あの夜から翌日、私たちはいつも通りダンジョンに向かっている。そんな時、急にベルが止まって周りを見回している。
「ん?どうしたの?ベル」
「・・・誰かに見られている気がする」
「え?」
まさか・・・ストーカー!?そう考えていると後ろから声をかけられた。
「あの・・・」
「!」
振り返るとそこには灰色の髪と目をした女の子がいた。まさか・・・
「もしかしてベルのストーカーですか?」
「え?ち、違いますよ!これ、落としましたよ?」
そうして女の子の手のひらには一個の魔石がある。しかし魔石は昨日ギルドで全て換金したので魔石を持ってるはずが無い・・・やはり!
「あいにくですが魔石は全部換金してあるので魔石は持ってません」
「えっ、そんな・・・」
「それでは失礼しま「ちょ、ちょっと待ってよ姉さん」・・・どうしたの?」
急いで離れようと冷たく言うもベルが止める。
「少し落ち着こう?この人がストーカーってわけじゃないし」
「え?そうなの?」
「うん。視線は上からだからこの人は無関係だよ」
どうやらこの人は無関係のようで私は勘違いしていたらしい。ベルのストーカーと聞いて熱くなってしまったようだ。
「すみません。勝手なことを言ってしまい・・・私はシェイネ・クラネル」
「い、いえ!タイミングも悪かったし大丈夫ですよ!私はシル・フローヴァです」
「ベル・クラネルです!」
「それで魔石を使ってまで近づいた目的はなんですか?」
「店の売り込みをしていたんです」
そうして誤解が解けたら何故魔石を持って近づいたかを聞くとどうやら店の売り込みをしているらしい。それを聞いたベルは
「姉さん、今日の夜行ってみない?」
「えっ」
「「え?」」
弟からの提案に思わず声が出てしまいそれが不味かったのか二人は『え』と口にしながら疑問符を浮かべている。
「い、いや何でもない・・・どうして行きたいの?」
「え?いや、姉さんも偶にはいいんじゃないかなって思っただけ」
「そ、そう・・・」
どうやら私の料理が飽きたってわけじゃないらしい。良かった。
「それでどうしますか?私としては来てくれるとありがたいんですが・・・」
「・・・まぁ先程の謝罪として今日の夜は行きましょう」
「え!本当ですか!」
シルさんからの質問に少し悩んだが先程の失礼もあって断りにくいので行くことにした。
「はい。なのでお店のお名前を教えてほしいです」
「はい!『豊穣の女主人』って言います!」
「わかりました。それじゃあ今晩
「は、はい・・・」
ただし!今日だけだがな!
今日分と食べる分の稼ぎをした僕と姉さんはシルさんとの約束通り『豊穣の女主人』に来ている。
「ベルさんにシェイネさん!来てくれたんですね」
「おや、アンタがシルが言っていた客かい?ははっ、冒険者のくせに可愛い顔してるねぇ!」
ほっとけよ
「今日はご馳走になります」
「何でもアタシ達に悲鳴を上げさせるほど大食漢なんだそうじゃないか! じゃんじゃん料理を出すから、じゃんじゃん金を使ってってくれよぉ!」
「は?」
「え、えぇ!?」
女将さんの言葉に姉さんは固まり、驚いた僕はシルさんの方を見ると
「・・・えへへ」
「えへへじゃないですよ!?」
「シルさん?」
「え、ひっ・・・」
姉さんがシルさんに話しかけたらシルは小さな悲鳴をあげた。姉さんを見るとそれは目が笑ってないキレているときの顔だった。姉さん!?
「姉さん!ちょっと落ち着いて」
「ベル大丈夫よ。私は落ち着いているわ」
「全然落ち着いてないよ!?ほら!早く注文しよ!?」
「はぁ・・・わかったわ」
そうして落ち着いた姉さんはメニューを手に取ってその中からパスタを二人分頼んだ。出されたパスタを食べているとシルさんがやってきた。
「楽しんでますか?」
「・・・圧倒されてます」
「何で来るんですか」
「えっと、そこまで警戒しなくても・・・」
そんな会話をしていると茶髪の猫人のウェイトレスが大きな声で団体の客を案内していた。入ってきたファミリアの名前はロキ・ファミリア。あの時、ベルたちを助けたアイズ・ヴァレンシュタインもいる。
「ロキ・ファミリアさんはうちのお得意さんなんです。彼等の主神であるロキ様に私たちのお店がいたく気に入られてしまって」
シルさんの話を聞いた僕は今後もここに来ればアイズ・ヴァレンシュタインさんに会えるかもしれないと思った。
「ちっ」
「姉さん?何で舌打ちするの?」
そんなツッコミをしているとロキ・ファミリアのベートさんが大きな声をあげた。
「そうだ、アイズ!お前のあの話を聞かせてやれよ!」
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