第二次銀河内戦   作:Eitoku Inobe

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「未知領域、チスへの亡命は辛く険しいものだった。本当にあるのかすら怪しい国を探し、受け入れられるのかと言う不安を抱きながら道なき道を進んだ。互いに身を寄せ小さな期待を合わせながら向かった旅路の果ては青き肌を持つ友人達の好意によって暖かく迎えられた。我らの旅路は成功し新たに忠義を尽くす相手が増えたのだ。チスが戦いを起こす時相手が誰であろうと我らは共に立ち上がるだろう。何せ我らは盟友なのだから」
-ヴィルヘルム・フェルの未知領域航海日誌より抜粋-


皇帝の生まれた地で

ジェルマンとジョーレンはUウィングで出会ったナブー王室保安軍の保安将校の格好をした男に導かれて森林の奥へと入っていった。

 

大きな木々に囲まれたこの空間はひんやりと涼しく日の光を遮っている為辺りは薄暗い。

 

鳥や虫の鳴き声が聞こえ土や落ち葉を踏む音が森林中に広がっていた。

 

一体何歩歩いただろうか。

 

Uウィングからはかなり離れすっかり森のど真ん中にいる気分だ。

 

あまりにその男が喋らない為本当に道があっているのか心配になってきた。

 

男が更に2人を導き森林の奥底へいった時たえきれなくなったジョーレンが思わず尋ねた。

 

「なあ…この場所、本当に合ってるのか?Uウィングからだいぶ離れちまったぞ」

 

ジョーレンの不安感を伴った疑問は男を振り向かせようやく口を開かせた。

 

「大丈夫、もう目的地には着きました」

 

男はそう言い指を咥え口笛を鳴らした。

 

すると近くの地面が微妙に変色し更には地面が浮き上がる。

 

浮き上がった地面の下にはかなり大きな空洞が生まれその中から王室保安軍のCR-2ブラスター・ピストルを保持した兵士が2名姿を表した。

 

周囲を警戒するように辺りを見回し2人を手招きした。

 

「急いで」とジェルマンとジョーレンは兵士達に連れられ空洞の中へ入った。

 

カモフラージュが掛けてあった空洞の中は階段になっており段差を降りた先にはかなり長い地下通路が広がっていた。

 

等間隔にランプが付けられ水もしっかり抜かれている。

 

「これだけ長い地下通路…一体いつ作ったんです?」

 

ジェルマンは思わず男に尋ねた。

 

しかもクーデター派この地下通路の事を恐らく知らないだろう。

 

「女王陛下が秘密裏に作られたのです。本来は帝国からの攻撃を防ぐものでしたが」

 

男はどこか悲しそうに答え「さあこっちです」と2人を導いた。

 

数分ほど通路を歩いていると大広間に辿り着いた。

 

「お連れした」

 

男は広間でホロテーブルを囲むグンガンや王室保安軍の将兵に敬礼した。

 

ジェルマンとジョーレンも彼に続き敬礼し何人かのグンガンと保安将校が2人の側に寄った。

 

まずは先頭にいるグンガン族の男が手を差し伸べ自らの名前を述べる。

 

「グンガン・グランド・アーミーのガドゥ騎兵隊隊長、マフィス・ホーリスだ。よろしく頼む」

 

「ジェルマン・ジルディール上級中尉です」

 

「ジョーレン・バスチル少佐だ」

 

「よろしく」

 

騎兵隊長を名乗るグンガンの男と堅い握手を結んだ2人は更に後に続いた王室保安軍の保安将校とも握手を重ねた。

 

「クールシュ・フランケ一等陸佐だ。王室解放軍の最高司令官を務めている」

 

「ブラム・ガイルス二等海佐です。そしてこちらがあなた方を案内したスライト・メンジス三等陸佐、本来は諜報課の情報将校だった」

 

メジンス三佐は敬礼しガイルス二佐やフランケ一佐と同様に握手を交わした。

 

彼らの後ろには多くのグンガン兵や保安兵が控えており通信士官やセンサー士官がモニターを見つめ諜報活動と防空に勤しんでいた。

 

「ここが解放軍の司令部ですか?」

 

ジョーレンは辺りを見回しながらフランケ一佐らに尋ねた。

 

一佐は小さく頷き説明を始めた。

 

「この空洞は元はグンガンの秘密の避難所に繋がる通路だった。しかし内戦中に再び帝国軍に攻撃された時の事を考えここを秘密の司令室に改造する事をソルーナ女王はグンガンに提案した」

 

「我々は女王の提案に賛同し我が軍隊が常時使用する事を認める代わりに建設を始めた。まさかこんな結果で使うとは思わなかったが」

 

フランケ一佐の返答に付け加える形でホーリス隊長は皮肉を込めて小さく苦笑した。

 

彼とてこの状況が悔しい訳ではない。

 

今や第三帝国の傀儡となってしまったナブーは最悪の独裁体制の中日々を暮らしている。

 

特にグンガン族は第三帝国によって迫害の対象となりその生命が脅かされていた。

 

「ちなみにこの空間をクーデター組は知っているのですか?」

 

ジェルマンは彼らに尋ねる。

 

もしここがクーデター軍にバレていればいつでも攻撃を受けてしまう。

 

「女王とキャプテンコォロら一部の上級将校が秘密裏に建設していたものでしたから連中は知らないはずです。ですが尋問の結果特定される可能性はありますが…」

 

メンジス三佐は不安を込めて答えた。

 

更に三佐は不安を口にする。

 

「それにクーデター軍の指導者のクリース宙将は宇宙艦隊の総司令官です。おかげで艦隊整備に意識が集中しこの拠点を知りませんでしたが軌道上からの精密な索敵で発見される可能性は十分にあります」

 

「クリース……以前一度だけ会った事がありますね。確かナブーの宇宙艦隊部門創設の中心的な人物でしたね?」

 

ジェルマンは記憶を辿りメンジス三佐が発した男の名前と行動を口に出した。

 

三佐は他の将校らと共に頷き男の事を説明し出した。

 

「宙将は元スターファイター部門の将校で宇宙艦隊の総司令官でした。王室保安軍内の旧帝国派の抑え役としても信頼が篤かったのですが…」

 

「それが裏切りクーデターか。一体いつからこの事を計画していたかは分からないがしてやられたという訳だな」

 

「はい……ご存知の通り首都シードを含めたナブーほぼ全土はクーデター軍の支配下にありソルーナ女王らも彼らの手中にあります」

 

「それで解放軍側の戦力は?」

 

ジェルマンは解放軍将校らに尋ねる。

 

この感じからして数十人程度の小さい組織ではないだろう。

 

所属している兵も殆どが王室保安軍の正規兵のはずだ。

 

「この施設周辺に隠れているのが将校も合わせて近衛兵数十名、保安隊の歩兵が一個小隊、パイロットが5名、擲弾兵(Grenadier)が18名技術者数名です」

 

「近くにはグンガン・グランド・アーミーの総軍もいる。その為大多数の解放軍はクーデター軍内部に潜んでいるか別の拠点に本隊を構えている」

 

「特に海軍は解放軍シンパが多く今すぐに艦を手配しても五分以内には到着する手筈です」

 

ガイルス二佐は自慢げに豪語した。

 

通りで海上からの砲撃や捜索の危険性がないわけか。

 

「陸上の保安隊は?」

 

「少なくとも私の隊は残っているが殆どがクーデターに反対し捕らえられるかゲリラ活動を続けている。ガイルス二佐のようにホロ通信一本で動かせるのはほんの僅かだ」

 

フランケ一佐は頭を抱えながら話した。

 

恐らく捕縛された保安隊将兵も殆どがクーデター側に加担してしまっただろう。

 

ゲリラ活動を続けている将兵もこちらと連絡が取れる訳ではない。

 

「そして完全に制圧化にある宇宙艦隊とスターファイター隊か……こりゃあ厳しい戦いになりそうだ」

 

「取り敢えず我々の運んできた物資をこちらに運びましょう。それから偵察も兼ねてシードへ」

 

 

 

 

 

 

-コルサント 親衛隊本部 地下会議室-

以前のように親衛隊本部の地下会議室は“1()1()()”の上級大将に囲まれていた。

 

しかしシュメルケ上級大将の姿が見えずフューリナー上級大将とシュテッツ上級大将はホログラムでの参加となっていた。

 

そんな中最高司令官の姿が見えない事を疑問に思ったバエルンテーゼ上級大将が「シュメルケ上級大将はどうした」と尋ねた。

 

「最高司令官はもう間も無く到着するはずだ」

 

「遅くなった」

 

ドアが開き2人の男が姿を表した。

 

1人は白い親衛隊の軍服を見に纏い新しい階級章を付けたシュメルケ上級大将、もう1人は黒い親衛隊の軍服と上級大将の階級章を身に付けたクアリス・アルフェンマイヤー大将だった。

 

アルフェンマイヤー大将はノルマンディー星系の親衛隊司令官でノルマンディーの防衛司令官も務めていた為防衛成功などの功績と共に上級大将に昇進した。

 

そして一方のシュメルケ上級大将はというと…。

 

「本日付を持って新設された親衛隊元帥(FF-Grand General Admiral)に昇進した。今後も親衛隊の最高司令官として帝国と総統の為に全力を尽くすつもりだ」

 

突然の報告によりアルフェンマイヤー新上級大将とフューリナー上級大将を除く全員が固まった様子だった。

 

唖然とし驚きを隠せないと言った様子だった。

 

だがフューリナー上級大将だけは拍手し『おめでとうシュメルケ』と微笑んでいた。

 

「ありがとうフューリナー、内定していた通りFF元帥に昇進した。それでは会議を始める、アルフェンマイヤーも席に」

 

「はい元帥殿」

 

白服の新元帥は新しい上級大将を席に座らせ自らも席についた。

 

他の上級大将達も大まか納得し始め何事もなかったかのように会議を始めた。

 

「まずはチス・アセンダンシーだ。会合の様子はどうなった?」

 

チス・アセンダンシーはアウター・リムの果て、未知領域にあるチス族の寡頭制国家だ。

 

旧帝国でも密接な関係にありかなり強大な軍隊を保有していた。

 

またチス側の接触で分かった事なのだが銀河内戦の末期に亡命した帝国軍将兵や市民を保護しているらしくその規模は以前のものよりかなり巨大化していた。

 

そんなチス・アセンダンシーはファースト・オーダーを通して第三帝国と再び同盟を結びたいと願い出たのだ。

 

その為またフューリナー上級大将が旗艦“ピュリフィケーション”と共にコルサントを離れたのだ。

 

だが今回はヒェムナー長官ではなく新外務大臣のリーベンドロプ大臣が担当しついさっきまでアセンダンシーとの同盟締結を話していた。

 

『ひとまず持ち帰り……だな。チスとの同盟は様々な面で弊害がある、ファースト・オーダーのようには行かぬさ』

 

「大まか予想通りだがチス側の反応はどうだ?」

 

『ファースト・オーダーと同様譲歩的ではあるが……完全に従僕させるのは不可能だろう、チス側は疎か亡命者達もそうだ。当分同盟は締結出来そうにない』

 

「そうか、まあそうなるだろうな」

 

シュメルケ元帥は当然だと反応を示した。

 

そもそもチス・アセンダンシーはチス単体による非人間の国家で本来はホロコーストの対象、もしくは隷属化すべき相手だ。

 

だが亡命者と旧帝国の側面から席に付かざるを得ず当然乗り気ではない。

 

もし今交渉の席についている外務大臣がリーベンドロプではなくゼールベリックだったらもう少し変わっていただろうが。

 

早いうちに失脚させておいてよかったと一部の人間は思っていた。

 

「最悪に備えて親衛隊の地上軍三個師団と宇宙軍二個機動部隊をアンシオン周辺に展開しておく。現地の駐留部隊と合わせてこれだけ入れば少なくとも本隊到着までの時間は稼げるだろう」

 

「シュメルケ元帥殿、いくらなんでもそれは早すぎだ。まだ相手の不安を煽るような行為は慎んだ方がいい」

 

バエルンテーゼ上級大将はシュメルケ元帥にそう諫言した。

 

まだ交渉が破綻する訳でもないのにそれだけの部隊を配備してしまえばチス・アセンダンシーにいらぬ不安を与えてしまう。

 

それこそ交渉破綻の要因となってしまうだろう。

 

「それにそれだけの戦力をどこから持ってくる?親衛隊も各地に分散している為そう簡単には行かんが…」

 

フリューデンベルク上級大将は尋ねた。

 

親衛隊も国防軍同様銀河の東西南北全てに部隊を派遣している為自由に動かせる戦力は少ない。

 

元々急速に支配領が増加し軍の配備すらままならなくなっていたほどだ。

 

せいぜいコルスカ宙域の機動部隊程度しか回す事は出来ない。

 

「大セスウェナの駐留戦力に任せて周辺の親衛隊を撤退させる。そうすれば未知領域に少しは回せるだろう」

 

「だがあそこにはまだサラストがあります。陥落間近とはいえ原住民のサラスタン含めて危険な勢力です」

 

「確かに大セスウェナの軍はグランドモフヘルムート・ターキンの方針でほぼ攻撃に回せない。となるとまた国防軍に手柄を譲る事になるが…」

 

シュメルケ元帥の提案にミューレンリーベ上級大将は不安を口にした。

 

更にはヴィスターリッヒ上級大将も国防軍の名を挙げて危惧を示す。

 

サラストは元より親反乱同盟側で新共和国とも深い繋がりを持っていた。

 

度々大セスウェナの見張り兼防衛台として新共和国軍が駐留しホズニアン・プライム陥落後はサラスト星系周辺の支配すら儘ならない有様だったがそれでも堅牢な守りを保持している。

 

キャッシークやモン・カラ、ヤヴィン4と並んで現在のレジスタンスの一大拠点と目されていた。

 

その為下手に親衛隊を撤退させる事は出来なかった。

 

撤退と同時に急速に戦力を回復させる可能性があるし残った国防軍やセスウェナ連邦軍に攻撃を受けてノルマンディーの二の舞になるのは避けたかった。

 

勝利の栄光ばかり国防軍に取られていては困る。

 

「当然サラストのレジスタンスには舞台から降りてもらう。我が親衛隊がサラストを陥落させる」

 

シュメルケ元帥はそう断言した。

 

それもサラスト陥落はとうの昔に確定してるようだ。

 

「簡単に言うが誰がやるのだ。失敗すれば撤退どころの話ではないぞ」

 

バエルンテーゼ上級大将は溜息混じりに疑問を吐き捨てた。

 

するとシュメルケ元帥はバエルンテーゼ上級大将の方を見つめニヤリと微笑んだ。

 

「バエルンテーゼ上級大将、君に任せる。どんな手を使っても構わん、サラストを陥せ」

 

「…簡単に言ってくれる。当然命令なのだろう?全く親衛隊の元帥閣下は酷いお方だ」

 

皮肉と呆れを込めてバエルンテーゼ上級大将はシュメルケ元帥に次から次へと愚痴をこぼした。

 

酷い無茶振りに対しもはや苦笑と愚痴しか浮かばない。

 

「君が無理なら私がやろう。別に誰がやっても構わんからな」

 

どうせ軌道上爆撃による殲滅戦を決行するつもりなのだろう。

 

シュメルケ元帥の戦い方は基本そうだ。

 

それも相手は非人間のサラスタンと反乱分子のレジスタンスだ、手加減などする必要がない。

 

「分かった…私がやろう。だが幾つか部隊を借りたい」

 

他の上級大将達は顔を見合わせそれぞれ疎に頷いた。

 

「まずはフューリナー上級大将のフェリス・スタイナー少将と第五機甲師団、そしてモーデルゲン上級大将の“第三機甲旅団”を」

 

無茶だろうとやってやる、まだ自分が“()()()()”であるならば成功するはずだ。

 

バエルンテーゼ上級大将は何処か祈るように心の中でそう唱え覚悟を決めた。

 

我々が“我々”である為の最後の砦を守る為、彼は戦いに身を投じようとしていた。

 

 

 

 

-コルサント ギャラクティック・シティ-

日も暮れてコルサントの都市の灯りが眩き始めた頃シュタンデリス一家は夕食の席に着いてた。

 

親衛隊本部でのデスクワークは前線にいる時とは違いすぐに家に帰れる。

 

家に帰れば前線とは違い暖かい家族に出迎えられ最愛の妻と共に過ごせる。

 

冷たい土の上で食べるレーションもここでは家族と共に過ごす暖かい食事だ。

 

本当ならずっとこうしていたい、いやずっとここにいたい。

 

それもあと少しで叶うかも知れない。

 

バエルンテーゼ上級大将から聞いたあの情報、チス・アセンダンシーとの同盟が締結されれば帝国は更に強くなる。

 

ノルマンディーのようにレジスタンスは次々と敗北を重ね帝国の勝利は後少しのところまで来ているはずだ。

 

レジスタンスを倒せば帝国の敵は大幅に減りまた前線に出る機会も減るだろう。

 

ヴァリンヘルト上級中尉のような若い将校には不満だろうし私としてもまだバエルンテーゼ上級大将のような優れた上官と共に戦いたいが。

 

だがこのまま旅団長をアデルハイン辺りにでも預けて後方の司令本部や作戦部勤務の将校になればこうして家族と過ごす機会も増えてくる。

 

後方勤務でも十分昇進の機会はあるしいっその事このまま退役してしまうのもアリだろう。

 

昔は父を超えたいなどと思っていたが今ではすっかりそのような気概はどこかへ消えていってしまった。

 

私は弱い人間だ、だがそれでも守るべきものは、大切なものは既にある。

 

それで十分だ。

 

ふと食事を囲むを見つめてジークハルトは笑みを零した。

 

「どうしたの?お父さん」

 

マインラート微笑む父親に声を掛けた。

 

何もないのに突然笑みを見せれば少なからず疑問に思うだろう。

 

ジークハルトは「なんでもないよ」と返し別のことを口に出し話をはぐらかした。

 

「そういえば後二、三日もすればいよいよユーゲントの入学式だな。緊張してるか?」

 

「うんうん、全然。すごく楽しみだよ」

 

「私も…マインと同じクラスだって聞いたから…」

 

本来クラス分けの内容はまだ知らされていないのだが一昨日、本部で報告書の作成中にユーゲント教育部の将校と出くわした。

 

暫し雑談しその過程で2人が同じクラスだという事をこの将校から聞いたのだ。

 

「ご家族はともかく他の方々には他言無用でお願いしますね」とのお墨付きだったが家族なので話して構わないだろう。

 

おかげで入学に少し不安を覚えていたホリーも安心したらしくコンプノア・ユーゲントの入学を楽しみにしてくれていた。

 

尤もホリーが自分の養子だと既に向こうが知っていた事が一番の驚きだったのだが。

 

「しっかり勉強してクラスメイトも大切にするんだぞ?」

 

「うん!」

 

「はい…!」

 

「よし、いい子だ。父さんと母さんもちゃんと入学式に行くからな」

 

ジークハルトは浮かない顔で食事が止まっていたユーリアの方を見た。

 

ずっとユーゲントの話をしている時から心配そうな表情だった。

 

だが入学式の話を聞いて無理やり「ええ…!」と反応を示した。

 

「大丈夫、きっとなんとかなるさ」

 

ユーリアの方を見つめて一つ一つ穏やかに彼女の不安を宥めた。

 

なんとかなる、そう信じよう。

 

何せ我々には銀河最強の元戦士が付いているのだから。

 

きっと我が子達を守ってくれる、それが両親だけのエゴだとしても。

 

きっと明るい未来の為なのだから。

 

 

 

 

 

-ァースト・オーダー領 惑星エスファンディア軌道上 ベラトール級ドレッドノート デスティネーション-

チス・アセンダンシーと第三帝国の同盟締結交渉はファースト・オーダーの時と比べてかなり難航した。

 

双方妥協点を見出せず最終的には意地の張り合いに似たものになってしまった。

 

特に第三帝国側はチス族そのものを受け入れる事が難しくこの同盟問題はコルサントへの持ち帰りとなりひとまず中立のみが結ばれる事となった。

 

しかしチス・アセンダンシー側としてはほぼ予想通りで中立条約が結ばれただけでも十分な成果だと捉えていた。

 

ハイパースペースの入る第三帝国のスター・デストロイヤー艦隊を“デスティネーション”のブリッジからヴィルヘルム達は見送っていた。

 

「交渉は元の予想からすれば失敗…でしょうか?」

 

チャルフ准将は不安げな表情でヴィルヘルムに尋ねた。

 

予想された結果がどうであれ同盟の締結がなされなかったという点では失敗だ。

 

もしかすると今後急速に関係が悪化し戦争状態に陥ってしまう可能性だってある。

 

だがヴィルヘルムは「大丈夫だ」と彼の不安を取り除こうとした。

 

「あくまで同盟締結は持ち越しとなっただけだ。交渉は破綻したわけではないしまだ可能性は十分にある。信じて待とう」

 

「そうですね…」

 

「ですがフェル元帥、第三帝国の視察団の件もあります」

 

「そうだったな」とヴィルヘルムは少し頭を抱えた。

 

同盟国としての責務を全う出来るかどうか、第三帝国側から何名かの視察を送る事を条件にひとまずの中立条約が結ばれた。

 

その為後数週間経てば視察が送り込まれてしまう。

 

「こちらから視察団のメンバーを推薦する事は可能だったか?」

 

ヴィルヘルムは交渉の席にいた他のメンバーに尋ねた。

 

「ああ、一応希望は取れたはずだ」

 

タッグ最高位元帥はヴィルヘルムにそう伝えた。

 

「そうか…ならなるべく国防軍の人員が望ましいな……例えばヴィアーズ、ローリング、オイカン辺りの三将とか」

 

視察団に親衛隊なぞ呼んだら何を言われるかたまったものではない。

 

そもそもチス族自体に好意を抱いていないので些細な事を大袈裟に記載して報告する可能性がある。

 

それならまだ由緒正しき帝国軍の軍人である彼らの方が安心出来るだろう。

 

特にヴィアーズ大将軍、オイカン上級元帥は実直な職業軍人で過度な好印象は期待出来ないがあえて悪評を報告するような事はないだろう。

 

ローリング大将軍も多少過激な面はあるが少なくとも親衛隊よりはマシだ。

 

「特にヴィアーズ大将軍配下の将兵が望ましいと考えます。元501軍団の将兵を多く抱えていますし」

 

コーシン提督の提案はヴィルヘルムの決断に大いに役に立った。

 

ヴィアーズ大将軍は今では帝国地上軍の長官、分裂した501軍団の残存兵員だけでなく強襲装甲師団、第一軍団などの精鋭部隊を直接麾下部隊においている。

 

帝国に忠実な彼らなら安心だ。

 

「コーシン提督は彼らと面識があるのか?」

 

エジャイ上級提督は提案者のコーシン提督に面識の有無を聞いた。

 

彼らは同じヴェイダー卿配下のエリート将校で更にはヴェイダー卿のお気に入りだったはずだ。

 

「ある事にはありますがそこまで深くありません。死の小艦隊結成と同時に別部隊の指揮官として転属になりましたから」

 

死の小艦隊配属時の“デヴァステイター”の艦長はコーシン提督でなくジャレッド・モントフェラット提督という別の人物だった。

 

提督でありながらインペリアル級一隻の艦長であり惜しくもエンドアの戦いで“デヴァステイター”と運命を共にした。

 

おかげでコーシン提督は生き残っていたのだが。

 

「501の“()()()”ならこちらにもいる。彼らに任せてみようか」

 

エンドア戦後、分裂した第501軍団の残存兵員を接収したのは第三帝国だけではない。

 

こちらにもまだ“()()()”はある。

 

まずはそのうち、プラージと“()()()()”に出てもらおうか。

 

「では戦果を報告しに帰投するとしよう。三年……いや四年は待ったのだ、今更数週間どうという事はない」

 

銀河に戻る日はそう遠くない。

 

エスファンディアで別れる彼らの後ろ姿はどこかその後の冷たい未来を薄らに表しているようだった。

 

 

 

 

 

 

-ディアン・リーチ レジスタンス絶対防衛戦線内 ヤヴィン4軌道上 ストライキング・ディスタンス-

ローグ中隊、レッド中隊、ファントム中隊がヤヴィン星系に到着した時には何度目か分からない帝国軍の攻勢を辛うじて退けた後だった。

 

イセノの勝利で一時的にだが戦力がコロニーズ、インナー・リムに引き戻されその隙にライカン将軍らは反撃を開始し防衛線を再構築した。

 

陥落寸前だったヤヴィンもひとまず戦力を立て直し帝国軍の攻撃を待ち続けていた。

 

「よく来てくれたアンティリーズ大佐、ソークー中佐。久しぶりだな」

 

「ディゴール大臣の命令でヤヴィン軍へ派遣されました。これより将軍の指揮下に入ります」

 

2人は敬礼しライカン将軍の手を握った。

 

ヤヴィンの燦々たる状況は耳にしている。

 

帝国の絶え間ない攻撃により既にゴーディアン・リーチ全てを維持するのは不可能であり一時はヤヴィンのすぐ近くまで押し込められたと。

 

領域内の惑星もTIEボマーなどの爆撃を受け無傷でいられる施設は少なかった。

 

それでもヤヴィン内のレジスタンス軍は戦線を維持し続け今日まで持ち堪え続けていたのだ。

 

「帝国からヤヴィン周辺の領域を奪還したが現在の我々ではそれが限界だ」

 

MC80“ストライキング・ディスタンス”に会議として招集されたディクス・ストライン少将はおもぐるしそうにそう吐き捨てた。

 

防衛戦と反撃時の功績を認められたディクスは指揮官の人手不足も相待って同階級のゼロヴァー准将と共に准将から少将へ昇進した。

 

今では彼がヤヴィン領内の一個艦隊の艦隊司令官を担っている。

 

「奪還した惑星で再び軍艦とスターファイターの生産を始めているが今までの大損害に比べては到底足りそうにない」

 

「人員の方は?」

 

ディクス少将にソークー中佐は人員の心配を口にした。

 

それだけの大損害を喰らっていれば兵器類よりも人員の損害の方が深刻で再建出来なくなる可能性もある。

 

「ヤヴィン4は元々退役軍人が住むコロニーだった。今じゃ彼らの大多数が復帰しひとまずなんとかなっているが…」

 

ラクティスはソークー中佐にそう返した。

 

だが言葉は詰まりそれだけではやがて行き詰る事を悟らせた。

 

「ここへ向かう途中にベトレイアル・エンジニアリング社とソロスーブ社から支援を受けてきました。フリゲート艦九隻とコルベット艦十五隻、スターファイター五個中隊を贈呈すると」

 

「確認している、既に各地の部隊へ編入した。アンティリーズ大佐には麾下の中隊とこの五個中隊含めたスターファイター部隊の指揮を取ってもらいたい」

 

「わかりました」

 

突然の任命であったがすぐさま了承し命令を受け入れた。

 

隣ではソークー中佐も「よかったな」と微笑を浮かべている。

 

「これからよろしくお願いします、アンティリーズ大佐」

 

ラクティスはアンティリーズ大佐に手を差し伸べ2人は固く握手を交わした。

 

「ヤヴィンの戦いの数少ない生存者が加わってくれると我々も心強い」

 

ディクス少将も微笑み何処か安堵した表情を浮かべている。

 

「ノルマンディーでの敗北により防衛に出た帝国軍はかなりの数が戻ってくるだろう。再び大変な時になる、全員頼んだぞ」

 

一足遅れて英雄が誕生した地、ヤヴィンでも反撃が始まる。

 

地獄を耐え抜いた兵士たちと歴戦の古参兵たちによる継戦が始まった。

 

 

 

 

 

-惑星ナブー 首都シード-

ナブーの首都シードはその美しい自然と芸術が融合した都市でありながらも様々な苦難に見舞われてきた。

 

通商連合によるナブー封鎖時にはシードも占領されバトル・ドロイド軍が市街地を闊歩していた。

 

幸い封鎖は解除されシードは再び解放されたのだが更なる苦難がシードに降り掛かった。

 

独立星系連合に加盟した通商連合はかつての私念を忘れずクローン戦争中も幾度となく攻撃を仕掛けた。

 

王室保安軍と現地に派遣された共和国第十七軍と共にこのシードで市街地戦を繰り広げた。

 

クローン戦争が終結した後もシードは戦果に見舞われた。

 

エンドアで皇帝が死にこのナブーもシンダー作戦の標的となった。

 

再びこのシードは戦場となり帝国軍と新共和国軍がこの街で激戦を繰り広げてきた。

 

それは一度ならず何度もだ。

 

皇帝の生まれ故郷故にナブーとシードは幾度となく攻撃に晒され戦い続けてきた。

 

平和主義を固く守り続ける時間すらなかったのだ。

 

特に今のクーデター軍による支配下の中では。

 

戒厳令がシードに展開され街中至るところに検問が張られ市街地にもスピーダーやタンクに乗り込んだクーデター軍がパトロールという名の監視を続けていた。

 

「160帝国クレジットね。昔の新共和国クレジットはもう使えないよ兄さん」

 

「知ってますよなんなら持ってるだけで捕まるとか」

 

「おいおいこんな所で言う冗談じゃないですぜ?」

 

レジに立つ店の店主は苦笑を浮かべポンチョを被った青年、ジェルマンから代金を受け取った。

 

今では新共和国クレジットはすっかり“()()”扱いされ帝国クレジットへの返還が推奨、もしくは強制された。

 

それはこのナブー首都シードでも同様で惑星中に出回る現金は全て帝国クレジットに差し代わっていた。

 

「店の外にいるのは知り合いかい?片方見慣れた顔だが」

 

店主は現金を確認ししまっておくと店の外に立つ男2人を指差した。

 

当然彼らはジョーレンとメンジス三佐だ。

 

ジェルマンの提案通りこの首都シードまで偵察に来ていた。

 

「ああ、2人は知り合いですよ。片方がナブー住みだって言うんで案内してもらっていました」

 

ジェルマンは即座に虚偽のエピソードを作り怪しまれぬよう取り繕った。

 

見たところ店主は全く疑っておらず「へえそうかい」と納得していた。

 

「こんな時代に観光とはおふたりさんは随分変わってるね」

 

店主は微笑を浮かべジェルマンを冷やかすように言った。

 

ジェルマンも苦笑を浮かべ言葉を返す。

 

「はい、こんなご時世ですからいつ死んでもいいように見ておきたいものや行きたいところには早いうちに行っておくもんですよ」

 

「なるほどねぇ…世知辛い時代になったもんだ。それじゃあな兄さん」

 

店主は手を振りジェルマンを見送った。

 

ジェルマンも「ありがとうございました」と礼を述べて店を後にしていた。

 

店の外にいたジョーレンは辺りを見つめながら遠くの一部を凝視していた。

 

同じく警戒を続けるメンジス三佐は反対側からくるスピーダーに乗ったクーデター軍の一団を目にした。

 

「哨戒中の歩兵分隊です。少し移動しましょう、バスチル少佐?」

 

固まったまま動かないジョーレンにメンジス三佐は声をかけた。

 

「いや何でもない」と口を開きその後すぐにメンジス三佐の提案に頷く。

 

「遅くなった」

 

店の中からジェルマンも姿を表し3人は揃った。

 

「あちらの道から行きましょう」

 

シードの地理に詳しいメンジス三佐が先導し2人は三佐の後に続いた。

 

どこの道を歩いても人の数は少なく閑散としていた。

 

到底惑星首都の都市とは思えない光景だ。

 

特にエンドア後の解放され勝利に湧き上がる首都シードの姿を見たジェルマンからすればそれは驚きの光景だった。

 

「人が随分と少ないな」

 

ジョーレンは歩きながら独り言のように呟いた。

 

それを聞き逃すメンジス三佐ではなく「はい…」と重く頷いた。

 

「戒厳令の影響で市民は必要最低限の用事でしか都市部には出ません。今のシードはもはや生気を失った操り人形も同然です」

 

「操り人形……か。確かに今じゃナブーは帝国の傀儡も同然、結局四十年近く前の姿に戻っちまったってことか」

 

そう、このシードは過去に遡った。

 

かつてはバトル・ドロイドだったものが今ではクーデター軍の兵士に変わっただけだ。

 

封鎖という名目で実行権を簒奪した通商連合も今ではクーデター暫定王室とその背後に控えている第三帝国に名が変わっただけ。

 

ナブーだけ時を逆行させていた。

 

「なら未来へ進めないと。四十年前、皇帝の呪縛からナブーを解き放たなければ」

 

「ええ…」

 

メンジス三佐は小さく頷いた。

 

すると反対方向からロングコートの男が静かに歩いてきた。

 

三佐はその男に面識がある。

 

男はメンジス三佐に近づくなり彼の耳元で小さく囁いた。

 

「勝利の為の花火が始まる」と。

 

たったその一言だけ呟き男は足早にその場を後にした。

 

だがそのたった一言はメンジス三佐の顔色を大きく変貌させた。

 

震える唇を抑えながら2人に報告する。

 

「少佐、上級中尉、今すぐ離れましょう。ここはもう時期…」

 

「もう遅いですよ三佐…」

 

「ああ…最悪の鉢合わせだ」

 

「えっ?」

 

2人は指を差し通路の先を見つめていた。

 

唖然とするメンジス三佐はその光景を見てすぐに理解した。

 

ああ、一足遅すぎた。

 

全てに反対側の通路ではクーデター軍のパトロール分隊に向けて盛大な“()()”が打ち上げられていた。

 

 

 

 

 

 

-コルサント 親衛隊本部 地上軍部門会議室-

数日前に上級大将ら最高司令部の会議で決定した事に関係しこの日第三機甲旅団の上級将校達が本部に集められていた。

 

普段常駐しているジークハルト、アデルハイン中佐、ハイネクロイツ中佐以外の将校もだ。

 

大隊クラスの指揮官も招集され皆一つの作戦室に一旦は集められた。

 

彼らはバエルンテーゼ上級大将から報告を聞きサラストへ攻撃を仕掛ける事、その為に第三機甲旅団の半数が参加する事が通達された。

 

これは旅団長のジークハルトも数時間前に初めて知られた極秘事項であり将校達にも緊張が走った。

 

その後詳しい参加部隊は追って指示を出すとされ指揮官達はひとまず解散した。

 

残ったのは旅団の上級将校3人と副官の3人のみである。

 

彼らはバエルンテーゼ上級大将と詳細を話す為に本部に残っていた。

 

「軌道上はバイレルとエルシュナーの艦隊が封鎖する。他の南方の親衛隊も支援に入る」

 

「となるとかなりの大部隊が使用出来ますね」

 

「いや、この戦いは南方から親衛隊を撤退させる為のものだ。出来る限り消耗させたくないというのがシュメルケ元帥らの望みだろう」

 

ホロテーブルの親衛隊の部隊を操作し立体的に説明を加える。

 

今度は表示を切り替えサラストの地上戦の作戦説明を行った。

 

「サラスト上陸に際しては電撃的な攻勢と大勢力による制圧を行うつもりだ。まずフューリナーから借りてきたスタイナーの師団と彼の配下の特殊部隊を突入させる」

 

配下の第五機甲師団がホロテーブルの地図上に展開され予想されているレジスタンス地上軍の部隊と衝突した。

 

師団長のフェリス・スタイナー少将は親衛隊地上軍の中でもかなり有能で部隊強化に余念がない指揮官だ。

 

兵同士の一体感や協調性を大切にし1人1人を特殊部隊並みの練度まで引き上げる。

 

彼の師団や直轄の連隊、特殊部隊は他の部隊の何十倍もの過酷な訓練を重ね親衛隊の中でも一二を争うほど精鋭師団と化した。

 

そんな彼の配下にあるストーム・コマンドーやシャドウ・トルーパーは当然最強のユニットであり絶対的な貫通力や突破力を誇っていた。

 

「彼らを先陣に機甲師団や装甲兵団を敵主力に当て抑えつけ撃破する。君たちの出番はその隙に他の連隊と共にソロスーブの本社を制圧しろ」

 

「本社の防衛力はどのくらいでしょうか」

 

アデルハイン中佐がホログラムを見つめながら尋ねた。

 

恐らく向こうも我々の上陸に際してかなりの防衛装備を整えているだろう。

 

それこそ数十ヶ月以上放置したのだからターボレーザーやプロトン魚雷発射装置などもありそうだ。

 

「偵察によれば砲塔が何十門も配備され偏向シールドも備え付けられており一個旅団程度なら立て篭れるそうだ」

 

「となるとアサルト・ウォーカーを全面に出した突撃は逆に損害を受けやすいか…」

 

「爆撃機と歩兵の浸透攻撃が友好だろうな。とはいえ俺と俺の部隊は動かせそうにないが」

 

今回ハイネクロイツ中佐と配下の飛行大隊は参戦せずコルサントで待機となった。

 

スターファイター隊まで貸し出せない、もしくは単純に貸したくないのだろう。

 

何せ第三機甲旅団を借りる時でさえかなり面倒なことになった。

 

「そうだな…空挺や突撃部隊を先行させて砲台を優先的に破壊させながらヴィアーズ隊形で前進…残りの歩兵部隊で徐々に制圧していく」

 

「特殊部隊が先行して主電力システムを一時的にだがダウンさせる。その隙に実行するのも手だろう」

 

バエルンテーゼ上級大将は一つアドバイスしアデルハイン中佐やジークハルトもそれを視野に考え始めた。

 

その中で1人、若年のヴァリンヘルト上級中尉が全員に対して口を開いた。

 

「その前に指揮官はどうします?やはりシュタンデリス上級大佐が自ら向かうのですか?」

 

そう、一個連隊近い兵力を送る事は決まっていても誰が現地で指揮を取るかはまだ決まっていなかった。

 

アデルハイン中佐は「もちろん旅団長本人だろう?」と軽く言ったが当のジークハルト本人は首を降った。

 

代わりにバエルンテーゼ上級大将が指名する。

 

「君だよ、アデルハイン中佐。半個旅団の指揮を取りソロスーブ方面の攻略を頼む」

 

「私がですか?」

 

思わずアデルハイン中佐はオウム返しの返答をしてしまった。

 

普段はこのような場合だとジークハルトが出向きアデルハイン中佐が残るパターンなのだが。

 

「私が推薦しシュタンデリス上級大佐が承認した。何か問題でもあるかな」

 

「いえ…!光栄です!」

 

バエルンテーゼ上級大将の一言はアデルハイン中佐を年甲斐もなく喜ばせた。

 

アカデミー時代からバエルンテーゼ上級大将が憧れだったアデルハイン中佐からすればこれ程までに名誉な事はないだろう。

 

ジークハルトも「しっかり戦果を挙げてこい」とエールを送った。

 

「ソロスーブを包囲して堕とせばレジスタンスの軍事生産力を大幅に削ぎ落とす事が出来る。これは今後の局面においても重要な意味を成すだろう」

 

サラストとソロスーブ社が撃破されればレジスタンスの戦力は大きく没落し生産力も低下する。

 

そうすれば数的優位にありクワットやコレリアなどの生産力を有している帝国の方が遥かに優勢に立つ事が出来る。

 

これは重要な戦いだ。

 

「忠誠を誓った帝国の為に奮闘する事を期待する、アデルハイン中佐」

 

「はい!我が祖国と総統の為に!」

 

中佐は敬礼しその身で祖国への忠義を示した。

 

誰からも信頼された立ち位置二番手の指揮官が今その本領を発揮しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

「中佐は随分と喜んでいたな」

 

親衛隊本部のとある通路でバエルンテーゼ上級大将は独り言のように呟いた。

 

背後に控えているジークハルトは「ええ」と相槌を打った。

 

「彼は元々閣下の大ファンですから」

 

「そうなのか?私の配下にいた時はそんな素振り余り見せてくれなかったぞ?」

 

どこか寂しそうにバエルンテーゼ上級大将はジークハルトに聞き返した。

 

ジークハルトは「隠してたんですよ」と付け加える。

 

ジークハルトもアデルハイン中佐も一時期はバエルンテーゼ上級大将の下で副官や部隊長を務めていた。

 

スカリフで拾われガリタン戦で部隊がノートハーゼン宙域に身を寄せた時にはハイネクロイツ中佐も彼の配下に付いていた。

 

現在の第三機甲旅団はこのバエルンテーゼ上級大将と大きな縁があった。

 

「昔アカデミーでそんな事を話していました。クローン戦争での閣下の活躍が自分の道を教えてくれたと」

 

「普通こういう場合は私のような一士官よりクローンの方に憧れるのではないか?」

 

「確かに、でも彼にとって軍人ゴットバルト・バエルンテーゼはクローン・トルーパーやどの英雄よりも憧れだったんですよ」

 

バエルンテーゼ上級大将は嬉しそうに微笑を浮かべた。

 

ここまで自分を慕ってくれている将校だとは思わなかったのであろう。

 

どこか報われ誇らしいような顔つきをしていた。

 

「…クローン戦争は我々にとって地獄のような日々だった」

 

一間を置きバエルンテーゼ上級大将はポツリと話し始めた。

 

それも先程とは違い苦々しい表情で。

 

「千年ぶりの大規模戦は未熟な私達を苦しめ多くの戦友達の命を奪った。ジュディシアル時代からの旧友、戦場で共に戦ったクローンの仲間、皆平等にだ」

 

戦場での過酷さはジークハルトも痛い程分かる。

 

先の銀河内戦では多くの戦友が戦死したしこの戦いでも勝利を重ねているが少なからず戦友達を失っていた。

 

ウェイランドではペリタリス上級大尉と外人部隊の兵士達が多く失われた。

 

「そして倒しても倒しても減らないバトル・ドロイドの群れ、連中に対して憎悪や復讐心と言ったものは無意味でありただ消耗していくだけだった」

 

「昔父も何度か話していました。『ドロイドの物量はこちらの攻撃を飲み込み波のように押し寄せてくる。意志のない殺戮マシンに憎悪を向けてもそれは虚空にボールを投げるようなものだ』と」

 

「私とバスティとフリズベンは共に戦ったからな、あの地獄は経験済みだ。あの戦争は世に語り継がれる程良いものではなかった。戦いはなく虚無に満ち溢れ、疲弊していく日々…」

 

それはもはや苦々しいというより思い出したくもないと言った表情だった。

 

戦争の勝利という美酒や美談では拭いきれないような地獄。

 

今のバエルンテーゼ上級大将から放たれる言葉ひとつひとつにそのようなものが込められていた気がした。

 

「何より辛かったのは市民の感情だ。守るべきはずの共和国の市民に指を差され貶されたのは堪えたよ」

 

帝国時代はクローン戦争とは戦勝の記憶であり偉大な歴史とされていた。

 

しかし実際にはそうではない。

 

反戦派が前線の兵士達を貶し将校を犯罪者呼ばわりするなどクローン戦争当時のコルサントなどではよくある光景だった。

 

彼らとて間違っているわけではない。

 

戦争が続けば共和国そのものが瓦解する可能性があるし何より戦時中の下層市民の生活は今よりも更に辛かったそうだ。

 

ただ彼らが放つ言葉が前線の兵士達にとってどう伝わるかは別の話だが。

 

「戦勝と帝国の誕生は確かに我々にとって嬉しく意義のあるものだった、皆報われたと思っている。だが何気に中佐のような人と出会う事が一番“報われた”と思えるのかもしれんな」

 

上級大将の微笑はいつにもなく悲しく哀愁に溢れていた。

 

「父とは真逆ですね…父は私に『私のようにならないでくれ』と言われました。もしそれが後に続く事だとしたら閣下とは意見が食い違うでしょう』

 

「バスティにはバスティなりの考えと事情があるんだ。もう許してやってくれ」

 

今は亡き旧友を思い出し更にバエルンテーゼ上級大将は哀愁漂う微笑を浮かべた。

 

あまりにも淋しい姿だった為ジークハルトは話題を変えた。

 

「そういえば何故今回の作戦で我が旅団からアデルハイン中佐を選んだのですか?」

 

それは単純な疑問の一つだった。

 

今回の作戦はレジスタンス軍の一大拠点を潰す重要な戦いだ。

 

いつものバエルンテーゼ上級大将なら旅団を丸々ひとつ借りていくだろうし選ぶのもジークハルトのはずだ。

 

それを敢えてアデルハイン中佐にしたのは何かしらの理由がある、ジークハルトはそう思っていた。

 

「君なら分かるだろうが中佐は君と同等、もしくはそれ以上の指揮官だ。君達が尉官の頃から知っている私からすれば彼の能力は副でなくても十分通用する」

 

「それは分かります、ウェイランドでは彼の指揮能力に助けられた。アデルハインがいなければ間違いなくやられていたことも多々ある」

 

「だからこそ彼の腕を見せる機会を作ってやりたかった。このままいけば中佐は親衛隊の司令部から過小評価を受けてしまう」

 

確かに、アデルハインは副司令官としていつも私を支えてくれた。

 

彼自身が1人の一人前の指揮官としての技量と経験を持っているのにも関わらずサポートを優先してくれる。

 

それは親友としての友情か将又自身の任務を精一杯こなす為なのか深くは詮索しない。

 

だがバエルンテーゼ上級大将の言うような事態も起こりかねない。

 

親友が軽んじられる姿を見るのは私個人としても辛いものがある。

 

「君はもう時期将官に上がる、准将として一個軍団の指揮官となるだろう。既にシュメルケとモーデルゲンはその腹積りだ」

 

「私が准将に?」

 

ジークハルトは思わず聞き返した。

 

上級大将は「そうだ」と確証し話を続けた。

 

「君は遊軍部隊の軍団長となる、いよいよ一万人以上の指揮官だ。師団、兵団を指揮するのもそう遠くないだろう。君やアデルハイン中佐、ハイネクロイツ中佐が親衛隊の中枢に入るのはもう時間の問題だ」

 

「つまりやがては大将、上級大将へ上がると言う事ですか…?」

 

「ああ、そうだとも。国防軍との権力闘争は悲しいことに激化する、その為に君達のような若く有能な指揮官を今のうちに前面に押し出して行きたいのだ。シュメルケも、他の上級大将達も、私も」

 

権力闘争の道具、そして親衛隊の顔として我々は売り込まれるのか。

 

今回のアデルハインの件もその一環なのだろう。

 

バエルンテーゼ上級大将は建前上はそう言っているが実際には可愛がっていた部下に手柄を立てさせてあげたいと言う腹積りだろうが他の了承した将校達は違うはずだ。

 

「もし君達が親衛隊の中枢に入ってこれるのならこの組織を“()()()”させる事も可能になってくる。我々がこれ以上道を間違えぬよう君達にも託したいのだ」

 

本来は銀河協定の抜け道部隊であった親衛隊も今では随分変わってしまった。

 

保安局、情報部は完全にハイドレーヒ大将の手中にあり暴虐を繰り返している。

 

他のフューリナー上級大将や昇進したシュメルケ元帥らもそうだ。

 

親衛隊を変えこれ以上帝国が帝国でなくなる前に足を止める。

 

その期待が我々に掛けられたのだ。

 

だがそれは…。

 

「はい、きっと叶えてくれますよ」

 

私を除いた彼ら彼ら2人(アデルハインとハイネクロイツ)が。

 

 

 

 

 

 

 

爆発の轟音と人々の悲鳴が首都シードの一角に響きあちこちで銃声が木霊した。

 

爆炎と銃弾の灼熱がその場の人々の肌を焼き傷つけた。

 

ローブやフード付きのポンチョを被り顔を覆い隠しながらクーデター軍の兵士達を銃撃する者達があちこちに散らばりクーデター兵達は防戦一方の状態となっていた。

 

「チッ!テロリストどもめ!」

 

1人のクーデター軍の保安隊員がCR-2ブラスター・ピストルの弾丸を撒き散らしながら毒付いた。

 

先程まで乗っていたフラッシュ・スピーダーは爆発により転倒し今じゃ盾代わりにしかなっていない。

 

「このっ!グアっ!!」

 

「おい!」

 

彼の隣でS-5重ブラスター・ピストルを構える保安隊員は敵の光弾に倒れ被弾箇所を押さえていた。

 

周りを囲まれ他の隊員も動こうにも動けない状態だ。

 

しかも時々手製の爆弾などを投げ付けられ下手に攻撃出来ない。

 

既に分隊の1/4の兵員が負傷し戦闘不能となっている。

 

数的には圧倒的不利な状況であった。

 

「分隊長!このままでは全滅です!」

 

「分かっている!リグサ一等保安士!例のアレを出してこい!」

 

「はっはい!」

 

分隊員のリグサ一等保安士は横転したスピーダーのトランクを開け何かを取り出した。

 

一等保安士を援護しようと他の隊員達はブラスター・ピストルで応戦しその隙に一等保安士は分隊長に「持ってきました!」とトランクの中身を持ってきた。

 

「よぉし!コイツで一網打尽だ!」

 

分隊長は目を輝かせながらその筒状のものを手に取り安全装置を外した。

 

それが何かすぐに分かった隊員は慌てて分隊長を止める。

 

「分隊長!いくらなんでも市街地で重ブラスター・ライフルを発砲するのは危険です!」

 

「何を言う上等保安士!連中の惨劇に比べたら大したことはない!テロリストどもめ、帝国軍の贈り物を食らえ!!」

 

少々錯乱気味に分隊長はDLT-19重ブラスター・ライフルを持ち上げ引き金を引いた。

 

オートで何十発も放たれるDTL-19の弾丸は次々と建物の壁や人を薙ぎ払い目につく敵全てを撃った。

 

屋上にいる敵も重ブラスターの連続射撃によりその被り物やローブに穴を開けられながら地面へと叩き落とされた。

 

一瞬のうちに数名の敵が撃ち倒され残された者はそそくさと退散し始めた。

 

だがそんな敵を逃すはずもなく分隊長はDTL19を担いだまま命令を出す。

 

「1人たりとも逃すな!増援の分隊と共に追撃しろ!」

 

「了解!」

 

背後からフラッシュ・スピーダーが数台現れ多くの保安隊員を降ろした。

 

降り立った保安隊員達は皆銃器を手に逃走した敵相手に突撃していった。

 

「まずいな…完全に逃げ遅れた……」

 

「いや…逃げたら逃げたで特別シェルターに入らざるを得ずどの道捕まってしまいますよ…」

 

建物の影に隠れた3人は静かに保安隊の様子を見守っていた。

 

「今のうちに退避しましょう、この区画に兵員が集中してどこかしら手薄になる」

 

ジェルマンは2人に提案し保安隊の方を見つめた。

 

既に数十名の保安隊員が交戦地帯に集まり負傷兵の搬送と追撃や偵察に出ていた。

 

「まさか地上部隊も帝国軍から支援を受けているとは…」

 

あの部隊長と思われる保安隊員が使っていたDTL-19重ブラスター・ライフルはどこからどう見ても帝国軍の最新式の武器だ。

 

圧倒的な火力で襲撃を行った抵抗勢力の民兵達は蹴散らされ撤退せざるを得なくなった。

 

「ウォーカー類まで一般に行き渡ったら解放なんて夢のまた夢の話になる、早くせんとな」

 

ジョーレンは保安隊の様子を見つめながらそう呟いた。

 

AT-STならまだしもAT-ATのような大型ウォーカーが動員された日にはもはやゲリラ戦で解放するのは容易ならざるものになってくる。

 

そうならないうちに早期に決着をつける必要があると再確認した。

 

「あの民兵組織はあなた方の下位組織ですか?何か報告を事前に受けていたような気がしますが」

 

ジェルマンはメンジス三佐に尋ねた。

 

「いえ」と三佐は首を振り実情を話した。

 

「あれはニジンス一等陸尉が指揮する抵抗勢力の民兵隊です。一応協力関係にはありますが下位組織では…」

 

「おい君たち、そこで何してる…?」

 

メンジス三佐の話を遮り背後から誰かの声が聞こえた。

 

後ろを振り返ればブラスター・ピストルを片手に装備した保安隊員が2人立っていた。

 

しまったとジェルマンとメンジス三佐が瞳孔を開き引き攣った顔のまま汗を垂らす瞬間に2人の保安隊員はバタリと転げ落ちるように倒れた。

 

しっかり見れば彼らの背後にはいつの間にかジョーレンが振動小刀(バイブロ=ナイフ)を手に取ったジョーレンが立っていた。

 

ナイフからは血が滴っており2人の保安隊員は完全に絶命していた。

 

だが保安隊員達の倒れ方がまずかった。

 

「おいあそこに誰か倒れているぞ!!」

 

遠くから別の保安隊員と思われる男の声が聞こえ駆け足と共にこちらに迫ってきた。

 

「まずい!」

 

「逃げるぞ!」

 

ジェルマンとメンジス三佐は急いで立ち上がり駆け出した。

 

ジョーレンはあえて一番最後に走り出し殿を買って出た。

 

慌てて到着した保安隊員達が2人の遺体を確認する頃にはかなりの距離が稼げていた。

 

「あそこにいるぞ!撃て!」

 

隊員が命令を出しCR-2やS-5重ブラスター・ピストルから弾丸が放たれた。

 

「チッ!このまま走って保安軍からスピーダーでもなんでもぶんどって逃げるぞ!」

 

「了解!」

 

ジョーレンはホルスターから借りたS-5重ブラスター・ピストルを引き抜きポンチョの上から引き金を引いた。

 

黄緑色の光弾が放たれ3人を射撃する保安隊員達を撃った。

 

放たれた光弾は隊員達の足や肩に直撃し衝撃でその場に倒れさせた。

 

「ぬわっ!!」

 

「クソっ!」

 

次々と負傷兵が増え他の隊員達は物陰に移動し狙撃する。

 

「あえて急所を外して時間を稼ぐつもりか…!敵は手練れだぞ!数で圧倒しろ!」

 

ジョーレンの技量を見極めたベテランの伍長が他の部隊員を呼ぶものの時既に遅し、もはや攻撃の続行は不可能となった。

 

ジェエルマンが地面にスモーク・グレネードを投げつけ視界を遮った。

 

「煙幕です!」

 

「見ればわかる!スコープを暗視用に…」

 

「ダメです!スモークに妨害材が混ぜられており暗視モードを使っても姿を発見出来ません!」

 

部下の隊員の報告は伍長にこれ以上の追撃は不可能だと言うことを悟らせた。

 

「これだけの動き…擲弾兵部隊か…?」

 

もし仮に潜伏中の元王室保安軍正規兵だとしても腕が良すぎる。

 

精鋭部隊の擲弾兵か近衛兵でなければ説明が付かない。

 

それもそのはず、ジェルマンとジョーレン2人は幾度となく激戦を繰り広げてきた精鋭中の精鋭だ。

 

一行は急いで通路を曲がり再び市街地へ出た。

 

そこには検問を張ろうとフラッシュ・スピーダーの前に集まっている5、6人の保安隊員の姿があった。

 

「あれを奪うぞ!」

 

ジェルマンとジョーレンとメンジス三佐は即座に手持ちのブラスター・ピストルで反撃し反応の鈍い保安隊員を4人ほど打ち倒した。

 

「なんだお前達は!?」とブラスター・ピストルを向ける隊員をジョーレンが殴り飛ばしスピーダーに最も近かった保安隊員もメンジス三佐がピストルで撃ち殺した。

 

「急げ!」

 

ジョーレンが操縦席に座りジェルマンとメンジス三佐が機体の後部座席に座った。

 

思いっきりペダルを踏み込みフラッシュ・スピーダーを全速力で走らせその場を後にする。

 

追っ手の保安隊員達が姿を現す頃にはジェルマン達の乗り込むスピーダーはもう米粒以下の大きさとなっていた。

 

「一瞬で6人の隊員を制圧…連中只者じゃない」

 

「ああ、上層部に報告だ。これは大変なことになってきたぞ…」

 

保安隊員達は固唾を飲んで3人の後を目で追った。

 

「あった!このスピーダーにも重ブラスター・ライフルが装備されている!」

 

トランクを開けて中からDTL19重ブラスター・ライフルを手に取ったジェルマンはそのままライフルの“()”を出しスピーダーにつけた。

 

これで即席のブラスター砲が完成し追っ手に対して攻撃出来る。

 

「このまま一気に逃げる!色々と内情が掴めただけでも大きな収穫だ!司令部に戻って対策を立てるぞ!」

 

「了解!」

 

銃口の先に映るシードの姿をジェルマンは見つめた。

 

本当に美しい都市だ、それでいて悲しく悪霊に取り憑かれたようでもあった。

 

皇帝の生まれた地で、レジスタンスの新たな勝利を手にすべくジェルマンとジョーレンは戦いを始めた。

 

 

 

つづく




頭が、痛いです(あいさつ)



ピーヴィー「そういやこないだTwitterで帝国の日だったらしいけど」
キャナディ「ああ、完全に銀河帝国紹介botと化していた」
ピーヴィー「ちなみに本作は?」
キャナディ「崩壊した後におナチ成分をふんだんに取り入れたクソみてねぇなもん」
ピーヴィー「うーん」
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