『少女世界攻略記録』   作:100110110011(2)の民

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魔導の神髄と最期の誓い
83◇『貴族の勉強~お泊まり準備~』(第1版)


 

あれからのらりくらりと授業を受け…

そして何事もなく終わった。

数学は知識チート出来るから余裕だし、魔術は立場上演習に参加させてもらえない。

…試験時は仕方ないにしても、無闇に宮廷魔術師が力を見せるのはダメらしい。

こんなのハラスメントだ!マジハラ(マジックハラスメント)だ!

 

…そんなこと言っても何も変わらないし、人様に迷惑を掛けたくない性質(たち)なので隅っこで体育座りしていた。

いやぁ、中学の体育での見学を思い出したね。

 

国語…現代文は足掻いた所で何が変わるわけでもないので、ある程度真面目には聞いてた。

古文は…カタカナ語が古文だからやるまでもない。

我ネイティブぞ?

下手しなくともクラスどころかこの世界一堪能な自信あるわ。

漢文?あるわけないですね。中国(なかのくに)とか存在しないんで。

 

歴史とかだったら覚えるために死ぬほど真面目に聞かなきゃいけないんだろうけど…生憎今日はないので。

 

まあそんな感じで学校が終わり、今に至る。

 

「今日もセリアの家行っていい?」

 

そんなわけで試験対策兼親交を深めるためにセリアに確認をとる。

セリアの家に行ってばかりな気がしなくもないけど…ほら、私の家は王城だし執務室の隣…もとい地続きだからあれじゃん?

仕事場みたいな感じじゃん?

それに私の部屋はそれ(女子)っぽくないし…

それに比べてセリアの部屋は凄い。

如何にも儚い深窓の令嬢感が出てて見惚れるくらいにはね。

 

え、アリスの部屋?

あれはなんというか…うん、研究者の部屋っていうのがこれ以上なくふさわしい。

 

「大丈夫ですよ」

 

そう言うとセリアはクラスメイトに声をかけながら…え?

私、アリスとセリア以外話せる人いないのに…

くぅ…コミュ力(ちから)の差を感じさせられる。

というかこの場合コミュ力っていうより性根の差では?

セリアはいい人、伯爵令嬢なんて地位なのに驕らずにいるから…

それに比べて私は…宮廷魔術師で子爵かつ謙虚で…あれ?完全に優良物件では?

 

…一人漫才はここまでにしてセリアの家に二人で向かう。

あ、ちなみにアリスはお仕事だって。

え?私?…朝の内に色々とグダることを予見してたからローズさんには言ってある。

仕事本体は…まあ明日とかでもいいんじゃない?

緊急の奴なら帰ったタイミングで言われるだろうし。

 

「ふはー、平和ってやっぱり良いね」

 

昨日…もとい昨日以前がバタバタし過ぎてた感はある。

予定…というかイベントがほぼ毎日あったじゃん。

それこそ下手したら元セルグヌ領地に向かう時が一番暇だったかもしれない。

でもあの時はあの時でポーション漬にされたしあの自称神ともあったから完全に暇ってわけじゃないからなぁ…

 

暫(しばら)くは何もない平和な日常を過ごしたいところだよね。

ほら、休憩も大事だし。

 

「訊いていい事かはわかりませんが…」

 

うにゅ?

訊きたいこと?

今の私は色々と気分が良いから基本何でも話すよ?

むしろ話さないことは…異世界転移について話しちゃった以上もう隠すことなんてなくない?

というわけで無料のバーゲンセール開催ですよ!

 

…落ち着いて考えればこのタイミングで私に訊くことなんて一つしかないか。

 

「アリスとの事でしょ?」

 

そりゃああんだけゴタゴタしてたんだから気になるよね。

 

「そうですけど…」

 

訊いてもいいものなのか…って悩んでいそうな表情。

そんな遠慮しなくてもいいのに…私とセリアの仲じゃん。

まだ初めて会ってから1ヶ月経ってないけど。

まあこういうのは時間より濃度って古事記にも書いてあるから。

 

「そんなに遠慮しなくていいよ。それで昨日はね…」

 

そんな感じで大雑把に昨日の話をした。

…と言っても途中から私に意識はないから何とも言えない部分はある。

それに『孤神の球体破片』については濁さざるを得ないし…その結果大分曖昧な話になってしまったのはご愛嬌。

信じてないとかじゃなくてアリスがあれだけ秘匿してたんだから勝手にバラすのは不味いのかなっていう配慮。

後でアリスに訊いて問題なさそうだったら後日改めて全貌…といっても私が知ってる範囲だけど、話そうと思う。

親しい人になるべく隠し事とかしたくないからね、っと。

 

そんなこんなでセリアの家に到着です。

 

「お邪魔します」

 

まあ礼儀として挨拶くらいはしなくちゃね。

親しき仲にも礼儀あり…ってね。

 

「いらっしゃいませ…でいいのでしょうか」

 

それだとお店っぽくなってない?

かと言って何が正しいかって言われると悩む。

私の独断と偏見に満ち溢れた勝手なイメージだと

 

『お邪魔します』

『そんなの気にしないで、上がって上がって…』

 

みたいな感じになってるんだけど…アニメや漫画の見すぎ?

でもこんなもんだよね…?

それとも私の交遊関係が色々と崩壊してただけ?

 

「そういえば今日、私しかいないんですよね」

 

…無意識なんだろうけど、言う相手は考えた方がいいセリフを平然と言われると…なんというか、心に来るものがある。

…同性でも心に来ることはあるんだよ。

やっぱり美少女はこういうとき得だよね。

 

あー、私も美少女に成りたいなぁ!

適当に媚び売ってキャッキャしてるだけでチヤホヤされる美少女に成りたいなぁ!

 

…色んな方面に全力で喧嘩を売りつけてしまった気がする。

 

「…?」

 

こて、っと首を傾(かし)げて私を見るセリア。

…何か全てにおいて大敗北を喫した気がするけど気にしない。

 

なんでもない、と誤魔化しながらいつもの部屋に向かう。

 

「ちなみに何の用事でいないの?」

 

一応貴族の用事だから機密事項とかあるだろうし、訊いてもいいものか…って悩んだけどまあいいでしょ。

 

「領地に視察に行ってくるそうです」

 

ああ、そういうこと。

だからメイドさんとかも…うん?

 

「てことは夜はローズさんと二人?」

 

「そうですね、お姉ちゃんもいるので安心です」

 

ちなみにその頼りのお姉ちゃんことローズさんには私が書類の分類という仕事を割と大量押し付けたので帰ってくるのはかなり遅くなる模様。

…補足するなら簡単なものの代筆も頼んだから仕事量はまあまあエグいことになってる。

 

いや、残業手当てみたいのは出すつもりだからそういう問題はないけど…うん。

 

「今日私の家(うち)に泊まらない?」

 

こういうことである。

流石に心が痛くなったから…

 

私がセリアの部屋で適当に教科書を広げて勉強体制を整えていると、セリアが部屋にあったお茶淹れから暫定紅茶(紅茶っぽいお茶)を注いでくれる。

 

自分の部屋にそんなものがあるとか女子力と貴族力が高い。

流石セリア…略して、さすセリ…!

 

「ん、これ美味しいね」

 

「ありがとうございます。私はあまり淹れるのが得意じゃないので不安だったのですけど…」

 

これで得意じゃないとか言われたら、多分私の紅茶技能は『映す価値なし』みたいな評定になる。

…今度アリスに教えて…うん?

 

「後で淹れ方教えてくれない?」

 

別にアリスに頼む必要もない。目の前にプロフェッショナルがいるんだから全力で頼っていこう。

 

「勿論良いですよ」

 

というわけで快く了承してくれたので今日の夜はチキチキ紅茶淹れ伝授大会の開催が決定した。

 

一方的に教えて貰うっていうのはあれなので張り切って古文(カタカナ語)と数学を教えていこう!

 

「最初は古文でいい?」

 

「問題ないですよ。…そういえばハナさんって古文凄く出来ますよね」

 

古文が出来るのが意外?

まあ意外か。そういうの興味ありそうな人にも見えないだろうしね。

 

「まあ元の世界では古文じゃなくて現代語だったからね」

 

「そうなんですか」

 

ほぉー、みたいな擬音語が溢れてくる様な顔で話すセリア。

まあそんなセリアは置いといて…

 

えーと、まずはこれか。

 

「じゃあ最初は…」

 

そう言いかけた所で気付く。

教科書の参考(コラム)の項目(ページ)に『未解読資料』として掲載されていた文章。

そこには古代(カタカナ)語とも違う未知の言語って書かれてるけど…

 

『The theory of 3np operation

The elemental of 3np, non neuron necrocis power follow Law of conservation of mass. It is because of “unicule”…』

 

…どう見ても英語。

教科書作成者達には意味がわからないからしょうがないんだけど、重要な部分が書いてない。

 

…まあいいや。こんなの気にしてもしょうがない。

取りあえず今は目の前の事に集中しよう。

 

「まずはここでの『サービス』の意味について…」

 

 

◇

 

「ここでのインデックスは目次っていう意味で…」

 

「ならここでもそうですか?」

 

「いや、そこは目次っていうより目印って感じかな」

 

 

◇

 

「カウンターっていうのは何か飲み物とか載せる…」

 

「でもここでは文脈が合わないですね」

 

「ここの場合は相手の攻撃に合わせて反撃っていう意味だね」

 

 

◇

 

『私は、四則演算を理解するのに150年掛かる人でも13秒で相対性理論が理解出来る!と題された本をフリーマーケットで見つけ、謎の魅力に引き込まれて欲しくなってしまった。』

 

…これ『フリーマーケット』を訳させる問題なわけだけど。

出典どこなんだろう…

セリアに適当に解説しながらページを捲る。

まあ『応用問題(文脈を雰囲気で読め)』だからいいっちゃいいんだろうけど…

お、捨て問(超難問題)だ。

 

『私はバタフライエフェクトを期待して、全身全霊を込めて隕石が天より降り落ちることを神に祈った』

 

…普通にバタフライエフェクトの訳って難しくない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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