『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
…そんなこんなで午後8時。
小腹も空いてきた…というより普通にお腹が空いてくる時間になった。
なんだなんだで勉強もいいかんじに進んだし…そろそろいいかな。
「そろそろ終わりにして
「そうですね、少しお腹も空いてきましたし…」
セリアはお泊まり準備…もとい服やら教科書やらを…うん?
教科書?まだやるの?
というかセリアって服のセンス良くない?
というわけで…!
セリアの準備中にファッションチェックのお時間です!
まずは私!
私のファッションコーディネートは……これいる?
まあ自分で始めたことだし一応見ておくべきか。
というわけで改めまして。
肩から提げているのはどこぞの地下施設から手に入れた鞄。
大分科学科学してる見た目でこの世界では珍しい外見だからある意味アクセント的な物になってる様な気がしなくもないような…無理があるか。
はい、異質な鞄です。
個人的な評価をするなら近未来感がして嫌いではないけど…万人受けするかと言われれば別。
はい次。
私の着てる服だけど…
一応こんなんでも
白いブラウス…いや、ブラウスではないけどブラウス的なもの(国からの支給品)を上に着て、下は淡い青色っぽいスカート。
最悪いつ何どき大事故に巻き込まれてもいい様に、中にはドロワを履いてるけど…まあそんな感じ。
そういえばドロワって分類的には下着だから見せてもいいものではない……まあ由来考えればセーフか。
(ドロワは18世紀末頃に下着を履かない文化の云々をどうにかするために開発された。当時は富裕層用だった)
というわけで私の品評会は終了。
大まかに言うなら…ふつう。うん、ふつう。
…気を取り直してセリアを見極めていこう!
セリアの場合一度
そんな部屋着は白と青色を基調としたワンピースで全面には綺麗なリボンが付いている。
それだけだと違和感が出ると思ったのか、ミルキーホワイト色のカーディガンを羽織っている。
それで───
「ハナさん…そんなに見ないで下さい…」
確かに準備してるのをじっと注視してたら文句の一つや2つ言われるか。
「ごめんごめん、コーディネートが上手いなぁって」
「ありがとうございます。これはお姉ちゃんが選んでくれた服なんですよ」
ローズさんが選んだのか。
意外…って言ったら失礼かもだけどそういうことも出来るんだ。
「そろそろ行く?」
「はい、こちらこそ待たせてしまってすみません」
いやぁ、
そういえば、セリアはこの家には一人~みたいなこと言ってるけど警備員みたいな人は普通にいる。
まあ屋敷内にはほとんどいないけど。
◇
「そういえばこの世界に血液型っていう概念はあるのだろうか」
セリアの家から私の家に向かっている最中にふと考えた。
そもそも血液型は日本以外だと輸血時以外は余り気にしないとか聞いたことあるけど…っていうかそもそもここで血液型を調べる方法ってあるの?
「…その『血液型』って何ですか?」
あ、なさそう。
どう説明したものか…
「私達って皆血が流れてるじゃん?」
これで『え?血ですか?そんなものありませんよ?』とか言われたらどうしよう。
「そうですね。余り見たいものではありませんけど…」
まあ確かにそうだよね。
輸血やら献血やら採血やらがないここでは自分の血を見ることと怪我することはほぼ同義だから。
「で、その血が4種類に分けられるって話…それが血液型」
まあ正確には違うらしいけど私は医療従事者でも医療チートをする予定もないんでここらへんはふわっとね。
そもそも本題は占いっていう…言っちゃ悪いけど
「私の
Aが優しくて真面目、Bが大雑把で自由、Oがおおらかで
まあそんな感じでしょ。
「そんな占い方が…私はB型でしょうか」
え?普通にAだと思うんだけど。
「ハナさんにも無理を言ってしまってますし、アリスさんにも自由に振る舞ってしまいます」
…?
まあ本人がそう思うならそうでいいでしょう。
「ハナさんは…」
「私はBだね」
意外でも何でもなくB。
まあ血液型占いとか何の意味も為さないからあれだけど…まあ話題の種位にはなるから覚えてる。
お、そうこう言ってる間に私の部屋に着いたね。
「じゃあ今度は私がお邪魔します」
ぺこりとお辞儀をしてセリアが入ってくる。
ふむう…どう返したものか。
「お帰りなさいませ、セリア御嬢様」
平常時からこんな言葉遣いをするのはローズさんだけだけど、ローズさんが
つまりこれを発言したのは私だと言うことで──
「ハナさん?」
まあ妥当な
いや、返しに困ったのよ。
だってさっきのを使い回すのはあれだし、かと言って何か面白いのを思いついたわけでもなく、咄嗟的に出たのがこれなのよ。
「もうハナさんは…」
半分呆れられながらも何やら支度をする。
ロールプレイに乗ってくれるかな?とか思ってただけにちょっと残念。
今度アリスにもやってみようかな。
さて、家に帰ってきたわけだし着替えるか。
今日はどんな服にしようかな…って選択肢はそんなにないんだけどね。
まあ適当に選ぶか。
「そのワンピース可愛いですね」
え?そう?
これ知らない間に箪笥に入ってたやつなんだけど。
まあそうは言っても思い当たる節はアリスとかローズさんとか教皇とかちょくちょくある。
…というか私はなんで
どうせ直ぐにお風呂に入って寝間着に着替えるよね…
これぞまさにインテリジェンス不足…!
まあ誉めて貰えたんだからその位の手間とか面倒臭さは許容範囲内。
ほら、女子ってお洒落に命を捧げるじゃん?
…え?そんなことする人に見えない?
というかそもそも女子らしくない?
…『セリア~脳内の私が苛めてくるよ~』
喉くらいまで出かかった台詞を寸前で抑える。
流石に意味不明な上、甘え過ぎな気がするからね。
そろそろステータスの称号に『情緒不安定』が追加されそう。
これで追加されたら爆笑した上で1年位引きこもるわ。
「折角ご飯もありますので、お茶の淹れ方をお教えしますね」
おっと、そういえばお願いしていたんだった。
今後…兼あっちに帰ってからも使えそうな知識だから真面目に聞いていこう。
…帰ってからこのゴタゴタを小説にしたらうまくなるかな?
◇
「唯上手く淹れるだけなら誰でも出来ますので個性を主張しなければいけません」
ほうほう…そもそも淹れられないんですが。
「貴族の淑女は旦那様にお茶をお出しする必要がありますからね」
ほむぅ…無縁…
「そのためには個性がなさ過ぎてもダメですし、有りすぎてもダメなんです」
お茶淹れというより貴族マナー講座では?
いや、今後役に立ちそうだから聞くけど。
「一見すると、メイドさん達は目立つ必要がないから要らないと思うかもしれませんが、主人に
そんな酷い主人がいるのか。自分で学べばいいのに…
「今とかまさにそうですね」
いやぁ、人によって事情は違うからね。やっぱり全員が習得しとかないと、いざという時に困るよね。
「…と、こんな感じですかね。基本は教えたので一回やって見て下さい」
ほほう、私の超絶技巧を披露する時が来たのか。
見せてあげよう!これが私の紅茶淹れ奥義!
「──『
これで私のaglと…
今まではまともに使ってなかったけどdexも上がるんだから上手く行く筈…!
「ハナさん?」
一歩。
私は両手にお茶汲みカップを持ち、上に回す様に投げる。
あ、一応言っておくけど、これは落としても壊れないことを確認済。
流石に落としたら割れる物で曲芸する勇気はない。
そして二歩目。
ポットとお茶っぱを手に取り無詠唱で『ウォータージェット』を使う。
え?『ウォータージェット』って何だって?
太古の昔、【水属性魔術】をlv5にした時に覚えた魔術。
そしてそこに『ファイヤーボール』を撃ち込んで…
よし、お湯ができた。
そしてお湯の入ったポットの中にお茶っぱをそのまま入れて…ではなく!
そうすると待ち時間が発生して、タイムロスなのでここで秘策を使う。
お茶っぱ袋は実質『球体』みたいなとこあるから…
───『回転弾丸』!
心の中でそう詠唱しながらポットに突っ込む。
すると遠心分離的にお湯に染み出すのでタイムロスを防げるのだ…!
ちなみに
そもそもあっちでこんな挙動は無理だから。
ちなみにセリアの講習曰く、ここでは違うけど公爵とか王族みたいな最高級の地位の人達は袋とか使わないらしい。
ほら、この袋って紅茶を淹れるのを楽にするためのものだから?
やっぱり身分が上がると『余裕』というものを持たなきゃいけないらしい。
…めんどうだね。
さて、こっからが物理演算マスターの本領発揮…!
上手く遠心分離ったそれの中身を
つまりこのポットを上手く動かしていれなきゃいけないわけで…
私の頭の中で大量の数式が流れては消え、流れては消える。
その様はまるで万物は流転し、命あるものはやがて消えるという夢幻泡影、又は諸行無常を表現するかの様で────
今!
私は出来る限り最小限の動きで
「ふすぅ…」
上手くカップをキャッチしてこぼれない様にする。
…完璧では?