『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
「教皇サマ、わかりますよね?」
最早微塵も敬意を含んでない呼称を使う。
「…何をすれば宜しいのでしょうか」
震えてる…私と同じ位の少女が、私に恐怖して、畏怖して震えてる…!
やばい。少女を侍らすのに快感を覚えそう。
新たな扉が開きかけてる。急いで戸締まりしなきゃ。
…案外悪くないのでは、とか考える自分を
「本当は自分で考えて下さいと言いたい所ですが…」
「教皇サマという立場上わからないかもしれないので初回サービスという事で教えてあげましょう」
あははっ、楽し……くっない!
私はまともだからこんな事を楽しんだりしない!
…でも楽しさからは逃げられない。
病み付きになりそう。
「まず土下座しなさい。そして赦しを乞いなさい」
人生で一回は言ってみたいセリフ12位を言えた!この感情は嬉しいでいいのかな?
人として大事な物を投げ捨ててる気がする。
…でも積み上げてきた物を一気に壊すのって恍惚とするよね。
それと一緒。
この教皇サマか人生を懸けて積み上げてきた力を、権力を、誇りを、それら全てを木っ端微塵に砕くことが楽しい。
「御迷惑を御掛けしました。本当に申し訳ないです。今後この様な事は何があろうともしないことを神に誓います」
うんうん、それで?
まさかそれだけじゃないよね?
アリスを侮辱した事を許すつもりはない。
それにこれはセリアの事を知ってたらそれも交渉ネタに使おうとした筈。
それは絶対に許さない。
「教皇サマにとって神は重要なんだろうけど私にとってはねぇ…」
「な、なら…全世界に誓ってこの様な事は二度と致しません」
全
それは元の世界もこの世界も全部包含してる言葉だね。
まあ妥協点か、それ以上は私も思い付かないしね。
「ふーん、まあ妥当な所だね」
「でも謝っただけで赦して貰えると思ってる?」
まあ妥協点だとは言ったけど、赦すとは言ってない。
妥協点はあくまで妥協するべき点であって妥協しなきゃいけない点じゃないからね。
「でもさっき…」
うるさい。
自分で自分の言葉の矛盾には気付いてる。
でも駄目なの、抑えられないの。
「私は『まず』土下座して赦しを乞えと言った。勿論その続きもある訳ですが…如何お考ええでしょうか?教皇サマ」
あ…壊れたかな?やり過ぎたかも。
それに泣き出しちゃった。
流石に罪悪感が湧いてくる…けど夜にいきなり押し掛けてきて洗脳しようとしたんだしこれくらい許されるよね?
私も色んな意味で幸せ、相手も許されて幸せ。
まさにWIN-WINの関係!
「あぁ…カダセ様…」
誰がカ
「誰がカタセ様と呼んで良いと言いましたか?」
「…主様」
主様、主様か…いいね、いいね!
いい感じじゃん!
「それで良いの──」
私は土下座してる自称教皇の頭に足を乗せようと──
「…ハナ、どうしたの!」
──場の雰囲気が凍る。
やばい、やばばい、やばばばい。
…逆に考えるんだ。まだ大丈夫。きっといける、いける筈。
さて、草木も眠る深夜に、『親友』が泣いている少女(教皇)に自分の事を主様と呼ばせながら土下座させ、更に頭の上に足を置こうとしている不可思議な光景を見たアリスはSANチェック1/1D6です。
「…本当にどうしたの??」
珍しくアリスが本気で困惑してる。
…そんな幼稚園生が宇宙の神秘に垣間触れたみたいな表情されてもね。
まあ通報されずに済んだからセーフ…?
【急募】セーフの意味【絶望】
「いや、この自称教皇が突然ここに来てね…」
そう、ノックもしないとか全く、最近の若い者は礼儀がなってない。
私の時は────
「……自称じゃなくて本当に教皇…」
教皇(笑)が土下座しながら何か言ってるけど無視。
「まあ自称か他称かはどうでもよくて問題は私を洗脳しようとしてきた訳よ」
何だっけ…ああ、そうだ。『ディヴァイン』とかいう奴だっけ。
現在進行形で発動してる神域『
「…そうだ。ハナ!離れて…【教皇】はそういう魔術を…」
「で、それをこの神域で無効化して…」
神域は教皇の魔術を押さえるので限界なのかアリスには何の影響も与えてない。これで部屋に入ってきた瞬間アリスが溶けたりしたらトラウマ物だよ。
多分数十年単位で私が引きこもることになる。
「…?」
「で洗脳されかけたのが癪に触ったからその【教皇】専用の魔術?とやらを永久に使えないようにしたらこうなった」
正確には洗脳されかけたことにキレた訳じゃなくてアリスを洗脳する、みたいなことを言われたからだけど…態々そんなことを言う必要もないでしょ。
「…?」
アリスが突然大学数学の話を振られた小学生みたいな顔してる、珍しいなぁ。
さっきの宇宙神秘の幼稚園児とはまた微妙に違うんだよなぁ。
「…まず、どうやって永久に使えなくした?そういう神域か呪域?それとも…」
「いや、【教皇】専用魔術は何か特定の言葉をキーワードとして封印できるんだって」
「後、私が言ったのは『怠惰』『強欲』『傲慢』の3つね。他4つは…察して」
アリスに無茶ぶりかつ燃えてるバトンを全力投球したところで一息つく。
あれだけ『暴れた』からかなり息が上がってる…
興奮ではない、ないと思いたい。
「…何で合計7つって知ってるの?そもそも何で3つの言葉を知ってるの?」
ふむにゅ…
「ここじゃあ言えないかなぁ」
そう言ってチラッと教皇の方を見る。
アリスはどういう事かは判ったけど意味わからんみたいな顔してる。
いや、我ながら何してるんだろうとは思ってる。
「ところで教皇サマ」
「ヒッ…な、何でしょうか
何か畏怖度レベルアップしてない?
今回は私、何もやってないよね?
後、アリスの手前そんな酷いことしないのに…
え?アリスがいなかったらどうするのかって?
…黙秘権を行使します!
何の権利があって私の
…そもそも私は誰と話してるんだ?
まあいいや。妖精さんとかでしょ(錯乱)
さて、と。
「何か魔法教えてくれません?」
「ま、魔法ですか?私が教えられる魔法なんてありませんよ?」
むー、理解が遅い。まあいいや、気分が良いのとアリスがいるという
「いや、そういうことじゃなくて…魔法を教えてくれたら許す事に善処し前向きに検討するかもしれないから…要は私に魔法を教える事で贖罪をしろってこと。判ったらそっちの部屋行ってて」
「あ、もし変なことしたら…残り4つを国中に広めるよ?」
「ハ,ハイ…ワカリマシタ」
なんだろうこの気持ち…これが…恋ッ…!
いや、馬鹿かよ。
こんなんが恋換算されるんだったら全人類の破滅待ったなしだわ。
…何か奴隷が出来た気がする。この国って奴隷制度あったっけ?
なんかの資料で見た様な…なら合法?
「…何してる…の?」
硬直してダビデ像と化してたアリスが
ちなみにいまだに教皇サマは土下座中。
惜しいけどその状態を続けられるとアリスと話せなくなるから手で追い払う。
「いや、お手軽で優秀な奴れ…じゃなくて召し使いを一人雇っただけだよ?」
危ない危ない、この世界で奴隷制度が違法だったら詰みだからね。
「…ハナの世界って奴隷制度あるんだ?…意外…」
食いつく所そこですか。
奴隷制度ね…
「え?そんなのないよ?違法だよ」
…少なくとも建前上は。
それに日本以外の…そう、例えばアフリカとかでは知らないけど。
まあ日本も会社の奴れ…なんでもないです。
「……あの扱いはどうみても奴れ…」
「召し使いだね!」
「…ど…」
「召し使いだね!」
召し使いだね、うん。どっからどうみても召し使い。
ちょっと召し使い本人の権力が高くて、ちょっと主人に弱味を握られてて、ちょっと賃金が虚空の彼方に消え去ってるだけだから。
実質召し使いみたいなとこある。
「…ハナの世界…もしかしなくても狂ってる?」
「あ、判っちゃった?」
いや、自分で言うのも何だけど『判っちゃった?』はなくない?
一応私の帰還対象だよ?
これだと私がトチ狂った世界に帰還したい真性のヤバい人みたいなレッテルを張られかねない…!
それは何としてでも阻止しないと!
「…この状況を見れば…誰でも判ると思う…」
この状況…この状況…
すみません、よくわかりません。
片瀬家に脈々と伝わる先祖伝来のネットワークサービスには登録されてないなぁ。
私の記憶にも残ってないし…何のことだろう。
「…それにそっちの武器とか…兵器とか…差別とか…政治の話を聞けばなお判る…」
何とも耳が痛い話だなぁ。
…まあそれを言うなら────
「…まともな政治家はあんな事普通しない。例えば……」
おっとそれ以上はいけない。
それ以上言及すると何処からともなく魔の手が私を殺しに来るからNG。
「あー判った判った。アリスの言いたい事はすっごい判る。けど話が逸れすぎたから少し戻そ?」
「…そうだね。であの奴れ」
「召し使い」
「…召し使いどうするの?」
「何にも考えてなかった。アリス、後はお願い」
「……一つ言わせて貰う。今代【教皇】は政治的にも…信仰心的にも…宗教制度的にも切り崩しにくい強敵だと…私は思ってた。なのにハナがやらかしてくれたおかげで…この国での政治が凄いやりやすくなった。それについてはありがとう。
…でも…もう少し自重して?」
お、アリスに誉められた。
普通に滅茶苦茶嬉しい。
「…もしハナが自重しないなら…」
「しないなら?」
「…私も効率重視で動くよ?」
アリスが効率重視で動くというのがどういう意味なのかと言うと
おそらく私を上手くこの世界に縛り付けて帰れない様にしつつ、この国とその一帯の完全掌握位は簡単にやりそう。後それだとつまらない世界になりそうでやだ。
というか帰らせろ。
…でもアリスが私をこの世界に縛り付けるためにどうするかって考えたら…
まあ妥当な所としては私をアリスに依存させればいい訳で…
依存…溺れる…いいね。
アリスに溺れるなら…ハッ!こう考えるのもアリスの策略か!
流石アリス!
「…流石に冗談だけど…自重はして?」
「勿論これからは自重する…もといアリスに盲従する」
私=アリス信者
教皇(笑)=私信者
この2つを合わせると…!
アリスは私もあの教皇も自由に使える!
つよつよですごいアリスがやばやばの教皇を手足に使える様になるんだからもっとつよつよになる!
「…それはそれで困る…」
むー、酷い。
私は唯アリスに盲従しようとしただけなのに。
「アリス様!次は何をすれば宜しいでしょうか!」
「…帰る。明日早いから…寝酒も程々に…」
あ、本当に帰っちゃった。
しょうがない。って寝酒ってどういう意味?
「教皇サマ、戻って来て」
「ハ,ハイ…主様」
「さっきの魔法を教えてって命令は冗談」
「替わりに貴女の信者達を使って情報を出来るだけ集めて私の部屋に送って」
「何についてですか?」
「全て。どんな情報でも噂でも…あ、勿論情報元付きで」
「普段は今まで通りに過ごしてていいよ」
「はい、解散!帰った帰った」
そんなこんなで教皇を帰した。
あ、さっき飲んだのもしかして葡萄ジュースじゃない?葡萄ジュースっぽく見えてたけどワイン?あーだからこんな変な感じなのか。
もしかして教皇サマに纏わる一連のあれこれは幻覚?
うーん、頭が回んないなぁ。
わー、布団がふかふかぁー(IQ2)
とりあえず…今日もお疲れさまーお休みなさい。