『少女世界攻略記録』 作:100110110011(2)の民
と、いうわけで──
─異世界脳内会議第四回『この世界の魔術の仕組み』を予測する会を開催をここに宣言する!
それじゃあ今まで通り情報…もとい手掛かり整理から。
手掛かり①:属性は6つ
これは解りやすい…火、水、土、風、氷、雷の6つだね。
まあ色々と考える余地はあるけど、とりあえず情報を並べていこう。
手掛かり②:固有魔術なしだと使える魔術はかなり少ない
『
つまり
手掛かり③:固有魔術は尋常じゃない位汎用性が高い
これはアリスのステータスを思い出せば自明だし、何なら私の『お風呂メイカー』とかからも分かる。
あんなのとアリスのやつを同じ固有魔術扱いするのが少し躊躇われるレベルよね。
手掛かり④:クロルマ・ルスペって人が属性魔術の詠唱を全て考案した
これはこないだ読んだ偉人伝みたいなのに書いてあった情報だね。
伝承だし100%は信用しないけど…まあ古事記やらと同じぐらいの軽い感覚でいこう。
……魔法とかあるからあれよりは信憑性高いかな?
手掛かり⑤:昔の人の大多数は魔法を使えてた。
これも本より。色々と出典が怪しい情報の扱いは慎重にね。
でも幾ら盛ってたとしても今よりは圧倒的に魔法を使える人は多かったんだろうね。
手掛かり⑥:固有魔術の中でも自分で名付ける必要があるものと無いものがある
最近出番がなくて忘れがちだけど、『
さてこれらの手掛かりを総動員してこの世界の魔術の秘密を暴いてあげよう!
①と③におかしい要素がある。
固有魔術はあれ欲しいなぁって思ったら割りと簡単には手にはいる物だ。
いや、もしかしたらこれが異世界転移特典とかかもしれないけど、アリスや他の人を見る限りそんな感じの認識でいい……と思う。
なら態々【~属性魔術】なんて
なのに態々18個の魔術だけ別枠にしてるのがおかしい!
そこに魔術の秘密がある!……といいなぁ。
ほい、じゃあ次。
⑥より昔の人はまあまあの割合で魔
その中でも最も魔法に優れたと言われてたクロルマ・ルスペが魔術の詠唱を『作った』のはおかしい。
わざわざ魔法の劣化である魔術の詠唱なんて作らずとも…あれ?待てよ?
なら昔の人は皆【~属性魔術】の
でも遥か昔、ギルマスは『全属性?天才か?』みたいなこと言ってた気がするから……
違う。昔の人は魔術から魔法に進化したんじゃない。
魔法から魔術にダウングレードしたんだ。
なら魔法を習得してから【~属性魔術】の
それも違う。恐らく当時の人は魔術なんていらなかった。
なのにクロルマは何故か魔術を研究してた。
ならクロルマにしかわからない理由があったんだろう。
……普通にわからないし、その理由は後で考えよう。
でも【~属性魔
それに魔法なんて人それぞれなんだから………?
人、それぞれ?
なら
全員が違う魔法を覚えるんだから
普通の【~属性魔術】みたいに『lv~で~を覚える』っていう形式にはできない。
例外は私やアリスが持っている
アリスが前に言ってたけど
そして『ユニーク』の名が表す通り世界で一人の魔法なんだろう。
ならおかしい。昔の人は皆が魔法を使ってる…ならそれは『ユニーク』でも『特殊』でも何でもないはず。
だって皆使えるのに『特殊』だとか『ユニーク』だとか言う?
つまり、太古の昔からあるはずの『ステータスシステム』は何故か現代……魔法が使えずに魔術中心の世界に照準が合わさっている。
……?何かが引っ掛かった。なんだろう?
──さらにライトノベルであるような『魔法』の様な便利な物はなく、現代日本のよう─科学技術が発達していて、それが生活の主軸となっている──
これは天整統霧生の言葉だ。
少なくともこの人が生きていた時代には『魔法』に分類される物は存在していなかった。
どういうこと?
まずは時系列を整理しよう。
天整統霧生という存在は基本的に王族以外はどの文献にも載ってないし知らない筈の人物だ。
……まあこれもアリスの反応からの情報だけど。
一方、クロルマや昔の教皇は偉人伝にも載る位だ。
誰でも知っている人物だろう。
なら…『天整統霧生のいた時代→クロルマ達の時代→今』となっているのが自然なはず。
普通文献というのは昔になればなるほど散逸するものだから。
そして重要なこととして、天整統さんの時代は魔法は存在しない。
一方でクロルマ達の時代は魔法が当たり前の様に普及していた。
そして現在はその魔法の劣化版である魔術が普及している。
そして『ステータス』という概念は、魔法がないとか魔法全盛期とか魔術しかない……みたいな長い歴史があるのにも関わらず、現代に照準が合い、そして『魔法』や『魔術』の概念が当然の様に搭載されている。
……もしかして!
この『ステータス』はこの異世界に最初からあった物じゃない!?
つまり、誰かが創った物だった…ということ。
誰が創った?
いや、落ち着こう。
『ステータス』が誰かによって作られる、なんていうのはたまに見る展開だ。そんな焦ることじゃない。
でも誰がやった?
未来の人類を含めた全人類にこんな一刻一刻と
天整統さんの時代は確実に無理だ。
恐らく『魔法』という概念すらなかっただろうし。
なら犯人の生きていた時代はクロルマ達の時代と推測できる。
──クロルマの業績としてはアスクル・ナムルカと共に『強制執行:強敵察知型魔法』を開発したと言われる──
……この『強制執行:強敵察知型魔法』というのはあれだろう。
『
『避難勧告!危険度───Euclides』
『討伐対象───』
『──融合人形エフェミルドール!!』
っていう奴。
これもこの人たちが作った魔法で現在まで効果を全人類に及ぼし続けている。
なら『ステータス』も恐らくクロルマとアスクル・ナムルカっていう人が創造したんだろう。
これが『ステータス』の真実。
なら次の疑問だ。何故彼らは魔法が使えなくなるとわかった?
普通に考えれば当時は魔法中心だったんだからステータスの基準も魔法にするべきだ。
なのにまるで
…もしそうなった原因を彼等自身で造り出したとしたら?
そうだ。落ち着いて考えれば人類の体の構造なんてそうそう変わる物じゃないんだから、今の人と昔の人で体構造自体にそんな差がある訳じゃない。
もし数千年でポンポン変わるなら今頃人類は羽を生やして空を飛びながら発電する気持ち悪い生物になってると思う。
なら理論上、現在の人類も皆魔法を使えていいはず。
なのにほとんどの人は魔法を使えない。
なら外的要因に依って使えなくなった、って考えるしかない。
ここで建てられる仮説は2つ。
1つ目は彼等が人類の体の構造を変えた。
2つ目は彼等が魔法を使える仕組みを壊した…いや、魔法の力の元を壊した…?違う。魔法は現在でも使える人は使える。
なら…魔法の力の元の量を劇的に減らした?
でも魔術は魔法の劣化版だ。魔法が使えなくなったら魔術も…
魔法と魔術の違いはその効果と消費mpだ。
私の『
…あ!?『消費』mp!
確かにmpは自然回復する。でもその自然に回復したmpはどこから来た?
異世界人である私でも魔法とか魔術を使える以上、mpは人間の体内で生成する物じゃない!
つまりファンタジーありがちな謎臓器があったり、ということはない。
なら…自然界に存在する!
…落ち着いて考えよう。この世界にはmp…つまりは魔素を使う私達がいる。
魔素を溜め込むクレルモンはある。
じゃあ…魔素を排出する物や生物はいる?
もしいないなら
って事は!
クロルマが『魔術』を研究したのはこの事実に気付いたから?
だから魔法から魔術に切り替えるために…?
後少しで考えがまとまりそう……
「ハナさん、お掃除終わりましたよ」
「あ、もう終わったの?」
まとまりかけてた考えが全部ぶっ飛んだ。後で考え直そう。