『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
◇◆ラスティリア視点◆◇
「少し数が多いですが…大丈夫です!マスター達はあれの対処に向かってください!」
マスター達には大丈夫って言ったけど…実際の所、勝算は5割か4割…下手したら3割、って位だと思います。
何にせよこれだけの量がいるから、一回壊れたら戦闘終了まで再生出来ない…と思います。
一回壊れたら再生までの間隙だらけになりますから…
つまり、なるべく少ないダメージでここを切り抜けて…あわよくばマスターの手助けを、です!
まあ未来の話を考えていても仕方ありません!
取り敢えずこの雑兵達を蹴散らしてからです!
それじゃあ行きますよ…
「【1型戦略兵器:爆撃連呼】!…からの!【
近付いていた敵を爆撃で吹っ飛ばし、中距離の敵は撃ち抜く。
「おっと!そっちには行かせません、よ!【2型戦略兵器:戦車砲】!」
マスター達の方向へ向かおうとする兵を射撃する。
私は【対遡粒子予測機能付属電脳知能-《三永》改良特注特殊型0番機-ラストホープ】。
対する貴方達は『私達の時代』の汎用型兵士…今、ここで質対量の勝負をしましょう!
勿論勝負は……
「私が貰います!」
私は煙を払い銃を構え、そう宣言する。
◇◆ハナ視点◆◇
ラスティリアが、相棒がそう言ってるので大丈夫なんだろう。
私達は爆音が響く戦場の下、将軍…もといこの場の支配者である武者の下に近付いていく。
ラスティリアの宣言が何処からか聞こえて来た頃、いよいよ至近距離まで近づく。
将軍は先程までとは打って変わって自ら行動はしない。
刀に手を掛けてはいるがその刀が抜かれることはない。
最奥にて、どっしりと構えるのが将軍の仕事だと言わんばかりに。
だが手は未だに刀にある。
恐らくそれが『仕事』なんだろう。
将軍という立場になってしまったが故に無闇に戦場に立てなくなった。
私達はいよいよ彼の前へと赴く。
その表情は苦痛から解放され、歓喜に満ちていた。
近くに仕えていた側近の様な人型…アンデット?も2体出てくる。
「…セリア、二人で本命以外を対処…いい?」
「勿論です!」
「…本命は我らが隊長に…なんてね?」
二人の軽いやりとりを横目に私はひたすら将軍を警戒し続ける。
……まだ動かない。
「…『
「『
◇◆アリス視点◆◇
剣を振るいバリアを張って『将軍様』の側近を誘き寄せる。
……正直この二人は私とセリアだと若干荷が重い。
恐らく1人が攻撃系統の剣技…つまり『
要はその二人と同時に相手取る必要があるわけ。
相手は二人共アタッカー、対する私達はアタッカー…の役割を果たせるのは私一人。
持久力では此方が優勢だけど……押されに押されたらすぐに瓦解する。
でも、負ける訳にはいかない。
私の見立てではあの将軍とハナなら将軍優勢。
そこに側近や雑魚が紛れ込めば確実に負ける!
だから私の役目…いや、私達の最低限の役目は時間稼ぎを…ハナが将軍を倒すまでの時間稼ぎ。
「『
景気付けに一発魔術を撃ち相手の気を此方に向かせると同時に集中を始める。
セリアには後方で指示に専念する様言い、逆に私は相手の目の前に居座る。
「…理を変える賢者と」
「全てを救う聖女の」
「…「その、戦の理を見るがいい」」
「『
「『聖壁創造《ホーリーエリア》』」
私達の戦いはラスティリアの銃撃戦とは逆に粛々と始まる。
◇◆ハナ視点◆◇
アリスとセリアが側近二人の注意を惹き、この場に残されたのは将軍と私のみ。
さて、ここからどうするか…
そう考えた時に将軍は初めて戦いに無関係な言葉を発する。
「──嗚呼、我が文明の悲願はここに成就する」
なんて言った?…この将軍。
『我が文明の悲願』。それは…
「──成らば、これが異形を従えし理外の者共への最期の試練…」
待って、情報量が多すぎる。
「──我を打ち倒して見せよ!」
「──『
『
そこから居合い…ではなく謎の科学力を使い剣撃を飛ばす、という攻撃。
どうみても『刀を抜く動作』はいらないのにそのモーションをする。
それは本人の以前からの癖なのだろう。
だがそれは間違いなく即死級の攻撃であるが故に私も唯で食らう訳にはいかない。
ましてや予備動作があるんだ。防御位は…
「防護壁!」
「───
けたたましい剣音がその場に響く。
ラスティリアの【領域生成:防御陣営】を再現した防護壁だ。まあまあmpは使うけど…
自分の体が寸断されていないことから壁が機能したことを知る。
将軍は燃え盛り、凍てつき、毒と恐怖に蝕まれながらも以前と全く変わらない威力と正確さを誇る剣を縦横無尽に振るう。
他の人達は…まだ余裕がありそう。
アリスとセリアの組み合わせは安定して側近相手に立ち回れている。
どうやら側近は将軍の能力の一部…一人が『
一方ラスティリアはというと、数えるのも嫌になる程いる雑兵を銃の乱射で対応している。時折接近されても【領域生成:防御陣営】やその類いの物できちんと自分を守っている。
恐らくこの中で今一番余裕がないのは私だ。
即死の剣術に当たれば文字通り即死がプレゼントされる。
だから私はこの将軍相手にパーフェクトゲームを成し遂げなくちゃあいけない。
そしてこの将軍だけど…
「大型爆弾精製…からの投擲!」
「──『
私の攻撃が効いてる気がしないのだ。
勿論効いてる筈だけど、少なくとも体調や剣筋に影響が出るほどにはダメージが入らない。
今の私のダメージリソースは先程いれた毒、炎、氷のみだ。
それにそれらの状態異常も無限に続くわけじゃなくて、時期に弱まっていく。
それ…つまり、『恐怖』の解除でこれ以上実力やステータスが上がったら……私が対応しきれなくなって詰みだ。
だからある程度余裕があるうちに札を切っておく。
「強き者には弱者への救済を」
再度使われた『
どうせmpは回復するんだ、思いきって奮発してこう。
「弱き者には強者への期待を」
「──『
『
だがそれは普通の刀による物理攻撃だ。
よって射程はあの刀が多少大きい物だということを考慮してもそこまでなものである。
だから…私は3歩下がる。
「──
「立場を変え、世界を交えどもそれは付き纏う」
「──『
あれは『
「──
それは現在のaglが39000である私でも認識することがギリギリである移動速度。
その移動速度のまま、慣性力すらも利用し切りつけてくる。
でも将軍本人もその速度に対応できてないらしく直線移動しかできない。
だから私は1歩横にずれる。
「──
その宣言終了と同時に将軍の体がブレて見える。
そして次の瞬間には寸前まで私のいた場所にいる。
つまり、だ。
今将軍は私の目の前にいるにいるってこと。
「代償にと適応される罪を見よ!」
「──『
それは言い終わらせない。
私は無言のまま周囲の呪祟濃度を6まであげる。
『
流石に喰らうと不味いものだと判断したのか将軍は後ろに退いてくる。
いいの?
それは私に詠唱時間を与える行動だよ?
おそらく『正解』はそんなもの無視して切りつける行動だよ?
「──
最早意味もなくなった能力を将軍は発動させる。
いや、あっちからしたら意味はあるのか。
まだ私がどんな魔法を使うかわからないからね。
まあそんなに緊張しなくていいんじゃない?
…唯のステータス強化魔法だよ?
「『
aglがこれで
だけどこの状態は後3分…つまり180秒しか続かない。
だからこの3分で決着をつける……というか、つけるしかない。
「──『
『
「──
この将軍が持つなかでも単純にして最強の能力…それどころか剣士の中でも最高峰の能力といっても過言ではないだろう。
だがその強力さ故に打ち終わった後に明確な隙ができる。
それも1秒や2秒ではなく5、6秒程だ。
この世界に来る前の私なら何も思わなかったであろう、その数秒。
その数秒に命と、そしてこの戦いの結末を託して今を生きる。