『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
──何をするかなんて決まってる。
そもそも想像補完魔法というのは魔法を私のイメージでこの世界に再現する、という趣旨のものだ。
だから…目の前の教本を使わない道理はないよね。
込めるイメージは人形。
勿論
しかし、それでいてあのエネステラの不死性を受け継ぐ不死者。
一人一人の力は突出せずとも連携と物量で押せる、そんなゴーレム。
そして私は天才を自称しないし、アリスという人がいる限り出来ない。
それにシガムさんの様に長年の経験や戦闘勘を養うということも出来てない。
だから大量のゴーレムを上手く操るなんて器用な真似は出来ない。
…なら既存の魔術魔法から仕組みを流用する。
都合よく『
多少のmp消費には目を瞑る!
ついでに詠唱も乗せて食らっとけ!
これが新しい私の世界だ!
「偽りの
シガムさんのゴーレムが少しずつ復帰する。でもまだいけるな。
「真実の制約は偽りを現実へと転換し、されどその道は永遠ならず」
…相手のゴーレム群はほぼ回復しきった。後少し。
一気に畳み掛けよう。
「万物は流転し、秘匿は
「そして終には
「想像補完魔法『
mpは大量に…それこそ残りmpのほとんどを持ってかられたけど、何とか発動出来た。
それにシガムさんに比べると数も大分少ないけど…まあ数秒だけでも邪魔が入らない様に時間稼ぎ出来ればそれでいい。
「私の忠臣達よ!相手の兵団を抑え込め!」
そういうわけで、ゴーレムにはゴーレムを押し付けて、私はシガムさん本人の方へと向かう。
「神域『
これの欠点は範囲内で魔術魔法が使えなくなるところだけど、これの利点は範囲外では、もしくは発動前の魔術魔法は発動されたままというところだ。
私は敢えてゴーレム生成魔法をこの『
そして───
「…なっ!」
シガムさんのゴーレム生成魔法はシガムさんが中心だ。
だから私が近付けばシガムさん側のゴーレムは魔法の核を失って、当然消えることになる。
そして私のゴーレムには神域の範囲外から遠距離攻撃を行わせる。
神域は魔法を否定するが、魔法によって起こされた物理現象は否定しない。
だから遠距離から
神域で私の『
私の6m上空…すなわちギリギリ神域の範囲外に剣や盾等の武器、そして手榴弾を大量に、mpの許す限り生成する。
落ちてきた手榴弾を手に取り、全力で投擲する。
dexが元に戻ったから狙い自体はそんなに正確じゃないけど…そんなに問題にはならない。
あくまで目的のために上に召喚────
「え?なんで…」
望んだ物が生成されないという状況に混乱し、その次の瞬間には私の体に…というか頭部に金属性の槍が刺さる。
咄嗟のダメージと痛みに体が反応出来ず、hpがまたたくまに0へと近付く。
しかし、私の頭に刺さった槍は役目を終えたかの様に消え…
そして『
「神呪『
反射的にそれを使い、その場を凌ぐが…どういう…ああ、そういう…。
…神域の性質を一瞬で見破られたのか。
私は混乱で逆に冷静になりながら考える。
神域は何も問答無用で瞬間的に魔法を溶かすわけじゃない。本来は少しずつ減らしていくものだ。
でも、普通に飛んでくる魔術は総じて消費mpの少ない…言ってしまえば脆弱な魔術だから一瞬で消える様に見える。
つまり、mp消費の大きい魔術だと、発動から消失までにラグが発生して、まさにこうなるわけだ。
実際、教皇の洗脳魔術を防ぐ時にはあの洗脳領域と私の神域が釣り合っていたし、割と昔の話を引っ張り出せばあの自称『神』の空間を破る時も時間が化かったり再生されたりしてた。
一応前からわかっていた弱点だから対策してなかった私が悪いといえば悪いんだけど……
それにしても、だ。
私はちらりと上空を見て、その青空を眺める。
そう、
私は意図して追憶の月を破壊したつもりはないし、ましてや『
じゃあなんで空が見えているのか。
さて、ここで私の『
痛みと状況の混迷っぷりから混乱したまま誰に向けてでもなく解説する。
そうすることで状況を客観的に整理する意味もあるけど…まあ説明はこれ。
────
『
相手を強制的に半径a[m]の空間に自分と供に収容する。
空間の中は自分の記憶にある場所を再現でき、ある程度ならば改変できる。
相手がこの魔法を破る際は使用者が消費したmp分を消費する必要がある。
────
そう、今までは気にしたことなかった、あの一文がこの場で効力を表したわけだ。
『相手がこの魔法を破る際は使用者が消費したmp分を消費する必要がある』
…私は今回、75m四方の世界を構築したわけだから…まあざっと42000位のmpを消費したわけだ。
そして状況から判断するに恐らくさっきの槍には42000以上のmpが込められていたのだろう。
その証拠に、私に刺さるまで一切認識出来なかったほか、神域で溶けなかったわけだから。
そして残念ながら、模擬戦闘も私の詰みらしい。
シガムさんはゴーレム世界の広さをそれこそ1m四方にして、神呪に対抗している。
ゴーレムは生成出来ないっぽいけど、神呪のダメージも入ってない。
それは、強制的に1対1の接近戦を要求される、というわけだ。
それもお互い素のステータスと素の実力で。
…ここからの挽回は流石に無理、か。
「シガムさん、降参です」
私は神呪を解除しながら降参を宣言する。
どうやったら勝てた…?
まず私側は詰み要素が多すぎたのか。
第一に純粋な1対1接近戦に持ち込まれたら負け。
そしてあのゴーレム世界魔法は圧縮すれば神呪にも対抗は出来る。
つまり、私の手札が神呪…つまり、神域と呪域のみになったら詰み。
だから必然的に『
そして、『
そのためには相手に『
そのためには『
つまり『
シガムさんはゴーレム世界魔法を使ってから消費mp42000超の魔術だか魔法だかを使ったわけだから…大量のゴーレムを『
…完全に無理だなぁ。
ゴーレムは無生物だから《甦造恐怖》は効かないだろうし、皆大好き《三点再臨》は集団戦に使おうとすればmp消費がバカにならない。
それでmpを使って『
つまり、総評としては現時点の私の実力と能力でシガムさんに勝つ方法ないのでは?
一人反省会を開いて、自己完結してるとシガムさんが話しかけてくる。