拙い文章ですが、よろしくお願いいたしますm(__)m
薄暗い部屋、それなりに広いはずのその部屋は様々な機械や何に使うのかよくわからない実験器具のようなもの、何が入っているのか分からない無印の箱などで埋まっていて足の踏み場もない。
そんな人が住めるとは思えない環境でのっそりと動く影が一つ。
「ふぁぁぁぁあああ、仕事終了~……ZZz~」
気の抜けた声と寝息が聞こえてきた時、部屋にピロリロリン♪という間の抜けた着信音が数回響く。
「ハイハイ、加賀ですけど、どちら様ですか?」
『加賀遼太郎様ですね。私、大岩グループ秘書の中村と申します』
「……で、その大岩さんとこの中村さんが何のようですか?」
『私どもの社長は今新型兵器産業にも手を伸ばしたい、とお考えになっておりつきましてはこの度あなた様のスカウトを「失せな」……はい?』
「俺はそんな誰とも知れねぇオッサンの下なんぞにつく気はねぇっつってんだよ」
『このお話は断ると?』
「そう言ってんだろ。じゃあな」
『後悔してもおそ』ブチッ
話は終わったとばかりに相手の言葉と電話を切り、直ぐに影は寝息をたてはじめた。
すると、今度は部屋の外から声が届く。
「おーい、加賀! 頼んでたモノ出来てるか~!」
その声に反応して、先ほど加賀と呼ばれた影がもぞもぞと動き出す。
「ハイハイ、出来てま~すよ~っと」
加賀が扉を開けると呆れたようにこちらを見る少々根暗そうな男が立っていた。
「こんな時間にまだ寝てたのか? もう昼だぞ」
「まだ、じゃなくて今から寝るとこだったんだよ。ふぁぁあ、それより、依頼の報酬はちゃんと持って来たのか? キンジ」
「ああ。ほい、依頼料」
加賀は渡された袋の中身を確認すると、納得したように頷き、依頼人である遠山キンジに向き直り、小さめの紙袋を手渡した。
「依頼通り、通常の1.8倍速の高速弾ベレッタのマガジン二本分だ。あんまり無駄弾使うなよ。俺は儲かるから良いけどな」
「……気を付ける」
「ああ、それと。一年生にして俺と同じSランクで数少ないお得意様にサービスだ。いざという時に使いな」
そう言って、今度は弾頭の白い二発の銃弾を手渡した。
「何だ、これ?」
「試作品のトリモチ弾だ。着弾の瞬間空気に反応して0.58秒で直径一メートル程まで肥大して対象を捕縛する。不殺を信条とする武偵にはぴったりだろ?」
「……すげぇな。で、代金は?」
「サービスだ、つってんだろ? 使った後で感想聞かしてくれりゃあそれで良い」
加賀はもう一度大きなあくびを吐くと、部屋の奥に戻っていった。
「サンキュー、また頼むよ」
「毎度ご贔屓に」
加賀はもうキンジに興味をなくしたように寝っ転がり、寝息を立て始めた。
彼の名前は加賀 遼太郎。東京武偵高校装備科一年Sランク、銃器及び弾薬作成と射撃のスペシャリストにして錬金術を扱う超偵、そして二つ名持ち。しかし、性格に若干の難があり、自身が気に入った人間にしか絶対に武器を売らない。
あまりにも多種多様な弾丸を創り、使いこなす事からその二つ名は……『魔弾の錬金術師』