第二次銀河内戦   作:Eitoku Inobe

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「光が生まれなければ闇は生まれない。同時に闇が消えれば光も消える。この銀河は全てが共生関係にあり、共生者の片方だけが残るということはないのだ」
-旧ジダイ・オーダーの研究員のとある日誌より抜粋-


ボーラ・ヴィオの戦い/後編

-未知領域 ファースト・オーダー領 惑星パナソス-

未知領域はその名の通りまだ開拓が進んでいない部分が多く殆どが未開の地だ。

 

故に帝国の残党達にとってみれば格好の隠れ家であり再起を図るに十分な場所だった。

 

また銀河系から殆ど注目されていないので秘密の受け渡しをするのにも十分適している。

 

例えばそう、“()()()()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

パナソスの上空にはシス・エターナルに改修を依頼していたファースト・オーダー宇宙軍総旗艦、エグゼクター級“エクリプス”が駐留している。

 

さらにその周りには二隻のジストン級と受け取りに来たファースト・オーダー宇宙軍のスター・デストロイヤーやクルーザーが艦列を並べていた。

 

代理旗艦を務める“ヴィジランス”からは既にファースト・オーダーの高官を乗せたラムダ級が発進しており一行はブリッジに案内されていた。

 

「ブリッジや基本の機器系統には手を加えておりません。今までの容量で運用出来ると思います」

 

シス・エターナル軍の将校がラムダ級に乗ってきたスローネ大提督らファースト・オーダーの高官を案内しながら説明した。

 

彼の階級章を見るにこのシス・エターナル軍の将校は中佐といったところか。

 

両方のポケットにコードシリンダーを1本ずつ差しシス・エターナル軍の制帽を被っていた。

 

「主に、最も手を掛けたのはここに来る途中にご覧になったかと思いますが艦首に設置された超兵器、スーパーレーザーです」

 

中佐は誇らしげにブリッジのビューポートから見える発射口を高官達に見せた。

 

ここに来る途中で中佐の言った通りスローネ大提督達は“エクリプス”の全体像を見た。

 

エクセゴルへ引き渡した時とは違い艦首に巨大な十字の物が取り付いており艦底の細部も所々かなり違っている。

 

「やはり、見れば見るほど北東方面で大活躍のあなた方のスター・ドレッドノートに似ている」

 

ピアーソン提督はこの超巨大な砲塔を眺めてそう呟いた。

 

「ええ、我が軍のエクリプス級ドレッドノートの一番艦はこの“エクリプス”になる予定でした。しかし超兵器の研究や技術的な問題でひとまずエグゼクター級として建造し後に超兵器ユニットを設置する計画になったのです。その為純正な、初期から超兵器を装備したエクリプス級は我が軍の“エクリプスⅡ”が初でして」

 

中佐は何処か懐かしそうに呟いた。

 

恐らく彼も開発に携わりあのドレッドノートを造り上げたのだろう。

 

今や彼らが造り上げたものは銀河系最大の力を持ち向かう戦場全てで敵を蹂躙していた。

 

それは周りの超兵器搭載スター・デストロイヤーも同様でレジスタンス軍が数年掛けて奪還した領域は失われようとしていた。

 

「今回の改修でこの“エクリプス”も“エクリプスⅡ”とほぼ同等の戦闘能力を有しております。むしろベースがエグゼクター級でエクリプス級より若干船体が大きい為通常の砲撃戦では“エクリプスⅡ”より有利かも知れません」

 

「そんなものを我々に渡して良かったのか?」

 

スローネ大提督は皮肉を言うように中佐に尋ねた。

 

この軍艦を使って反逆することも可能だ、むしろ今のファースト・オーダーならば純粋な規模で言えばシス・エターナルを上回っている。

 

自らより巨大な飼い犬に自分達の身の丈と同じ高級な兵器を渡しては寝首を掻かれてもおかしくない。

 

誰しもが従順にシス・エターナルに従う訳ではないのだ。

 

「問題ありませんよ大提督、貴女はラックス元帥がお認めになった偉大で帝国を重んじる高貴な方です。一つ強い兵器が与えられたからといってそう簡単にこの帝国統一の機会を逃すようなことはしないでしょう」

 

「随分と高く見積もられたものだ、それでいて意外な人物の名が出てきた」

 

中佐から放たれた人物の名前を聞いてスローネ大提督だけではなく周りの高官達も少し驚いていた。

 

彼らは皆何かしらの形でラックス元帥によって選ばれ関わりがある。

 

たとえそれが高級な捨て駒だったとしてもだ。

 

ファースト・オーダーの母体の一つであるジャクー帝国残存勢力や影の評議会(シャドウ・カウンシル)は皆ラックス元帥が選んだものだ。

 

ある者は捨て駒として、またある者は未来の帝国を作る種として。

 

これも全ては彼のみに与えられた秘密の遺言、終末司令によるものでそれを受け継いだのがスローネ大提督だった。

 

その為ラックス元帥や死ぬ以前の皇帝パルパティーンが描いた結果とは大きく異なるだろう。

 

本当ならラックス元帥が生きて選び抜いた者達をもしかしたらエクセゴルに連れて行き、ファースト・オーダーとシス・エターナルが融合した姿で銀河に帰ってきたかも知れない。

 

そもそも第三帝国という超巨大な帝国の残存勢力が新共和国を倒し銀河系を半ば掌握することもなかっただろう。

 

文字通り“()()()()()()”は皇帝と共に心中していたはずだ。

 

「あなた方もそうでしょう、ファースト・オーダーはラックス元帥に選ばれた正当な帝国の後継者であり統一された帝国の中心となるべき存在はあなた方です。他の勢力とは違い、あなた方は最も正しい選択をしてくれると我が主人は信じています」

 

「最も正しい選択……そんなもの、この世に存在するのか?」

 

スローネ大提督は中佐に再び尋ねた。

 

大提督は銀河内戦を通して本当に正しい選択をしてきたのか疑問に思う事が何度もあった。

 

ラックス元帥の言いなりになってやってきたこと、そしてそのラックス元帥を自らの手で殺めたこと。

 

彼を早々に身限り例えばローリング大将軍やあの当時ハンバリンを抑えていたオイカン大提督、そして後に第二帝国を作る事となったモフヒルデンロードらと共により強固で統一された帝国の連合を作ることも出来たはずだ。

 

そしてラックス元帥を殺めず彼のなすべき事を黙って見ていた方が帝国の為になったのではないかと思うこともある。

 

亡き皇帝が決めたことを彼はやっていた、ならばそれを止めるということは皇帝に反逆することなのではないか。

 

だがスローネ大提督は常に決断し、ここまでやってきたのだ。

 

今更否定する事は出来ないし誰にもさせやしない。

 

「ありますよ、我が主人は特に。やがてお目通りが叶う時も来るでしょう」

 

「ほう、それは楽しみだ」

 

一瞬だけ中佐とスローネ大提督の間に緊張が走った。

 

ラックス元帥の隠していた秘密、彼が最終的に向かうべき場所は“()()”だったのかを調べていくうちにスローネ大提督はある一つの結論に行き着いた。

 

もしかして“()()()()()()()()()()()()()()”。

 

辛うじて復元出来た資料などを見てもわずかながらにその可能性が高かった。

 

ラックス元帥は常に“()()”という言葉で終末司令後の濁していた。

 

例えばもしこの“()()”が未知領域ではなくエクセゴルだとしたら。

 

そしてその命令の司令者がその地にいるとしたら…。

 

まだ確証は持てない上に否定出来る証拠も幾つも存在する。

 

だが可能性としては確実に存在しエクセゴルでシス・エターナルの言う主人とやらに会えば答え合わせになるはずだ。

 

「大提督、操艦可能な分の乗組員は乗艦しました。戦闘を考慮しないのなら後10分で動かせますがどうしますか?」

 

報告に来たトスウィン少佐がブリッジに訪れスローネ大提督に敬礼した。

 

その様子を見ていた中佐や他のシス・エターナルの将兵達は徐々にブリッジを後にした。

 

「それでは大提督、我々はこれにて」

 

「ああ、シス・エターナルの指導者には是非感謝の言葉を伝えておいてくれ」

 

「はい、我が主人も喜ぶでしょう」

 

中佐はスローネ大提督と敬礼を交わし、中佐は他の将兵と共にブリッジから離れた。

 

彼らを見送った後スローネ大提督はトスウィン少佐に返答した。

 

「いや、兵器技術者やトルーパー、パイロット達も乗せてからだ。万全の状態でこの艦を動かす」

 

「分かりました」

 

「イラムに戻り次第“エクリプス”のスーパーレーザーの運用テストを開始する。FOSB(ファースト・オーダー保安局)には機密保持の準備をさせておけ」

 

「了解」

 

副官や幕僚達がスローネ大提督の命令を受けて忙しなく動き始めた。

 

部下達への指示を一通り出し終えたスローネ大提督は再びブリッジから“エクリプス”のスーパーレーザーを見つめた。

 

いよいよ大提督がエンドアで守っていたものは一隻の軍艦にまで化けるようになった訳だ。

 

着実に技術は進んでいると感じさせた。

 

「シス・エターナルと一戦交えると言うなら私はついていくぞ。どうせ一度は死んだ身だからな」

 

スローネ大提督の隣に来たボラム大将軍がそう苦笑と共に呟いた。

 

「あくまで考えの一つだ、実際に実行するつもりはない。何せ今の我々じゃあ彼らに勝つ事は不可能だからな」

 

超兵器を備えた“エクリプス”を一隻持っているからと言ってそれだけでシス・エターナルには勝てない。

 

むしろ僚艦として控えているジストン級によってファースト・オーダーの艦隊は消し炭にされ勝負にすらならない可能性が高い。

 

「しかしあの中佐、我々の事情を知らず随分と期待してくれている。確かにシス・エターナルと戦う気はないとはいえそれ以降彼らに利益になる行動を取る保証はない。何せ我々とて一枚岩ではないからな」

 

ボラム大将軍は伊肉を込めスローネ大提督に呟いた。

 

これには大提督も頷かざるを得なかった。

 

シス・エターナルが今後要求してくることはいずれファースト・オーダーとて飲めない事が出てくるだろう。

 

「だがもはや紡ぐ事は出来ない崩壊した帝国を再び一つにするチャンスはこれしかない。私は可能な限りシス・エターナルと協力し彼らのビジョンの達成に尽力するつもりだ」

 

「…やはりまだ諦められないのか、帝国の再統一を」

 

ボラム大将軍の問いにスローネ大提督は「ああ」と素早く答えた。

 

「私は確かにラックスに最後の任務を託された。だが奴のやり方に従うつもりは今も毛頭ない、むしろ奴とは別の方法で任務を成し遂げるさ」

 

スローネ大提督の希望は常に輝いて見える、ボラム大将軍はそう思っていた。

 

「…ファースト・オーダーの最高指導者が君で良かった。私は大提督についていくよ」

 

ボラム大将軍は微笑みながらスローネ大提督に告げた。

 

未来を信じる大提督とそれを支えるクローン戦争からの老将は固く受け継いで結ばれていた。

 

 

 

 

 

 

 

-リド星系 惑星ボーラ・ヴィオ ボーラ・ヴィオ・クローニング施設-

ライトセーバーを手に持ち互いに相手に向け合う4人の者達の間には計り知れない程の痛みすら感じる緊張が走っていた。

 

互いに口を開く事すらなく、殺気と相手を探り合うフォースだけが空間に充満していた。

 

ジョルース・シボース、アソーカ・タノ、ルーク・スカイウォーカー、そしてルウク・スカイウォーカー。

 

強いフォースと高い技量を持つこの4人のフォース使いはジリジリと相手に圧力をかけていた。

 

「我が弟子よ、私はあの古き追放されたジェダイを仕留める。お前は奴を」

 

「はいマスター」

 

ジョルースが口を開きルウクは師匠の指示に従った。

 

ルウクはかつてルークが持っていたライトセーバーをルークへと突き向け間合いを測った。

 

それと同時にジョルースもアソーカの方へと振り向き邪悪な狂った笑みと共にライトセーバーを向けた。

 

「久しぶりだな追放された者よ、私は作り上げたぞ。ジェダイの帝国を」

 

ジョルースはアソーカを嘲笑うかのようにそう高らかに告げた。

 

だがアソーカはそんなことを気に求めず言葉を返した。

 

「亡きジェダイ達から作った複製のオーダーなどそれは本物のオーダーとはいえないわ。あなた自身も、あなたの弟子も」

 

「それはこの戦いで決めることだ、さあ行くぞ!」

 

ジョルースの言葉に合わせてルウクも早速ライトセーバーの剣先を用いた突きの一撃を放った。

 

だが攻撃を予測していたルークによってその突きは弾かれ互いに攻防を繰り広げる斬り合いとなった。

 

同じ顔、同じ遺伝子を持つ2人は互いに互いが繰り出す技や攻撃が何処から来るか分かっているようで相手の攻撃を防いでは反撃に出て防がれると言うことを繰り返していた。

 

蹴りやフォースプッシュなど様々な技を用いて戦うがどれも決定打にはなり得なかった。

 

緑と青の光剣が混じり合い、ライトセーバー特有の鍔迫り合いの音が空気に伝わった。

 

「お前はなんだ!」

 

ルークはルウクに向けて問い詰めた。

 

ルウクは狂気じみた笑みを浮かべ応える、

 

「僕はお前だ!いや、僕こそが“()()()()()()()()()()()()”だ!」

 

引離れた2人は再び何度も斬り合う。

 

斬撃の度に相手が自らであることを何度も再認識させられた。

 

双方の力は互角、どちらも積極的に攻めに出ているが両者の攻撃で相殺されていた。

 

ルウクが近くのパイプをフォースで引き千切り、ルークに豪速球で投げつける。

 

しかしルウクは逆にライトセーバーでパイプを真っ二つにして攻撃を防ぎ力を込めた拳を地面に叩き付けてフォースプッシュを辺りに飛ばした。

 

だがこれもルウクが速やかに防御を取りつつ距離を取った為なんのダメージにはなり得なかった。

 

両者は0.1秒の間もなく一気に接近しライトセーバー戦を開始した。

 

素早さと華やかさ、そして無駄のない動きがこの戦いを彩り決着の行方を不透明にする。

 

ルークが足を狙いライトセーバーを振るうがルウクがこれをジャンプで回避し逆にルークの脳天を目掛けてルウクが一振りをお見舞いする。

 

この攻撃もルークの防御によって防がれまた何度も互いに斬り合った。

 

力量どころか存在すら同じな2人の戦いはどちらか一方が不利、優勢という訳でもなかった。

 

ただ鎬を削り互いの技をぶつけ合い、それらが全てこの施設の虚空に消えていった。

 

「お前は誰から生まれてきたんだ!何故僕のライトセーバーを…!僕の父のライトセーバーを持っている!」

 

斬撃の間にルークはルウクに問いを投げかけた。

 

彼の存在、彼の出自、彼の持つライトセーバー、全てが謎だった。

 

ルウクはルークの攻撃を防ぎつつ答えた。

 

「このライトセーバーは僕が“()()()()()”ものだ、マスターはそう言っていた。そして僕はマスターに創られた、“()()()()()()()()()()()()”!」

 

その言葉と共にルウクはライトセーバーを投げた。

 

回転しながら接近するライトセーバーをルークが今度はジャンプで躱すと逆にフォースでそのライトセーバーを近くの壁に突き刺した。

 

武器を失ったルウクにルークは一気に接近し斬り掛かる。

 

その重い斬撃をルウクはなんとか手のひらにフォースのバリアーを展開し防いだ。

 

だが余りにも一撃が強かったので少し押され手をひらひらさせた。

 

ルウクはフォースでライトセーバーを取り戻すと素早くアクロバティックな動きでルークに詰め寄り光剣を振るう。

 

まず一撃目を回避したルークは二撃目をライトセーバーで防ぎ三撃目が来る前に蹴りを入れた。

 

だが蹴りを見切っていたルウクは攻撃を行わず再び距離を取りそこから一気に突きでルークにダメージを与えようとした。

 

無論ルークもそう簡単にはやられずルウクの突きを軽々と躱すと逆に無防備な背中にライトセーバーの斬撃を放った。

 

これもすぐにルウクが防御し両者は捨て技と防御の連続となった。

 

その光景はかつてムスタファーの溶岩の上で戦いあったジェダイの師弟を思わせる。

 

2人の戦いは無駄なく静かなものでそれ故に常人ですら肌で感じる殺気や闘志を周りに放っていた。

 

「…お前もクローンなのか…?」

 

ルークは独り言のように彼に呟いた。

 

ジョルースは帝国によって造られた狂気のクローンでそのジョルースが今までルークが戦ってきたクローン戦士を造っていた。

 

ならばこのルウクを名乗る男も、もしかしたらジョルースがなんらかの方法で造り出したクローンなのかもしれない。

 

しかしどうやって、可能性は出たはいいがそれを補強する証拠が今のルークには乏しかった。

 

そんな時ルークはふと、ルウクが手に持つ青いライトセーバーに目を向けた。

 

かつてはルークがあのライトセーバーを握り戦っていた。

 

だがベスピンのクラウド・シティでシスの暗黒卿と対峙した際にあのライトセーバーは自身の右腕と共に失われてしまった。

 

そう、“()()()()()”。

 

この時ルークの疑問と可能性が繋がった。

 

もし帝国軍がルークの右腕とライトセーバーを回収し保管していたとしたら。

 

そしてその右腕とライトセーバーをジョルースが持ち出しそこからクローンを造っていたとしたら。

 

もしそのクローンが“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

彼の存在、そして彼が何故あの青いライトセーバーを持っているのかの全てに合点がいく。

 

父のライトセーバーがルークを答えまで導いてくれた。

 

「お前の正体が分かったぞ、僕のクローン」

 

「ほう、そうかだがそれがどうした。僕がお前のクローンだとしても僕がお前に勝てば僕こそが本物のルーク・スカイウォーカーだ!」

 

自身の歪んだ顔がライトセーバーと共に迫ってくる。

 

だがルークは以前も自身の闇と戦い向き合ったのだ。

 

ならば今度は自らの過去から生み出されたものと向き合う時だ。

 

向き合ってこそルークは未来に進めると信じていた。

 

同じ頃、ジョルースとアソーカも熾烈な戦いを繰り広げていた。

 

両者のライトセーバーは両者の経験を表すように舞い、その熾烈な死闘を生み出す。

 

ジョルースは様々なフォースの技を駆使しアソーカと戦い、アソーカは2本のライトセーバーで防御と攻撃を繰り出しジョルースに立ち向かった。

 

「愚かな女め!自らジェダイという正しい道を外れるとは!」

 

ジョルースはライトセーバーを振るい、アソーカが距離をとった所にフォース・ライトニングを浴びせかけた。

 

アソーカはライトニングをライトセーバーで防ぎつつジャンプと共に一気に接近しジョルースに一撃を与えた。

 

フォース・ライトニングを止め、ジョルースは一旦防御に徹する。

 

アソーカは様々な手法を使ってジョルースの防御を崩そうとした。

 

しかし2人は鍔迫り合いの格好となり両者一歩も引けを取らない。

 

「私はジェダイから離れて自分の道を見つけた。今なら分かる、私達は新しいジェダイの道を歩んでいると。古い凝り固まった傲慢な価値観に囚われたままのあなたに負けるはずがない」

 

「つくづく哀れな奴らだ、この宇宙の究極の力を持つのは我々だけだというのに!!」

 

「この銀河に生きるもの全てがフォースとどこかで繋がっている、特別なのは私達だけじゃないわ」

 

これ以上競り合っていても無駄だと判断した両者は一旦距離を取り、大勢を立て直した。

 

ジョルースはその間に周囲に潜ませていたドロイドや信者達を呼び寄せアソーカと戦うよう命じた。

 

二方向からブラスター弾が飛んでくるがアソーカは軽々と弾丸を全て弾き返し何人かの信者を無力化した。

 

そこから近づいてくるセキュリティ・ドロイドやプローブ・ドロイドを斬り倒し、ジョルースの配下の戦力を全て打ち倒した。

 

最後の1体のドロイドが倒れるとほぼ同時にジョルースは再びフォース・ライトニングを放った。

 

アソーカは2本のライトセーバーをクロスさせ攻撃を防ぐ。

 

しっかり地面に足をつけて踏ん張りジョルースのフォース・ライトニングを防ぎ切った。

 

「見たことか、やはりフォースを感じられないドロイドや人間など所詮このザマだ。私が術を掛け、強化してやっても奴らの限界はこの程度なのだ。こんな下民どもを守る意味がどこにある?むしろ我々の手で正しく導いてやる事こそが正しいことではないのか?」

 

ジョルースは一転して今さっきアソーカが倒した者達を例に挙げ彼女を自らの陣営に引き込もうとした。

 

どこか倒された自らの配下に呆れその上で自らやフォース感受者のアソーカの能力を引き合いに出して支配者になろうと誘っている口ぶりだ。

 

だがジェダイ帝国などアソーカにとって微塵も魅力を感じなかった。

 

「断る、そんなことしてはシスと同じになってしまう。それにそこまでして彼らが弱かったというならそれは彼らのせいではなくお前の術の練度が低いだけだ」

 

「抜かせぇ!!!!」

 

自らの術を馬鹿にされたジョルースは怒りフォース・ライトニングとフォースプッシュを混ぜ合わせた技をアソーカにぶつけた。

 

再びアソーカは踏ん張りライトセーバーで防御する。

 

ジョルースの攻撃を弾くとアソーカは再び走り出しジョルースに斬り掛かった。

 

無論ジョルースもライトセーバーで防御しフォース・ライトニングと斬撃を混ぜ合わせてアソーカと斬り合う。

 

ジョルースとアソーカの戦いもどちらが不利、優勢と判断し切れない熾烈な死闘を繰り広げていた。

 

このボーラ・ヴィオの施設ではあちらこちらで過去との決着をつける戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

-アウター・リム レジスタンス領 ロザル宙域 ロザル星系 惑星ロザル レジスタンス軍絶対防衛戦線-

何百隻もの軍艦と地上に構える何十、何百万人もの将兵がロザルの軌道上に駐留する旗艦からこの防衛戦の総司令官の演説を聞いていた。

 

総司令官のホログラムはロザルの市街地に防衛陣地を構えるあちこちに出現し塹壕や機甲部隊では通信のみが響いていた。

 

『総員に次ぐ!!ここから一歩たりともシス・エターナルの軍艦を奥地へ進軍させてはいかんのだ!!我々がここで踏み留まり、ガレルやバロスで散っていった同胞達の無念を晴らす!!』

 

総司令官の声を張った勇ましい演説は敵を待つレジスタンス軍の将兵に染み渡った。

 

彼の言う通り既にシス・エターナルによって仲間を殺された将兵は多くいる。

 

ガレル、バロスの度重なる敗北により多くのレジスタンス軍将兵が戦死しアキシャル砲の餌食となって遺品すら遺らなかった。

 

軌道上にいる艦隊や地上に控える歩兵達の中には今まで死んでいった兵士達の親友であったり幼馴染であったり或いは軍学校の同級生であったりそういった関係性を持つ者が大勢いる。

 

総司令官もそうした者の1人であり、彼はかつてバロス戦時に戦死したボラトゥス提督の副官を務めていた。

 

『無論、この戦いはバロス戦同様勝率は限りなく低い…我々は戦う事なく全滅してしまうかもしれない、だが諦めてはいかんのだ!!諦めては…今まで散っていった者達の思いが無駄になる!』

 

ある1人の軍曹はジャガーノートの兵員室の中で総司令官の演説を聞きながらホロカムから映し出された写真を眺めていた。

 

ホロカムの写真は彼の恋人と親友と撮ったもので3人ともいい笑顔を浮かべていた。

 

この軍曹は親友と共に銀河内戦の頃からレジスタンスに、それ以前の組織に仕え戦ってきた。

 

写真に映る恋人とも反乱同盟で知り合ったのだ。

 

だが親友も恋人も銀河内戦中に戦死し兵士は1人取り残されてしまった。

 

彼らが命を賭して作り上げた新共和国を守る為軍曹は新共和国軍に残った。

 

そんな中新共和国は崩壊し第二次銀河内戦が始まった。

 

軍曹は今も戦っている、このロザルで再び対決するつもりだ。

 

総司令官の思いに耳を傾けながらこの写真を見て軍曹は再び決意を固めた。

 

『我々は最後の1人となるまでここに踏み留まり、1人でも多くの敵兵を打ち倒し、1秒でも多くの時間を稼ぐ。そうすればやがて我々の仲間達が反撃の手立てを考え、帝国を打ち倒してくれるだろう!!その為にも諸君、私と共にこの地に踏み留まり戦ってくれ!!自由を守る為に、多くの人々の明日を守る為にここを墓場とせよ!!』

 

その一言で通信は切れ、ホログラムも全て消えた。

 

既にロザルの市民は避難が完了し地表に残っているのは全て軍の兵士ばかりだ。

 

このロザルでは最初期に反乱の産声が上がったレジスタンス軍にとって重要な地でもある。

 

ゴーストやフェニックス中隊はここにはいないが必ずこの地を守ってやるという強い意志がそれぞれの兵士から感じられた。

 

無論、皆心の底では恐怖があるだろう。

 

ガレル、バロス共にレジスタンス軍はても足も出ず文字通り全滅した。

 

そんな恐ろしい相手と戦わなくてはならないのだ。

 

既に総司令官が言った通り、勝率もあまり高くはない。

 

だが彼らは全員何かしらの覚悟を決め、或いは仲間の背中を見て立ち上がった。

 

団結し、互いに恐怖を紛らわし、敵が来るのを待っていた。

 

多くの将兵の根底に「必ず仲間が反撃に出てくれる」という確固たる希望があるからだ。

 

新共和国崩壊直後とは違い、新共和国軍の残党は結集しレジスタンス宣言という希望が生まれた。

 

希望があるうちは人は挫けない。

 

もう準備は出来た、あとは待つのみである。

 

暫くして彼らが待ち望んだ彼らに対する最悪の報せが届いた。

 

「ハイパースペースより艦影多数接近!!シス・エターナルの大艦隊です!!」

 

センサー士官の報告と共に総司令官は迎え撃つよう命じた。

 

MC80やMC75から哨戒機とは別のスターファイターの攻撃中隊が発艦しコルベットやフリゲートがより艦列を整え、砲塔がいつでも砲撃出来る状態となった。

 

地上では「敵艦隊襲来!!」と言う各所の兵士の報告で偏向シールドが起動し対空砲や重砲が稼働し地上内のスターファイターが発進し歩兵達が一斉に戦闘配置に着いた。

 

これでロザルはいつでも戦闘が出来る状態にある。

 

そんなレジスタンス軍の目の前に遂にシス・エターナルの派遣軍全軍が姿を表した。

 

“エクリプスⅡ”を中央に僚艦としてジストン級やインペリアル級がジャンプアウトし対空防御の穴をアークワイテンズ級やヴィクトリー級が埋めていった。

 

「敵艦隊の総数はバロスと同様ほぼシス・エターナルの全軍です!」

 

「砲撃用意!広範囲に展開し包囲戦を展開する!スターファイターは浸透し対艦戦闘を…!」

 

「前方的ドレッドノート!スーパーレーザーを発射!」

 

艦首から放たれる“エクリプスⅡ”のスーパーレーザーによって総司令官が乗艦する旗艦やその周辺の護衛艦は全て消し飛ばされた。

 

されどレジスタンス軍の守備隊は最高司令官が戦死しても戦闘を続行出来るように指揮系統の細分化がなされておりすぐに次の代理司令官が艦隊を指揮し戦闘は滞りなく継続された。

 

レジスタンス軍の軍艦とシス・エターナル軍の軍艦が互いに砲撃を撃ち合いぶつかり合う。

 

「敵艦隊、包囲戦を展開しスターファイターによる浸透攻撃で艦隊に打撃を与えようとしています」

 

テルノ中将と協議し合っていたデミングス司令官はフリューゲルにそう報告した。

 

敵艦隊の司令部と思わしき地点を先行してスーパーレーザーで叩いたが地点が違かったのか既に指揮系統が移っていたのかレジスタンス軍は通常通り戦闘を開始している。

 

「ではこのまま防御陣形を維持しつつ地上戦を同時進行で開始する。アキシャル・スーパーレーザーと通常砲撃で敵を寄せ付けるな。スターファイター隊には事前に編成した隊で作戦を続行せよ」

 

「了解」

 

「各艦に伝達、敵艦隊は特攻してくる可能性がある。敵艦や敵機が撃破されるまで気を抜くなよ」

 

レジスタンス軍の動きから見てこのロザルを絶対防衛の地と決めたことは明白だ。

 

彼らは最後の1人になってもこのロザルの地で戦うことをやめないだろう。

 

こうなった敵は手強く油断出来ない。

 

フリューゲルはクローン戦争の時に絶対防衛を決め込んだ分離主義の軍艦やスターファイターが特攻まで行って戦っていた。

 

その結果多くの仲間をその戦いで失いフリューゲルの中ではこの時も思いが強く残っている。

 

もう二度とあの光景は目にすることはない。

 

敵が全滅するまで戦うのならこちらが先に殲滅するまでだ。

 

幸いにもそれだけの火力や兵力、指揮官達は揃っている。

 

この力を活躍しやすい方向へ流してやればいいだけだ。

 

「道をこじ開けろ」

 

一斉に何隻かのジストン級からアキシャル・スーパーレーザーが放たれ接近する部隊が幾つか消失した。

 

それと同時に他のジストン級やインペリアル級からの更なる砲撃も始まり何発もの重ターボレーザーの砲弾がレジスタンス軍の艦艇を襲った。

 

発艦したシスTIEファイターは編隊を組んでレジスタンス軍スターファイター隊の行手を阻んだ。

 

特に優先してYウィングやBウィングのような爆撃機を狙いジストン級や周りの軍艦に攻撃される前に撃墜した。

 

『クソッ!辺り敵だらけだ!』

 

『トレール9がやられた!うわっ!?うわぁぁぁぁ!!』

 

『おい!!クソッタレ!!対空砲火が酷すぎる!!』

 

『やられた!!』

 

レジスタンス軍機の通信回線はどれも阿鼻叫喚、悲惨の二文字で表せた。

 

圧倒的な物量と性能のシスTIEファイターだけでなく周りのアークワイテンズ級やヴィクトリー級による対空防御によりレジスタンス軍のスターファイターは次々と撃墜されていった。

 

ジストン級とインペリアル級が圧倒的な火力で攻撃を担い、ヴィクトリー級やアークワイテンズ級がスターファイター隊と連携して対空の絶壁を作る。

 

まさしく最強の矛と最強の盾を手に入れたようなものだ、フリューゲルが長年培ってきた軍役の集大成がここにあった。

 

ブラハットク級やCR90コルベット、ネビュロンBが周りの護衛艦を破壊し浸透しようとAウィングやXウィングと共に突撃していった。

 

しかし事前に用意されていたシスTIEボマーやプロトン魚雷や震盪ミサイルを大量に装備したシスTIEファイターが敵艦へ攻撃を開始した。

 

護衛機のシスTIEファイターによってAウィングやXウィングは引き離され優秀なパイロット達が対空砲火を展開するレジスタンス軍の艦艇へプロトン魚雷や震盪ミサイル、爆弾を投下した。

 

まずイオン魚雷が艦艇の機能やシールドを奪い、そこにプロトン魚雷やプロトン爆弾が投下される。

 

ブラハットク級やCR90の装甲ではとてもではないがこの爆弾の雨に耐える事は出来ない。

 

特に脆いネビュロンBでは尚更だ。

 

艦列に割って入ろうとしたレジスタンス軍は悉く阻まれ、精密に組織化されたスターファイター隊と防空部隊によって多大な損失を被った。

 

その艦にもジストン級やインペリアル級は容赦無くその火力を発揮し着実にレジスタンス艦隊の数を減らしていった。

 

シス・エターナルに躊躇いという文字はない、常にカイバー・クリスタルから発せられる最大の火力を持って戦っていている。

 

特に艦列の中央で陣取る“エクリプスⅡ”は単艦だけで何十隻ものスター・デストロイヤーの火力を一纏めにしたような存在感を放っていた。

 

重ターボレーザー砲とターボレーザー砲、イオン砲を連続して放ち、チャージが完了すればロザル本星を傷つけぬよう火力を押さえてアキシャル・スーパーレーザー砲を放つ。

 

これ以上は通さぬと決意を固め、踏み留まるレジスタンス艦隊をシス・エターナル艦隊は容赦なく消し飛ばしていった。

 

「制宙権の6割を確保しました。作戦通り、惑星内への上陸作戦を開始します」

 

ブリッジの士官が幕僚達に報告し、多くのスター・デストロイヤーや“エクリプスⅡ”からゴザンティ級やセンチネル級、輸送艇が発艦した。

 

「制宙権の確保、予定よりも大分早く完了しましたね」

 

「ああ、アキシャル砲の効力あっての進撃テンポだ。しかしレジスタンス艦隊もよくやる、あえて地上戦に持ち込ませて耐え抜くつもりだろう。連中は壊滅してもゲリラ戦で我々を足止めするつもりだ」

 

「となると早期決着が望ましいですね」

 

デミングス司令官はフリューゲルにそう付け加えた。

 

だがフリューゲルは首を振り「それも得策ではない」と告げる。

 

「こちらが焦れば連中はその焦りを利用して反撃に出るはずだ。そうなればこちらの組織は大きく切り崩され厳しい戦いとなる。むしろ我々は堂々と戦い、アキシャル砲と最新鋭兵器、優秀な歩兵を持って敵を圧倒すべきだろう」

 

今のレジスタンス軍の士気は高く防衛戦の利もレジスタンス軍にある。

 

だが、それがどうした。

 

シス・エターナルに備わるこの大砲は、カイバー・クリスタルによって生み出される銀河最大級の火力は戦争を一変させる。

 

防衛戦の利も、高い士気すらもこのスーパーレーザーが消し去り、勝利のみを残す。

 

そしてこの力を活かせるだけのものを作り上げてきた。

 

「上陸部隊の第一陣、コザルを占領し通信センターを占拠しました。現在、第11軍団と第31軍団がレジスタンス軍と衝突しています」

 

士官が報告したように既にシス・エターナル軍はロザルへの上陸を果たし瞬く間に入植地と通信センターを占拠した。

 

上陸時に多少の被害は被ったが護衛機のシスTIEファイターやシスTIEボマーの爆撃によって守られていた。

 

「では砲撃支援だ、サブロンド司令官」

 

『ハッ!』

 

デリファン”のサブロンド司令官のホログラムが出現しフリューゲルは命令を出した。

 

「君のジストン級で地上支援の軌道上爆撃を実行しろ。偏向シールド外に出ている敵部隊の幾つかを吹き飛ばしてやれ、ただし事前に言った通りスーパーレーザーは使うな」

 

『分かりました、直ちに命令を実行します』

 

デリファン”の重ターボレーザー砲が全てロザルの惑星方面へ回転し、砲手達が狙いを定めた。

 

ブリッジでは正確な砲撃地点を割り出そうと地上部隊の報告を収集し砲撃座標の計算を行なっていた。

 

「報告通り軍団正面に展開する歩兵部隊と山岳地帯を迂回して裏から回り込む機甲部隊を発見しました。どちらを重点的に攻撃しますか?」

 

「無論機甲部隊だ。正面の歩兵部隊には恐らく我が軍のウォーカー部隊が当たる、敵に防衛陣地を構築されなければそれでいい」

 

「了解しました、座標送信。ポイント…」

 

ブリッジの士官達が格砲門に座標を伝達している中、サブロンド司令官は「ジストン級の力が単なるアキシャル砲ありきでないことを示してやる」と笑みを浮かべた。

 

伝達から僅か30秒後に“デリファン”からは熾烈な地上への軌道上爆撃が放たれた。

 

黄緑色の重ターボレーザー砲がロザルに降り注ぎ、大地を砕いて進軍中のレジスタンス軍を消し炭にした。

 

分隊規模の偏向シールドも展開する余裕がなかった機甲部隊の車輌は砲撃をモロに喰らい、次々と撃破されていった。

 

ターボレーザーの圧倒的な威力によって戦車は破壊され、スピーダーは宙を舞い、ジャガーノートは沈黙し、エリートAT-TEは地面に崩れ落ちた。

 

同じ頃、シス・エターナル軍を迎え撃とうとしていた歩兵部隊の下にも“デリファン”の砲撃が豪雨のように降り落ちた。

 

防衛陣地さえ構築されなければとサブロンド司令官は言っていたがレジスタンス軍の歩兵達にとってこの攻撃は防衛陣地の構築どころではない。

 

既に前衛にいた2個分隊は全滅し塹壕や岩陰に隠れていた兵士達も多くが死傷し、生き残った兵士達も降り続けるターボレーザーの熱とこの轟音、巻き上がる土煙の感触と匂いによって歯を食いしばり顔を硬らせていた。

 

数十秒続いた軌道上爆撃は“デリファン”のブリッジでサブロンド司令官が「もう十分だ」と判断した事により終了した。

 

「軌道上爆撃が止んだ!急げ!!すぐに敵軍のウォーカー部隊が来るぞ!!」

 

ブラスター・ライフルを手に取り隠れていたレジスタンス軍の歩兵達が姿を現す。

 

軌道上爆撃の効力は絶大だがそれだけで勝敗を決するとは限らない。

 

どれだけのターボレーザーを放ったとしても瓦礫の中に、塹壕の中にまだ歩兵が残っていてブラスター砲や重火器を構え立ち向かってくるだろう。

 

だからこそ、この勇敢で愚かな歩兵達をより細部まで手が届く絶大な力で打ち倒す必要があるのだ。

 

後方でエレクトロバイノキュラーを覗き込む1人の歩兵が慌てて大声で叫んだ。

 

「アサルト・ウォーカー発見!!距離150メートル!!」

 

部隊長は険しい表情を浮かべ「総員戦闘用意!!対車輌兵器でウォーカー部隊を迎え撃つ!!」と部下達に命令を出した。

 

すぐ歩兵達が塹壕の中に入り、ある者はブラスター砲を設置しある者はスマート・ロケットを構えた。

 

近くに軌道上爆撃を受けて死んだ仲間の死体があっても今は気にしている暇がない。

 

後少しすれば鋼鉄の歩行者(Walker)達がやってくるのだ。

 

「サブロンド司令官の軌道上爆撃は上手く行ったようだな。よぉし!全隊攻撃開始、我が機甲部隊を持って陛下に仇なすレジスタンスを殲滅だ!」

 

シス・エターナル地上軍のAT-MTに乗り込む上陸部隊総司令官のメルヴァー将軍は配下のウォーカーに命令を出した。

 

メルヴァー将軍はクワット生まれで元は帝国軍のクワット守備部隊の指揮官を務め、帝国崩壊後は守備隊を併合したクワット惑星防衛軍にも一時期所属していた。

 

だが彼は狂信的、病的なほどの皇帝シーヴ・パルパティーンの信奉者だった。

 

ある者はメルヴァー将軍のこの信奉心を“()()()()()”などと言い表していた。

 

そんなメルヴァー将軍が皇帝が死んだ後の世界で正気でいられるかと言われば当然正気な訳がない。

 

何度も“殉死”と言い張って自殺未遂を起こし、更に奇行も目立つようになっていよいよ手に負えなくなってしまった。

 

当然クワットの重役達も手に負えず、最終的にとあるルートでメルヴァー将軍はシス・エターナル地上軍の指揮官となった。

 

そこでメルヴァー将軍は皇帝パルパティーンと再開しひとまず正気を取り戻したのだ。

 

今や彼はシス・エターナル地上軍の中でも切手の機甲部隊指揮官となっている。

 

AT-MTの顎の重レーザー砲や背中のメガキャリバーキャノンから次々と光弾が放たれ、レジスタンス軍の兵士を吹き飛ばしていった。

 

塹壕の中で歩兵達は必死になってブラスター・ライフルの引き金を引き、ブラスター砲やスマート・ロケットで攻撃するが殆ど効力はなかった。

 

接近してダメージを与えようとする歩兵のユニットも護衛機のAT-STマークⅢによって一瞬で抹殺される。

 

塹壕の中には高火力のレーザー弾が叩き込まれ歩兵達は爆風の中に巻き込まれ即死し、或いは重傷を負った。

 

「全てウォーカーの接近を許すな!!ここで食い止めろ!!」

 

AT-STマークⅢにもミサイルが放たれるが周りの随伴歩兵によって迎撃され逆に両側のツイン・レーザー砲が重火器兵を蜂の巣にした。

 

『将軍、このまま随伴歩兵を突入させて塹壕内の敵兵を掃討しましょうか』

 

僚機のAT-MTの車長がメルヴァー将軍に尋ねた。

 

敵は粗方撃破し、このまま全滅させるのはAT-MTでは流石に厳しい。

 

「いや、歩兵はキャピタル・シティまで温存する。AT-STを前進させて塹壕内部に制圧射撃を行え」

 

メルヴァー将軍の命令により何台かのAT-STマークⅢが先行し塹壕内に突入した。

 

既に塹壕の中の歩兵達は一旦後退して体勢を立て直そうと重火器を持って戦場を離れようとしていた。

 

だが直ちに退散しなかったのが彼らの判断ミスだ。

 

「急いで離脱をっ…!」

 

「しまっ!?」

 

塹壕を見下ろすようにAT-STマークⅢが歩兵達の頭上に立ちはだかった。

 

AT-STマークⅢは塹壕の溝に向けツイン・レーザー砲を叩き込んでいった。

 

爆風が塹壕中に蔓延しレーザーを撃ち終える頃には塹壕の中には肉片が千切れた後しか残っていなかった。

 

その上をAT-MTが踏みつけるように通っていった。

 

「全隊、このまま前進しキャピタル・シティまで進撃しろ。ロザルの首都にシス・エターナルの軍旗を靡かせてやれ!」

 

シス・エターナルの赤い津波は青いロザルを飲み込もうとしていた。

 

 

 

 

 

 

ルークとルウク、アソーカとジョルースによる熾烈なライトセーバー戦が繰り広げられている頃ある1人のフォース使いが目を覚ました。

 

マラ・ジェイドだ。

 

彼女はルークと共にジョルースと戦っていたのだがジョルースによって操られた特攻兵の攻撃により気絶してしまった。

 

気絶したところよりも少し離れた場所で倒れていたということはルークが安全な所へ寄せておいてくれたのだろうか。

 

「ここは…」

 

彼女が起きた瞬間アストロメク・ドロイドの電子音が聞こえた。

 

マラ・ジェイドは顔を上げるとそこにはルークがいつも連れているドロイド、R2-D2がいた。

 

「お前が私を起こしてくれたのか」

 

マラ・ジェイドはR2に尋ねた。

 

R2はジョルースと戦う際にルークから「隠れていてくれ」と言われていたので戦闘中は離れていた。

 

だがR2曰く「心配でついてきていた」とのことだ。

 

その途中でマラ・ジェイドを発見し起こしてくれたのだろう。

 

「助かった、だが私もルーク達からだいぶ離れてしまった」

 

マラ・ジェイドは面目なさそうに呟いた。

 

マラ・ジェイドの目の前で戦闘が行われていないという事は彼らは離れた場所で戦っているのだろうか。

 

だとしたら行かねばならない。

 

マラ・ジェイドは痛む体を無理に起こし、フォースの感覚を辿って走り始めた。

 

R2も彼女の後に続き走り始める。

 

「ルークはきっと、今頃1人でジョルースと戦っているはずだ」

 

加勢に向かわねばとマラ・ジェイドは先を急いだ。

 

だが当然ここは敵地で早々簡単に通してくれる訳がない。

 

通路の奥から何人かの武装したジョルースの信者が血走った目で向かってきた。

 

「シボース卿の下にはいかせん!!」

 

ブラスター・ライフルを放ちマラ・ジェイド達を足止めしようとするが所詮はジョルースによって操られた信者だ。

 

マラ・ジェイドはライトセーバーで弾丸を弾いて何人か打ち倒し、一気に接近して斬りつけた。

 

彼らの中には特攻兵はいなかったようで皆ライトセーバーの前に斃れていった。

 

マラ・ジェイドとR2は更に先に進んだ。

 

すると奥から何体かのドロイドが出てきた。

 

また戦闘か、とマラ・ジェイドは身構えたがそうはならなかった。

 

出てきたドロイド達には既に無数の弾痕が残っておりすぐにバラバラと地面に崩れ落ちた。

 

一体なんだとマラ・ジェイドは警戒を強めたがすぐにその理由が分かった。

 

曲がり角の奥から返り血を全身に浴びた鉄の棒を寄せ集めたような真っ赤な瞳のドロイドが顔を出した。

 

「99Eか、どうしてここに」

 

IG-99Eは電子音で経緯を話した。

 

抑えていた戦士達を撃破したはいいが既にルーク達はおらずここまで敵を倒してやってきたそうだ。

 

そのことを聞きマラ・ジェイドはコムリンクで大尉達シス・トルーパー部隊にも尋ねた。

 

「大尉、そちらはどうだ」

 

『施設を大方占拠しましたがクローニング区画を敵が完全に防御していて突破が困難です』

 

「了解した、そちらにアサシン・ドロイドを向かわせる。到着と共に一気に制圧しろ、私もジョルースを仕留める…!」

 

『了解!』

 

コムリンクを切るとIG-99Eはシス・トルーパー達の救援に向かった。

 

マラ・ジェイドもR2と共に走り出した。

 

任務を果たし、1人で戦うルークを助ける為に。

 

「僕こそが正しい真のジェダイだ!!そして僕がお前を倒し!お前は偽物となる!」

 

ルウクはライトセーバーに力を込めルークを斬ろうとした。

 

鍔迫り合いのままでもルークのライトセーバーが肩、足、胴体のどこかしらに当たればダメージになる。

 

ライトセーバーは強力な武器だが使い方には多少の工夫が必要なのだ。

 

当然ルークはこの工夫を心得ておりルウクの思い通りにはならなかった。

 

ステップを踏むように距離を取りルウクに電撃を浴びせかける。

 

その予想外の攻撃にルウクは防御が遅れ、感電によるダメージを喰らってしまった。

 

ルウクが感電の痛みにもがいている間、ルークは攻撃の手を止めることはなかった。

 

緑色のライトセーバーがなんでも振り下ろされルウクを追い詰める。

 

ルウクは防戦一方で彼自身も追い詰められていると感じていた。

 

まだ体に痺れが残り力を込められない。

 

ルウクは耐性を立て直す為にありったけの力を込め、意識を集中させて地面を割るように叩いた。

 

辺りにフォースプッシュの効力が十万し空気が飛ばされた。

 

だがこれを予期していたルークはすでに距離を取っており効力が消えると共に自身のライトセーバーを投げつけた。

 

予想外の攻撃にルウクは間一髪で回避したが今までのように反撃出来ずにいた。

 

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……チッ!小賢しい技を!」

 

「どれも僕が得てきたジェダイの技だ。お前がジョルースから与えられた技の方が小賢しい。そんな技、僕には通用しないぞ」

 

ルークの一言はルウクの怒りの油に火を灯したようなものだ。

 

ルウクは怒りで手が震え、目が血走っていた。

 

頭を抑え掠れて声の出ない嗚咽を吐き出そうとしていた。

 

ルウクはライトセーバーが壊れそうなほどの力で柄を握り締め叫んだ。

 

「貴様のような偽物のジェダイに!!よくも!!」

 

ルウクは乱暴にライトセーバーを振るい怒りで湧き上がった力をそのまま流用しルークを倒そうとした。

 

しかし冷静さを欠いたルウクの攻撃は最も簡単に躱され逆に反撃され危うい状態に陥っていた。

 

攻撃が躱され反撃される度にルウクは苛立ち怒りを増し、余計に冷静さを失っていった。

 

一方のルークは常に冷静そのものであり相手の攻撃を見極め躱し、反撃した。

 

クローンとはいえ相手はかつてまだ未熟だった頃の自分の一部から生み出されたものである為、比較的呼吸や攻撃のタイミングは読みやすかった。

 

人は時と共に成長するものだ。

 

あのクラウド・シティで右手を斬り落とされ、我が父に衝撃を受けていた時のルークとは一味も二味も違う。

 

ジェダイとしても人としても成長しそして今は使命を全うしようとしている。

 

狂気のクローンに生み出された紛い物のスカイウォーカーとは違うのだ。

 

「お前では僕を倒せない、お前を倒すのは僕だ」

 

「何をっ!!」

 

「お前は僕の過去であり、僕の闇だ。お前はまだ未熟でその結果傷付いた僕の過去、ダゴバの洞窟の中で払い切れなかった僕の闇。僕はお前を倒し、過去と決別する!」

 

ルークの決意は彼の意志とルークがこれから先進むべき道を決め、過去の遺物から生み出されたルウクの堪忍袋を完全に突き破った。

 

「ふざけるなァ!!」

 

ルウクは怒り、飛び掛かった。

 

ルークはライトセーバーを構え、防御しようとしたがその必要はなくなった。

 

ルークとルウクの間に入った者が、ルウクの斬撃を受け止めた。

 

突然の人物に思わずルークも驚いた。

 

「マラ・ジェイド…!」

 

ルークの目の前にはルウクの斬撃を受け止め不敵に笑みを浮かべるマラ・ジェイドの姿があった。

 

ルウクの斬撃を持ち上げるとマラ・ジェイドはルウクの腹部目掛けてフォースの力を集中させた一撃を放った。

 

この強烈な一撃はルウクを吹き飛ばし近くの壁へ思いっきり叩き付けた。

 

暫くルウクは痛みで立ち上がれそうになかった。

 

「…過去との決別、お前はそう言っていたな」

 

マラ・ジェイドはルークに振り返りそう呟いた。

 

「私も過去と決別する。“ルーク・スカイウォーカーを倒してな”」

 

彼女はルークに向かって微笑んだ。

 

かつてパルパティーンから与えられた司令、それはルークを抹殺すること。

 

彼女はその為に生き、第三帝国にも手を貸していた。

 

だが今ではそのルークと組むうちにその気持ちは薄れ命令を出したパルパティーンにもルークと共に任務を果たすように言われ彼女の過去はしこりとなって残ってしまった。

 

それをここで精算出来る。

 

文字通りルーク・スカイウォーカーを倒して。

 

ルークは微笑を浮かべ彼女の隣に立った。

 

2人の近くには一緒に来たR2もいた。

 

彼は密かにルウクの命令でルークを狙っていた伏兵を始末していたのだ。

 

そんな陰で活躍する友人にも目を向けルークは頷いた。

 

「ああ…!」

 

2人は互いに微笑を浮かべライトセーバーを構えた。

 

R2は戦闘出来ない為再びその場を離れる。

 

彼らは睨み合った。

 

それぞれの過去に決着をつけるために。

 

未来へと進むために。

 

 

 

 

 

 

 

 

-第三帝国領 第三帝国首都 コルスカ宙域 コルサント星系 惑星コルサント軌道上 セキューター級“ライアビリティ”-

「ご苦労、アンバラはどうだった?」

 

ジークハルトは“ライアビリティ”のブリッジで何かを話し合っていたハイネクロイツ大佐とメルゲンヘルク大佐に敬礼し声を掛けた。

 

一応形式的に2人も敬礼しハイネクロイツ大佐は「中々激しい戦いだったぞ」と返した。

 

ハイネクロイツ大佐の第21FF航空旅団は惑星アンバラで発生した反乱の鎮圧に“ライアビリティ”と共に向かっていた。

 

アンバラの反乱は単なる現地住民の蜂起ではなく元惑星防衛軍の将兵が兵器などを集めレジスタンス軍と結託して行った大規模なものであり第三帝国は対応を急いでいた。

 

即座に現地に派遣された国防軍と親衛隊の連合部隊では一時苦戦を強いられ、コア・ワールドやコロニーズ、インナー・リムの部隊を展開する事となった。

 

ハイネクロイツ大佐やメルゲンヘルク大佐の奮闘もあってかアンバラの反乱は鎮圧され、反乱軍、レジスタンス軍双方に打撃を与えられた。

 

だがレジスタンス軍はアンバラ反乱軍の将兵や兵器を撤退と同時に自領へ持ち込んだ可能性があり今後も激しい戦いになることが予測されている。

 

「特にアンバラ・スターファイターは凄かった。まあ俺やうちの隊員の敵ではなかったがな」

 

ハイネクロイツ大佐は軽い口調だったが油断出来ない相手だった事を案に示していた。

 

それは後から付け足したメルゲンへルク大佐も同様だった。

 

「既に前線で戦っていた部隊の損耗率はかなり激しかったと思います。中には轟沈したスター・デストロイヤーもいるかと」

 

「流石はアンバラだな、クローン戦争が終わってもうだいぶ経つがやはりあの地を攻撃するのは中々手こずるな」

 

ジークハルトの評価は前線で戦ってきたハイネクロイツ大佐やメルゲンヘルク大佐を頷かせた。

 

アンバラはクローン戦争でも激戦地でありあの501軍団と212突撃大隊が攻略に参加しても苦戦するほどだった。

 

ヴァリンヘルト大尉もアンバラの戦いはアカデミーの授業で習ったことがある。

 

戦いに参戦していない大尉は固唾を飲んで戦いの熾烈さを想像した。

 

「航空支援の時しか惑星の中には入っていなかったが地上軍も相当苦戦していた。お前とアデルハインとタンティスベルクが来れば少しはマシになってそうなんだがな」

 

アンバラの軍事的アドバンテージは地上兵器だ。

 

オーバーテクノロジーにすら思えるアンバラの兵器は地上戦で多用され共和国軍のみならず帝国軍すらも苦しめてきた。

 

それ故にアンバラの兵器は帝国の研究対象にもなり逆に多くの恩恵が与えられてきたのだがいざ敵として対峙すると恩恵よりもその手強さが強く滲み出る。

 

真っ向からの戦闘も、奇襲と共に行われるゲリラ戦も、全てに対応出来るアンバラの兵器群と対峙するとなれば苦戦は免れない。

 

むしろジークハルトやタンティスベルク軍団が参戦していたとしても結果が変わったかどうか怪しいとジークハルトは感じていた。

 

「それはどうかな、逆に壊滅していた可能性だってある。それに私はナブー奪還作戦の立案の為に当分は前線に出れそうにない。本当なら“ライアビリティ”や21航空旅団も戦わせたくはなかったんだが」

 

「最高司令部の命令だったんだろ?しょうがないな、ただ損害は軽微だ。すぐに補充も来るし作戦決行時には問題なく戦えるはずだ」

 

今の所ナブー奪還作戦には大量の特殊部隊が動員され地上軍主体の作戦となる。

 

その為地上部隊の航空支援を担当するハイネクロイツ大佐や揚陸艦兼空母としての役割を持つセキューター級の艦長のメルゲンヘルク大佐にはなるべく前線に行ってほしくなかった。

 

むしろ第21FF航空旅団の高い戦闘能力と汎用性なくして短期で航空優勢を取るのは難しいだろうし地上部隊と航空部隊の母たる“ライアビリティ”が損傷し当分ドック入りというのはどうしても避けたい。

 

だが優秀な指揮官達は手持ちの部隊を殆ど無傷で勝利と共に持ち帰ってきた。

 

「それよりレンディリはどうだった?噂じゃお前達が向かったとほぼ同時にシス・エターナルの使者もレンディリに来たようだが」

 

ハイネクロイツ大佐はジークハルトとヴァリンヘルト大尉に尋ねた。

 

「それは本当だ、我々が丁度軌道上でドレッドノート級の視察をしていた時にシス・エターナルのスター・デストロイヤーがジャンプアウトしていた」

 

「形状はインペリアル級とほぼ同じでしたがサイズは一回り、二回りほど大きく、船体株に大砲のようなものがついていました」

 

「それが噂のレジスタンス艦隊を全滅させた“()()()”でしょうね…」

 

メルゲンヘルク大佐はそう呟いた。

 

「使者団には会っていないが本来の任務は達成出来た。このまま話が詰まっていけば来年には作戦が決行出来そうだ」

 

「それは楽しみだ」

 

ハイネクロイツ大佐は不敵に笑った。

 

ナブー奪還は再び第三帝国の力を見せつけるいい機会となる。

 

シス・エターナルのこの攻勢に乗じて一気にレジスタンスに打撃を与えられるかもしれない。

 

戦闘への不安以上に戦いが終わるかもしれないという期待感が高まっていった。

 

「そういえば准将、今月のセントラル地区で行われる代理総統の演説会ですが」

 

「あれか、私は一応出席が求められている。特にやる事はないだろうが前線で戦った勇敢な義勇兵としてバルベッド軍曹とゼルテック上等兵を連れて行くつもりだ」

 

「あのウェイランドにいた奴らか?」

 

ウェイランドで地上戦に参加していたハイネクロイツ大佐はその2人のことをよく覚えていた。

 

なんせ文字通り上空から支援してやったのだ。

 

特にゼルテック上等兵の方はジークハルトが彼に話す前はかなり怯えていたので余計印象に残っている。

 

「アンシオン攻略の時に2人とも多大な戦果を挙げてくれた。これからアウター・リムからも即席の外人部隊を集める為にも彼らには客引きになってもらう」

 

「なるほど、軍曹の方はともかくしかしあんだけビビってた奴がよくもまあそこまでになったもんだ」

 

ハイネクロイツ大佐は少し感慨深そうに呟いた。

 

多くのストームトルーパーは恐怖心を無くしたり打ち勝ったりするよう教育を施されているのだが彼らはそうではなかった。

 

しっかり正規兵としての訓練を施したがまだストームトルーパーには遠く及ばない。

 

元より手慣れている雰囲気のバルベッド軍曹はともかく、ゼルテック上等兵の方はまだまだだ。

 

それでも彼は親衛隊に残り、戦ってくれた。

 

「何度か戦闘を経験すれば“()()()”ってことだ。良くも悪くも」

 

ジークハルトはそう言い表した。

 

彼はそのまま話を戻しヴァリンヘルト大尉に尋ねる。

 

「それで総統の演説会がどうしたんだ大尉?」

 

「はい、実は“ライアビリティ”に上がる前にフリシュタイン上級大佐から今回の演説会は『気をつけろ』と言われまして……一体どういう意味でしょうか?」

 

「フリシュタイン…お前が今組んでるFFSB(親衛隊保安局)の?」

 

ハイネクロイツ大佐はジークハルトに尋ねた。

 

今のフリシュタイン上級大佐の所属はFFSBではなくFFSBとFFI(親衛隊情報部)を統合したFFISO(親衛隊情報保安本部)なのだが実質的には同じ組織だ。

 

フリシュタイン上級大佐は常に情報将校や保安局員の職務を担っている為、彼が“()()()()()”と言うのだから何かあるのだろう。

 

「ええ、保安局員でしかも情報部と統合した組織の佐官最高位の人物ですからきっと何かあるんでしょうが…」

 

「しかもフリシュタイン上級大佐はただの佐官ではなくハイドレーヒ長官に最も近い人物の1人だ。前任のディールス長官の副官でもあり常に保安局の中枢に君臨している」

 

「“()()()”とついてますが実質的な機能や規模は既存のISB(帝国保安局)や情報部と変わりませんからね…一体何を掴んだのでしょうか…」

 

メルゲンヘルク大佐は不安そうな表情で呟いた。

 

恐らくメルゲンヘルク大佐の“()()()”という言い方は正しい。

 

FFISOは総統の演説会に関わる重大な危険性の情報を掴み親衛隊本部の陽の当たらない区画で対策を練っているのだろう。

 

そして演説会に出席する信頼のおける者達に少しずつ話して。

 

一体どんな危険が訪れるのかは分からない。

 

もしかすると事前にFFISOが防ぐかもしれないし実際には何も起こらないかもしれない。

 

だが備えておく事は必要だ。

 

親衛隊として忠誠を誓った総統とその場にいる人々を守る為にも。

 

「さあな、だが身構えておくことに越した事はない」

 

ジークハルトは予測した考えを隠しそう答えた。

 

この件は無闇矢鱈に話さないほうがいいだろうから。

 

 

 

 

 

 

ロザルは戦火に包まれていた。

 

ロザルの軌道上には既に散っていった戦士達の墓標が漂い、地上では文字通り大地が崩され、兵士が斃れ、村々が焼かれ、都市が蹂躙されていた。

 

あちこちで建物の中にブラスター砲を備え、偏向シールドを展開し、武器をかき集め備えていたレジスタンス軍の兵士が大勢“()()”。

 

それはコザルにもいたし、ジャラースにもいたし、ジョザルにもいた。

 

平原には機甲部隊や塹壕を展開した兵士たちがいたし、山岳地帯にはゲリラ戦を主軸とした兵士たちがいた。

 

彼ら彼女らは皆、よく戦った。

 

ブラスター・ライフルやブラスター砲で迫り来るシス・エターナルに立ち向かい、轟音を掻き立てて歩くAT-MTにスマート・ロケットやイオンディスラプターを放った。

 

軌道上爆撃は偏向シールドによって防がれ飛行場からは何機ものXウィングやAウィング、YウィングやBウィングが発進しシス・エターナル軍のスターファイター隊とぶつかり、地上部隊に爆撃を浴びせていた。

 

殆ど制宙権がシス・エターナル軍に掌握されているとはいえそれでもレジスタンス軍は防衛戦の利を活かし、地の利を使って敵と戦った。

 

何度か部隊を撃退した場面もある。

 

レジスタンス軍はよく戦った、だが“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

シス・エターナル軍にとってロザルにある価値は未だ眠っているカイバー・クリスタルでありそれさえ守れればそれでいい。

 

AT-MTは徹底的に敵がいるところに砲撃を叩き込んでいった。

 

たとえそれが民間人の住居の中だったとしてもだ。

 

それは随伴兵のシス・トルーパーやAT-STマークⅢも同様で動くものを見つけ次第徹底的にブラスター・ライフルの弾丸を叩き込んでいった。

 

優れた練度と優れた技術によって成り立つシス・トルーパーは市街地で戦うレジスタンス軍の兵士を圧倒した。

 

敵がいると思われる場所にブラスター弾だけでなくサーマル・デトネーターなどを投擲しシス・ジェット・トルーパー達が上空から敵兵を狙い撃つ。

 

ウォーカー達は地面を踏みつけつつ建物に高火力を与え、中にいるであろう兵士を殲滅した。

 

シスTIEファイター隊はレジスタンス軍機を徹底的に撃滅しシスTIEボマーは地上に向けて偏向シールドを貫通出来る爆弾を投下した。

 

爆発の熱で大地が焼かれ建物が崩落し兵士達は負傷し死んでいった。

 

それでもめげずにレジスタンス軍の兵士達は防衛戦に徹したが殆ど無意味に終わった。

 

退けても退けてもシス・エターナル軍は次の部隊がやってくる。

 

シス・エターナル軍の後退は常に余裕を持っており、明らかにまだ戦えるのにも関わらず次の部隊や予備の部隊と交代させて最大の力で常に敵を圧倒した。

 

やがてレジスタンス軍の方が限界が近づいており、耐え切れなくなるのは時間の問題であった。

 

コザルが真っ先に陥落しその次に通信センターが陥落した。

 

やがてジャラース、ジョザル、ダイナーへと広がりかつてターキンタウンと呼ばれた入植地を防衛陣地に改造した場所も陥落した。

 

名だたるロザルの主要な都市が次々と陥落し焼かれていった。

 

かつてここから始まった反乱の火が逆に別の真っ赤な炎によってかき消されようとしていた。

 

主要な都市を陥落させ、山岳地帯に籠るゲリラ部隊を徹底的な爆撃で炙り出し殲滅し、平原の塹壕地帯をAT-MTの大軍で打ち破ったシス・エターナル軍はある一つの場所を目指し再び進撃を始めた。

 

目指すは最後に残ったロザルの大都市、キャピタル・シティ。

 

別名ロザル・シティとも言われ帝国の支配時代には行政府たる帝国複合施設が設置され文字通りの中心都市として栄えていた。

 

そしてここはスペクターズと呼ばれる反乱分子が活動しロザルを解放した地でありレジスタンス軍にとっては聖地に近しい。

 

各地の都市や村々で敗北していったレジスタンス軍は全地上戦力及び航空戦力をキャピタル・シティに結集させこの都市に籠った。

 

宇宙港や臨時で設置された飛行場には多くのスターファイターが停泊しており、負傷兵を運ぶスピーダーや輸送機が野戦病院に向かっていった。

 

路地や大通りには兵士だけでなくスピーダーやホバータンク、ジャガーノートなどが防衛の為に停泊していた。

 

兵士達はあちこちで休息を取り、最後になるかもしれない煙草を吸い写真を見たり仲間と言葉を交わす。

 

ブラスター・ライフルを点検しティバナ・ガスを交換し仲間と武器を交換し合ったりもした。

 

ある者は互いにレーションや煙草を分け合ったりある者はエレクトロバイノキュラーで周囲を警戒していた。

 

ある中隊長は装備そのまま兵士達を鼓舞していた。

 

「これ以上シス・エターナルを通すな!!我々がここ(キャピタル・シティ)で、敵を迎え撃つ!!ここから先にはまだ多くの人々がいるということを忘れるな!!戦えない者達のためにも我々はっ…!」

 

「伏せろ!!」

 

誰かの大声で叫び中隊長の鼓舞はここで途切れた。

 

直後赤い光弾が何発も偏向シールドを貫通してキャピタル・シティ内部に降り注いだ。

 

爆発が起こり建物が破壊され瓦礫が地面に崩れ落ちた。

 

シス・エターナル軍の砲撃だ。

 

赤いレーザー弾に混じりシールド貫通機能を備えたプロトン砲などの砲弾も飛んできた。

 

迎撃の対空砲が放たれ兵士達は立ち上がり急いで持ち場についた。

 

「チッ!シールド貫通とは…!」

 

「これもあの新型ウォーカーの能力なんでしょうか…」

 

中隊長と部下の少尉はエレクトロバイノキュラーでキャピタル・シティの外に位置する砲撃地点を眺めた。

 

重砲だけでなくA-MTからも合成ビーム・レーザーが放たれていた。

 

その事はキャピタル・シティに置かれたレジスタンス地上軍の司令部でも報告されていた。

 

「こちらも反撃のミサイルを放て。本来ならスターファイター隊を展開したいがそんな余裕はない。それと砲撃による負傷者を急いで野戦病院へ、対空砲や車輌に被害が出ないようにするよう伝えろ」

 

「了解」

 

代理司令官の中将は命令を出し幕僚達の下に戻った。

 

本来の地上軍の指揮官は総司令官と共に最初のスーパーレーザーによって乗艦ごと消し飛ばされてしまった為代わりに代理で中将が全体の指揮を取っていた。

 

「艦隊の方はどうなっている」

 

「ほぼ壊滅…ですが再編が進んでおり未だ組織的な抵抗が続いています」

 

状況は最悪だったが意外な答えが返ってきた。

 

何せ中将達の予測では軌道上の防衛艦隊はとっくの昔に壊滅していてもおかしくなかったのだ。

 

それが今でも抵抗しているということは正に“()()()()()()”の意思を表していると言えよう。

 

到底艦隊からの支援は受けられそうにないがここで諦めずに戦おうという気持ちが湧いてくる。

 

「艦隊からの支援は受けられないが……我々はここで戦う他ない。ロザルを失えばロザル宙域の影響力を全て失いカラマリ宙域の本土で戦うことになる。そうなれば先はない」

 

幕僚達は大きく頷いた。

 

「仮に全滅してでも我々は戦い抜く。各員、頼んだぞ…!」

 

「はい!」

 

幕僚達も司令部から移動し始めた。

 

中将は最後に窓から煙の手が上がるキャピタル・シティを見つめた。

 

まるでシス・エターナルの進撃の合図のような砲撃が街中に溢れている。

 

「今に見ていろ……我々はなからず一矢報いてやる…!」

 

中将がその場を離れた後も砲撃は続いていた。

 

シス・エターナル地上軍砲兵隊とウォーカー部隊による砲撃はかなり長くに渡って続けられ、その間に部隊が結集し作戦を立てていた。

 

「全方位から同時攻撃だ!ウォーカーの突撃を持って防衛戦を突破し、歩兵を都市全体に浸透させて敵を殲滅する!砲兵は引き続き突撃支援を行いスターファイター隊は都市部一体へ航空支援を!陛下の名の下、ここで奴らを叩く!」

 

メルヴァー将軍はホログラムの指揮官達にそう命令を出した。

 

数の上ではこちらが有利、メルヴァー将軍の作戦も実行可能だ。

 

特にレジスタンス軍の機甲戦力はさほど強力ではない為AT-MTを使えば突破可能だろう。

 

問題は地上で行われる市街地戦だ。

 

キャピタル・シティほどの都市となると市街地戦は相当過酷なものになるだろう。

 

『航空攻撃だけでなくプローブ・ドロイドなどの大量のドロイドで索敵、あるいは伏兵を掃討しながら前進するというのはどうでしょうか』

 

攻撃部隊の幾つかを率いているパルトン将軍はメルヴァー将軍に提案した。

 

「なるほど、それはいい。では偵察用のプローブ・ドロイドを展開しつつ前進だ。このまま一気に敵を殲滅する!」

 

『メルヴァー将軍、予備部隊の展開を要請しましょうか?』

 

同じく指揮官の1人であるガナー司令官はメルヴァー将軍に尋ねた。

 

攻勢となればなるべく相手よりも兵力は上回っていた方がいい。

 

しかしメルヴァー将軍は首を振った。

 

「いや、このままの戦力で十分だろう。さあ聖戦の始まりだ!」

 

メルヴァー将軍の一言は戦闘開始の合図だった。

 

四方八方からAT-MTとAT-STマークⅢが進撃しその後に多くのシス・トルーパー軍団が続いた。

 

いよいよキャピタル・シティが戦火に包まれる。

 

まず最初に始まったのはシス・エターナル軍のシスTIEファイターとレジスタンス軍のスターファイター隊の激しい空戦だった。

 

両者、制空権を巡ってぶつかり合い互いに敵機の背後を取り合い爆炎へと変えていった。

 

数に勝るシス・エターナル相手にレジスタンス軍スターファイター隊は根気強く戦い、制空権を取らせまいと死闘を繰り広げられた。

 

その間、再び砲撃の一斉射が放たれキャピタル・シティに降り注いだ。

 

それなりの被害を与えられたがレジスタンス軍の迎撃によって防がれてしまったものも多かった。

 

だが突撃前の支援としては十分だ。

 

むしろAT-MTの突撃に支援はいらないとすら思える。

 

「全軍突撃!皇帝陛下の名の下、敵を駆逐せよ!」

 

メルヴァー将軍の一言で全方位に展開したウォーカー機甲部隊が進撃を開始し本格的な攻勢が始まった。

 

無論レジスタンス軍も索敵兵が接近するAT-MTを発見しコムリンクで報告した。

 

「…っ前方よりアサルト・ウォーカー及びスカウト・ウォーカー多数接近!繰り返すっ…!前方よりアサルト・ウォーカー及びスカウト・ウォーカー多数接近!すごい数だ!!」

 

同じような報告が各地から集まり編成された防衛部隊が迎撃を開始した。

 

「バリケードは設置完了!後は砲撃だ!それとミサイルやプロトン魚雷で連中を叩くぞ!」

 

かき集められた重砲や野砲に砲撃地点を入力しプロトン魚雷ランチャーからは既にプロトン魚雷が発射されていた。

 

ほぼ同時に砲弾も発射されウォーカー部隊をなんとしても撃破せんと火力の力で対抗した。

 

「全方位から砲撃されています」

 

「AT-ST、AT-MP、撃ち落とせ。AT-MTはキャピタル・シティへ向け一斉砲撃だ」

 

僚機のAT-STマークⅢやAT-MPマークⅢがミサイルやレーザー砲をばら撒いてプロトン魚雷や砲弾を迎撃していった。

 

僚機の迎撃率は高く、対空砲火を潜り抜けた砲弾が多少AT-MTに直撃したが殆ど効果はなかった。

 

尤も僚機のAT-STマークⅢやAT-MPマークⅢがいなければ結果は変わっていただろう。

 

反撃として放たれたメガキャリバーキャノンの合成ビーム・レーザーがバリケードや近くの建物を破壊した。

 

「バリケードが破壊されましたッ!!」

 

「分かっている!工兵は後退しろ!歩兵は対ウォーカー戦闘用意!砲兵はどんどん撃ち続けろ!」

 

指揮官達の命令で野砲や重砲は休むことなく火を吹き、ミサイル発射装置から浸透ミサイルが放たれた。

 

負けじとAT-MTの僚機も迎撃するが流石に数が多く捌ききれなくなっていった。

 

そして遂に1台のAT-MTが損傷した。

 

放たれたプロトン魚雷がメルヴァー将軍が乗り込むAT-MTのすぐ隣のAT-MTに直撃し右側面の装甲が一部損傷した。

 

その振動はメルヴァー将軍が乗り込むAT-MTのコックピットにも伝わってきた。

 

「チッ!迎撃を怠るな、砲撃部隊は再び敵後方に砲撃支援!爆撃機も投入して敵の遠距離攻撃を防ぐんだ!」

 

メルヴァー将軍は少し苛立ちながら命令を出した。

 

待機していたシスTIEボマー隊も出撃し砲兵達も再び砲撃を開始した。

 

互いに砲弾の撃ち合いとなり両軍に損害が出始めていた。

 

だが既にウォーカー部隊はキャピタル・シティ内に侵入しようとしていた。

 

AT-MPマークⅢから牽制用のミサイルが放たれ周辺のビルや建物に直撃した。

 

爆風の中を耐え抜き建物の中に隠れてチャンスを待つレジスタンス軍兵士の姿がところどころにあった。

 

若い兵士の隣にベテラン、もしくは中堅といった雰囲気の兵士が若い兵士を落ち着かせている。

 

「落ち着け……いいか、狙いはアサルト・ウォーカーではなくスカウト・ウォーカーとミサイル・ウォーカーだ……なるべく奴の僚機を減らして砲兵やこちらのタンクで決着をつける…!」

 

「了解…!」

 

若い兵士はスマート・ロケットを担いでおり、スコープを覗きいつでも発射出来る体制になっていた。

 

足音が周りの建物に響き渡り、遂にウォーカー部隊がキャピタル・シティの中に入ってきたことを周囲に知らしめていた。

 

路地では退却する兵士をAT-MTが中型ブラスターで掃討していた。

 

特に対歩兵戦を得意とするAT-STマークⅢは先行しツイン・レーザー砲で周りの建物ごと敵を薙ぎ払おうとした。

 

だが先行したのが運の尽きだ。

 

AT-MTから距離を離れたAT-STマークⅢを若い兵士は完全に狙いを定め引き金を引いた。

 

スマート・ロケットからミサイルが放たれAT-STマークⅢに直撃する。

 

AT-MTやAT-ATほどの装甲を持っている訳ではないAT-STマークⅢは爆散し地面へと崩れ落ちた。

 

「よし!急いで退避だ!!」

 

「はい!!」

 

2人はブラスター・ライフルだけ手に持ち、急いでその場を離れた。

 

攻撃に気づいたAT-MTが重レーザー砲を建物に向かって撃ち放ったが既に2人の兵士は退避しており無意味に終わった。

 

反対側からもミサイルが放たれ今度はAT-MPマークⅢが1台撃破された。

 

こちらの兵士も急いで退避しようと駆け出したがすぐにブラスター弾を撃ち込まれ硬い建物の地面に斃れた。

 

後方から放たれたプローブ・ドロイドがセンサーで敵を発見しブラスター砲で狙撃したのだ。

 

「全隊散開!シス・トルーパーを展開し散兵を徹底的に掃討せよ。ジェットパック・トルーパーも展開し上空からも敵を殲滅しろ!」

 

メルヴァー将軍の命令でAT-MTのハッチが開き一斉にシス・ジェットパック・トルーパーが出撃した。

 

後方から出現した兵員輸送機からは通常のシス・トルーパーが降り、一斉に周囲に散開した。

 

同じくシスTIEボマーと共に前線へ到着したシスTIEリーパーやシスTIEボーディング・クラフトからもジェットパック・トルーパーやシス・トルーパーが出現しキャピタル・シティのあちこちで白兵戦となった。

 

レジスタンス軍もこれに対抗する為にレジスタンス軍のジェットパック・トルーパーを展開し建物の上空や物陰からは狙撃兵がシス・トルーパーの赤いヘルメットを狙い、あちこちに設置されたブラスター砲や迫撃砲の防衛陣地でシス・エターナル軍を迎え打った。

 

建物という建物に爆弾が投げ込まれ、ブラスター弾を撃ち込み、出てきた相手を即座に射殺する。

 

上空ではスターファイター同士だけでなくジェットパックを身につけたトルーパー同士でも激しい空中戦となり、両者地上支援しつつ敵のジェットパック・トルーパーを攻撃した。

 

もちろんこのような死闘は歩兵同士だけではない。

 

ウォーカーVSレジスタンス軍の機甲部隊の戦闘もシス・エターナル軍が浸透するに連れて激化していった。

 

エリートAT-TEがレーザー砲でAT-MTに損害を与える場面もあれば、AT-MTのメガキャリバーキャノンによってジャガーノートやT2-Bホバー・タンクが吹き飛ばされる場面もあった。

 

ある1台の重戦車が曲がり角を曲がった瞬間AT-STマークⅢに待ち伏せされツイン・レーザー砲で蜂の巣にされて撃破されたりAT-MPマークⅢのミサイルで幾つかの重砲やプロトン魚雷ランチャーが破壊された。

 

やはり機甲部隊ではシス・エターナル軍に圧倒的な分がありレジスタンス軍の機甲部隊は毎回どんな時でも苦戦を強いられていた。

 

特にまだホバー・タンクやエリートAT-TEでは歩兵や上空を漂うジェットパック・トルーパーが脅威になり得る。

 

ウォーカーと戦う前に重火器を持ったシス・トルーパーやシス・ジェットパック・トルーパーらによって地上と空中の両方から撃破されるホバー・タンクの姿もあった。

 

だがレジスタンス軍は苦戦していても決して諦めることなく戦い、戦闘を長引かせた。

 

時には歩兵の力でAT-MTの首を地面に叩きつける事だって出来るのだ。

 

「撃て!!」

 

砲兵達は爆撃によって自らや砲が破壊されても攻撃を止めなかった。

 

彼らが今最期に放った一撃はある1台のAT-STマークⅢに直撃し周りにいた何人かのレジスタンス軍の兵士の命を救った。

 

『局地戦となり、我が軍の部隊にも被害が出始めています。しかし侵攻状況としては順調そのものです』

 

ガナー司令官はホログラムでメルヴァー将軍のAT-MTと連絡を取った。

 

その間にもメルヴァー将軍のAT-MTはメガキャリバーキャノンを放ち、遠距離にいたエリートAT-TEとジャガーノートを一気に破壊していた。

 

「砲撃はこのまま続けろ」

 

「了解」

 

「だがなるべく被害は避けたい所だ。制空権の確保は順調か?」

 

『はい、爆撃も効力を上げています』

 

『我が軍のジェットパック部隊は優秀です、レジスタンス軍のジェットパック部隊は後10分もあれば無力化出来るでしょう』

 

パルトン将軍はそうメルヴァー将軍に進言した。

 

メルヴァー将軍はペリスコープ・ディスプレイで周囲の様子を確認した。

 

確かにシス・ジェットパック・トルーパーがレジスタンス軍のジェットパック・トルーパーを撃破している様子がよく見える。

 

更にその上空では爆発の光も少なくなっておりレジスタンス軍機よりシス・エターナル軍のTIEファイターやTIEボマーの方がよく目に入っていた。

 

「…であれば多少の無茶をしてでも一気に進撃を…!」

 

「将軍!!上空より敵機接近!!」

 

メルヴァー将軍のAT-ATパイロットは悲鳴を上げるように叫んだ。

 

メルヴァー将軍は見えもしないコックピットの天井を急いで眺めた。

 

同じ頃、コックピットの外ではエンジンが大破しコントロール不能となったAウィングが真っ直ぐメルヴァー将軍のAT-MTに向かって全速力で接近した。

 

両耳の中型ブラスター砲で迎撃しようとするが全く当たらず、そのままメガキャリバーキャノンのエネルギータンク部分に特攻し爆散した。

 

そのままエネルギータンクに引火しメルヴァー将軍のAT-MTは爆散し真っ二つになって地面に崩れ落ちた。

 

コックピットがあるAT-MTの頭は回転するように地面に滑り落ち少量の煙を上げていた。

 

近くで戦闘していたシス・トルーパーや上空にいたシス・ジェットパック・トルーパー達が破壊されたAT-MTのコックピットに駆け寄った。

 

地上部隊総司令官が乗り込むウォーカーの撃破、これがレジスタンス軍“最大の”戦果となった。

 

通信を交わしていたパルトン将軍やガナー司令官達からは突然パイロットの絶叫と共に通信が途切れ突然ホログラムが消失した。

 

『パルトン将軍……これは一体……』

 

ガナー司令官はパルトン将軍に若干狼狽えつつ尋ねた。

 

「…恐らくメルヴァー将軍のAT-MTがやられた……急いでヴァント元帥に連絡だ!その間に全指揮系統は臨時として私が引き受ける!このまま作戦を続行し指示は代理司令官として私が出す!」

 

『りょっ了解っ!!』

 

その報告はすぐにフリューゲルがいる“エクリプスⅡ”に送られた。

 

既にシス・エターナル艦隊は残りのレジスタンス艦隊を掃討中でありもはや勝利は確定したも同然だった。

 

だがこの報告は彼らとて予期していなかった。

 

『…という事です……現在はパルトン将軍が代理として指揮を取っていますが…』

 

ガナー司令官は特殊回線を通じてなるべく敵に悟られないようホログラムでフリューゲル達に伝えた。

 

デミングス司令官やテルノ中将、ブリッツェ中佐は驚いていた。

 

「どうする、元帥」

 

グレッグ提督は冷静にフリューゲルに判断を仰いだ。

 

フリューゲルは少々顔を強張らせ何処か冷たく言い放った。

 

「作戦を変更する、全部隊の進撃を一旦停止させジェットパック部隊を下がらせろ。指揮系統はパルトン将軍のまま、必要であればこちらからヴィット将軍を送り込む。予備の作戦に切り替える」

 

『予備……本当にやるのですか…?』

 

ガナー司令官は恐る恐る尋ねた。

 

だがフリューゲルは冷たさを閉じ込めたような青い瞳で「ああ」と一言だけ答えた。

 

「以下の命令をパルトン将軍にも伝えろ。本艦隊と第三分艦隊で敵を殲滅する、第二分艦隊に残してある予備の降下部隊に上陸の準備をさせろ」

 

「了解」

 

「レンウィス司令官を呼び出せ」

 

フリューゲルの命令と共にすぐに彼の目の前にフリューゲルに敬礼するレンウィス司令官の姿が映し出された。

 

『お呼びでしょうか』

 

レンウィス司令官はフリューゲルに尋ねる。

 

「ああ、地上作戦の一部を変更する。今すぐ君の艦でキャピタル・シティを“()()()()”」

 

フリューゲルの一言をレンウィス司令官は完璧に理解したようで一気に表情を硬らせた。

 

しばらくしてからレンウィス司令官は『わかりました』と一言だけ告げて通信を切った。

 

「敵のエネルギージェネレーターの位置は特定出来ているか?」

 

フリューゲルはセンサー士官に尋ねた。

 

「はい、出来ていますが」

 

「このデータをレンウィス司令官の“アドヒアレント”に転送しろ。きっと砲撃座標として欲しがってるはずだ」

 

「了解」

 

フリューゲルはどこか冷徹な瞳で“エクリプスⅡ”からロザルを見下ろした。

 

この地にもあの砲を放つ事になるのは心苦しいが仕方がない。

 

シス・エターナルの冷徹な一撃がロザルにも放たれようとしていた。

 

だが必死に戦うレジスタンス軍の将兵にとってそんな事は気にしている余裕なかった。

 

「シス・エターナルの進撃が止まった…?」

 

むしろレジスタンス軍が気にしていたのは突然シス・エターナル軍の進撃が止まり、なんなら若干後退し始めていた事だった。

 

圧倒的優勢だったのにも関わらず突如後退し始めた事に違和感を覚えたレジスタンス軍は何かの罠ではないかと疑っていた。

 

だがどれも不正解であり正解は彼らに対する破滅の一撃だった。

 

最初にそれを感知したのは司令部の将校達だった。

 

()()()()()()()()()()()()()”、その一言だけで司令部の将校達は青ざめ血の気が引いた。

 

遂に使われてしまったかと。

 

「まさか……奴らは“()()()()()()()()()()()()()()()”…!?」

 

“アドヒアレント”から放たれた血のように紅い一撃がキャピタル・シティを襲った。

 

一点集中で強化した偏向シールドの防衛網を最も簡単に打ち破り、大地を抉り目標もろとも周辺を吹き飛ばした。

 

この一撃でキャピタル・シティを覆おう偏向シールドの動力源であるエネルギージェネレーターが破壊され一気に偏向シールドが消失した。

 

それだけではなく司令部が位置するロザル・シティ議事堂にも被害が出た。

 

圧倒的な爆風でロザル・シティ議事堂が半壊し所々で建物にヒビが入った。

 

当然この様子は各地の前線でも目撃されている。

 

兵士達は地表に降り落ちた赤い光弾を眺めて動揺した。

 

「まさかスーパーレーザーを…!?」

 

「まずいぞ!!このままだとロザルが!!」

 

「いや狼狽えるな!あの程度の威力であればまだ惑星を破壊に追い込むほどのものでは…!」

 

「ですがシールドが!!」

 

だがこの程度の動揺、すぐに次起こる出来事で掻き消された。

 

同じ頃、キャピタル・シティのどこかでレジスタンス軍の兵士の1人が空に指差し「おいあれ!!」と叫んだ。

 

その言葉を聞いた別の兵士も空を見上げ絶句する。

 

彼らが感じた驚きと恐怖は次々と他の兵士に伝染していった。

 

兵士達が見た空には“()()()()()()()()()()()()()()A()T()-()M()T()()姿()()()()()()()”。

 

あちこちで砂煙と共にドスンという音が地響きと一緒に響き渡り先ほどまでいなかった場所にAT-MTが立っていた。

 

対空砲で迎撃しようにもエネルギージェネレーターが破壊され偏向シールドだけでなく各種のレーザー砲にエネルギーがチャージされなくなっていた。

 

アドヒアレント”の砲撃の影響はセンサー類にも出ており、その結果AT-MTの降下を事前に察知出来なかったのだ。

 

AT-MTは周囲を見渡しつつレジスタンス軍に対する攻撃を開始した。

 

突然防衛陣地の内側にウォーカーを降下されたレジスタンス軍は混乱しまともな対応が一時的に出来なかった。

 

AT-MTが圧倒的な火力をばら撒きその装甲で攻撃を全て防いだ。

 

さっきまで後方の域に位置していた重砲や野砲が悉く破壊され、予備戦力として出現したホバー・タンクや鹵獲されたAT-RTなどもAT-MTに打撃を与える事はなかった。

 

更にAT-MTのハッチから再びシス・ジェットパック・トルーパーが姿を表し、ゴザンティ級からはパラシュートで降下してくるシス・トルーパーの姿が見えた。

 

既に周囲はAT-MTによって粗方制圧されており、落下したシス・トルーパー達は素早くパラシュートを切り離し敵地攻撃を開始した。

 

何十、何百人ものシス・トルーパーが隊列を組み、焼け上がるキャピタル・シティの街を走り抜けていった。

 

「チッ!!クソッタレ!!」

 

ある1人のレジスタンス軍の兵士がブラスター砲を死んだ仲間の代わりに放ちシス・トルーパー達を迎撃するが投擲されたインパクト・グレネードによって無力化された。

 

既に壊滅しかかっていたレジスタンス軍のジェットパック・トルーパー達は更なる追加攻撃によって更なる深刻な打撃を受けた。

 

余裕を得たシス・ジェットパック・トルーパー達が地上に向け攻撃を開始する。

 

通常の歩兵では空中を自在に機動するジェットパック・トルーパーと戦うのは極めて難しく、多くの兵士が撃ち倒された。

 

「全隊進撃開始!!」

 

パルトン将軍の命令で既に展開していたシス・エターナル軍も一斉に攻撃を開始した。

 

ジェットパック・トルーパー、ウォーカー部隊、歩兵部隊全てに元よりいた地上軍の部隊が増援として加わり更にシスの赤い波を前へ前へと押し出した。

 

辛うじて維持されていたレジスタンス軍の防波堤も空からの一撃により崩され、波をただ受けるだけとなってしまった。

 

スターファイター戦では艦隊の防衛に回っていたシス・エターナル軍のスターファイター隊も合流し戦況が完全に変わった。

 

シス・エターナルは制空権を確保し今では余裕を持って地上部隊への航空支援を提供している。

 

もうレジスタンス軍に勝ち目はない。

 

スペクターズが反乱の希望を掲げたロザルで今度はシス・エターナルが復活の御旗を掲げた。

 

ロザル・シティ議事堂からはシス・トルーパー達が占拠し、掲げたシス・エターナル軍の軍旗が翻っている。

 

今もなおキャピタル・シティでは戦闘が続いているが趨勢は決した。

 

「我々の、勝利だ」

 

シス・エターナルの勝利がシスを封じていた鎖をまたひとつ引きちぎった。

 

 

 

 

 

シスの躍進はロザルだけに留まらない。

 

ボーラ・ヴィオでもシス・エターナルの躍進は続いていた。

 

通路の奥を何人もの信者やドロイド、そしてクローン戦士が守り、そこにシス・トルーパー達が火力を投入していた。

 

「ライトセーバー持ちを牽制しつつ一般兵に集中攻撃、増援が到着するまでこちらで引きつける!」

 

大尉の命令によりシス・トルーパー達が狙いを定め敵に弾丸を放った。

 

シス・トルーパーの射撃命中率はストームトルーパーの比ではなく、1人2人と武器を持った信者達が地面に斃れライトセーバーで防御する信者達も苦戦していた。

 

大尉もブラスター・ライフルで敵を牽制しつつブラスター・ピストルで敵を狙撃し1人のクローン戦士を撃ち殺した。

 

防御が遅れたクローン戦士はそのままブラスター・ピストルの弾丸を喰らってしまった。

 

すると大尉のコムリンクに電子音が響いた。

 

増援到着と攻撃の合図だ。

 

大尉は悟られぬようハンドサインで他のシス・トルーパー達に合図を出した。

 

既にジョルースの信者達は劣勢に立たされており、この区画を失えばジョルースと彼らの夢は潰える事となる。

 

フォース使いのクローン戦士もこちらに残せたのは先ほど撃たれて死んだのも含めて5人程度で残りは全てジョルースが連れていくか区画の反対側に突如現れたジェダイの妨害回す他なかった。

 

それも施設のカメラの様子を見ていればそのジェダイによって既に全員倒され残りの自動防衛システムやドロイドでは防ぎようがなかった。

 

ジョルースや彼の腹心であるルウクとも連絡が取れない。

 

信者達はこの劣勢下に置いても未だにジョルースに掛けられたフォースの術から抜け出せず、戦い続けていた。

 

だが彼らの命にも終わりが近づいてくる。

 

銃撃戦中の信者達の背後に何かが落ちる音がした。

 

手の空いた信者達が背後を確認すると天井の格子がなぜか外れており、しかも格子を踏み台にして謎の黒いパイプを寄せ集めたような物体が膝をついていた。

 

妙な機械音と共にそのパイプのような物体に赤い光が宿り隠していた武器を信者達の前に出した。

 

そしてそのパイプのような物体、IG-99Eは容赦なく引き金を引いた。

 

寸前で回避した戦士以外の全ての信者とドロイドがIG-99Eの重パルス・ソードキャノンによって抹殺された。

 

返り血を吹く暇もなくIG-99Eは次の敵に狙いを定めた。

 

鉈と銃剣で戦士を何度も斬りつけ、ライトセーバーを引き離して鉈で戦士の脳天をかち割った。

 

まず1人の戦士が即死し次に残り2人の戦士を攻撃し始めた。

 

重パルス・ソードキャノンの弾丸をばら撒きながら一気に肉薄し弾丸の防御に集中していた戦士の腹に鉈と銃剣を突き刺した。

 

そこから肉を抉り出すように戦士の身体を切り裂き殺害した。

 

最後の1人の戦士はIG-99Eから距離を取って戦おうとしたが無意味な足掻きに過ぎない。

 

IG-99Eが信者達を殲滅したと同時に大尉に先導されシス・トルーパー達が突入してきた。

 

「撃て!」

 

大尉の命令でシス・トルーパーとIG-99Eが一斉に引き金を引き、戦士に弾丸を浴びせかけた。

 

何十人の一斉射撃の前には時マンのライトセーバーも全く役に立たず傀儡人形のように踊り狂いながら斃れた。

 

戦士が死んだのを確認するとIG-99Eを先頭にすぐに奥の部屋へ突入した。

 

当然奥の部屋でも信者達が敵を待ち構えており、部屋に入るなりIG-99Eは信者達の集中砲火を喰らった。

 

だが彼らが持つブラスター・ライフルやブラスター・ピストルでIG-99Eの装甲を打ち破る事は出来なかった。

 

逆にIG-99Eが率先して盾になり、その両脇からシス・トルーパー達が集中砲火を信者達に浴びせた。

 

信者達はバタバタと斃れいよいよこの施設を守る者はいなくなった。

 

周囲を警戒しながら目標の部屋に突入した。

 

そこにはクローンを成長させる為のエンブリオ・チューブが並んでいた。

 

中にはまだ成熟し切っていない生物の胚がチューブのポッドの液体の中に浮かんでおり、必ずポッドの近くに設置されているモニターが中の胚の状態を示していた。

 

カミーノアン達が放棄したこの施設はジョルースの手によって完璧に機能していた。

 

いずれは本場カミーノのように命を生成するクローン工場となるだろう。

 

だがジョルースの夢を叶える為のこの施設は今日で終わりだ。

 

「目標に到着、これより作戦に基づき工作を開始する」

 

大尉は司令部に報告し部下達に作戦を実行させた。

 

シス・トルーパー達は破壊工作用の近接反応爆弾をエンブリオ・チューブに取り付けスイッチを押した。

 

彼らの任務はこのクローン施設の破壊でありそれは何があったとしても実行されなくてはならない。

 

たとえまだチューブの中に生命が宿っていたとしてもだ。

 

「設置、完了しました」

 

大尉は部下から報告を受けると「総員撤収!」と部下達を退かせた。

 

彼らが全員離れた数分後に設置された爆弾は全て起爆した。

 

ジョルースが生み出したジェダイ帝国を生み出す為の施設はジョルースの野望と共に爆音を立てて吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発音と共に生命が失われていくフォースの感触はこのボーラ・ヴィオ中の施設内に木霊した。

 

だが戦闘に夢中になり、怒りに捕えられたルウクにとってそんなことを気にしている余裕がなかった。

 

2対1、今彼は不利な状況に陥っている。

 

本来であれば2対1であってもアソーカとカルと戦った時のように余裕を持っていられるのだが今は違う。

 

一挙一動全てが相手に見透かされ手玉に取られているような感覚に陥り、まるでそれが現実であるかのようにルークとマラ・ジェイドはルウクの攻撃を全て読んでいた。

 

特にルークはルウクの攻撃の全てを事前に把握しているかのような口ぶりでマラ・ジェイドに攻撃がくることを伝えていた。

 

それでいて2人の攻撃は全く読めず、しかも見事な連携でルウクを圧倒し時にはダメージを与えていた。

 

2人の連携を崩す事は出来ず逆にルウクのペースが崩されていた。

 

ルウクが放つフォースの術の一つ一つが全く効力を示さず、逆にルークとマラ・ジェイドの気迫に押されている。

 

己を強化しようとルウクがルウク自身に術をかけるがそれすらも敵であるルークとマラ・ジェイドによって打ち破られてしまった。

 

単純なライトセーバー戦でも2人に対しルウクは圧倒的不利で、かと言ってフォースの技量でも勝てない。

 

今もルウクが放った一撃が最もの簡単に躱され逆にルークとマラ・ジェイドのフォースプッシュによって壁に叩きつけられた。

 

「ッハァッ!?」

 

衝撃で口から空気と共に唾が吐き出されルウクの呼吸は荒くなっていた。

 

その鏡合わせであるかのようにルークとマラ・ジェイドは余裕そうな表情を浮かべ再び攻撃を開始した。

 

ルークが捨て技を放ちルウクの攻撃を防いだかと思えば素早くマラ・ジェイドの斬撃が繰り出され、逆にルウクがマラ・ジェイドに反撃すればルークが攻撃に出た。

 

2人からの攻撃をルウクは常に致命傷を負いそうになりながら回避しなんとかやり過ごしていた。

 

だが限界は来る。

 

ルウクはルークの攻撃を躱し切れず“()()()()()()()()()()()()()()”。

 

「あああ……アアアアアアアアアア!!!!!」

 

目の前に転がり落ちるルウクの右手を眺め血が滴る右腕を押さえながら叫んだ。

 

その聞くに耐えない絶叫は施設中に響き渡る。

 

何故だ、ルウクは頭の中で必死に考えた。

 

どうして勝てない、何故師から教わった術が通用しない、何故パワー負けしている。

 

僕こそが選ばれし者だったはずだ、僕こそがスカイウォーカーの血を引く者であったはずだ、僕そこが、僕こそが“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”!

 

確かに僕はマスタージョルースによってこのボーラ・ヴィオで生み出された。

 

だが真のスカイウォーカーは僕であるはずだ。

 

僕の方が強く、僕の方が遥かに優れ、僕の方が相応しい。

 

ルウクは自分がオリジナルのルーク・スカイウォーカーよりも全ての面で優れていると確信していた。

 

それでいてマスタージョルースからありとあらゆる技を教わった。

 

単純なライトセーバー戦だけでなく、フォースの様々な術や使い方。

 

自分よりも遥かに力の扱い方を教わるのが遅く、しかもマスタージョルースとは違うまがい者のジェダイによって教わったオリジナルより強いのは当然なはずだ。

 

オリジナルの隣にいる皇帝の飼い犬よりも当然強い。

 

闇など光が当たれば簡単に消え去る。

 

薄暗い闇の使徒から術を与えられた飼い犬など正当な光明面(ライトサイド)の使徒である我々には遠く及ばないはずだ。

 

それなのに、何故、何故なのだ!

 

怒りが痛みとこの悔しさと共ぬ増幅しルークは再び叫んだ。

 

右手を切り落としたルークは己の未熟な過去から生まれし者にライトセーバーを突き付け言い放った。

 

「前と同じだ……僕もあの時は未熟だった、それでも選択は誤りではなかったと思う。そこに僕の後悔はない」

 

「なっ……何をっ……!!」

 

「だが己の未熟さを受け入れそれを乗り越える。その為にも僕は過去の未熟さの象徴であるお前を倒す!」

 

未熟さの象徴だと?そうであればお前は僕の愚かさの象徴だ!

 

暗黒面(ダークサイド)の犬に成り下がりやがって!偽物のくせに、紛い物のくせに、出来損ないのくせに!

 

ルウクの怒りがルウクのある一つの術を開花させた。

 

ルウクは突然狂った笑みを浮かべ笑い始めた。

 

「フフフ…ハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

「急に…」

 

「気をつけろ…!何かが来る!」

 

ルークとマラ・ジェイドはライトセーバーを構えルウクがこれから繰り出す何かを警戒した。

 

彼は最初に出会った時のような狂った笑みのまま話を続けた。

 

「お前を倒す…?フッフッフ…そうか、やってみろ!その前に僕はお前(オリジナル)を超えるんだァ!!」

 

その瞬間ルウクは持っていたライトセーバーを投擲した。

 

そのあまりの力の強さと突然の衝撃、距離の近さによりルークも攻撃を受け止め切れず自身のライトセーバーを離してしまった。

 

一時的にルークは無防備となりそれこそがルウクの狙いだった。

 

ルウクは左手から天にも轟くような稲妻を放った。

 

それもルークが放ったのとほぼ同じような電撃、フォース・ライトニングだ。

 

ルウクはルークに向けてフォース・ライトニングを放った。

 

ライトセーバーを持っていないルークでは防ぎようがない代物だ。

 

ルウクはこのままルークを殺せると思っていた。

 

このままルウクが放つ憎しみの稲妻でルークの細胞一つ一つを徹底的に破壊しこの世に残るルーク・スカイウォーカーは自分1人である、と証明しようとした。

 

だが“()()()()()()()()()”。

 

ルークは両手の掌でなんとフォース・ライトニングを受け止めたのだ。

 

少し押されてしまったが何とか踏ん張り、掌でフォース・ライトニングを受け止め続けた。

 

「何!?」

 

ルウクはまずそのことに驚いた。

 

彼はすぐに憎しみを増幅しフォース・ライトニングに込めて放った。

 

エネルギーが増幅されたルウクの憎しみの稲妻は再びルークに向かって襲い掛かる。

 

しかしルークは再びフォース・ライトニングを受け止め、むしろ電撃を吸収するかのように掌にエネルギーを溜め込んだ。

 

「僕はもう!怒りに頼るほど弱くはない!!」

 

ルークはその一言と共に掌に溜めたフォースのエネルギーを逆にルウクに打ち返した。

 

力を使い果たしてもう怒りすらも湧かないルウクにそのエネルギーが降り掛かり、ルウクはもがき苦しみながら動けなくなった。

 

「ウアアアアアアアアア!!!!」

 

「今だマラ・ジェイド!奴に留めを!」

 

名前を呼ばれたマラ・ジェイドは既に突撃態勢に入っており鋭い突きの一撃をルウクに与えた。

 

彼女のライトセーバーがルウクの胸を突き刺し彼に致命傷を与えた。

 

「嘘………だ………」

 

マラ・ジェイドのライトセーバーが引き抜かれると共にルウクは地面に斃れた。

 

ルウクは最期にその“()()”という一言だけ遺し、事切れた。

 

エネルギーを打ち終えマラ・ジェイドがトドメを刺す瞬間を確認したルークは微笑を浮かべた。

 

トドメを刺したマラ・ジェイドも同じように微笑を浮かべていた。

 

2人の過去はそれぞれ過去に決着をつけたのだ。

 

 

 

 

 

 

ルウクの断末魔のようなフォースの衝撃はジョルースにも伝わっていた。

 

ジョルースは再び衝撃的な血が抜け青ざめていくような表情を浮かべ彼は珍しく悲しみを覚えた。

 

「我が弟子まで……まさか……そんな……!」

 

ジョルースにとってはエンブリオ・チューブが破壊された時とほぼ同等の衝撃だった。

 

彼と共にジェダイ帝国を創る仲間が1人減ったのだ。

 

それも親身になって育て上げたたった1人の弟子が。

 

たった1人…?

 

ジョルースはその一言に違和感を覚えた。

 

ジョルースにとって自らの弟子はルウクの1人だけだったはずだ。

 

他のクローン戦士達も術を教えはしたが弟子としては認めていない。

 

だがそれでも、自らが弟子としていたジェダイがいたはずだ。

 

ジョルースは頭を抱えて身を震わせた。

 

「ハァッ!!」

 

だがジョルースが悩んでいる隙もなくアソーカの斬撃がジョルースを襲った。

 

ジョルースは攻撃を回避し防戦する。

 

だがその動きは以前より鈍くなっており明らかに動揺がジョルースの表に出ていた。

 

「チィ!いつまでも付き纏りおって…!」

 

ジョルースは苛立ちを込めてアソーカに吐き捨てた。

 

アソーカはライトセーバーを構えそれに答える。

 

「お前の野望はもうこれまでだ!過去の複製物、ジェダイの歪んだ過去の栄光に囚われたままのお前では私たちは倒せない!」

 

「ほざけえ!!」

 

ジョルースはフォース・ライトニングを放ちながらライトセーバーを乱暴に振るった。

 

アソーカは左手のライトセーバーでライトニングを受け止めると右手のライトセーバーで防御し再び左手のライトセーバーで反撃に出た。

 

余裕たっぷりのアソーカとは違い、ジェダイ帝国建国の為の全ての土台が失われたジョルースは焦りに焦っており、攻撃も彼には似合わず稚拙で追い詰められている雰囲気だった。

 

ひたすら乱暴な攻撃を繰り返し力に任せてアソーカを倒そうとする。

 

だがそれでは当然勝てない。

 

攻撃を回避され逆に反撃されジョルースはその度に気が狂いそうになる程苛立ちを覚えた。

 

早くクローニングを復活させなければ、早くスカイウォーカーのクローンを作らなければ。

 

目の前のフォース使いなど相手にしている暇はない。

 

だがアソーカはここぞとばかりに攻撃を繰り出し、ジョルースを引き留めた。

 

「邪魔をするな!!ジェダイのなり損ないが!!見捨てられた者のくせに!!」

 

「違うなジョルース、私は自分で自分の道を選んだ。捨てられたという見方は間違っている。だからお前は歪んだ思想に固執しいつまでも勝利を掴めない!」

 

「何だと!?」

 

鍔迫り合いの格好となったジョルースにアソーカはそう言い放った。

 

「人の道は人が決めるものよ、仮にいくら強いフォースの感受力を持っていたとしても、いくら強いフォース使いだったとしても。お前のジェダイ帝国は間違っている!お前の歪んだ思想も帝国も全てここで終わりにする!」

 

アソーカは全力のフォースプッシュでジョルースを押し出した。

 

ジョルースは何とか受け止めようとしたがそれは叶わずかなり押し出されダメージが体に残ってしまった。

 

アソーカは更に2本のライトセーバーで斬撃を与えジョルースの隙をついた。

 

遂に耐えきれなくなったジョルースは腹部に斬撃による深い切り傷を負った。

 

「グワッァ!?」

 

ジョルースはドアの近くまで吹き飛ばされ傷を押さえた。

 

傷口からは血が垂れ流れており、ジョルースの衣服にべっとり付着していた。

 

「これで終わりだ、ジョルース・シボース…!」

 

アソーカはライトセーバーを構えジョルースに突撃した。

 

だがジョルースは己の全力を使いフォースで天井を崩落させた。

 

「何!?」

 

アソーカは一歩下がって天上の崩落を免れたがこれで通路が塞がれジョルースを追うことが出来なくなってしまった。

 

瓦礫の隙間から、ジョルースが逃げる姿が見えた。

 

「待て!」

 

アソーカは回り道してでもジョルースを仕留めようと彼を負った。

 

その頃ジョルースは荒い息遣いのまま血を垂れ流しつつ通路を歩いていた。

 

彼は残りの力をフォースダッシュに使い距離を稼ぎ今こうして身を休める場所を探していた。

 

「ハァ……ハァ……ここで終わるものか……ライトサイドが人々を……導く……その為の……ジェダイ帝国……アァッ……!」

 

ジョルースは少し開けた所で倒れかけた。

 

血は止まらずむしろ出血は悪化するばかりだ。

 

どうしてこうなったのか、遠ざかりそうな意識を必死に繋ぎ止め考えた。

 

何故、人は理解しない。

 

ライトサイドの正しさを、人々は光が照らす方向へ歩むべきだと。

 

さすれば皆が救われる、皆が暗黒や抱え込んでいる恐怖から解放されるのだ。

 

その為にライトサイドの使徒であるジェダイの帝国が必要なのだ。

 

これは救済だ、全銀河の救済なのだ。

 

それがフォースを感じられない者どころか同じジェダイにすら否定され続けてきた。

 

ジョルースには分からない、この理念を否定する理由がどうしても分からなかった。

 

我々はライトサイドを感じられる、我々はフォースと言葉を交わせる、我々は常人より遥かに強い。

 

ならば我々がそうではない人々を導いてやるのが選ばれた者の責務ではないのか。

 

あのトグルータのジェダイ、アソーカは人の道は人が決めるものだと言っていた。

 

だがそれでは誤った道に進み再び救われぬ者達が溢れてくる。

 

それではいつまで経っても銀河系から暗黒は取り除けない。

 

絶望の影が幸福を邪魔するのだ。

 

皆、どうして変わらないのだ!

 

今も!昔も!

 

「……昔……?」

 

ジョルースはふと自分が思い浮かんだ言葉に疑問を持った。

 

昔、一体いつのことだ。

 

誰に否定された、誰も否定しなかったはずだ。

 

我が弟子も信者もドロイドも戦士達も全て。

 

私はジェダイだ、宇宙の究極な力だ。

 

思う通りになった、行手を阻む者は全て破壊したはずだ。

 

『ダメです!マスターシボース!ダメ!』

 

突然誰かの声が頭の中に響いた。

 

この声は昔聞いた、そうだ、“()()()()()”。

 

弟子はルウク・スカイウォーカーだけではなかった。

 

ジョルースは様々なことを思い出した。

 

様々な出来事、様々な人、ものの名前。

 

アウトバウンド・フライト”、外宇宙航行計画、オビ=ワン・ケノービ、我が弟子ロラナ・ジンズラー。

 

彼女も私の理想に賛同するそぶりはついぞ見せなかった。

 

もう1人の弟子であるルウクとは違って。

 

どうしてなのだ、あの時希望と可能性は現れたはずだ。

 

私は何度もお前に教えたはずだ。

 

選ばれし者、“()()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

そうだ、私は何故勘違いしていたのだ。

 

ルーク・スカイウォーカーは選ばれし者の子供であって選ばれし者ではない。

 

選ばれし者はあの若くして強力な、ジェダイの期待と希望を背負ったケノービのパダワンだったはずだ。

 

何故忘れていた。

 

いや違う、“()()()()()()”。

 

私も所詮紛い物なのか。

 

私の名前はジョルース・シボース、私はジョラス・シボースではない。

 

ただのクローンだ。

 

ならば私の理念は、ジェダイの帝国は、私が創った戦士達の大軍は全て私が描いたものではないのか。

 

全てジョラスが思い描いていたものの“複製(copy)”なのか。

 

ならば私は、ジョルース・シボースとは…。

 

「ジョルース…!」

 

ジョルースは名前を呼ばれて顔を見上げた。

 

そこには選ばれし者の子、ルークがいた。

 

結局勝ったのは彼の方らしい。

 

それもそうか、複製(copy)が創り出した複製(copy)だ。

 

「私を……倒すつもりか……」

 

「ああ、クローニング施設を破壊し野望を潰したとはいえお前を生かしておく訳にはいかない。ここで必ず仕留める」

 

「野望……か……」

 

一体誰の野望だったのか。

 

ジョルースは再び狂気に満ちた笑みを浮かべた。

 

もう何もかもが崩れ、壊された文字通りの狂気を含んだ笑みだ。

 

彼は何もいうことなくフォース・ライトニングを放った。

 

「来るぞ!」

 

ルークとマラ・ジェイドはジョルースのフォース・ライトニングを捌きながらジョルースに接近した。

 

ルークとマラ・ジェイドはジョルースの胸部にライトセーバーを突き刺した。

 

2本のライトセーバーがジョルースに致命傷を与え彼にトドメを刺す。

 

「私の力は……私のため……に……」

 

ジョルースは全てを言い終えることなく弟子のルウクと同じような格好で最期を迎えた。

 

自分を失ったのような虚無感に包まれた最期だった。

 

「最期まで傲慢そのもの…か…」

 

マラ・ジェイドはそう吐き捨てたがルークは「いいや」と否定した。

 

「ジョルースは確かに傲慢だったが今の彼は何か自分の信じるものを、自分が自分である大切な何かを失っていたようだった。造られた命……彼は彼なりに苦しみを抱えていたんだろう」

 

ルークはジョルースの瞼を閉ざしライトセーバーの剣をしまった。

 

「行こう、僕たちの任務は終わった」

 

マラ・ジェイドは頷き歩き始めたその時、どこからか足音が聞こえた。

 

それもかなり高速のだ。

 

「生き残りの戦士か…!?」

 

マラ・ジェイドは再びライトセーバーを構えて警戒した。

 

ルークは彼女を静止し「先に行って」と伝えた。

 

「殿は僕が務める、とにかく先に」

 

「ああ…分かった……任せたぞ……!」

 

マラ・ジェイドはその場を離れルークはライトセーバーを起動した。

 

ルークが構えていた角から出てきたのはジョルースを追っていたアソーカであった。

 

アソーカはてっきりジョルースがいるものだと思っていた為一瞬戦闘態勢に入ったがルークを確認しすぐにライトセーバーをしまった。

 

「ルーク……どうしてここに……」

 

アソーカは彼に尋ねた。

 

どうしてルークが行方不明になったのか、それはアソーカ達だけでなくレジスタンスでも重大な問題となっていた。

 

ルークはその問いに答えることなく彼女にこう告げた。

 

「間も無くシス・エターナルの引き上げが始まる。その間ならセンサーも緩くて離脱しやすいはずだ。なるべく急いだほうがいい、時期にこの惑星は破壊される」

 

「シス・エターナル…?どうしてあなたがシスの側に…」

 

ルークは人差し指を口に当て首を振った。

 

困惑するアソーカにルークはあるものを与えた。

 

「これを」

 

「これは…アナキンの……」

 

「そう、父さんのライトセーバーだ。それとこれを受け取ってくれ」

 

ルークはアナキンのライトセーバーと共にある一つの“()()()()()”をアソーカに与えた。

 

「このホロクロン…一体…」

 

「これ以上は僕の口からは言えない、だけどレイアとソロ達に伝えてくれ。“()()()()()()()”」

 

ルークはそれだけ告げてアソーカの下を離れた。

 

アソーカは決してルークを追わなかった。

 

かつてアナキンがアソーカを追わなかった時のように。

 

アソーカはルークを信じボーラ・ヴィオを離れることを決意した。

 

 

 

 

つづく




メリークリマス!!

エイトクサンタだよ!!

今日はみんなにナチ帝国のプレゼントだよ!!

全くサンタ要素がないね!!

困ったね!!
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