第二次銀河内戦   作:Eitoku Inobe

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-平和は今日崩れ去った-


帝国の進撃
戦いの鐘は鳴り響いて


昔はもっと長く平和が築かれていた。

 

100年、1,000年。

 

今となって憧れすら感じる程だ。

 

 

人は戦い過ぎた。

 

人は求め過ぎた。

 

人は争い過ぎた。

 

人は失い過ぎた。

 

 

秩序が必要だ。

 

かつてと同じくらいの秩序が。

 

新共和国”を名乗るテロリストの殺戮者どもでは不可能だ。

 

やはり“帝国”ないと。

 

それに連中には貸しが多すぎる。

 

少し返してもらわないと。

 

痛みと共に。

 

この名前も変えてしまおう。

 

Imperial Remnant(残存帝国)などと言う名前はもうやめだ。

 

新しき過去から数えて“()()()()()()”が誕生する。

 

今までのどの帝国よりも強く、敗北など知らない程の帝国にならねば。

 

必要であるなら私はいくらでも言葉を振りかざそう。

 

昔のようにブラスター・ライフルを手に持ちあの泥まみれの戦場で戦おう。

 

命すら捧げよう。

 

我々は立ち上がる。

 

屈辱はほんの一瞬で、立ち上がるバネにすればいい。

 

その最初の一歩である言葉を今放とう。

 

-首都を取り戻すべく我々は“コルサント臨時政府”に宣戦布告する-

 

歓声と共に蘇った強大な艦隊が宇宙を埋め尽くす。

 

ここからスタートだ。

 

序章を告げる言葉が銀河中の誰にも気付かれず響き渡った。

 

 

 

 

-コルスカ宙域 コルサント星系 コルサント-

銀河共和国”、“第一銀河帝国”の首都だった惑星は今もなおこうして大都市の光を放っていた。

 

今では首都としての役割は奪われ過去の栄光だけが残る哀れな惑星になってしまった。

 

経済的に困窮し市街地では平然と犯罪が行われ治安も悪くなった。

 

更には至る所に新共和国の監視の目が光っており政治的にももはやゆっくりと朽ちていくだけだった。

 

だが帝国にとっては今でもこの地は聖地なのだ。

 

栄光の首都でありその輝きはまだ多くの者の目に焼き付いている。

 

だからこそ彼らは再び来た。

 

大軍を従え聖地を取り戻す為に。

 

ハイパースペースから帝国軍の大艦隊が出現したのだ。

 

 

 

 

 

最初にその一報を聞いたのはコルサント本国防衛艦隊の旗艦“ベネフィット”からだった。

 

旧共和国から続くこの防衛艦隊は銀河協定後臨時政府の管轄下へと入り帝国とは切り離された。

 

だが使用している殆どの艦船は帝国のものだ。

 

三十六隻近くあるインペリアルⅡ級スター・デストロイヤーがその表れだろう。

 

尤も熱心な将校からしたらこのインペリアル級が新共和国の傀儡として戦わされる光景は屈辱以外の何者でもないだろうが。

 

当然中には違うものもあった。

 

特に旗艦“ベネフィット”がそうだ。

 

この艦は新共和国より秘密裏に配備されたスターホーク級バトルシップ・マークⅠだ。

 

インペリアル級よりも強力で正にバトルシップという名が相応しい。

 

帝国の軍備増強を受けてそれに対抗する為新共和国の支援の一環としてこの艦は配備された。

 

他にもCR90コルベットEF76ネビュロンBエスコート・フリゲートがそうだ。

 

「敵艦多数接近!インペリアル級と思われます!」

 

平常心を失ったブリッジの下士官は報告した。

 

「インペリアル級二十七隻確認、これは…」

 

今度は別の士官が青ざめた。

 

報告が済むまでもなくブリッジの全員が理由を理解した。

 

敵艦隊の中央にインペリアル級より遥かに巨大な物体が出現する。

 

「バカな…あの(ふね)は…()()()()()()()()()()()()()()()()は全滅したはずだ!」

 

指揮官であるリヴァー・サリマ司令官は声を荒げた。

 

目の前には帝国最大の艦種であるエグゼクター級スター・ドレッドノートが確かに存在していたのだ。

 

全長が19キロメートルもある超弩級戦艦を目にすれば誰だって動揺したり繊維を喪失するだろう。

 

姿だけで敵を屈服させるこの艦はその姿通りの破壊力を示した。

 

ベネフィットと周囲の艦が黄緑色のレーザーに直撃し爆発を起こす。

 

ブリッジに揺れが生じた。

 

「…被害報告!」

 

「コルベット二隻轟沈、フリゲート艦三隻中破、クルーザー二隻中破!」

 

一瞬の砲撃であっという間に戦列が崩された。

 

敵はエグゼクター級を中心に楔形の突撃隊形を取っている。

 

インペリアル級とエグゼクター級の火力を尤も活かせる隊形だ。

 

この隊形の集中砲火は凄まじく並みの艦船なら偏向シールドを展開していても数分も持たないだろう。

 

「封鎖線を展開しろ!包囲を取れまばまだ勝機は…」

 

「ですが既に妨害電波の影響で新共和国にも周辺防衛軍にも救援は望めません!」

 

「孤立してしまったのか…」

 

サリマ司令官は絶望的な表情を浮かべた。

 

この艦隊の指揮権は自分の親族から長く受け継いで来た。

 

クローン戦争では連合軍の艦隊すら凌いだ。

 

しかし今はどうか。

 

兵の練度は低く、援軍は望めず、敵は強大だ。

 

絶望するのも無理はない。

 

だがそれでも彼は司令官としての職務を果たさなければならないのだ。

 

暗雲立ち込める中新たなる戦いの火蓋は切って落とされたのだ。

 

 

 

つづく

 

 

 




ハーメルンオンリーのお話ですね(たぶん)
今後もぼちぼち投稿していくので暖かい目で見守ってやってくだせぇ
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