『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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77◇秘密の花園に秘された秘宝

 

◇

 

…外に出てから気付いたけど今洗濯してるとは限らないじゃん。

それに何処で洗濯してるのかもわからない。

出てきたはいいもののどうしたものか……

そんな事を考えながら適当に彷徨ってたら庭園に出た。

 

王城だからこんな感じの場所くらいはあるか。

そういえばちょくちょく王城内部は散策してたけど、こういうとこに来るのは初めてかもしれない。

 

天から射す月の光も合わさっていい感じの風情が出てる。

やっぱり私の作る偽物の月とは違うなぁ。

 

三笠山、振りさけ見れば、春日なる…みたいなのあったよね?

まあ異世界(ここ)の場合見える月すら日本とは違うものなんだけど。

 

思えば大分遠い所まで来ちゃったなぁ…

何となく黄昏ていると聞き覚えのある声で話しかけられる。

 

「…ハナ?何してるの?」

 

「あ、傲ま…じゃなかった…アリスじゃん。そっちこそこんな所で何してるの?」

 

教皇から言われたことが印象に残ってた性で危うく口が滑りかけた。

危ない危ない。間違えて言おうものなら面倒事になるところだった。

 

「……ごうま…?…傲慢…教皇が来てた?」

 

あれぇ…?なんでわかるの?

 

「いやそうだけど、何でそこまで判るの?」

 

「…考えれば自ずと判る」

 

※普通の人は判りません。

 

「…それで何してたの?」

 

最近…というか今日はこんな感じのことを聞かれることが多い日だなぁ。

もしかして私って奇行ばっかしてるとか?

まさかね、まさかそんなこと……

 

「暇だったから洗濯してる場所探しついでに王城散策」

 

言葉にしてみると思いっきし奇行だわ。異常行動以外の何物でもないじゃん。

 

「…本当になにしてるの?」

 

まあそれは思いつきだよ、思いつき。

 

「アリスは?」

 

「…只の気分転換…教皇は何を?」

 

「そうね…あ、メトメフ帝国?とかいう国がきな臭いって言ってた。」

 

一応今日の仕事の成果ともいえる物を伝えとく。

報告連絡相談(ほうれんそう)は大事って古事記にも書いてある。

 

「…そうなんだ…後で確かめてみる……」

 

教皇の情報網、アリスも知らない情報掴めるとか優秀か?

そりゃ優秀か。教皇だもんね。

 

「…教皇から聞いた?」

 

「何を?」

 

「私は『強欲』らしいけど…」

 

その言い方的に多分『大罪審判(ギルティ・ジャッジ)』の事でしょ。

何で知ってるの?

誰にも言ってないって…

 

「聞いた?」

 

「……対応で…」

 

「どういうこと?」

 

なんでもアリスによると教皇は相手によってかなり態度というか話し方を変えるらしい。

それで昔から何かしら性格診断みたいな能力持ちだって考えてたらしくて…

それと私が『七つの大罪』について話した事から【教皇】の能力は七つの大罪に起因した物だと推測をつけて後は推測でそれぞれの態度にあてはまりそうな大罪を当て嵌めていった結果『強欲』っぽいとの判断を下したらしい。

何その推測能力。

 

「…でも6通りしか見つからなかった」

 

アリスが幾ら探しても6通りしか教皇の接し方はなく困ったらしい。それでその6通りに当て嵌まらなかったのが『傲慢』だったんだって。

そこから『傲慢』はほぼいないと推測が出来た…と。

何その推測能力(誉め言葉)

 

「…ハナは何だった?」

 

「傲慢。歴史上3人しかいないって」

 

「…残りは?」

 

折角だし勿体ぶってみよう。

なんかこういうのってロマンじゃん?

 

「魔術という概念を開発したクロルマ・ルスペ」

 

「異世界から跳ばされてきた私」

 

「そして……現在世界最高の叡知を持つ…」

 

「……私、アリス…か…」

 

最後まで言わせて欲しかった…まあいいか。

 

「…予想が外れた」

 

「あ、教皇によると昔会った時、アリスは強欲だったのにこないだは傲慢に成ってたって」

 

端からこの会話聞いたらヤバくね?

この国の第二王女様と宮廷魔術師が傲慢だとか強欲だとか話してるんでしょ?

なんかあらぬ噂とか流されそうだよね。

 

「…なる…ほど……」

 

…さて、ここまで軽く雑談をして改めて、だ。

 

「それでアリスは何でここに?」

 

「…だから気分転換」

 

もう一回訊くの?とも言いたげに答える。

でもそうじゃないの。勝手な期待かもしれないけど…

 

「ごめん。アリスがそんな事のためにここまで来るとは思えない…何か隠してる?」

 

そうとしか思えない。

態々休憩のためにアリスの部屋から出て、ここまでくる必要はない。

まあアリスだって人間だからそういうこともあるかもしれないけど…

何もこんな夜にすることか?

そして私の行動に対して『本当に何してるの?』って言ったところからアリス自身は何かしらの目的を持って来たんだろうし。

 

「…何の事?」

 

この「何の事?」は私への挑戦だと思う。

それに本当に何もしてないなら「何言ってるの?」だと思うし。

つまり私がアリスの考えを推測できれば勝ち。

 

この庭園はアリスの部屋からはかなり遠い。

それにアリスの部屋の近くには別の庭園がある。

なのに態々ここまで足を運んだ。ならこの空間にアリスが直接確かめるべき物があると考えるのが妥当。

何がある?

周りをぐるっと見回したけど目にはいるのは名も知らぬ花ばかり。

残念ながら私に花の知識はほとんどない。

一応名前を言われたら何科の花で花弁の枚数雄しべと雌しべの本数…後がくの個数位しかわからない。

こういうのは受験で覚えたしね。まあかなり忘れかけてるけど。

でも流石にその花を見て名前を言うのは無理。

…本当に花以外何もない。

待てよ。何もない?

それが違和感では?

ここは王城の中でも割と中心に近い庭園…アリスの部屋の近くにある王族専用の庭園を除けば重要区画にあると言っても良い。

そして王族専用の区画には置かないでここに置く…もしくはここにある必要がある物…

 

もしかして本来は貴族が使う物?

そして王族は使わない…

まさか、王位簒奪とか…?

いやでもそうならアリスは私に『挑戦』なんて形をとって聞かないしそもそも一人では来ないだろう。

なら何が隠されてる?

何もない……やっぱりそこか。

この場所で…この広さで何もないなんてあり得ない。

下手したら私が元の世界で通ってた小学校の校庭並みには広いこの場所に整備用の小屋一つないのはおかしい。

それに私とアリス以外ここに誰もいないのも注意する。

これ程の庭園だ。

幾ら夜とは言え整備用の人も観賞する人も全くいないのは変。

なら庭園に何かしら細工がある?

 

「この空間に魔術もしくは魔道具の効果はかかってる?」

 

「……魔道具なら…ある条件を満たさない人が入りたくなくなる物が…」

 

「後、もう1つ。この庭園の名前は?」

 

「…天獄の国地」

 

てんごくのこくじ?天国にしては違和感のある発音だった。それこそ地獄の……こくじ…

天獄の国地か。

天獄の国地…天国と地獄が合わさった場所?

何故に?

庭園につける名前にしては違和感がある。

そんな不吉な名前にしなくても天国への階段…は別の意味で不吉だから天国の花壇…とかでよくない?

 

それに『ある条件を満たさない人が入りたくなくなる』?

その条件ってなんだ?

 

天国と地獄が合わさる…今はどうみても天国…綺麗な花(バラ)には棘がある…表と裏…

 

「アリス、今何時?」

 

「…23時55分」

 

もうそんな時間か。

…深夜…表裏一体…天国と地獄…頭おかしくなりそ…う?

そういうことか!なるほど。

それなら態々アリスが一人でここに、この時間に来る意味も、そしてこの庭園の名前の意味も、そして魔道具の必要性もわかる。

 

恐らく24時…日付が変わる時間にこの庭園は何かが大きく反転する。それこそ地獄みたいに。

 

そして恐らくそれはある程度危険な物なんだろう。そうじゃないと人を遠ざける必要はない。

だから恐らくその条件…技術(スキル)の数…もしくは覚えている魔術の数…つまりはそんな感じの戦闘力に関係するモノ。

 

この場所に作用する魔道具の意図はこの場所に独占欲から人が入らないでほしいんじゃない。

入ったら危険だからこそ…安全を守るために発動している。

 

そこまでわかったら…

疑問は一つしか残らない。

なんでそんな物がここにあるのかって事。

そんな入った人が死ぬ様な庭園を王城の中に置く必要はない。

それこそ郊外に置いて冒険者とかに行かせればいい。

それをしないって事はこの地獄には何か重要でかつアリス…もしくは王族にとって失くせない物がある。

王族…失くせない…三種の神器みたいな物かな?

つまりこの国の王権の象徴。

日本では(レプリカを)各地に散らばして安置してある神器だけどここではこうやって隠してる…と推測できる。

それにこの世界ならその王権の象徴に何らかの魔術的な効果があってもおかしくないしね。

 

「アリス」

 

「…何?」

 

「王権の象徴はどこ…いや、ここでしょ?」

 

「……大正解」

 

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