『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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52◇『科学に象徴』で『魔法な象徴』の貴女が感情も。

 

「私はユリナリア」

 

そう言いながら変な人が入ってくる。

ユリナリア?誰それ。アリスからもらったヤバい貴族リストにはそんな人いなかった気がするけど…誰?そして声的に少女…つまり、私と同じ位の年齢かな。

…私は少女だよ、異論は認めない(確固たる意思)

さて、一人漫才してる場合じゃない。

 

「ユリナリア・ルノメート・ルギエ。今代の【教皇】」

 

うわ、面倒な人が来た。アリスに連絡…する方法ないなぁ…

 

「貴女に神託を与えに来ました」

 

神託?胡散臭いなぁ…そもそも私の家はずっと無宗教だし。

神は実在するっぽいけど本当に神託するならこないだみたいに直接来るからなぁ。

だから───

 

「『神託提示(ディヴァイン)』」

 

あれ?名前的にまじなかん…じ……?

あたまが…うまく…まわらな…く……

 

上手く思考が纏まらない。

これ、神託なんかじゃなくて…洗脳の類いだ!

…お願い、発動して……!

 

「んぐ……神域『科学式論理体系の世界(ロジカル・ワールド)』…」

 

魔法を否定する結界を張り、良く判らない『それ』を弾く。

半分博打だったけど…

これで…上手く…いった?かな。

そうこうしている間に頭が復活してきた。

さて、状況を整理しよう。

自らを『教皇』と名乗る不審者が私の部屋に入り混んできて、『ディヴァイン』とかいう洗脳関係の魔術だか魔法だかを使った、と。

ふーん、そうかそうか。

何故かテンションの上がってきた自分を押さえつけなから詰問口調で問い詰める。

 

「どういう事でしょうか。教皇サマ」

 

教皇様の洗脳らしき物はとめられたけど本人は何も問題なさそう。

一瞬、神域『科学支配世界(オーバーロジック)』に変えようかと思ったけどどうみても範囲不足で、今使っても教皇まで届かない。

 

「…効かない?『神託提示(ディヴァイン)』」

 

何を血迷ったのか…って教皇側からすれば神域が消耗品系統の魔術だとか思ってもおかしくないわけだ。

実際はmp消費0かつ永続的に反魔法結界(まほうしょうめつけっかい)を張るものだけど。

 

「その洗脳はもう聞きません」

 

堂々と言い切る。

自称『教皇』なんだから直接戦闘力はないはず。

だから最悪神域『科学支配世界(オーバーロジック)』と『舞踏城(タンゼンシュラウス)』、最悪は『追憶の世界(ロスト・ワールド)』と呪域『非科学体系の崩壊(アンチマジック・エリア)』でどうにかなるでしょ。

…こうみると私の手札も増えたなぁ。

 

「何故?この力は神から頂いた物…」

 

神、神ねぇ…

正直に言うと、私の神に対する好感度は最低値…ではない。

…正確に言うなら最低値ではなくなった。

それにそもそもの話として…

 

「まず本当に神から貰った物かっていう疑問はさておき…」

 

あの『神』がそんなことするか?

紛い物の、偽りの…精々そんなところでは?

まあでも関係ない。私は変わらず虚勢を張り続ける。

 

「私はこの神域で一度だけ神を倒してる。その神から貰った物で倒せると思わないで欲しい」

 

死ぬほどイキってるけど余裕で倒せますし倒されます。

この神域…ご存知じゃないかもですが、科学的な物にはまっっっったく意味ないんで。

というか私のレベルは高い訳じゃないから、一歩間違えれば普通に殴られただけで死にかねない。

という訳でイキり散らしながらも手が滑ったら即死する状況だから慎重に動く。

それに自称とはいえ、教皇なんて名乗る上に変な力を持ってるからほぼ確定で本物の『教皇』だ。

つまり、目の前にいる相手はどこの宗教かわからないけどその宗教のトップ。慎重に動くに越したことはない。

 

「神にすがれば全て解決するという『傲慢』さを捨てて改心したらどうでしょう…」

 

む?教皇の反応がおかしい。

 

「あ…っ…あ…ぁ…ぁぁぁぁ…」

 

突然教皇サマが地に伏せてしまった。

神を否定されたのがそんなに地雷だった?

いや、教皇ともなればそんな事よくあるはず…落ち着いて考えよう。

どの瞬間に変わった?

思い出すんだ、片瀬花奈。

──私が『傲慢』と言った瞬間に態度が変わった?

…ならもしかして…

今思い付いた荒唐無稽な予想を検証するために声に出す。

 

「教皇サマ、教皇サマ。『強よ…」

 

「お願いだから…お願いだからやめて…なんでもする。この国の王でも傀儡にするし…あ、あの王女でも操る?それか…」

 

──こいつ、今なんて言った?

アリスを操る、とかほざいたよね?

いいよ、そっちがその気なら。

 

売られた喧嘩は超高額で落札してあげる。

その代わり、意地でも商品取り下げなんて許さないからな。

 

「『強欲』、『怠惰』。後は……」

 

「嗚呼…あぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁ…」

 

遂に発狂してしまった。残り4つ…『憤怒』『色欲』『暴食』『嫉妬』は言わないで置こう。

…言うまでもないけど、これは慈悲なんかじゃない。

弱点である4言葉が残ってる方が、これの弱味を握れる。

下手に全部言ったりすると破れかぶれになる可能性があるからね。

つまるところ、だ。

この教皇サマが変な事ほざきそうになったら残りを言えば良い。

…一端落ち着こう。

いや、それは良いんだよ。問題は何で教皇が七つの大罪を言うと絶望もとい発狂するの?

 

「教皇、黙って。他の言うよ」

 

そう言った瞬間教皇は黙った。流石七つの大罪って言っていいのかな?

さて、ここからが交渉本番、本場仕込みの狂気と執念を見せてあげる。

 

「教皇サマ、教皇サマ。今から言う言葉の意味を理解して正しく答えられたら今日の事はなかった事にしてあげる」

 

はい、95%ハッタリです。残りの5%は神に直接頼みに行くっていう方法が一応あるし、もしかしたらってことで。

それにアリスならどうにかできそうじゃん?

まあでも元に戻すつもりなんて微塵もないからあれだけど…

 

「…天仰げ 空高く 今宵 星戻る」

 

あえてかの神話を盛大にパクる…だと万が一があるから即興アレンジを加える。

まあ歌じゃないからリズムなんてないけど。

 

「目覚めよ…世の主よ…封印はすでになく」

 

「至上の星辰と 究極至高の狂喜」

 

「永劫の解放に世を統べる主の目覚め」

 

「星々が誕生せし開闢は今この時」

 

「主は来たる」

 

はい、ほぼ丸パクりした上に省略して改変しました。まああの曲自体二次創作だから三次創作少し位してもいいよね。まあ原本全文覚えてないって言うのも大きいんだけど。

 

「さて、教皇サマ。封印とは何でしょう?」

 

はい、私も知らないんででっち上げます。

 

「ふ、封印?そんな物どの聖書にも…」

 

「なるほど、教皇サマでもご存知ないと」

 

いや、むしろご存知だったら怖いわ。

 

「い、いや、知ってる。封印とは…神より与えられし試練の事で…」

 

「残念ながらそれは不正解です。教皇サマ」

 

怪文書捏造タイム始まるよ。

さて…普段の思考を、平常の論理を隅に置く。

今から垂れ流すのは私の本心と感情部分。

 

「封印とは旧き神よりこの星の支配者に与えられた枷の事でありその旧き神とは万物の不浄の王であり千の顔を持つ無貌の存在であったり全ての時間空間を超越し全にして一であり一にして全である存在などがおられる。逆に星の支配者とはこの世界に幾世相ある星にそれぞれ存在するその星の管理者でありまたその星にある様々な異常な物品を原住民から秘匿したりする役割を担っている存在の事です。しかし星の支配者は旧き神と違い完璧な存在ではないので愚かな事にも暴走してしまう事があります。それを避けるために旧き神達が対策として講じたものが封印です。しかし封印と一言で纏めてもその支配者によって封印した方が良い力や物は千差万別です。ですのでその解除方法も勿論千差万別となります。そして私が読み上げ詠唱したあの詩はその無限に等しい星の支配者の枷を外す方法の一つであります。何故その様な物を私が知っているかと申しますとその説明のためにまず何故そしてどの様にして支配者の枷の外し方が伝わっているのかを説明せねばなりません。支配者というのは旧き神より格段に脆弱な存在ではありますが我々の様な一般人からすると雲の上の更に上の存在であります。なので旧き神と言えども何の代償なしで封印できる訳ではありませんでした。その際に旧き神達が取った代償とは誰かにその方法を伝えるという物でした。そしてその方法が伝わる相手を無作為に決める事でその封印をより強固にしようと考えたのです。そして私は何の因果かその内の二つを知ってしまっています。その方法の内一つが先ほどの詩でありもう1つは七つの大罪と呼ばれる…先程私が話した『強欲』や『傲慢』、そして『怠惰』と言った物を世界に広めることです。その様な訳で私は知っている訳ですがそうですね。教皇サマは世界と自分どちらが狂ってるとお思いですか?まあ教皇サマの意見がどちらにせよ私は世界の方がよっぽど狂ってると思います。何でかって言いますとそもそも魔法や魔術で動いている世界など意味不明ですし宇宙の何処かで必ず矛盾が発生する筈です。それに魔術や魔法と言った幻惑の物は核心的な部分では理論だてて動いていません。これの意味が判りますか?そしてこれの忌々しさが貴女、『教皇』というある意味最も理論や科学から遠い貴女が微塵でも理解できますか?勿論世界全てが私の知っている物理法則のみで動いているなぞ烏滸がましい事は一切思っていませんが魔法の源、魔素は物理法則に何も従っていない。質量保存の法則にも従ってなければ時によって万有引力の法則にも相対性理論にも反しています。そもそもこの様な法則達は先人や偉人が計算上、理論上正しいと理解し解き明かして世間に出されそれが正しいと万人から認められて存在している法則です。それなのに『魔法』や『魔術』という一言。そう、たった一言でその完璧とも言える理論が崩されていいのでしょうか?いや!良いはずがない!この広大で無限の広さと思える宇宙ですらこの星から見れる範囲はどんなに技術が発達しようと、どんなに人類が進歩しようともたかが138億光年程度に限られています。それなのに魔法による転移や瞬間移動という物が実在し相対性理論が崩されている以上本当の意味で『宇宙の果て』を見れるかもしれませんしもしかしたら果てなんてないのかもしれません。しかしそんな事は今はどうでもよく理論が崩されている事こそが問題なのです。さっきも言った通り魔法という物は本当に不可解で不条理で物理法則に悉く従わない…科学の世界から見たら害悪その物ですし妄想の産物です。しかし、そして何故かこの世界では魔術や魔法という物が実在し前は魔法なんて使えなかった私でも魔法や魔術が使えてしまいあまつさえ宮廷魔術師なんて呼ばれしまっている。これが意味することがわかりますか?私の想定や先人の理論と全く違う世界に変わり果ててしまったんです。それも何故か矛盾なしで。何故ここまで物理法則を乱しておきながら矛盾が発生し世界が崩壊しないのでしょうか?教皇サマは不思議に思いませんか?その答えはこの世界には『神』と言うべき存在が実在するのでしょう。勿論ここで言う『神』とは多神教の決める神ではなく唯一にして万能の存在という意味での『神』です。しかし私にとってはその『神』すら疑問の対象です。何故『神』は存在しているの?その『神』は意識を持っているの?そして何を思いこの世界を見ているの?そして根源的には何故それほどまでの力や技能や知恵を持ちながらもマトモでいられるのか。普通に考えて知識を蓄え世界の状態や醜態、そして痴態を知ってしまえばその先に待つのは絶望しかありません。なら私や人類ごときですら簡単に絶望できるのに全世界の、全宇宙のほぼ無限といっても過大ではない情報を全て握り理解しているその『神』は何故マトモでいられるのか?私はその『神』はとっくにマトモでなくなってると推測します。そしてそんな『神』が管理し観測する世界だからこそ私は狂っていると思います。勿論私もその世界の一部なので狂っているとも言えますし何ならこのような話を他人に聞かせている時点で十分狂っているのでしょう。しかし私の様に考え話す狂人と何も知らず何も考えずただ自分の信じたい物のみを信じる愚かな狂人。どちらの方が狂っていてマトモでないと思いますか?私は無知蒙昧な愚者の方が狂ってると思いますが…比較対象の一方である私が話しても何の意味もありませんのでその点は気にせずに頂けると幸いです。さて、『神』や宇宙の存在や魔術の産む矛盾についての話は以上にして次は自己の存在についてです。教皇サマは自分の存在について疑念を抱いた事はありませんか?私は人から問われた事で考えさせられたことがあります。恐らく教皇サマはこう思っていらっしゃるでしょう。そもそも何故この様な事を考える必要があるのか、と。勿論それは全うな意見です。と言うわけでその問いに関しても答えさせて頂くと…まず、雨は何から出来ているかはご存知ですか?まあこれは聞くまでもなく水だと答えられます。では水は何から出来ているのでしょうか?これは水素と酸素というもので出来ています。ではその水素や酸素は何でできているのか。この様に一見簡単に見える質問も掘り下げていけば誰にも答えられぬ難問にすぐさま変わってしまうのです。しかし人類とは疑問を疑問のまま放置してこなかったからこそここまで進歩して来れた。水素や酸素は原子核と電子で出来ている。原子核は陽子と中性子で出来ているという風に疑問を解き明かしていった。しかしその様に解決している内にこの様な疑問に出会った。『では、こうして様々な事柄を考えている自分は何者か』この質問は何千年経とうとも答えが出ないような難問でした。人によっては様々な意見が出て様々な反論が生まれ…様々な場所で議論の種にもなりました。しかし誰もが認める『理論的な回答』は一向に出ませんでした。そこで人類は考えました。問題が解決出来なければ細分化すれば良い。そしてその細分化した問題を一つ一つ解決していけば何時かは大元の疑問も解決でかるんじゃないか。その発想は理論的であり今まで希望の見えてなかった疑問の解決の道筋であったため万人に称賛されました。そしてその細分化された問題の一つにして未だに未解決である問題が『自分は本当に存在しているか?』という問いです。そしてこの質問に対して数多の人が意見を出してその上で結論が出ていません。おっと。私がこの話で伝えたいの事は別にこの問題の答えではありません。唯今まで何の疑問も疑念も抱いてこなかった当たり前で当然で日常で常識である物に疑念を持ってほしいということです。…話を最初に戻しますが何故教皇サマはそれほど七つの大罪を嫌うのでしょうか?私にはそれが不思議で仕方ありません」

 

…ふぅ、戻ってきた。

 

はい、全部適当です。ネットに転がってた(気がする)色んなホラーっぽい何かを詰め合わせた物です。さて、教皇の様子を見てみると理解できない狂気を見る様にこっちを見ている。

まあそうなるわな。

あ、ローズさんを呼ぶベルを鳴らしとこ。

 

「そ、その七つの…大罪?と私の【教皇】専用の魔術の消滅用の言葉が一致していて…」

 

教皇が言った事をまとめると

【教皇】という職業専用の魔術に七つの大罪を冠した物があるらしくそれはかなり便利らしい。

例えば『怠惰』の名前を冠する魔術は使用者が寝食をしなくても言い様にする…みたいに。

でもそれだと強すぎたのかその魔術が冠している七つの大罪名前を面と向かって言われるとその魔術が消滅するらしい。

職業専用の魔術ってそんな仕組みなんだ。

…って私の職業もとい不思議之住人はそんなのないんだけど(困惑)

レベル上がれば何か増えるよね。(震え)

それはさておき…

 

「まあ私の話は適当に聞き流して貰って全く構わないのですが…」

 

「私を洗脳しようとした事実は私にとっても…そして他の誰かさんにとっても重要な事です」

 

「さて、何をしてもらいましょうか」

 

このタイミングでローズさんのノック音がした。

丁度いいね。

 

「どうかなさいましたか?」

 

「いや、第二王女様を呼んできて。そして『緊急の用件だ』って伝えて」

 

「畏まりました」

 

 

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