第二次銀河内戦   作:Eitoku Inobe

42 / 84
「第三帝国とシス帝国は兄弟である。何故なら我々は暗黒面のフォースで結び付けられているからだ。だからこそ我らはあの敗戦後の暗闇の中を耐え抜き進み抜く事が出来た。光は確かに暗闇を照らすが暗闇の恐怖心を克服するには暗黒が必要なのだ。この先も第三帝国は暗黒面と共に繁栄するだろう。暗黒面(ダークサイド)のフォースよ共にあれ」
-8ABY頃のハインレーヒ・ヒェムナー長官の雑談記録より抜粋-


暗雲の到来

-帝国領 コロニーズ領域 ノルマンディー星系 惑星ノルマンディー-

静かなるノルマンディーの宇宙(うみ)超空間(ハイパースペース)から近づいてくる影があった。

 

目指すは惑星ノルマンディー。

 

帝国の防衛網を打ち破ろうとレジスタンスの尖兵達が迫っている。

 

このノルマンディーは基地がいくつかの海に囲まれたスカリフのような惑星で基地の上空には大型の偏向シールドが設置されている為上空からの攻撃はほぼ不可能だ。

 

その為海岸の防衛網を停止して上陸部隊を投入する他ないのだが敵もそれは重々承知だ。

 

海岸はもはや要塞化されスターファイターや機甲戦力を投入しても突破は難しい。

 

故に海岸沿いの偏向シールドがメンテナンスや電力カットで停止する瞬間に奇襲を掛け軌道上爆撃を展開し上陸部隊を送り込んで即座に制圧するしかない。

 

これは前々から計画されていた事だ。

 

イセノで始まった宣言をより確固たるものにする為に。

 

帝国に大きな一撃を入れてやる。

 

上陸するキャッシーク第二師団の鋭気は万全だ。

 

レジスタンスと自由の為に。

 

ノルマンディーの軌道上に遂にレジスタンス艦隊が出現し第一の攻撃を放った。

 

何十隻もの軍艦からターボレーザー砲やプロトン魚雷による軌道上爆撃がノルマンディーの沿岸に降り注ぎ地表にダメージを与える。

 

センサーには偏向シールドの反応はなく全弾が命中したはずだ。

 

すかさず上陸部隊が母艦から発進し艦隊から離れるGR-75中型輸送船と共に地上へ降り立った。

 

軌道上爆撃は未だに続き非常時に備えている。

 

爆撃を見下ろしながら数十隻のGR-75中型輸送船、UウィングやXウィング、Yウィング、Aウィングの上陸隊が地上へ急ぐ。

 

ノルマンディーの大気圏を突破し白い雲間を通り抜け澄んだ空を駆ける。

 

どうせなら観光出来たかった、などと腑抜けた事を抜かしている場合ではない。

 

ここまでくればもう直ぐに上陸開始だ。

 

輸送船やUウィング内の兵士達が手に汗を握りブラスターを構え上陸の準備をしていた。

 

後少し、後少しの所で一番先頭を進んでいたUウィングのパイロットが異変に気づいた。

 

「おい…あれ…」

 

隣のパイロットの肩を叩き指を差す。

 

「ん?」と別のパイロットは首を出しパイロットの指差した方向を見つめた。

 

すると直ぐに青ざめ通信システムを起動し全部隊に危機を叫ぶ。

 

「偏向シールドが消えていない!!軌道上爆撃は失敗だ!!」

 

その報告は全てのコックピットやブリッジに響き船内の乗組員を大いに青ざめさせた。

 

だが報告の直後にそのパイロットからの通信は途絶する。

 

妨害電波などではなく文字通り機体が“()()()”したのだ。

 

一瞬パイロット達が大きな不安に駆られ状況は彼らの側を横切る何百発もの光弾とそれに直撃し爆散する友軍機の姿が全てを物語っていた。

 

上陸部隊の師団長を務める少将は乗艦するCR90の中で叫んだ。

 

「これは罠だ!」

 

時既に遅く海岸の幾万もの対空砲火が上陸師団を襲い回避に失敗したUウィングやスターファイター、輸送船を破壊していった。

 

ターボレーザー砲やプロトン魚雷も放たれ魚雷に直撃したGR-75輸送船は兵士を大勢乗せたまま墜落した。

 

『早く回避を!うわっ!』

 

『なんとかしないと…!』

 

『師団長!海岸側から多数のスターファイターを確認!数は凡そ数百です!』

 

護衛部隊のスターファイター・パイロットからの報告が届き少将は絶望の声を上げた。

 

敵は我々を待っていたのだ。

 

このノルマンディーの地で1人残らず仕留める為に。

 

真横を見れば報告通り明らかに百では足りない程のスターファイターがこちらに迫っている。

 

よく見れば既に黄緑色のレーザー弾を放ち上陸部隊に攻撃を仕掛けていた。

 

地上の対空砲網とスターファイター隊の攻撃、もはや反転し逃げる事など不可能だ。

 

「師団長!指示を!」

 

参謀が焦りを見せながら少将に指示を仰ぐ。

 

焦り絶望した少将は他に道はないと彼自身の最良の命令を飛ばした。

 

「このまま上陸を続け海岸を制圧する!海岸さえ押さえれば艦隊の更なる上陸が可能だ!」

 

「ですがこれ以上攻撃を喰らえば!」

 

「他に方法はない!反転して退却しても対空砲火を全面に喰らい帝国のスターファイター隊に更に損耗させられるだけだ!やるしかない!」

 

「了解…!」

 

少将の念押しにより上陸は開始された。

 

既にTIEディフェンダーやTIEパニッシャーの精鋭部隊が多くの友軍機を葬り輸送船を沈めている。

 

XウィングやAウィングが抵抗し迎撃するが他のTIEインターセプターやTIEブルートのパイロットも精鋭ばかりで撃墜は難しかった。

 

『ケツに付かれた!』

 

Uウィングが必死にTIEブルートを振り切ろうとするが最期には地上の対空砲火とTIEブルートのレーザー掃射を喰らい撃墜された。

 

青白い空を爆煙の黒い雲が覆いその一瞬の爆煙の中に多くの兵士の命が消えていく。

 

TIEパニッシャーから更に多くの魚雷やミサイルが放たれ周囲の輸送船やUウィングに深刻なダメージが与えられた。

 

爆撃を食い止めようと迫るXウィングやAウィングもTIEディフェンダーやTIEインターセプターのレーザー砲を喰らい殆どが撃墜されている。

 

そんな中でも砲火を掻い潜り辛うじて地上に着陸し始める部隊が現れた。

 

断崖絶壁の岸からブラスター砲やレーザー砲が放たれる中数十名以上の兵士が輸送船から地上に降り立つ。

 

しかしブラスター砲に直撃し戦闘する事なく何人かの歩兵が倒れた。

 

「突撃だ!」

 

部隊長の命令と共に兵士達が大声を上げてブラスター・ライフルを構えながら岸に突撃するが砲撃やブラスター砲の掃射を喰らい次々と斃れていった。

 

Uウィングや別のGR-75輸送船からも多くの兵士が降り立ち突撃する。

 

だがその様子は岸側の防衛部隊から丸見えだった。

 

「ようやく来やがったか!」

 

1人のストームトルーパーがそう吐き捨てながらEウェブ重連射式ブラスター砲を放つ。

 

天然の崖が切り崩され補強されたトーチカから放つブラスター砲の威力は拡大で迫る多くのレジスタンス兵がトルーパーの弾丸に倒れていった。

 

彼の隣にはEウェブの冷却装置を管理する工兵と別の射撃場からE-11やDTL-19重ブラスター・ライフルを放つトルーパーがいる。

 

ターボレーザーの砲声と振動が彼らのいる要塞内に響き突撃するレジスタンス兵数十名を一気に吹っ飛ばした。

 

千切れた手足や死体がその辺に転げ落ち巻き上げられた土煙が死体に被さる。

 

地獄のような場所を更に多くのレジスタンス兵が通り抜けそして死んでいく。

 

弾幕や砲撃の嵐の中を生きて進める者など誰もおらず岸を突破する事なく誰も彼もが倒れていった。

 

近くに撃墜されたUウィングが墜落し爆煙と火花を上げている。

 

ブラスター掃射を回避する為に数名のレジスタンス兵が急いで墜落したUウィングの物陰の近くに走った。

 

物陰に入るまでに既に3人の兵士が撃たれ生き残った兵士も顔に土が着き一瞬で汚い身なりとなっている。

 

「チッ!!どうなっている!!コイツは奇襲じゃなかったのか!!」

 

部隊長の軍曹はこの惨状を見て吐き捨てた。

 

本来なら海岸の絶壁は崩れ落ち軍曹達はその瓦礫の山を進み突撃していたはずだ。

 

それなのにこの要塞化された絶壁は健在でありったけの対空砲火と弾幕を上陸しようとする全ての部隊に撒き散らしている。

 

こうしている間にも絶壁からスマート・ロケットが放たれ部隊を展開中のUウィングのコックピットに直撃し爆散した。

 

沈黙するUウィングがら降り立った歩兵達もブラスター砲やレーザー弾の餌食になり鎖のように連なったまま斃れ挽き肉にされた。

 

多くの兵の肉体が弾丸により引き裂かれ血が霧のように散布した為既に辺り一面血の匂いでいっぱいだ。

 

一瞬で正気を失わせる地獄の光景は空も同様だった。

 

上陸すら出来ないままTIEスターファイター部隊に輸送機が撃墜され地上と引けを取らない程犠牲が出ていた。

 

「敵部隊は健在です!!このまま突撃しても全滅してしまいます!!」

 

副長の伍長は軍曹にそう進言し軍曹もそれを理解しているからこそ険しい表情を浮かべていた。

 

すると彼らの側に近づく別の分隊が現れた。

 

絶壁に威嚇も込めて射撃しつつ全速力でこちらに向かってきている。

 

「おーい!!生きているかー!!」

 

分隊長はそう軍曹に叫んだ。

 

だが軍曹は逆に分隊長に警告した。

 

「頭を下げろ!!早く!!」

 

「なんだって?」と聞き返そうとした瞬間、分隊長は黄緑色のレーザー弾によって頭を撃ち抜かれその場にばたりと斃れた。

 

彼の後に続く分隊員も黄緑色の光弾により何人かがヘルメットごと頭を貫通し即死した。

 

軍曹の下に着く頃にはその分隊は2、3人程度まで減少し皆絶望的な表情を浮かべていた。

 

「狙撃兵がこっちを狙っている!全員頭を伏せろ!」

 

そういう軍曹の手の僅か吸うセンチメートルのところにブラスター弾が着弾し鈍い音を立てた。

 

後一歩で手に直撃し貫通していた所だ。

 

「チッ!どうすりゃいいんだ…!」

 

軍曹の苛立ちは虚空に消え更に地に響く銃声が掻き消した。

 

今も突撃し浜辺に伏せるレジスタンス兵をブラスター砲やレーザー砲が雑草を刈り取るように彼らの命を刈り取っていた。

 

かつて誰かが反乱軍の事をこう評したことがある。

 

「彼らは害虫ではなく雑草である。雑草が故に嵐のような帝国の攻撃にも曲がりながら生き延び続ける。だが一箇所に根を下ろす丈夫な木であったらもう少し違かったであろう」と。

 

彼らは変わってしまったのだ。

 

雑草から一箇所に根を下ろし腐敗を待つ木へと。

 

だからホズニアン・プライムで敗北し今回も敗北する。

 

雑草のしなやかさを失った彼らは大風雨の帝国に薙ぎ倒されやがてその切り株は“整地”として抜き倒される。

 

それが彼らの最期、愚かな巨木の最期なのだ。

 

「地上の様子はどうなっている!?」

 

「通信妨害が激しく連絡が取れません!!」

 

艦隊司令官は部下からの報告に表情を硬らせた。

 

やられた、これは全て敵の罠、レジスタンス側の情報が筒抜けだったのだ。

 

既に上陸部隊のほぼ全てが惑星内に降下し今頃は苦戦を強いられているだろう。

 

こちらの動きが完全に読まれその上で嵌められたのだ。

 

このままでは第二師団は壊滅し最悪一個師団が丸々喪失する恐れがある。

 

それだけは避けなくてはならない。

 

「我が艦隊も惑星内に侵入し第二師団の退却命令伝達、及び退却を支援するぞ!」

 

司令官はそう宣言する。

 

「しかし地上に入れば艦隊も対艦砲撃を浴びる事に…!」

 

1人の幕僚が司令官に苦言を呈した。

 

地上のターボレーザー砲や対艦攻撃に特化した重砲は易々と大気圏内の艦船にダメージを与えるし敵がSPMA-Tのような重ターボレーザー装備車両が入ればかなりの被害を喰らう事になる。

 

しかし「それでもやるしかない」と司令官は地上への降下を明示した。

 

だが彼らに更に不幸が降り掛かってきた。

 

「司令官!惑星の反対側より帝国艦隊です!」

 

部下の報告はすぐに司令官を振り向かせ艦隊の側面から黄緑色の重ターボレーザー砲が迫る光景を確認させた。

 

完全に敵の罠の中というわけか。

 

「これじゃあまるでエンドアの再戦だ!」と1人の幕僚が苛立ちを込めて吐き捨てる。

 

「主力艦隊は対艦戦闘用意!その他の小型艦及びスターファイターで第二師団の撤退を支援しろ!やれるところまでやるんだ!」

 

スター・デストロイヤーの砲撃を喰らいつつも反転しMCスター・クルーザーやスターホーク級が反撃する。

 

司令官の言う通り彼らは諦める事なく戦い続けるのだ。

 

帝国艦隊との戦闘から6時間後、ノルマンディーでの戦闘は終結した。

 

レジスタンスが誕生して最初の戦いはなんとレジスタンス側の敗北に終わったのだ。

 

上陸部隊のキャッシーク第二師団は壊滅し師団長の少将が責任を負う形で殿を務め戦死、辛うじて生存部隊はキャッシークに帰還した。

 

艦隊も大損害を被りつつも第二師団と共にキャッシークに帰投し帝国軍に勝利を譲った。

 

この敗北は誕生して間もないレジスタンスの先行きを大きく狂わせ計り知れない程の不安が響き渡った。

 

また第二師団の壊滅により貴重な新共和国地上軍の部隊がまた一つ潰れたのも重大な損失だった。

 

一方第三帝国はこの勝利を大々的に称え前線で直接指揮を取ったヴィアーズ大将軍、ローリング大将軍、ルンデシュード元帥の三将は英雄として更に持て囃された。

 

特に海岸要塞の指揮を取り上陸部隊を殲滅したヴィアーズ大将軍と、スターファイター隊の巧みな指揮により上陸部隊を殲滅したローリング大将軍の名声は止まることはなかった。

 

後にこの戦いは“()()()”ノルマンディー上陸作戦、ノルマンディーの戦い、ジュビリー作戦と呼ばれ帝国軍の勝利と記憶される事になる。

 

希望の光の誕生から一点、銀河系は再び先の分からない暗雲の状態となってしまった。

 

 

 

 

-惑星ディカー レジスタンス司令部-

ノルマンディーでのまさかの大敗を受けディカー基地内は大いに不安に包まれていた。

 

イセノで勝利を得た時とはまるで違う雰囲気だ。

 

司令部も何処か重苦しい焦りに満ちた空気が漂い堅苦しい張り詰めた空間となっている。

 

ディゴール大臣も口には出さないが少なからず予想外の事に頭を抱えているだろう。

 

「作戦計画の修正は我々の方でなんとかする。君達は予定通りナブーに向かってくれ。敗北を挽回する為にも今は1人1人の奮闘が大切だ」

 

「はい大臣」

 

「それでは間も無く出立しますので」

 

2人はディゴール大臣に敬礼し彼の頷く姿を確認した後司令部を退出しようとした。

 

するとディゴール大臣が「少し待ってくれ」と彼らを止めた。

 

「なんでしょうか」

 

ジェルマンは振り返り大臣に尋ねる。

 

彼が態々止めるのだから余程の事なのだろう。

 

「実はナブー側の抵抗勢力から少し指定があった。見てくれ」

 

ホロテーブルがナブーの地形を映し出し首都シードや広い草原、湖などを映し出す。

 

そのうちの一つのとある森林にスポットマークが当てられた。

 

「この森林に君達が停泊するよう指示が出た。彼らはここで君達と接触しなんらかの作戦を伝えるらしい」

 

「本当ですか?」

 

「ああ、確かなものだ。ひとまずここに着陸する事だけは覚えておいてくれ。陽動は我が軍のソード中隊が担う」

 

「分かりました。Uウィングの地図にインプットして置きます」

 

ディゴール大臣は了承したと頷き2人は再び振り返り司令室を後にした。

 

少し歩くと早速あちこちから浮かない、不安げな将兵達の雑談や噂話が聞こえてくる。

 

耳を澄ませば更に「キャッシークの第二師団は全滅したらしいぞ」とか「いや艦隊も全滅したって噂だ」などそんな話ばかりで溢れていた。

 

それが全て真実かは分からないがとにかく我々が知らないところで我々は敗北してしまった。

 

レジスタンスは早速黒星を付けられてしまったのだ。

 

おかげで有る事無い事不安に押し潰されて噂話が流れている。

 

「情報統制……そろそろ入るかな」

 

「さあな、だが少しはこの空気感を脱却する為にもまた俺達が頑張んなきゃな」

 

「ああ…」

 

ジョーレンの返答にジェルマンは小さく頷いた。

 

2人がUウィングの停泊場に向かうとそこには数十名以上のパイロットが集まり機体の近くに寄っていた。

 

アレは確かアンティリーズ中佐とソークー中佐のスターファイター部隊だ。

 

現在の最高司令官はスカイウォーカー将軍だが各部隊の隊長は彼らが任されていた。

 

その中にアンティリーズ中佐も見かけられた。

 

ジェルマンはすかさず声を掛ける。

 

「アンティリーズ大佐!お久しぶりです!」

 

そうだ、彼はイセノなどの戦功を認められ部隊の副隊長として大佐に昇進した。

 

「ジルディール上級中尉か。また任務で出撃か?」

 

アンティリーズ大佐はジェルマンに尋ねる。

 

「はい」と答えジョーレンが詳しく説明し始めた。

 

「ナブーの解放に向かいます。とは言っても女王だけ連れて帰ってくるかもしれませんが」

 

「なるほどな…実は我々もディカーを離れてヤヴィン4に向かう事になった。行った事のある君達なら分かると思うがあそこは今ピンチだ」

 

ヤヴィン4はずっと苛烈な帝国軍の攻撃を受けておりジェルマン達が訪れた時よりも深刻な状態となっていた。

 

このまま戦いが長引けばいつ陥落してもおかしくない状態だ。

 

その為にスターファイター隊のトップエリートである彼らが送り込まれる事となった。

 

「それは…御武運をお祈りします」

 

ジェルマンはそう彼らの奮闘を祈り敬礼した。

 

アンティリーズ大佐も敬礼を返し柔和な笑みを浮かべる。

 

「君達もな、ルークもよろしくと言っていた」

 

「スカイウォーカー将軍がですか?」

 

ジェルマンは尋ね返す。

 

アンティリーズ大佐は頷き事情を話した。

 

「ルークは別の任務で我々と離れる事になってな。共にルーサンで戦った君達を気に掛けていた。フォースと共にあらんことをってな」

 

「それはありがたい。ジェダイ将軍が言ってくれるならこれほど心強い事はない」

 

ジョーレンはそう戦意に溢れた笑みを浮かべた。

 

クローン戦争でジェダイと共に戦ったことがあるからこそ言えるセリフだろう。

 

「あいつがどんな任務をしているかは分からないがいざという時、ルークが我々を呼ぶなら必ず駆けつけるさ」

 

「心強いですね」

 

「そうだな、そろそろ出発の時間だ。君達も頑張れよ」

 

「はい!」

 

再びアンティリーズ大佐に敬礼を浮かべ彼らの出撃を見送った。

 

流石は激戦を潜り抜けた精鋭中隊だ。

 

不安のようなものは一切感じなかった。

 

そのせいかジェルマンの心の面持ちも少しばかり軽い緩やかなものになっていた。

 

 

 

 

-惑星コルサント ギャラクティック・シティ-

久しぶりに家族に会える、久しぶりに我が家へ帰れる。

 

ジークハルトはそんな期待を胸にスピーダーに乗っていた。

 

以前と同じ少尉に運転され帰路についていた。

 

他の将校は大型のスピーダーや列車に乗っているが流石に佐官最高級のジークハルトがそのような扱いを受ける訳にはいかないだろう。

 

タクシーのような形で少尉とスピーダーが付けられ送り迎えされている。

 

それは他の上級将校も大体同じだろう。

 

「知っていますか上級大佐、惑星ノルマンディーで我が軍が大勝利したらしいですよ」

 

少尉は窓から景色を見つめるジークハルトに話を振った。

 

惑星ノルマンディーでの戦い。

 

その事は当然ジークハルトも知っている。

 

むしろこの少尉よりジークハルトの方が詳しく詳細を知っているだろう。

 

レジスタンス軍の攻撃を事前に察知した国防軍は密かに防衛体制と待ち伏せの状況を整え敵の襲来を待った。

 

案の定レジスタンス軍は大部隊を率いて到来し先に展開されていた妨害電波の影響で偏向シールドの存在に気づかず舞台を突入させた。

 

当然無傷の状態で待ち伏せていた国防軍は直ちに攻撃を開始しノルマンディーの海岸要塞でレジスタンス軍を迎え撃った。

 

集中砲火を喰らったレジスタンス軍は打撃を受け追い打ちをかけるように襲来したTIE部隊の追撃を受けて壊滅した。

 

一方のレジスタンス艦隊はエンドア戦宜しく奇襲攻撃を受け艦隊が半壊する程の損失を受けながらも部隊の生存者を全て回収し撤退した。

 

どの道レジスタンス軍は初手の激戦を敗北で終えその士気は大きく落ちただろう。

 

それにあれだけの兵員の損害と艦隊が損耗すれば人員の確保が難しいレジスタンスにとっては十分な打撃だろう。

 

「今じゃ親衛隊よりヴィアーズ大将軍とローリング大将軍達の人気が昂ってます」

 

どこか不満げに運転手の少尉はボヤいた。

 

あの戦いで成果を挙げたのは殆どが国防軍の将兵だった。

 

現地の最前線で指揮を取っていたのも国防軍のストームトルーパーや下士官将校ばかりで親衛隊の将兵は皆ノルマンディーの中央司令部の防衛に回っていた。

 

おかげで親衛隊はお手柄なしだ。

 

その事がやはり気になるらしくジークハルトの旅団内だけでもそれなりに不満は確認されていた。

 

「いいじゃないか、同じ帝国の仲間の勝利だ。素直に喜ぼう」

 

ジークハルトは少尉の不満をそう言って宥めた。

 

親衛隊と国防軍で歪み合う必要はない、互いの勝利は互いに喜び合うべきだ。

 

それは他のファースト・オーダーとも同様だ。

 

我々を隔てるものは潜在的な小さな意識に過ぎない。

 

「まあ確かに…」

 

少尉は渋々納得を示しそれ以上不満は表情に出さなかった。

 

だが一つだけ喜びを浮かべ再びジークハルトに話した。

 

「ですが私は違いますよ。制圧中のハット・スペースの輸送部隊に転属になるんです。そこでしっかり手柄を立ててきますよ」

 

「貴官がか?」とジークハルトは少尉に尋ねた。

 

少尉は「はい」と元気のいい返事をし詳細を話し始めた。

 

「数ヶ月の期間的なものなんですがね。実戦経験の蓄積も兼ねて転属になりました。なので当分上級大佐のお迎えは出来なさそうです」

 

軍帽と髪を掻きどこか照れ臭そうに少尉は笑った。

 

彼にとってこの転属は手柄と経験を積むいい機会になると踏んでいるのだろう。

 

故に気分が高揚し喜びも湧くというもの。

 

そんな若い少尉にジークハルトは一言だけ付け加えておく。

 

「そうか、死ぬなよ少尉」

 

「えっ?ええ当然ですよ!しっかり手柄を立てて次にお会いする時は中尉か上級中尉になっていますよきっと!」

 

「ハハ、そうか。そいつは楽しみだ」

 

軍帽を深く被りあえて表情を隠す。

 

口元だけは意識して変えられても目元の表情は相手にバレてしまうからだ。

 

それから数十分かけジークハルトは一家が住んでいたアパートメントに辿り着いた。

 

停車しスピーダーから先に降りた少尉にドアを開けてもらい外に出た。

 

「それでは上級大佐!」

 

「ああ、またな」

 

敬礼する少尉に小さく手を振り我が家へと急いだ。

 

何よりも焦ったく、何よりも期待に満ち溢れていた。

 

不意にジークハルトはある事が思考に現れた。

 

父が我が家に帰ってくる時はいつもこんな感じだったのだろうかと。

 

ジークハルトの父のバスティ・シュタンデリスは今のジークハルトと同じく地上軍の上級将校であった。

 

クローン戦争では大佐としてクローン・トルーパーの連隊長を務め当時としては貴重な純粋な人間の指揮官だった。

 

その後帝国時代は准将に昇進したがとある事情があって軍を退役した。

 

そしてその遺伝子はジークハルトに引き継がれている。

 

恐らく父として愛する家族にいち早く会いたいという気持ちもそっくりそのまま。

 

階段を全て登り切り我が家のあるドアを開く。

 

開かれたドアと共に安心出来るどこか懐かしい匂いが暖かさと共にジークハルトの方へ巻き上がった。

 

戦場で感じる肌を切り裂くような冷たい空気感とは大違いだ。

 

心の底から安心出来る場所の匂いだった。

 

そしてすぐに迎えが来た。

 

「おとうさーん!!」

 

マインラートは勢いよくジークハルトに飛び付きジークハルトも彼をぎっしりと抱き締めた。

 

「マイン!元気だったか!?」

 

長い間寂しい思いをさせてしまった我が子の頭をわしゃわしゃと撫でる。

 

すると彼の近くに小さな女の子がやってきた。

 

初めて会うが大切なもう1人の我が子だ。

 

ジークハルトはマインラートを引き剥がしながら彼女の方に姿勢と目線を向けた。

 

「君がホリーだね、私が…新しい父のジークハルト・シュタンデリスだ。きっとまだ受け入れられない事もあるだろうがずっと大切にしていくつもりだ。よろしく頼む」

 

そう言ってジークハルトは右手を差し出した。

 

最初は受け入れられなくてもいい、そう思っていた。

 

こないだまで実の父がいたのに突然別の誰かが父を名乗るのだ。

 

受け入れられないのも無理はないし拒絶してしまうのも仕方ないだろう。

 

だが諦めずに接していくことが大切なのだ。

 

そう思っていたのだが意外な事は起こるものだ。

 

「えっと……その…お父…さん…」

 

ぎこちない様子だったがホリーはジークハルトとの事を確かにそう読んだ。

 

そしてマインラートと一緒にジークハルトの腕の中へ入っていった。

 

2人いっぺんに抱かれジークハルトの腕はもう満員だ。

 

2人の子どもの暖かさが全身に伝わってくる。

 

気づかないうちにジークハルトは既に二児の父となっていたようだ。

 

2人のあどけない笑みを見つめほろりと涙が零れ落ちそうになる。

 

そうだ、この光景を守る為に自分は戦っているのだ。

 

そしてようやく帰って来れた。

 

「ただいま、マイン、ホリー」

 

「おかえり、お父さん」

 

「おかえり…なさい…」

 

「おかえり、あなた」

 

「ただいま、ユーリア」

 

最愛の妻に優しく微笑みかけ家族の下へ無事帰ってきた事をより深く実感した。

 

それは本当に小さな、たった一家族の出来事である。

 

されど“()()()()()()()()”と呼ばれた親衛隊の上級大佐からすれば今まで戦場で得たどんな名誉よりも最大の幸福だ。

 

束の間の幸せが疲れた兵士の心を癒そうとしていた。

 

 

 

 

 

 

-アセーター級スター・ドレッドノート ピュリフィケーション 特務作戦室-

「ノルマンディーで帝国方が勝利した。これでレジスタンスとやらの動きは変わるだろう。我々もそれに合わせて狩りの方法を変えねばならん」

 

フューリナー上級大将は何処か心ない声で目の前に佇む皇帝の手に言葉を交わす。

 

彼女はルーク・スカイウォーカーの殺害に失敗しひとまずコルサントへ切り上げてきた。

 

本来ならウェイランドかハット・スペースに戻るはずなのだがフューリナー上級大将に召集された為こうなったと言うわけだ。

 

「スカイウォーカーをある場所に呼び寄せる。そこでお前が再び奴と対決しろ。それで失敗すればひとまずは諦めるしかない」

 

フューリナー上級大将の淡々とした発言に皇帝の手は目を細めた。

 

いくら拾われた恩があるとはいえ到底納得出来る代物ではない。

 

皇帝の手は声を大にして反論した。

 

「そんな!奴を討たなければ皇帝陛下が報われません!私は皇帝の手としてその使命を…!」

 

「君にはやってもらう事が山のようにある。ウェイランドでの育成もそうだが何よりジェダイ狩りよりももっと重要なことを任せたい」

 

怒り立つ皇帝の手を無視するように宥めフューリナー上級大将は彼女に命令を伝える。

 

テーブルに保管されていたタブレットを手に取りパスコードを入力し画面を表示した。

 

更にこの後タブレットに保管されたデータは抹消され綺麗さっぱり消失する。

 

神経質すぎるとも取れるがこの情報はそれだけ帝国にとって重要という事だ。

 

「先日コルサントの治安維持活動を行なった際に我々に接触した者達からの尋問証言や状況報告だ。彼らは自らを“()()()()()()()()()()()()()()()”と名乗っている」

 

皇帝の手はその呼び名と尋問証言を目にしヘルメットの奥底で驚きを浮かべ瞳孔をこれ以上にないほど開かせた。

 

故パルパティーン皇帝からこの上ないほど信用された皇帝の手だからこそ分かる事もある。

 

特にフューリナー上級大将のような初戦は元一般将校では特に。

 

しかし今帝国の中枢にいるのは皇帝の手ではなくフューリナー上級大将だ。

 

今は彼だけしか知らない事も多くある。

 

「第三帝国は他の同盟諸国と同じく彼らに更なるコンタクトを取るつもりだ」

 

データは更に読み上げられ皇帝の手はとある事の確証を強めた。

 

「案内人として君の存在が欲しい、その為にも是非素早くジェダイを仕留めろ。我々がルーク・スカイウォーカーを誘き寄せる惑星は……“()()()()”」

 

たった一言だが皇帝の手ははっきりとその惑星の名前を記憶した。

 

ジェダイを殺す為ならば絶対に忘れはしない。

 

フューリナー上級大将は更に概要を話し続けた。

 

「奴をマーカーに誘き寄せルーサンと同じく奴を叩く。この惑星はお前にとっても不利な状況に働く事もあるだろうがそれ以上にジェダイの能力を大きく削ぎ落とす事が出来る」

 

フューリナー上級大将は皇帝の手に近づき耳元で囁いた。

 

「これが最後のチャンスだ。頼んだぞ、皇帝の手」

 

彼の期待に皇帝の手は「分かりました」とだけ伝えてその場を後にした。

 

ドアが開き退出する皇帝の手を見送りながらフューリナー上級大将は独り言を呟く。

 

「今度こそ倒してくれるといいんだがな……まあいいか。私だ、親衛隊保安局の本部に繋いでくれ」

 

すぐ様別の仕事に移り変わりフューリナー上級大将は親衛隊保安局本部と通信を取った。

 

通信はすぐに繋がれ連絡将校のローゼべリス中佐が応答した。

 

ローゼべリス中佐のホログラムが浮き出て中佐が敬礼する。

 

『上級大将、取り調べは順調です』

 

中佐は端的に状況のみを報告した。

 

それに対してフューリナー上級大将は詳細を尋ねた。

 

「連中、何か喋ったか?」

 

『はい、幾つか話しましたが面会の際には是非“()()()()()()()()()”で来るようにと…』

 

「なるほど…そうか…」

 

ローゼべリス中佐の報告にフューリナー上級大将はパズルのピースが揃ったように納得を示し小さく笑みを浮かべた。

 

どうやら我々はとんでもない遺産を使っていたらしい。

 

そして“むこう”にはとんでもない遺産がまだ沢山あるようだ。

 

ソレの到来だけで銀河系の軍事バランスは大きく変わるだろう。

 

変革への楽しみと高揚感を抱きながら愛艦“ピュリフィケーション”からコルサントの宇宙(そら)を見つめた。

 

 

 

 

 

-ファースト・オーダー領 惑星エスファンディア軌道上 ベラトール級ドレッドノート デスティネーション-

「まさか、そちらから我々の方に出向いてくるとはな。“()()()()()()()()()()”」

 

ベラトール級“デスティネーション”のブリッジでスローネ大提督は代表のヴィルヘルムに手を差し伸べた。

 

ヴィルヘルムはチス・アセンダンシーと亡命帝国勢力の全権代表としてファースト・オーダー、第三銀河帝国との同盟締結の為にここまで来たのだ。

 

隣には副代表のエリンメルヒ・タッグ最高位元帥とサポートのチャルフ准将とエジャイ上級提督とコーシン提督が控えている。

 

ヴィルヘルムはスローネ大提督の手をしっかりと握りしめ友好の現れを見せた。

 

「チス・アセンダンシーと帝国は以前より秘密裏の同盟関係にある。それに今のチスには多くの帝国市民が亡命している。彼らの為にも我々は是非同盟を組むべきだ」

 

黒髪に髭の渋い色男のヴィルヘルムは色気やカリスマを備えたような声で意見を述べた。

 

ヴィルヘルムの意見にスローネ大提督は貼り付けたような笑みを浮かべたまま尋ねる。

 

「それは全権代表としての意見か?それとも“()()()()()”個人としての意見か…どちらだ?」

 

「どちらもだ、いついかなる時代だろうと我々が争い合う必要性はない。亡命してきた者達も皆同じ思いだ、彼らは帝国同士の争いに嫌気が差して亡命したのだ。だからこそ統一は私も皆も望んでいる」

 

ヴィルヘルムの忌憚の無い思いをスローネ大提督は汲み取ったのか満足げに頷いた。

 

どこか警戒していた“デスティネーション”の乗組員やチャルフ准将らも皆その様子を見て警戒を解き始めていた。

 

ファースト・オーダー側の将校達も穏やかな笑みを浮かべている。

 

スローネ大提督は手を離しヴィルヘルムに告げた。

 

「それでは本会場でまた会おう」

 

「ああ、また」

 

スローネ大提督は微笑を浮かべ護衛の将校らと共に“デスティネーション”のブリッジを後にした。

 

彼女らを目で見送りながらヴィルヘルムは小声を出すように口を開いた。

 

「相変わらず鉄の女だ」

 

「前にも会った事があるのですか?」とチャルフ准将はヴィルヘルムに尋ねた。

 

帝国軍の将兵はともかくチス軍の将兵は皆スローネ大提督とは当然初対面である。

 

「ん?ああ一度だけ“ヴィジランス”が率いる機動部隊でな。私が当時統治していた宙域に彼女の機動部隊が現れた事がある。その時から鉄の女という印象が強かったよ」

 

ヴィルヘルムは過去を懐かしみながら准将に答えた。

 

あの当時はまだ准将、中将であっただろうか。

 

まだ大提督の白い軍服ではなく他の将校と同じ一般的な軍服を身につけていた。

 

しかしその能力と鋭い精神力は今と変わりなくそれ故にヴィルヘルムに“()()()”という印象を強く与えた。

 

「しかしファースト・オーダーとはともかく、第三帝国と同盟など締結出来るのかまだ不安だな」

 

タッグ最高位元帥は不安と疑問が入り混じった心配を独り言のように述べた。

 

第三帝国の黒い噂はチス側にも伝わっている。

 

それにチス・アセンダンシーや亡命市民も巻き込まれるのでは無いかという懸念がアセンダンシーの最高評議会でも出ていた。

 

だがそれでも彼らは第三帝国に近づく事を選んだのだ。

 

「今の状況では少しでも国力と軍事力が欲しいだろう。しかもチス・アセンダンシーの軍事力は連中とて少なからず知っているはずだ」

 

「ファースト・オーダー同様こちらが敵意なく近づけば問題ない、そうですね?」

 

コーシン提督はヴィルヘルムの意見に付け加えた。

 

流石は元ヴェイダー卿直属のインペリアル級艦長だ。

 

彼の正確な予想はヴィルヘルムの意見を補強し完璧な説得力を持たせた。

 

「そうだ、それにいざという時は…」

 

「元帥殿!すいません!」

 

ヴィルヘルムの声を遮り別の士官の謝罪を込めた大声がブリッジの中に響いた。

 

するとヴィルヘルムの肩に茶色いトカゲに似た爬虫類のような生物が彼の肩章部分に飛び乗った。

 

「ガディアか、全くこれから大切な時だというのにもうお腹が空いたのか?ん?」

 

ヴィルヘルムはガディアというこの50センチほどの小さな生き物の頭を撫でた。

 

ガディアはどこか嬉しそうに目を瞑りヴィルヘルムの肩章にしっかりと爪を食い込ませていた。

 

「この“()()()()()”、随分と元帥に懐いていますね」

 

チャルフ准将は微笑を浮かべながらヴィルヘルムの肩につかまるガディアの種族名と共に話した。

 

イサラミリという生物はかなり特殊な非知覚生物で惑星マーカーに生息する樹上生物である。

 

イサラミリは枝に爪を食い込ませて直接栄養を摂取する為生きたまま連れて帰るのは難しくヴィルヘルムの肩章には栄養を詰め込んだ特殊なフレームが差し込まれていた。

 

またガディア自身にも栄養素を詰め込んだ特殊フレームが付けられており栄養がなくなると飼育係かヴィルヘルムが足しに来てくれる。

 

また彼らは天敵から身を守る為にフォースを押し出すという特殊な能力を持っていた。

 

このイサラミリは銀河系の中で最も不思議な生き物の一つで未だ謎が多くこのフォースを押し出す能力さえも未知の部分が大きいのだ。

 

ヴィルヘルムはこの爬虫類に似た生き物をある人物から贈り物として貰いそれ以来ずっと飼い続けていた。

 

気づけば飼育係だけでなくヴィルヘルム自身もガディアの栄養フレームを常に携帯するようになっておりガディアもすっかりヴィルヘルムに懐いていた。

 

「ああ、私も彼に懐いている」

 

微笑を浮かべ元帥の肩章の上で悠々自適に食事を取るガディアを再び撫でた。

 

「栄養フレームを交換しようとしたら逃げ出してしまい…」と飼育係の士官は申し訳なさそうにしていたがヴィルヘルムはあまり気にしていなかった。

 

「きっと私から直接与えて欲しかったのだろう。甘え上手な奴め」

 

ヴィルヘルムは今までにないほど穏やかな顔を浮かべていた。

 

「ガディアのおかげで緊張が晴れたよ。ありがとうな」

 

ヴィルヘルムはガディアにポケットから取り出した栄養素フレームを与え飼育係の士官の下へ返した。

 

肩章のフレームも交換し準備万端と体制を整えた。

 

「さて、行こうか。新たな時代に我々の名が加えられる為に」

 

 

 

 

 

 

 

 

-惑星コルサント ギャラクティック・シティ ウスクル歓楽地区 ギャラクシーズ・オペラ・ハウス-

コルサントのギャラクシーズ・オペラ・ハウスは常に一部の上級階級の者達しかいけないエリート娯楽施設だった。

 

ガリアス・ラックス元帥やタノン・プラージ大臣、オナーラ・クワット前会長、フィニス・ヴァローラム旧共和国最高議長などもこのオペラ劇場を訪れている。

 

それ以上にこのオペラ・ハウスを愛したのはあの銀河皇帝シーヴ・パルパティーンその人だった。

 

彼は最高議長時代にも何度もこのオペラ・ハウスを訪れる程のお気に入りだった。

 

彼は度々このオペラ・ハウスで重要な議題をオペラや劇と共に話したりある青年の悩みを聞いていたりした。

 

パルパティーン皇帝にとってオペラ・ハウスとはそれだけ重要なお気に入りの場所だったのである。

 

そんなギャラクシーズ・オペラ・ハウスにジークハルトはある方から呼ばれ単身で来ていた。

 

相変わらずの親衛隊の軍服姿だが今日は右胸に飾緒をつけ十字勲章だけでな今までの幾つかの勲章も左胸の階級章の下に付けられていた。

 

彼としては最大限の礼装で来たのだが如何せん他の人々の格好が派手過ぎてそれでもまだ地味に見える。

 

周りは美しく露湿度の高いドレスや高級感あふれるマント付きの礼服などかなりの豪華さだ。

 

だがあたりを見渡せばジークハルトと同じように軍服の男も数名見かけ別に然程浮いてはいなかった。

 

彼は何人かの上流階級者とすれ違いながらゆっくりと階段を登り目的の場所を目指した。

 

建物の中に入りジークハルトは同じ親衛隊の軍服を着ている男の隣に座った。

 

そして目線をオペラに置きながら口を開く。

 

「例の男、今は親衛隊保安局で取り調べを受けているそうです。“()()()()()()()()()()()”」

 

彼の隣にいるのはホズニアン・プライム戦でも共に戦った名将ゴットバルト・バエルンテーゼ上級大将だ。

 

バエルンテーゼ上級大将はジークハルトの父、バスティ・シュタンデリスやバスティの盟友フリズベン上級将軍と同じくジュディシアル・フォースからの歴戦の猛者だ。

 

彼はジュディシアル・フォースから共和国軍に転入し大佐に昇進すると同時に終戦を迎えた。

 

その後は帝国軍の将官を歴任し一時期はジークハルトの直属の上官だった事もある。

 

銀河協定により居場所を失いつつあった部下や若い将校の為に自ら親衛隊に転身し国防軍だけでなく親衛隊内でも彼らの居場所を作った。

 

その為多くの部下から慕われ“()()()()()()()()()”と親しみを込めて呼ばれていたりする。

 

「そうか…まあ今の所はただの取り調べであろう。問題が出ればすぐに対処する」

 

「お願いします」と劇を見ながらジークハルトは頼んだ。

 

「ああ、生き過ぎた彼らを内側から止める事も重要だ。ジーク、君は知らないだろうがこのオペラは君の父君と初めて見たものなのだぞ?」

 

「私の父とですか?」

 

ジークハルトは顔を横に向けバエルンテーゼ上級大将の方を見つめ尋ねた。

 

彼は小さく頷く。

 

このオペラは“薔薇の皇女”と呼ばれる悲劇のオペラである。

 

ある惑星に薔薇の皇女と呼ばれたアグネスという皇女がいたのだがジェダイとシスの戦争中、彼女は強いフォースを持つ故に両組織から狙われた。

 

戦士として利用しよう、フォースの力を使って新たな兵器の動力源にしよう、敵に渡らぬ前に殺してしまおう、狙う理由は様々だ。

 

彼女を溺愛する父は彼女を狙う全てと戦い多くの血が流れた。

 

やがて彼女の家は没落し父も母も家族も、愛する人も全てを失い絶望の彼方に叩き込まれた。

 

涙を流しても何も返ってこない、そこには何もない。

 

悲しみに暮れた彼女は自ら命を絶ち、彼女の遺体は生前彼女が愛した薔薇の園へ消えていった。

 

やがて人々はアグネスを“()()()()()”と呼ぶようになり孤独な皇女は悲しみを抱いたまま薔薇の魔女として永遠を生き続けるようになったという話だ。

 

とても悲劇的な話でよく出来たシナリオである為大人気のオペラである。

 

同じフォースの魔女の物語としてジェダイにもシスにもならず、愛する人を奪った彼らと銀河を恨んだフォースの魔女のオペラがあるがこれとも引けを取らない人気度だ。

 

あのラックス元帥もこの薔薇の皇女を気に入っておりオペラ・ハウスに度々訪れては薔薇の皇女を鑑賞していたそうだ。

 

「初めて見た時は……まあ重い話だと涙を流しながら帰ったものだが今となっては懐かしい。今度はその息子とこうして見ることになるとはな」

 

微笑を浮かべ感慨深そうにバエルンテーゼ上級大将はジークハルトに語った。

 

「そういえば御子息はお元気になされてますか?」

 

思い出ついでにジークハルトは尋ねた。

 

バエルンテーゼ上級大将はクローン戦争の頃から「いつ自分が戦死するか分からないから」と妻はあえて娶らなかった。

 

だがとある事故に巻き込まれ孤児となってしまった子を1人だけ親戚からの養子として自分の子にした。

 

上級大将が望んでいたかは知らないがその子もやがて帝国軍を目指していた。

 

「こないだ国防軍の少尉になった。態々ここ(親衛隊)なんぞに来なくていいだろう」

 

「確かに…」

 

バエルンテーゼ上級大将の返答にジークハルトは苦笑を浮かべた。

 

確かに道が他にあるならここ(親衛隊)などに来なくていい。

 

私の子供達だって本当は自由な道を進んで欲しいし出来れば親衛隊ではなく国防軍に行って欲しい。

 

ここは真っ暗闇の沼地だ。

 

引き摺り込まれたら最後誰も出られない。

 

「そう言えば君も養子をとったそうだな。どんな子だった?」

 

「噂が経つのが早いですね…女の子でマインラートと同い年ですよ。これからコンプノア・ユーゲントに2人とも入る予定です」

 

「そうか…見かけたら気にかけておくよ」

 

バエルンテーゼ上級大将の心遣いに「ありがとうございます」と一言だけ礼を述べる。

 

「このまま御子息も私の子供達も前線に出る事なく戦いが終わればいいのですがね…」

 

あえて聞かれてもいいとジークハルトは独り言のように呟いた。

 

この戦争は我々の世代で終わりにして新しい世代には平和な時代を維持することを担ってもらいたいものだ。

 

戦争の時代はもう私と父親達で十分だ。

 

千年の反動が大きすぎた。

 

「ノルマンディーでの勝利は大きい……それこそ我々と国防軍の歪み合いの材料に使われるやもしれんが勝利は勝利だ。レジスタンスの出端を挫き勢いを止めたのは大きな功績だ」

 

「ですがモン・カラやヤヴィン、キャッシークの艦隊は未だ健在です。まだ長くなりそうですが…」

 

「ああ、だが再び状況が一変するだろう」

 

バエルンテーゼ上級大将はジークハルトを呼び寄せ彼の耳の近くで小声で囁いた。

 

小さく安らぎすら覚える声だったがジークハルトはその言葉を聞いた瞬間瞳孔が開きバエルンテーゼ上級大将の方を見返した。

 

「本当ですか?」とすぐさま尋ね返す。

 

「ああ、もちろんだ。恐らくこの状況では飲み込まざる追えないだろう、だが我々が有利に立つ事は変わりない」

 

ジークハルトは再び座席に深く座り込みオペラの干渉に戻った。

 

「まあ今は心の片隅にだけ置いておいてくれ。我々軍人はやれと言うまで動けないからな」

 

「はい…」

 

オペラを見るジークハルトの表情は先程よりも何倍も険しくなっていた。

 

それは単に内容のせいだけではないだろう。

 

彼の表情の険しさはまるで彼らが歩む未来の険しさそのものだった。

 

 

 

 

 

-国制圧領 旧シス帝国首都 旧シス領域 エストラン宙域 ドロマンド星系 惑星ドロマンド-

かつて、何千年も前の銀河の大規模戦争といえばジェダイとシスの戦争が主流だった。

 

その地獄のような戦争はクローン戦争の三年間、銀河内戦の五年間などとは比べ物にならない程長く耐え難いものだった。

 

数え切れないほどの人が死に数え切れないほどの傷が銀河中にばら撒かれた。

 

この惑星ドロマンド・カスは一度はそんな大戦争に敗れたシス卿が辿り着き、やがて起こした国の首都惑星だ。

 

シス帝国と言っても歴史的に見れば様々でこのドロマンド・カスを首都にしたシス帝国はヤヴィンの戦いより4,980年前頃に誕生したハイパースペース大戦後のシス帝国だ。

 

別名で再建シス帝国とも呼ばれ広大な領域を支配し千年近く、銀河共和国とジェダイに対する復讐戦の為に銀河の暗黒に潜み続けた。

 

そしてヤヴィン戦より3,680年前に彼らは遂に対決した。

 

後に大銀河戦争と呼ばれる大戦争を引き起こし各地でジェダイや共和国軍と戦った。

 

しかしシス帝国は長きに渡る準備により善戦を重ねアパーロ宙域を制圧し、ティングル・アーム戦役を勝ち抜き遂にはセスウェナ宙域まで征服した。

 

ボサン宙域でシス帝国宇宙軍の小艦隊が敗北するまで彼らは負けなかったのだ。

 

その後勇敢な兵士とジェダイ達の奮闘でシス帝国の進軍は停滞する事もあったがシスの復讐は最終段階に達する事となる。

 

あえて共和国側に交渉を持ちかけ共和国を油断させた。

 

だがそれはある目的の為の隠れ蓑に過ぎなかった。

 

その隙にシス帝国は大規模戦力をコルサントへ急襲させ後にコルサントの略奪と呼ばれる電撃攻撃を行なった。

 

圧倒的なシス帝国軍の電撃戦はジェダイ聖堂すらも陥落させコルサントを制圧し銀河共和国から勝利をもぎ取ったのだ。

 

復讐は完遂されジェダイは大きく疲弊した。

 

その後シス帝国と共和国で冷戦が始まりやがては新シス戦争が引き起こされ今の時代になる。

 

シスの復讐は成されてもシス自体は最終的に滅亡の淵に追い込まれてしまったのだ。

 

やがてはこのドロマンド・カスも多くの者から見放され捨てられた。

 

近年の数十年前にはある1人の古代のシス卿が興したフォースの宗教団が滞在するのみで大帝国の首都の栄光のようなものは微塵も残されていなかった。

 

しかしかつての栄光を復活させようとする者がここに1人いた。

 

親衛隊トップのハインレーヒ・ヒェムナー長官だ。

 

彼は遠く霞んだ亡国の歴史を今の第三帝国と結び付けていた。

 

かつてのシス帝国同様第三帝国は戦争に一度は敗北した。

 

しかし屈辱の日々を耐え忍び復讐戦に対する準備をしてきた。

 

その期間は僅か二年、一年半程度だが気持ちは同じだ。

 

そして第三帝国はシス帝国が絶対の勝利を重ねたコルサントから立ち上がった。

 

彼らと同じように電撃的にコルサントを抑え占拠した。

 

後は言うまでもない。 

 

我らはシス帝国同様勝利した。

 

共和国を打ち砕き復讐を成し遂げ帝国の威信を再び銀河の果てまで知らしめた。

 

ヒェムナー長官は今の第三帝国とシス帝国に運命的な繋がりがある事を感じていた。

 

でなければこれ程までに姿が、歴史が似ているはずがない。

 

我らはダークサイドのフォースで結ばれた国でありシス帝国がやり残した事を我ら第三帝国で成し遂げるのだ。

 

その為に私と総統閣下と今の帝国がある。

 

銀河から全ての“()()()”を取り除き一千年の帝国を、いや万年の永久に続く帝国を作り上げるのだ。

 

それこそ“()()()()”と呼ばれる帝国を。

 

「エストラン宙域の建設と惑星の再編は後数年で完成致します。そう長くは掛かりません」

 

親衛隊将校の1人がヒェムナー長官にそう説明した。

 

既にドロマンド・カスだけでも惑星の特色を生かしつつ都市化が進められかつての首都惑星たる姿が蘇り始めている。

 

この宙域の再編には随分と予算を恵んでもらったものだ。

 

その為に親衛隊と国防軍の予算を少し削り他の省庁からも割り当てを貰ったのだが全ては帝国の勝利を形づける為だ。

 

第三帝国の精神基盤たる聖地を整えずして勝利はない。

 

それにこの宙域の拠点利用は後方のヤヴィンやモン・カラマリ攻略の足掛かりとなるし何よりシス秘密の超兵器の発掘という面でもこの地の開発は欠かせなかった。

 

「“コリバン”の方はどうなっている?」

 

ヒェムナー長官はあえて惑星モラバンド、シスの聖地である惑星を別名義のコリバンという名で呼んでいた。

 

それにどんな意味があるのかは分からないが彼はひたすらにコリバンと呼び少しだけ部下達を困惑させるという事が以前あった。

 

今ではすっかり部下達も悪い意味でなれてしまったという雰囲気がある。

 

「長官のご要望通り大聖堂や神殿、古城の再建を行なっております。こちらもすぐに完成するかと」

 

「そうか、それは素晴らしい。近いうちに私はまたアンシオンに向かわねばならない。それまでには色々と頼んだぞ」

 

「はい長官!」

 

敬礼を受けヒェムナー長官も彼らに簡易式の敬礼を返す。

 

そのまま複数人の部下を引き連れ暫しドロマンド・カスの新都市部を歩いた。

 

一歩歩く度に過去の歴史に思いを馳せオカルトチックな話ばかりする為あまり距離は進んでいなかったが。

 

「総統にも是非この宙域を訪れて欲しいものだ。きっとお喜びになるだろう」

 

そんなヒェムナー長官の提案に周りの将校達は皆作り笑いの混じった苦笑いを浮かべ長官の機嫌を損ねぬよう反応を示した。

 

「帝国は必ず全てに勝利する。帝国全ての栄光と意志を継いで、これは我らの“意志の勝利”だ」

 

ヒェムナー長官はそう確信付いた。

 

彼に賛同したかどうかは知らないがドロマンド・カスの風は彼に応えた。

 

かつてシスの騎士団が立ち上がった領域で秘境の騎士団が立ち上がろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

-コメル宙域 ナブー星系 惑星ナブー軌道上防衛艦隊-

『こちらソードリーダー、Uウィング聞こえるか?』

 

ジェルマンとジョーレンが乗り込むUウィングにコーラン少佐から通信が届いた。

 

2人は武装類や特殊兵装の微調整を行なっていたがすぐに機長たるジョーレンが応答した。

 

「こちらUウィング、“シールズ・ワン”。聞こえてる、用件は?」

 

操縦桿を握りながら通信機に顔を近づける。

 

隣では調整が終了したジェルマンが地上への着陸準備を行なっていた。

 

彼の座席の隣にはブラスター・ライフルが並んでおりいつでも着陸と共に戦闘可能な状況を作り出していた。

 

だがそれはジョーレンも同じでベルトのホルスターにブラスター・ピストルを、ラックルにはナイフが刺さっており隣にはブラスター・ピストルが置かれていた。

 

敵が入ってこようもんならこちらに振り向くことなく撃ち抜かれてしまうだろう。

 

コーラン少佐のYウィングから返答が届く。

 

『間も無く攻撃を開始する。ステルスとジャンプアウトは大丈夫そうか?』

 

「ああ、問題ない。そちらの健闘を祈る」

 

『了解シールズ・ワン、フォースと共にあらんことを』

 

「ああ」

 

通信が切れジョーレンはふうと一息ついた。

 

「さて、サイナーからの盗品がどんだけ役にたつか賭けようじゃねぇか」

 

Uウィングが後少しでハイパースペースからジャンプアウトする一、二分前に12機のスターファイターで構成されたソード中隊はナブーの軌道上にジャンプアウトした。

 

しかもナブーの防衛艦隊のど真ん中に。

 

「全機!Sフォイル戦闘ポジションにし戦闘開始!」

 

コーラン少佐の命令と共にXウィングやBウィングのSフォイルが戦闘モードへ移行し敵艦隊へ攻撃を開始した。

 

一番槍を挙げたのはヴィレジコフ上級中尉のAウィングだ。

 

全速力で敵艦隊の中を突き抜けレーザー砲で何隻かの軍艦の砲塔を破壊する。

 

そのまま敵艦隊の間を後に続くウィングメイトと共に周り部隊に索敵情報を報告した。

 

「敵艦隊、プロカーセイター級一、ヴィクトリー級二、グラディエーター級二、アークワイテンズ級四、ネビュロンB五!」

 

『了解ソード2、全機対艦攻撃開始!シールズが中に入るまで引き付けるぞ!』

 

3機のYウィングと2機のBウィングが編隊を組み対空砲火を展開するアークワイテンズ級やネビュロンBに爆撃を浴びせ掛ける。

 

偏向シールドを突破し敵艦からは爆炎と火災の煙が噴き出ている。

 

XウィングやAウィングもレーザー砲やプロトン魚雷、震盪ミサイルで攻撃し艦隊へダメージを与えた。

 

だが流石の帝国軍艦というべきかプロカーセイター級やヴィクトリー級の損傷は殆ど見られない。

 

特にレーザー砲での攻撃は全くもってダメージがないように見えた。

 

『ソードリーダー!敵艦に全く攻撃が効きません!』

 

新任のソード12がプロカーセイター級の真横を飛びながら報告した。

 

どんな高火力のレーザー砲だろうと数発程度では大型のスター・デストロイヤーにダメージを与えるなど難しいことだ。

 

『落ち着けソード12、攻撃はまだ始まったばかりだ』

 

コーラン少佐は冷静に若人を宥め自らもこちらに砲身を向けるプロカーセイター級のレーザー砲を破壊した。

 

そのままウィングメイトと共にプロトン魚雷を放ち装甲を打ち破り魚雷を爆散させる。

 

敵艦にダメージを与え振り返り被害を確認するとすぐ反転し再び攻撃に移った。

 

ヴィレジコフ上級中尉も爆撃部隊を支援しつつ砲塔を破壊していた所で更なる敵を発見した。

 

「ソードリーダー!11時の方向より敵機多数接近!艦隊からも艦載機が次々と発艦しています!」

 

『来やがったか!数は?』

 

コーラン少佐はすぐさま数を尋ねた。

 

彼らも既に発艦したナブー王室保安軍のN-1スターファイターと戦闘状態に陥っている。

 

「数は16!大体一個飛行群程度です!」

 

即座に一回転し体制を立て直したヴィレジコフ上級中尉はそのまま味方の背後を狙うN-1を1機撃墜しコーラン少佐の編隊に近づいた。

 

他の編隊も敵機を撒きながら反撃しスターファイター隊を迎撃する体制を取った。

 

「さあてかかってこい、女王の逆賊ども」

 

ヴィレジコフ上級中尉はそう戦意を昂らせながら指をバキバキ鳴らし操縦桿を握り締めたがすぐに暗号伝文で報告が届く。

 

文字で『ファンパの故郷を見つけた』とだけ書かれていた。

 

だが上級中尉らはこの文字で即座に惑星ナブーへの侵入の成功を悟った。

 

「やり上がった!成功だ!」

 

『よし、全機反転。直ちにディカーへ帰投する』

 

ソード中隊は編隊を組んだまま即座に退却し始めた。

 

追撃するN-1スターファイターを何機か撃墜しハイパースペースへ突入していく。

 

ナブーのスターファイター隊はソード中隊を追撃しようとしたがこれ以上敵を追う手段がなく引き下がるしかなかった。

 

艦隊も体制を立て直し敵部隊の再攻撃を待ち構えた。

 

だがこれ以上レジスタンス軍の攻撃が来ることはない。

 

いや、これから攻撃が始まるのだ。

 

隠れ迫ったジェルマンとジョーレンによるナブー王室の大反撃が。

 

そして彼らは接触する。

 

今のレジスタンスと同じく抵抗の灯火を守ろうとする者達に。

 

指定されたナブーの森林に停泊したジェルマンとジョーレンはUウィングへ近づくある1人の人物に声を掛けた。

 

「あんたが我々を呼ぶ者か」

 

「はい、正確には呼ぶ者“()”です」

 

その人物はそう付け加えた。

 

「ではあなた達が」

 

ジェルマンは確証付いたように尋ねる。

 

「はい」とその人物は答え組織名を名乗った。

 

「我々“ナブー王室解放軍”はレジスタンスを歓迎します」

 

皇帝が生まれしこの星は、再び負の遺産と向き合い戦おうとしていた。

 

 

つづく




どうも〜肉を食ったらその晩頭と腹が痛くなった悲しきEitoku Inobeです〜

今日はですね、なんとこの第二次銀河内戦が初めて投稿された日なんだそうな

思えばこの一年色んな事がありましたね…まあ大抵碌でもない気がしますが()

ともかくよくもまあ一年もちゃんと続けられたわし()とよくもまあ一年もこんな作品を読んでいた人達に拍手ですね

今後もこの作品が終わるまで書いて行きたいと思いますので宜しくお願いします

そいではまたどこかで〜
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。