きて着替えてる。

 

私も早く着替えなきゃ。抹茶っぽい味のポーションを飲みつつ5分程度で着替える。

 

軽く化粧でもしようかと思ったけどお気に入りの道具を(日本から)持ってきてないからやめる。

まあ正確にはお気に入りになるような化粧道具がこの世界になかった…とも言う。

さて、準備も終わったのでラスティリアを叩き起こして『無限迷宮』へ出発する。

 

 

 

 

 

 

「アリス様…これ追い付けます?」

 

「……まあやってみる…」

 

迷宮に着いたら『光の踏破者』が41階層に到達している…という情報が入ってくる。

 

今回は前回と違ってセリアもラスティリアもいるので1階層からやり直しだ。

…まあ周回しないならそんな時間かからないだろうし。

まあハンデみたいなものだよ、うん。

【勇者】ごとき?異世界転移チートで蹴散らしてあげますよ。

ふははははっ、これが異世界パワーだ!

……大丈夫かなぁ。

 

「ここがかの『無限迷宮』ですか…」

 

「そうだね…まあ最初から緊張してたら後々大変だよ?それに序盤は簡単だから」

 

「ここが《詠歴》ですか…確か、初心者用フロアは100層構成だった気がします…」

 

気になる言葉が2つ程聞こえたけどスルー。

これで初心者用?100層もあるの?なんて疑問がどこからともなく沸き上がるけど無視。

さぁて、迷宮散策に集中するぞ。

 

…って言っても29階層までは一瞬だった。

10階層のボス(イリーガルゴブリン)は言葉を発する間もなく氷の槍で貫かれて絶命したし、20階層のボス(地竜)はラスティリアの銃に撃ち抜かれてぼろぼろになってた。

 

これが…パワーインフレ…っていう訳でもないか。

前来た時もそんなに辛くなかったしね。

あ、一応物語風回想録いっとく?

 

 

─────

私達一行…『夢幻の叡知』、改め『不滅の世界探検隊』は華美な装飾が施された扉の前に立つ。

 

その異様な雰囲気からか、誰かが息を呑む音が辺りに反響する。

 

「それじゃあ行きます……」

 

セリアの一声と共に封じられていた扉は開き、中の景色が露となる。

闘技場のようにも見える円形の戦闘場には異様な雰囲気が漂う。

まるで今から始まるのは格上が格下を一方的になぶり殺す、そんな虐殺劇であるかのような雰囲気だった。

異様な雰囲気に呑まれないようにしつつ、私は一歩、また一歩と歩みを進め、その土の地面に足跡を確かに残していく。

 

四人全員が入り、背後の扉が音を立てて閉まる。

私達が勝つか、それとも全滅するまであの扉を決して開かれることはないだろう。

まさに自然界の掟である弱肉強食をそのまま現世に再現したかのような存在だ。

 

そして、この場の主はゆっくりと降臨する。

緑色の肌を持ち、錆び付いた──されど、それは長年使い慣れたことを意味する、欠落のあるナイフを持つ醜悪な存在。

私がこの世界に来て数日、セリアというかけがえのない人を喪いかけた、その元凶である種族。

 

──すなわち、緑小人(ゴブリン)である。

 

更に言及するなら、その恐るべき緑小人(ゴブリン)は通常種ではない。

その名前に冠された通り、違法な、法外な強さを秘めた存在である。

 

 

つまり。

 

 

その存在がこちらを睨み付ける。

それと同時に魂の何処かが震えたような気がする。

人間が元来より持っている恐れの感情だろうか。

その威嚇により、私の行動は封じられざるを得なくなる。

 

その法外な緑小人(イリーガルゴブリン)は嫌らしく此方を見る。

 

そして次の瞬間──────

 

何処からともなく高速で飛んできた氷の槍がそのゴブリンの喉を綺麗に貫き、そして絶命する。

─────

 

……まあこんな感じ。

え?盛ってる?

ワタシ、ナンノコトカ、ワカラナイ。

……多少、いや、数百倍くらいには盛ったかもしれないけど嘘は言ってない。

それじゃあ次は地竜の───

 

「ここはどんな敵が出てくるんですか?」

 

おっと、物語風回想録なんて作ってる場合じゃなかった。

という訳でいざ!アリスによるvs名前知らない機械解説!

 

「…ここは再生機能付きの機械がでてくる…」

 

「BGMですか?」

 

ラスティリアが何かほざいてるけど気にしない。

 

「その再生機能が働かなくなるまで壊すのですか?」

 

「…違う、ハナにやって貰う」

 

ああ、確かに神域使ってたなぁ。いやまあ言われなくても前回15回ぐらい倒したから覚えてるけどさ。

…それでは改めて、いざ戦闘!

 

ラスティリアが扉を開け私は久し振りにそれを見る。

 

「ここで会ったが16回目!素材を狩り尽くしてやる!」

 

「『舞踏城(タンゼンシュラウス)』…からの!」

 

機械の攻撃を避けつつ詠唱…もとい魔術?名の宣言をする。

……思い返して見れば、あの周回から私のレベル一切上がってないのよね。

だから、というべきか、そのせいで、いうべきか感覚もそのままで良いのはありがたい。

 

「神域『科学支配世界(オーバーロジック)』!」

 

謎の異音がして再生用のコアがこわれる。

私はそれから離れながら攻撃の指示を出す。

 

「じゃあお願い!」

 

「…【理断友専用魔術】『重複詠唱』…『魔術-146-5-1(爆破雷撃)』…『魔術-46-5-1(落雷反射)』…」

 

耳をつんざく様な凄まじい轟音と共に機械が大量の雷に撃たれて崩れ落ちる。

 

これが…正真正銘パワーインフレ…

昔はこんな簡単に倒せる筈じゃなかったんだけどなぁ。

アリスが本気を出し始めたからか。

……でも前回の周回の最後の方ってこんな感じだったっけ?

まあいいや。

 

あ、ポーションドロップうまー

 

場所は変わって31階層。

多少敵が強くなった気がする…正確に言うなら雑魚敵がイリーガルゴブリンとかになってるんだけど……

 

「獲物だぁー!どかーん!!ばきゅーん!!」

 

うちの幼稚園児AIが銃をぶっぱしてるから…うん。

一応罠も増えてきてるんだけど……

 

「ばーん!!…?何か紐みたいの切れた?まあいいや!」

 

「どーん!!…?何か床が歪んでる?避けとこっと」

 

このAIのIQ3って言われても今なら驚かない。

本来紐に引っ掛かったら矢が飛んでくるトラップも遠距離から反応させれば無意味になるし落とし穴もなんか無効化されてるし。

 

迷宮散策っていうより…

 

「ピクニックみたいで楽しいですね!あ、ばーん!」

 

儚くもイリーガルゴブリンの体が撃ち抜かれる。

お前のことは3秒は忘れないよ…

ちなみにラスティリアの一見無限に見える弾丸は私のmpを原料にして作られてる。

だから私はのんびりとポーションを飲みながらこの平和な地獄を観察できるわけだ。

 

まさにディストピア。

なんだこれ。

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