『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
寝間着…には着替えずに適当に寛いでるなう。
のんびりと欠伸をしているとセリアが話を切り出す。
「さて、夜ご飯どうしましょうか」
そういえば食べてないわ。
折角だし私が作ろうかな。
料理出来るのって?
失敬な!私だって汎用一般通過女子だよ!
料理の1つや2つは作れるわ。
…ところでインスタントって料理に含まれると思う?
「…その前に…ハナの『故郷』の事について…」
え?それ話す流れだった?
…まあセリアなら話してもいっか。
この機会に、セリアを巻き込んじゃったケジメをつけよう。
「実は私は…『異世界』出身なの」
余計な装飾や誤魔化しはいらない。
そういえばアリスは自分で気付いてたから私の意思で話すのは初めてか。
「『
…初見ならその反応になるよね。
でも違うの。
「……そうじゃなくてハナはこことは違う世界から来たの」
アリスがフォローを入れてくれる…けどそれじゃあ伝わらないと思う。
「えーと?どういう…」
◇
そこから1時間程度かけてセリアに異世界…元の世界がどんな場所だったか。
この世界とはどういう違いがあるかを説明した。
「つまりハナさんは別の世界から跳ばされて来てしまった、という認識で良いんですよね?」
「……合ってる」
「…このタイミングで話したのは…セリアが信用に値すると…私が思ったから…」
普通そういうの決めるのは当事者である私では?
まあアリスの方が頭良いから間違いがないだろうし、いいけど。
べ、別に僻んでる訳じゃ…自分で言ってて悲しくなってきた。
私のツンデレなんて誰得?
「……さっきの戦闘で…セリアは自分で出来る事を探してた…私みたいに異常な能力を持ってる訳でもなく…ましてやハナみたいな境遇でもない」
すんごい扱き下ろすじゃん。
主に私をだけど。
いや、『ハナみたいな境遇』って何よ。
まるで私が
「…そういう意味では一般人であるセリアが異常者に囲まれながら自分でも出来る事を探して…見つけてた…その度胸と決断力と…勇気は私から見ても驚嘆に値する物だった…」
めちゃめちゃ上から目線じゃん。
まあ王族だから事実『上から』か。
「…こう言うと上から目線ぽいし言い方が悪いけど…」
アリスは読心術でも使えるの?
それかそんな魔術を持ってるとか…あり得る。
ところで私の境遇の話だよね。
当事者である私が蚊帳の外なんですけど。
「…要するにセリアは異常者達に付いていける…立派な異常者だよ」
ちょっと待って。
アリスが頭おかしい(誉め言葉)なのは理解出来るし百歩譲ってセリアが異常なのも納得できる。
優等生×良い子が異常かどうかはわからないけども。
でも私は異常じゃなくない?
異世界転移に巻き込まれた一般人だよ?
ちょっと魔法が使えてエネステラと善戦出来て死んでも一回まで…二回に増えたんだっけ?
まあいいか、復活出来るだけの……
……あれ?立派な異常者じゃん。
お父さん、お母さん。娘は異世界に飛ばされて気が触れてしまいました。
先立たない不幸をお許し下さい。
私が居なくても幸せに……なってそうだな。
まあそれはさておき…ね。
「セリアが異常かどうかは置いといて」
そう、そんなこと重要じゃない。
そもそも論として、『友達』だか距離を縮めるだかするのに許可も資格もいらない。
私はそう思うけどね。
異常者は異常者同士、健常者は健常者同士で組まなきゃいけないなんてことはないわけで。
それに『同族嫌い』なんて…ってそうじゃない。
つまりは──
「これからも宜しくね?セリア」
「勿論です!末長く宜しくお願いします」
あれ?この場面だけ見ると告は……何でもない。今は多分シリアスな場面だから真面目にしないと。
「…夜ご飯どうする…?」
シリアス終わったな(確信)(諦感)
あ、夜ご飯。
「夜ご飯は…そうだ!私が作るよ」
さっき言ってた通り私が作ってあげようじゃないか。
主婦歴0年、得意料理はインスタントの私がね…!
「…どうしたの?熱ある?」
「アリスはちょっと黙ってて。いや、折角だから私が本当に異世界出身だって所を料理で見せ付けてあげようかと」
「それで何を作るんですか?」
「…お手軽な感じの…」
正直に言おう。
私はそこまで料理が上手くない。
かと言って飯マズって訳でもない平均かそのちょっと上…ごめん。見栄張った。
平均位だからそんな作れる物のレパートリーがない。
だからそんな難しくなくてこっちになさそうな…
「…唐揚げを作る」
「からあげ、ですか?」
「ちょっと準備とか材料集めとかするから待ってて…」
はい、唐揚げ作成RTA開始です。
え?別にRTAにする必要ないだろって?
ほら…あれだよ…あれ…それそれ。
という訳でまずは唐揚げの材料を列挙する。
鶏肉…まあ唐揚げだもんね。そりゃあるよ。
塩・胡椒…流石に売ってるよね?中世ヨーロッパみたいに
料理酒…最悪普通のでいっか。いやぁ、買うのに年齢制限がなくて楽そうだね。
ごま油…油ならあるでしょ。味が変わるのかは知らない。
小麦粉・片栗粉…ないと揚げられない。
…こんな所か。
そして買ってきた物がこちらです。
まずは適当に鶏肉からスジとか脂肪を取り除いて…
…といっても多少は
あれ?今の私、滅茶苦茶女子
…っと、良い感じに盛り付けて完成!
名付けて、『罪とば…冗談だよ冗談。
唐揚げって言うよ。
まあ多少焦げてるけどそれは仕方なし…かな。
そういえばこの世界ってお米とか箸ってあるんだよね。こんな世界だしないと思ってたんだけど…そしてそういうのはあるのに唐揚げがない不思議。
「『
思わずなんか副音声が入った気がするけど気のせい気のせい。
…唐揚げってカロリーが馬鹿高いことは言わなくていいよね?
「これが『からあげ』ですか。美味しそうですね」
セリアが普通に喜んでくれて嬉しい。
後アリス、今「…やっぱり」って言ったよね。知ってたの?
アリスは後で問いただすとして…冷めない内に…
「いただきます」
空気が凍りつく…というか『?』って感じになる。
あれ?召し上がれって言った方が良かったかな?
「その『いただきます』って何ですか?」
私的な場だからか食事中でも普通に話す。
まあそんな感じの気楽さがないとやりずらいよね。
「私の世界でご飯を食べる時に言う言葉。食べ終わった時は『ご馳走さま』って言うの」
「……言葉の起源は?」
「アリスらしい質問だね。確か…食事の材料になった動植物の『命を頂いて生きさせてもらう』って所だったと思う。あ、ご馳走さまの方は知らない」
「……面白い考え…動植物に感謝…か…」
勝手に考察を始めたアリスはほっといて唐揚げを食べる。うん、美味しいね。異世界の人の舌に合うかな?まあお米が浸透してるし大丈夫でしょ。
「ハナさん!これおいしいですね!」
「表面はカリっとしてますし中の鶏肉からは美味しさが染みだしてきます!」
喜んでくれて何より。
セリアが(何も考えないで)美味しそうに食べてるのとアリスが(色々考えながら)黙々と食べてるのが対比になってる。
個人的にはセリアみたいな人の方が万人受けすると思う。
アリスも一応「ん…おいしい…」とか言ってくれてるけど…何でだろうか。やっぱり表情かな。
後セリアは多分食レポの才能がある。食べた時の感想が完全にそれ。
はぁ~エネステラと戦ってからまだ数時間しか経ってないのに平和だなぁ。こんな時がずっと続け……いけないいけない。こういうのがフラグになるんだよ。
「…用事が出来た…すぐ戻る…」
そう言ってアリスが部屋の外に出ていった。あれかな?国王への連絡とかかな?
「どうしたんでしょうね?」
「あれじゃない?お父さんへの連絡とか」
「成る程!それはあり得そうですね」
「セリア、どうしたの?テンション高いよ?」
「そうですか?自覚はあんまりないんですが…フフッ」
やっぱ高いじゃん。普段ならフフッとか言わないじゃん。
「多分第二王女様やハナさんに認めて貰えたのが嬉しいんだと思います。それで私も無自覚の内に舞い上がってるんだと…」
「セリア、そんな風に思っててくれたんだ…ありがと」
「……入り辛い…後私の事は第二王女様なんて呼ばなくてもいい…よ?」
「わかりました!アリス様」
そんなこんなでお泊まり会は平和に過ぎていき…
「明日に備えて早めに寝よっか」
「そうですね」
「……明かり消すよ?」
「それじゃあ今日は色々とお疲れ様。それじゃあお休みなさい」
「「お休みなさい」」
明日も今日より良い1日になるといいな。
演繹的に未来は幸福に満ち溢れてる…なんてね。