プロローグ
「けほ、けほっ……ッは」
ぱちぱちと視界が明滅する。肺がじくじくと焼けるように痛んで、上手く呼吸が出来ない。
きゅうと喉が軋んで、ああ、また吐いてしまった。色褪せたシーツの上に真っ赤な血がベとりと付着したのを横目に見ながら、また咳を一つこぼす。注射をされた後は毎回こうだ。
私は水の
『あくあまりん』は助けを呼んだら誰かが助けに来てくれるって言ってたけど、結局誰も助けに来てはくれなかった。
寂しい、苦しい、痛い、イタイ、いたい、逞帙>、繧、繧ソ繧、、縺?◆縺。
だれか、たすけて。わたしがわたしじゃなくなるまえに。
◆
「……この子は」
「あの事件の唯一の生き残りです。評議会からの通達で、身柄は
「分かった。彼女の身柄は責任をもって
「ハッ! ではこれにて失礼します」
「うむ、ご苦労じゃった」
◆
気が付いたら知らない場所に居た。ここはどこだろうか。
ふわふわの白いベッド、動かしやすい身体。もしかしたらここが『あくあまりん』が言っていた天国かもしれない。
そっと身体を起こして、地面に降りる。
と同時に小っちゃいおじいさんと綺麗な女の人が私の方に駆け寄ってきた。何だかよく分からないけれど、真っ直ぐな目をしているこの人たちは多分良い人だ。
綺麗な女の人は私の身体を治療してくれたらしい。お礼を言うために声を出そうとしたけれど出るのはひゅうひゅうと空気の抜ける音ばかり。綺麗な女の人――『ぽーりゅしか』さん曰く、喉を痛めている所為だから、無理に出さない方がいいらしい。
これからも定期的にここに来ることを約束して、外に出た。小っちゃいおじいさん――『まかろふ』さんは私をどこかに連れて行きたいらしい。
『まかろふ』さんは私の車いすをぐんぐん押して往来を進む。
段々と人が多くなってくる。みんな同じ場所に向かっているようだ。『まかろふ』さんが唐突に口を開く。
「妖精には尻尾があるのかないのか……」
私が暇にしているのを見兼ねてのことなのかと思ったが、どうやら違うらしい。特にすることも無いので大人しく耳を傾ける。
「もっとも本当にいるのかどうかさえ誰にもわからない。だからこそ永遠の謎…永遠の冒険」
『まかろふ』さんはある建物――さっきみんなが向かっていた場所の前で立ち止まり、扉を開けながらこう告げた。
「ようこそ、
建物の中は暖かい騒音とお酒の匂い、それから人々の笑顔で満ちている。
「エリス。今日からここが家であり、ここにいるみんなが家族じゃ」
この日、私の運命は急速に回り始めた。
こんな駄文ですが、どうぞよろしくお願いします。
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