第二次銀河内戦   作:Eitoku Inobe

62 / 84
「ケン・パルパティーン神聖皇帝陛下は生きている、神聖銀河帝国は耐え抜かなくてはなならない。我々にはまだ、やるべきことがたくさんある」
-5ABY頃発生した要人暗殺未遂事件での暗殺犯の発言-


Strandcast

血統の運命とは誰が何をして、どう抗おうと中々途切れないものだ。

 

仮にその子が煩わしい“()()”であろうと、仮にその父親が最悪の“()()”であろうと。

 

血の呪縛は両者を引き合わせ繋ぎ止めて離さない。

 

どちらかが血の鎖を否定しようと鎖はそこにある。

 

見えない鎖だが鎖は必ずそこにあり、その鎖に関わる全ての者を縛り上げた。

 

これを打ち破るには自らの血統を入れ替えるか、自らの命を断つか、難しいことだが自ら争い勝利を通じて鎖を引き千切ることだ。

 

それほどに血統の運命からなる鎖というのは固く切り離せない。

 

たとえどれだけ遠くに逃げ延びても、どれほど否定しようともだ。

 

それは今必死に逃げようとしているこの男もそうだった。

 

男はかの聖地にかのシス卿の“()()()()”として生まれた。

 

だが父親も男を造った技術者も父を信奉する者達も含めて男は“()()()”の烙印を押された。

 

男には本来必要な力が備わっておらず、その才能も全くなかった。

 

故に役立たずで用無しで彼らからしてみれば生まれてきた瞬間から価値がなかった。

 

男はずっとそうして扱われてきた。

 

()()”と言われ、“()()()”と言われ、邪険に扱われた。

 

男はこの過酷な運命に対してどうすることも出来なかった。

 

だが男の運命は少し変わり出した。

 

ある“()()()()()”がその地を訪れたことによって。

 

ようやくこの運命から逃れるチャンスが訪れたのだ。

 

男は友人のシメオングと共に船に乗り込みかの聖地を脱した。

 

やがて男は友人と離れ友人のの名前を名乗り新しい第二の人生を始めた。

 

そこで今共に逃げている最愛の女とも出会ったのだ。

 

彼女は男の人生において何よりも大切な人となっていた。

 

この過酷で“()()”と言われ続けてきた男の人生に希望と光を与えてくれた。

 

それまで男の心の中はずっとかの聖地のように暗雲が空を覆い、怒りと悲しみの落雷が降り注いでいた。

 

これからの人生は彼女と共に明るくより良いものになると思っていた。

 

あの銀河の中央で暴れ回っている帝国だってここまでは来ないはずだ。

 

きっと幸せに生きられる、やがては自分の“()()()”も生まれてあの悪魔とは違う道を進めるはずだ。

 

これからの未来はきっと明るいままのはずだ、でなければ何の為に今まで暗雲の中にいた。

 

きっと報われる、アイツとは違う存在になる。

 

それなのに、それなのに何故。

 

奴ら(シス・エターナル)はここまで来ているんだ。

 

「部隊を散開させろ、本隊が到着する前に見つけるぞ。所詮相手は非武装の男女2人だ」

 

赤い装甲服を着た連中が2人を捕まえようとまた追ってきた。

 

2人はとにかく走った。

 

武器もなく戦う力も術もない2人はひたすら逃げて身を隠すしかなかった。

 

幸いにも連中が来た瞬間、すぐに逃げられたのでまだ見つかってはいない。

 

だが2人とも走るのにもう体力の限界が生じていた。

 

息は絶え絶えになり足元も覚束なくなっている。

 

本来ならとっくの昔に倒れていてもおかしくないはずだ。

 

それなのに2人は必死に捕まりたくないという思いだけでここまで走り続けてきた。

 

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ゲホッ!ゲホッ!」

 

「大丈夫っ!?」

 

男とは咳き込み女は彼を心配した。

 

女は周囲を見渡し「あそこの洞窟で少し休みましょう!」と男の手を繋いで引っ張った。

 

2人は洞窟の中に入ると荒れた息のまま岩場に座り休み始めた。

 

その間にも男は何度も咳をした。

 

「大丈夫…!?」

 

「ああ……大丈夫……それよりも声を落とさないと……奴らにはすぐ見つかる……」

 

男は辛かったが見つからない為に必死に咳を押さえた。

 

女も心配し続けたが見つかることを考慮してこれ以上何も言わなかった。

 

2人には暫く静寂が訪れた。

 

幸いにもまだ2人を探している連中は2人が洞窟にいることに気づいていないようだ。

 

洞窟に入ってから数分が経って男は頭を抑え、震えた。

 

そして小さな声で喋り始めた。

 

「…どうして……どうしてこんなことに……こんな…こんなはずじゃ…!なんでっ……!!」

 

「落ち着いて…!あなたのせいじゃないわ、それにきっと助かる」

 

女は混乱し頭を抱える男を抱きしめ宥めた。

 

男はずっとこの日のことを考えないようにしながらも恐れていたのだ。

 

いつかこんな日が来るんじゃないか、いつか彼方の聖地から“迎え”が来てしまうのではないかと。

 

男は必死に思考を別のものに変換させそんなことはないと自分に思い込ませようとした。

 

だが男が心の底で考えていた最悪の日は等々訪れた。

 

上空では連中のスター・デストロイヤーが惑星をいつでも吹き飛ばせるようにとその巨大な砲塔で狙いを定めていた。

 

「せっせめてっ……!せめて君だけでも逃げないと…!僕のことは置いておいて…!」

 

「何言ってるの…!?それじゃああなたは…」

 

「これは僕の血統の問題なんだ……だからせめて君だけは……」

 

男が必死に女だけでも逃がそうと説得していたその時、遠くから何やら口ごもった電子音が聞こえた。

 

「何…!?」

 

しかもその電子音は足音と共にゆっくりこちらに迫っている。

 

草木を機械の軋む音と共に踏み荒らし、ウィーンという音と共に再び電子音が聞こえる。

 

その重厚な足音は止まることなくすぐ近くまで来ていた。

 

「身を隠して……!」

 

2人は岩陰に隠れ息を殺した。

 

その間にも足音は電子音と共に洞窟の方まで近づいていた。

 

男はふと顔を出し、岩陰から洞窟の外を覗き込んだ。

 

男の視線の先にはひょろっとした細長いパイプの集合体のような物体が、2本の足で歩き両手に武器を持ったままその地を凝縮させたような幾つもの目で周囲を見渡していた。

 

男はそれをかの聖地で見たことがある。

 

男を造ったとはまた別の技術者達が造っていた暗殺ドロイドだった気がする。

 

名前は確かIG……。

 

「ヒッ…!!」

 

男が名前を思い出すよりも先にその暗殺ドロイドは突然大きな電子音を発生させ女が思わず引き攣った声を上げた。

 

「なんだっ…!?」

 

暗殺ドロイドは電子音を発生させると突然引き返し始めた。

 

再びその2本の細い足で元いた場所へ戻る。

 

後の残ったのはただひたすらに不気味さだけだった。

 

「アイツがまた戻ってきたらまずいっ…!今のうちにもっと奥へ逃げよう!」

 

「ええ…!」

 

2人は何とか疲れ切った体を動かし洞窟を出て走り出そうとした。

 

だがそれは大きな判断ミスだ。

 

2人が手を繋ぎ走り始めた瞬間“()()”は突如として襲いかかった。

 

さっきまでいた洞窟の崖の上に“()()”はいたのだ。

 

2人は恐怖のあまり思わず声を失った。

 

影の上から飛び上がり“()()”、暗殺ドロイドIG-99Eは2人に飛びかかった。

 

紅の目をこれでもかというほど光らせ、まるでそういう生き物のように2人を地面に叩きつけた。

 

あまりの勢いで女の方は気絶し男の方は少し遠くまで飛ばされた。

 

「痛っ…!んん……」

 

男は何とか起き上がり目を開けた。

 

すると男の目の前にはあの悪魔の暗殺ドロイドが棒立ちで男の前に立っていた。

 

「ヒィ…!!」

 

男は恐怖のあまり急いで逃げ出そうとしたがIG-99Eが首元を手刀で気絶させ男は気を失った。

 

薄れゆく意識の中で男はただ嘆くことしか出来なかった。

 

気絶した男をIG-99Eは首元を掴み、ずるずると女の方まで引き摺った。

 

そうこうしているとようやく捜索していた隊が戻ってきた。

 

「よくやったIG、流石だ」

 

やってきた捜索隊指揮官のテドリン=シャはIG-99Eの功績を褒め称えた。

 

IG-99Eはダークサイドの達人に敬意を表して膝を下ろし頭を下げた。

 

既に確保目標はシス・トルーパーが抑えており増援のセドリス・QLの部隊も駆け付けている。

 

「しかし少し雑に扱い過ぎだ。いくら“()()”とはいえ…まあもうどうでもいいが」

 

シス・トルーパー達に運ばれていく2人を見つめながらテドリンはそう呟いた。

 

任務は果たした、後はエクセゴルまで運ぶだけだ。

 

陛下はお前との再会を決して喜ぶことはないだろうが役には立ってもらう。

 

テドリンは邪悪な笑みを浮かべその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

「ジェルマン!このっ!」

 

デルは何度もブラスター・ライフルをなるべく装甲の薄い部分に撃ち当てたがダーク・トルーパーは見向きもしない。

 

しかも今首元を狙えばジェルマンにも被弾する恐れがあった為攻撃出来ずにいた。

 

ジェルマンも同じ部分にブラスター・ピストルの弾丸を浴びせるがやはりこちらもあまり効果がない。

 

2人の抵抗虚しくダーク・トルーパーの拳のない鉄拳は容赦なく振り下ろされた。

 

ガンッという鈍い金属がへこむ音が聞こえ火花と共に血が飛び外壁は大きく歪んだ。

 

「ジェルマンッ!!」

 

デルは顔を見上げ彼の名前を叫んだ。

 

「くっ!」

 

ジェルマンは間一髪、ダーク・トルーパーの鉄拳をギリギリのところで回避していたのだ。

 

おかげでダーク・トルーパーの腕は外壁にめり込みジェルマンには当てられずにいた。

 

しかしダーク・トルーパーの腕の千切れた部分が僅かにジェルマンの頬を擦り皮膚を切り裂いた。

 

そこから少量だが血が流れ出ており打撲とは違う痛みにジェルマンは顔を顰めた。

 

だがお陰で彼は打撲による脳の混乱が吹き飛んだ。

 

ジェルマンは少々危険でジェルマン自身にもダメージを受けるかもしれないがこのダーク・トルーパーを倒す手立てを思いついた。

 

彼はありったけの力を込めてブラスター・ピストルを持ち上げダーク・トルーパーの首元に押し当てた。

 

デル曰くダーク・トルーパーは他のドロイド同様首元が弱点だ。

 

ここには流石にあの鋼鉄の装甲を張り巡すことが出来ず先ほどの戦闘でも十分それは理解した。

 

ならば、この距離ならば、腕の装甲で首元をガードしていない今ならばこのブラスター・ピストルでも十分勝機はある。

 

こんな近距離で撃てばジェルマン自身にも多少の被害は出るかもしれないが。

 

ダーク・トルーパーはジェルマンの魂胆に気づいてダーク・トルーパーは急いで対策を取ろうとしたがもう遅い。

 

ジェルマンは引き金を引きブラスター弾を発射した。

 

何発ものブラスター弾がダーク・トルーパーの首に直撃し回路を次々と破壊していった。

 

その度その度に火花が飛び散りジェルマンの方に当たるがジェルマンは目を瞑り火花の熱を耐えた。

 

やがて完全にダーク・トルーパーの首部分は破壊されゴロンとダーク・トルーパーの重たい頭が地面へと転がり落ちた。

 

それと同時にダーク・トルーパーのボディ部分も膝から崩れ落ちジェルマンはようやく解放された。

 

肺いっぱいに空気を吸い込み助かったことを実感した。

 

だが本当に後少しで死ぬところだった。

 

ほんの数秒、しかもほんの数センチあの拳がズレていたら確実に致命傷を負っていた。

 

いや、即死していた可能性だってある。

 

ジェルマンは自身を殺そうとした敵の残骸に目を向けながらそう思った。

 

「ジェルマン!!良かった!」

 

デルはジェルマンの方に駆け寄り彼に手を差し伸べた。

 

ジェルマンはデルの手を握り立ち上がった。

 

「辛うじてなんとか……」

 

ジェルマンは微笑を浮かべようとしたがすぐに新たな緊張が走り2人は急いで武器を構えた。

 

なんと先ほどイオン・グレネードで倒したはずのダーク・トルーパー1体がギシギシと音を立て立ち上がってきたのだ。

 

関節からは火花が溢れ頭のデュアルアイの光は点滅しているのにも関わらずこのダーク・トルーパーはまだ戦おうとしていた。

 

なんと恐ろしい敵なのだろう。

 

「まずい!!」

 

ジェルマンは顔を硬らせ急いでブラスター・ピストルを構えた。

 

しかし既にジェルマンよりも先にスナイパー・ライフルを構えスコープを覗いた。

 

それから数秒も経たずに引き金を引き弾丸が放たれた。

 

デルが放った全ての弾丸はブラスター・ライフルを手に取ろうとするダーク・トルーパーの首に直撃した。

 

何発か弾丸を喰らいダーク・トルーパーは再び地面に倒れた。

 

余りに素早い動きにジェルマンは思わず感嘆の声をあげた。

 

「すごい…」

 

「敵がまだ完全に復帰する前だからなんとかなった。後弱点を知ってたからな」

 

「でもあの狙撃はすごいですよ!あんなの多分ジョーレンでもっ!?」

 

「おいおいおい……一体……“()()()()()()”!!」

 

デルですらその光景を見て青ざめていた。

 

再び通路の向こう側から金属の重厚な音を含んだ足音が聞こえてくる。

 

そこには先ほどまで苦戦してようやく倒した敵が再び隊列を組んでやってきたのだ。

 

何十人ものシス・トルーパーを引き連れて。

 

ダーク・トルーパーの部隊が再びジェルマンとデルの目の前に現れたのだ。

 

2人を発見するなりダーク・トルーパー達はブラスター・ライフルを向け発砲した。

 

また弾丸がばら撒かれ、2人は物陰に隠れながら反撃を始めた。

 

相変わらずこちらの弾丸は全く効かない上にせっかく用意した防衛網も全て第一波、第二波のダーク・トルーパー達によって破壊されてしまった。

 

こちらは手元にある火器で応戦しなくてはならない。

 

ジェルマンは転がっていたダーク・トルーパーの胴体の残骸を引っ張りせめてもの盾とした。

 

ダーク・トルーパーのブラスター弾はダーク・トルーパーの残骸によって弾かれ、2人はひとまず安全を得た。

 

だがこのままでは接近され殲滅されて殲滅されるだけだ。

 

しかも背後にはシス・トルーパー達がいる。

 

シス・トルーパーはアイデンとジョーレンにしたようにダーク・トルーパーを盾としながら隙間からサーマル・デトネーターを投擲した。

 

作動し点滅するサーマル・デトネーターが何個かコロコロとジェルマン達の下まで転がってきた。

 

「クソッ!せめて効いてくれよ…!」

 

ジェルマンはアイデンが置いていったイオン・ディスラプションを手にしサーマル・デトネーターに通じるように起動した。

 

周囲に電撃が走りシス・トルーパーが投擲したサーマル・デトネーターは全て無力化された。

 

これでひとまず全滅の危機は去ったがダーク・トルーパーは健在でシス・トルーパー達も次の手を打とうとしていた。

 

今度はダーク・トルーパーの合間からシス・トルーパー達がインパクト・グレネードを投擲してきたのだ。

 

インパクト・グレネードはサーマル・デトネーターよりも爆発範囲は狭いが着弾の衝撃ですぐ爆発する為使い勝手がいい。

 

しかもジェルマンが持つイオン・ディスラプションではインパクト・グレネードを無力化する事は出来ない。

 

着弾したインパクト・グレネードは次々と爆発しジェルマンもデルもとてもではないが反撃するのは無理な状況にあった。

 

「チッ!このままじゃあまずい!」

 

なんとかジェルマンはグレネードをダーク・トルーパーに放つが狙いが定まらず通常の装甲に弾かれ全くダメージを与えられなかった。

 

ダーク・トルーパー達はひたすらブラスター弾を撃ちまくり前進している。

 

しかも背後からはシス・トルーパーのインパクト・グレネード投擲により攻撃することすら不可能に近い。

 

確実に距離は詰められジェルマンもデルも険しい表情を浮かべていた。

 

もうどうしようもないのか、いいや違う。

 

彼らにはまだ頼れる“()()”がいる。

 

ダーク・トルーパーもシス・トルーパーもジェルマンとデルすら気づかないほど天井の一部に僅かな隙間が開いた。

 

そこへ筒状の何かが2つほど落とされコロコロと前後に転がった。

 

その様子だけはジェルマンもデルも目撃していた。

 

シス・トルーパーはその転がってきた物体を目にし急いで物体から距離を取ろうとした。

 

「あれは……!」

 

「伏せろ!」

 

デルに頭を抑えられ2人はダーク・トルーパーの残骸の下にうずくまった。

 

その直後2つの物体は轟音を立て一気に大爆発を起こした。

 

ダーク・トルーパーは全て爆発に巻き込まれシス・トルーパーも部隊の大多数が今の爆発でダメージを喰らった。

 

圧倒的なエネルギーと熱が辺りに放たれ周囲には爆発の余波が広まった。

 

幸い2人はダーク・トルーパーの残骸の下で伏せていた為なんの負傷もしていなかった。

 

今の爆発の仕方は間違いなくサーマル・インプローダーだった。

 

サーマル・インプローダーは起爆時に周囲の大気を圧縮して加熱し真空状態を作り出す事で激しい爆発を発生させる。

 

今の爆発の前、インプローダーが大気を圧縮する独特の音が聞こえた。

 

そしてあの爆弾を持っているのは敵であるシス・トルーパー達以外だと“2人”しか見当がつかない。

 

今はまだ音信不通のあの2人しか。

 

ガコンと天井が外れその中から2人の人間が降りてきた。

 

2人は降りるとほぼ同時に手に持っているブラスター・ライフルでサーマル・インプローダーの爆発を喰らったダーク・トルーパー達に確実にトドメを刺し始めた。

 

首元にブラスター・ライフルの銃口を突きつけ、1発2発とブラスター弾を叩き込んでいく。

 

ダーク・トルーパーの中には胴体が半分吹き飛んだのにも関わらず這いずって戦おうとする者もいた為確実にトドメを刺すのは正しい判断だ。

 

全てのダーク・トルーパーを制圧するとその残骸をジェルマン達のように盾にして今度はシス・トルーパーへブラスター弾を叩き込んだ。

 

シス・トルーパー達は負傷者を見捨て反撃に転じた。

 

だが今まで彼らを守っていたダーク・トルーパーの装甲でシス・トルーパーのブラスター弾は弾かれ、逆に2人の確実な射撃によって1人ずつ撃ち倒された。

 

最後はインパクト・グレネードを投擲しようとしていたシス・トルーパーをTL-50の震盪ブラストが周りのシス・トルーパーごと吹っ飛ばした。

 

生き残ったシス・トルーパー達は牽制射撃を行いつつ一旦後退した。

 

最後まで後退する敵を射撃しつつ2人は立ち上がりジェルマン達の方へ近づいた。

 

ジェルマンもデルも2人の姿をよく知っている。

 

2人はそれぞれ2人の名前を呼んだ。

 

「ジョーレン!」

 

「アイデン!」

 

2人の窮地を救ったのは通信の繋がらなくなっていたアイデンとジョーレンだった。

 

2人はボロボロで装備にも煤がついており傷も多かった。

 

いやむしろ傷だらけだ。

 

「悪い、遅くなった」

 

ジョーレンはわざとらしくニヒルな笑みを浮かべ こう呟いた。

 

「ご無事で…!」とデルは2人の生存を喜んだ。

 

「一体何があったんだ?」

 

ジェルマンはジョーレンに尋ねた。

 

ジョーレンは今度は苦笑を浮かべながら「ちょっとな」と口をごもらせた。

 

「シス・トルーパーからさっきみたいにデトネーターの投擲を喰らった。そこでヴェルシオ中佐が天井に逃げ込もうと咄嗟に動いてくれたお陰で助かった。まあ途中でコムリンクはぶっ壊れちまったがな」

 

「私だけじゃない、こいつも我々の傷をバクタ液の噴射で回復してくれた。これがなかったらここまで動けていない」

 

アイデンは彼女の後ろについているシーカー・ドロイドに目をやりつつ事情を話した。

 

ジョーレンも彼女の後ろでドロイドに小さくグッドサインを送りドロイドは嬉しそうに頭を回している。

 

「とにかく無事でよかった…!」

 

デルは2人の無事を、特にアイデンの無事を喜んだ。

 

彼女は単なる同じ部隊の上官と部下以上の関係だ。

 

「それで、こっちの状況は?」

 

ジョーレンは冷静に辺りを見回しながらデルとジェルマンに尋ねた。

 

まあジョーレンが心の中で思った通り“()()()()()()”といった光景が広がっていたが。

 

「取り敢えず今のところ見ての通り敵の襲撃は全て食い止めた。こちらの損害は負傷者が僕1人で持ってきたブラスター・タレットは全て破壊された」

 

「死人が出ていないようで何よりだ、しかもダーク・トルーパーも俺たちで潰したのも合わせて部隊の半分はやれたはずだ。逆に言えば今まで倒したのと同じ数がまだいるというわけだが」

 

ジェルマンは息を飲んだ。

 

とてもではないが4人がここで守ったとしても守り切れる気がしない。

 

こちらの手札は半ば使い切り爆弾などの火器も僅かだ。

 

「しかもシス・エターナルのジェットパック部隊まで投入されたらしい。ここらが潮時かもな」

 

「つまりそれって…」

 

「ええ、我々はここから退却する」

 

ジョーレンに賛同しアイデンははっきりとそう告げた。

 

「デル、ジルディール大尉、ここの軍艦は今どれだけ残っている?」

 

「大小合わせて残り四隻、うちヴェネター級は一隻です」

 

ジェルマンはアイデンにこの造船所に残っている軍艦の数を報告した。

 

彼らが必死に戦っている間にここにいたほとんどの軍艦は移送出来た。

 

外ではシュリブが“コルウス”やUウィングと共にシス・エターナル軍を防いでいたおかげで戦闘による喪失もない。

 

この作戦はレジスタンス軍にとって大成功に等しい。

 

「分かった、じゃあ最後の三隻をハイパースペースへ。でもヴェネター級だけは残しておいて。それとシュリブと“コルウス”に通信を」

 

「はっはい…」

 

ジェルマンは疑問を持ちながらもコンソールの下へ向かった。

 

アイデンは荷物を持ち退却の用意を始めた。

 

『コマンダー!どうしました?』

 

コルウス”との通信が繋がりケイトンの声が聞こえた。

 

アイデンはデルからコムリンクを受け取ると早速命令を出し始めた。

 

「ケイトン、十分時間を稼げた。我々はこの造船所地帯から撤退する…が、連中を巻くには一芝居打つ必要がある」

 

『と、言いますと?』

 

「今から作戦を伝える、シュリブもよく聞いてくれ。連中には“()()()()()()”の力で対抗する」

 

『はい?』

 

ケイトンは全く理解出来ていない様子だったがすぐ隣にいたジョーレンはなんとなく理解していた。

 

だからこそ冗談ではないという表情を浮かべているのだ。

 

「中佐、まさかそれって……」

 

「ああ、そのまさかだ」

 

アイデンの即答を聞いてジョーレンはなんてこったとリアクションを取った。

 

ジョーレンは大凡28年振りにあの軍艦に乗り込むことになる。

 

共和国の遺産がシスの遺産とぶつかるのだ。

 

 

 

 

 

 

シスTIEファイターが震盪ミサイルを放ち“コルウス”のシールドを貫通させてダメージを与えた。

 

連戦による出力不足により徐々に“コルウス”の偏向シールドは限界に近づき被弾しやすくなっていた。

 

幸い優秀な艦のシステムと乗組員のお陰でダメージコントールは出来ているが苦しい戦いは続き徐々に追い詰められていた。

 

シュリブのXウィングや無人のUウィングもシスTIEファイターの物量によって抑え込まれてしまった。

 

「敵艦、徐々に後退していきます」

 

「スターファイターもです、造船所の裏側に隠れようとしています」

 

ブリッジの乗組員達は艦長に戦況を報告した。

 

ブリッジからでは少しばかり距離がある為遠くで小さな点が消えたり光ったりしているような光景が広がっていた。

 

だがそろそろトドメの一撃を喰らわせても良い頃合いだろう。

 

敵艦も大分損傷しているはずだ。

 

「よし、ならば敵艦に直接王手をかける!前進し最大火力を持って撃沈せよ!」

 

セキューター級は速力を上げ攻撃を強めた。

 

重ターボレーザー砲や戦艦イオン砲を放ちつつレイダー級との距離を詰める。

 

コルウス”は前面に偏向シールドの出力を集中している為そう簡単にはシールドを打ち破ることが出来ない。

 

だが何度も何度も攻撃を重ねることにより偏向シールドにも限界が近づいてくる。

 

セキューター級はスター・デストロイヤーではあるが大きさやそのうち出せる火力はバトルクルーザー級だ。

 

手加減していただけで本来ならレイダー級コルベット一隻など簡単に始末出来る。

 

「スターファイター隊に命令、実体弾を用いて敵艦へ爆撃せよ。それが終わり次第我々は最大出力の艦砲射撃で確実に仕留める」

 

「了解、ゾル中隊全機攻撃を開始せよ」

 

ブリッジ付の航空士官の命令を受けてシスTIEファイター隊が爆撃を開始する。

 

シスTIEファイター部隊はそのまま攻撃を続け対空砲を回避しイオン魚雷を放った。

 

放たれた魚雷の何発かは迎撃され撃墜されたがうち4発が着弾した。

 

イオン魚雷の効果で徐々にレイダー級のシールドの出力が更に低下しレイダー級は後退を始めた。

 

「敵艦の出力低下、ですが造船所の裏側に隠れようとしています」

 

「逃さん、全砲門で敵を叩け!」

 

セキューター級の重/軽ターボレーザー砲が一斉に放たれた。

 

何十発ものターボレーザー砲弾を受け遂に敵艦は爆散し周囲に爆発の光が撒き散った。

 

この爆発の光はセキューター級のブリッジからも確認出来る。

 

艦長はその様子を眺めながら先程とは違いなんとも納得いかない表情を浮かべていた。

 

「爆発の光を確認、敵艦は恐らく轟沈したかと」

 

副官はニヤリと笑みを浮かべて艦長に報告した。

 

だが艦長は副官とは違いどうにも納得のいっていない表情であった。

 

「いや……今の爆発、いくらコルベットとはいえ軍艦が爆発したにしては呆気なさすぎる。まるで手応えがない」

 

艦長はエクセゴル生まれで帝国軍にも軍事知識と経験を得る為に入っていた為実際の戦場を経験している。

 

軍用のコルベット艦がターボレーザー砲を何発も喰らって沈む時の爆発の量はこの程度では済まされないはずだ。

 

「しかし艦長、砲撃は全て直撃です。それにセンサーでは敵艦の残骸も探知しています」

 

戦場を知らない副官はまさかといった表情で気を緩めていた。

 

だが副官の言う通り実際に戦闘領域の宇宙空間にはレイダー級と思わしき破片が散らばっていた。

 

普通なら疑いを残しつつも諦めていただろうが注意深い艦長はある異変にも気づいた。

 

「…ではスターファイターは、スターファイター1機とガンシップが1機いたはずだ。奴らはどうした」

 

Xウィング1機、Uウィング1機がこちらのスターファイター隊と死闘を繰り広げていた。

 

その2機はレイダー級が後退する際同じように綺麗に後退し今のところはレイダー級共々ターボレーザー砲に巻き込まれた状態だ。

 

しかしあれほどまでに数の差がありながらも大群を翻弄していた敵機がそう簡単に撃墜出来るだろうか。

 

レイダー級にしてもいくら消耗していたとはいえ後退のタイミングが僚機共々良すぎる。

 

余計に疑わしい。

 

「あの程度のスナブ=ファイターではターボレーザー砲の集中攻撃を受ければ破片残らず消え去るでしょう」

 

「だが機体の翼1枚も破片として見えないのは流石におかしいぞ…」

 

副官は軽くそう呟いたが艦長の疑念は晴れなかった。

 

しかも艦長の疑念をさらに高めるように今度は造船所地帯を占拠した部隊からの報告が入った。

 

『こちら第223空中機動中隊、ダーク・トルーパー分隊及び歩兵部隊と共に制御室を制圧。施設内のほぼ全てを占拠しました』

 

「そうか、苦戦したようだが損害は」

 

通信を入れた中隊長に向かって艦長は状況と部隊の損害を尋ねた。

 

だが帰ってきた報告は意外なものだった。

 

『先遣隊の損害はご存知の通りですが我々の損害は“()()()()()”。ダーク・トルーパー1体どころかこちらは弾丸1発受けていません。室内は“()()()”です」

 

「なんだと…」

 

「まさか、そんな」

 

副官はあり得ないと冷や汗を掻きながらも笑みを浮かべていたが艦長はそうではなかった。

 

自身の持つ疑念が確証してしまったという表情だ。

 

中隊長は『先遣隊と相打ちになったのでしょうか』と辺りを見回しながら考えを口にした。

 

ダーク・トルーパーが何体も破壊されており辺りの壁はへこんだり弾痕が残ったり爆発の煤がついていることからかなり激しい戦いがあったと見える。

 

生憎先遣隊とは通信妨害の影響で上手く連絡が取れなかったが。

 

故に艦長は疑念に確証を持っていた。

 

「ステーション内の全てに部隊を展開しろ、敵兵の遺体でもなんでも見つけるまで探すんだ。スターファイター隊は造船所の裏に回り込んで敵を捜索するんだ、急げ!」

 

「了解!」

 

『了解…!』

 

通信は途切れそれぞれの部隊長が命令を前線の部隊に実行させた。

 

シス・トルーパー部隊は再び散開し宇宙空間では何機かのシスTIEファイターが造船所地帯の裏側まで回り込んだ。

 

セキューター級も戦闘態勢を崩さず周りのゴザンティ級と共に接近していった。

 

先行したシスTIEファイター部隊は造船所地帯を飛び回り周囲をセンサーと目視で警戒した。

 

そこで彼らは驚愕のものを目撃する。

 

パイロット達が見た報告はすぐにセキューター級のブリッジに届いた。

 

『こちらザイン5…!造船所地帯を飛行中に移動する艦船を発見!現在攻撃を受けている…!』

 

「何!?」

 

「やはりか……スターファイター隊は直ちに迎撃に迎え!」

 

『しかし艦長!敵は!!敵は!!信じられません!!』

 

ザイン5のシスTIEファイターパイロットは混乱しているのか意味不明な応答を繰り返していた。

 

「落ち着け、敵は一体なんだ。軍艦か、それともガンシップか」

 

『はい!敵は軍艦です!ですが敵は!敵は造船所に放置されていた“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”!!』

 

 

【挿絵表示】

 

 

その予想もしていなかった一言は副官やブリッジの乗組員だけでなく艦長も驚かせた。

 

確かに敵がステーション内の艦船を動かしているのは確認出来た。

 

だが所詮あそこの造船所で造られているのは28年も前の旧式の軍艦だ。

 

一部のシステムや砲塔類が自動的にバージョンアップされているとはいえこのセキューター級やインペリアル級、ましてやジストン級のような軍艦に勝てる訳がない。

 

しかし目の前にはクローン戦争時代のスター・デストロイヤーが立ちはだかろうとしている。

 

『敵艦、対空砲火を展開しています!迂闊に近づけません!』

 

「一旦後退して再度攻撃!確実に仕留める!」

 

艦長の命令でシスTIEファイター部隊は一旦後退し態勢を立て直した。

 

その間ヴェネター級のブリッジや艦内では乗組員達が慌ただしく動いていた。

 

「ハイパードライブシステムは先に行った艦隊とリンクさせているのですぐベスピンには行けるはずですが…」

 

「まあ動かしたはいいが問題は山積み、そんなところだろう?」

 

ブリッジで昔出会ったヴェネター級の艦長よろしく腕を組んで仁王立ちしているジョーレンはケイトンにそう尋ねた。

 

今やジョーレンの階級は少佐、かつてこのブリッジで偉そうに腕を組んでいた官僚の階級は中佐や大佐の佐官が多かった。

 

今やジョーレンは彼らと並ぶ階級にまで到達していたのだ。

 

ジョーレンは静かに時の流れを噛み締めていた。

 

このヴェネター級に乗り込んでから過去に対する感傷的な感情しか浮かばない。

 

それは単純にヴェネター級やクローン戦争のあの頃が懐かしいからだろうか。

 

「しかしシステムは帝国と共通規格なのでなんとか動かせます!“コルウス”の乗組員であればひとまず左舷の主砲だけならなんとか」

 

ケイトンはジョーレンやアイデンにそう報告した。

 

「ではさっきみたいに残った武装は全て自動攻撃システムに任せて。性能は落ちるかもしれないけどないよりマシだわ」

 

「はいコマンダー!」

 

その間にもヴェネター級はエンジンを吹かし遂に造船所地帯の影から姿を現した。

 

砲塔がセキューター級を含めた揚陸部隊の方に向く。

 

「まさかこんな教科書に出てくるような軍艦に乗ってるだなんて」

 

「じゃあ俺は教科書の人だな、少佐、後何分くらいでジャンプ出来る?」

 

ジョーレンはデルにハイパースペース・ジャンプの状況を尋ねた。

 

彼らとてあのセキューター級と真っ向から戦って勝てるとは思っていない。

 

「後3……いや2分は掛かる」

 

「…じゃあ最短2分、あのスター・デストロイヤーと戦う必要があるって訳か…エネルギーの方は持ちそうか?」

 

「さあな、どのくらい攻撃してどのくらい攻撃されるかによる。だがこの艦のエンジンは正常に稼働しているぞ!」

 

シュリブはブリッジの計器を見つめそう呟いた。

 

ジョーレンは小声で「じゃあギリギリかもな…」と呟いた。

 

このヴェネター級は船体下部のハンガーベイに“コルウス”は取り付けられたがその代わり後期のヴェネター級に向けられるSPHA-Tの砲塔が存在しなかった。

 

せめてあれだけでもあればなとジョーレンは小さな不満を覚えていた。

 

「よし、全砲門敵艦に集中。目標は主にエンジン及び射撃装置だ。せめて攻撃出来なくさせればこちらもかなり余裕になる」

 

このヴェネター級にはイオン砲がない為純粋な火力と偏向シールドの力比べとなる。

 

その為バトルクルーザークラスのセキューター級の火力と防御力ではヴェネター級の方が圧倒的劣性にあった。

 

しかしやりようが完全になくなった訳じゃない。

 

別にこの戦いは敵艦を撃沈させる必要はないのだ、ただ逃げるまでの時間を稼げばそれで十分あった。

 

「コマンダー、いつでも砲撃できます…!」

 

ヴェネター級のブリッジにいる“コルウス”の砲術長がアイデンにそう報告した。

 

「よし、撃ち続けろ!」

 

「了解!全砲門開け、撃て!」

 

一斉にヴェネター級の主砲であるDBY-827重ターボレーザー砲が砲撃を開始した。

 

青い砲弾がセキューター級の偏向シールドに直撃しブリッジにも振動が伝わった。

 

旧共和国宇宙軍の赤いラインのカラーリングとシス・エターナル宇宙軍の暗赤色のカラーリング、どこか似ているようではあるがこの二隻は対局の存在にある。

 

「うっ撃ってきた!?」

 

副官は動揺したが艦長は苛立ちを浮かべるだけで冷静に対処した。

 

「こちらも撃ち返せ!むしろ的がデカくなった分やりやすい!ブリッジとエンジン部分に火力を集中せよ!」

 

セキューター級からも反撃として艦砲射撃の一斉射が放たれた。

 

黄緑色の砲弾はヴェネター級の船体に直撃し艦内にセキューター級が受けた以上の衝撃を与える。

 

「左舷に偏向シールドの出力を寄せるんだ…!あのスター・デストロイヤーの砲撃をまともに喰らえばヴェネター級なんぞ軽く沈む!」

 

ジョーレンの助言通りヴェネター級の偏向シールドは左舷に集中しセキューター級の砲撃を防いだ。

 

これによって多少はマシな状況になったが結果を少しばかり遅らせただけだ。

 

ヴェネター級の砲撃も続いているが思うように打撃を与えられていない。

 

逆にセキューター級の火力は全く衰えておらず今もなお最大出力で重ターボレーザー弾を撃ち出していた。

 

強化されたヴェネター級の偏向シールドも限界に近づきいよいよ直接船体に被弾した。

 

船体下部が重ターボレーザー砲の一撃によって爆発し大きな赤い光を生み出す。

 

「ダメージコントロールを!!」

 

コルウス”から連れてきたアストロメク・ドロイドがソケットに端末を差し込みヴェネター級の隔壁を操作した。

 

この間にもセキューター級は攻撃を続けいよいよ最悪な状況に陥った。

 

「っ…!コマンダー!造船所地帯から索敵に向かっていたTIEファイター部隊が接近中!数は大凡4個中隊!」

 

「なんだって!?」

 

「今右舷に偏向シールドを展開する余裕はない…!しかも自動対空砲火じゃ…」

 

シスTIEファイターに乗り込むパイロット達に軽く避けられてしまう。

 

今のヴェネター級の防御力ではシスTIEファイターのレーザー弾と魚雷やミサイルだけでも致命傷となりかねない。

 

とてもまずい状況だ。

 

だがピンチが訪れれば逆にチャンスも近くにやってくる。

 

『コマンダー!“コルウス”の震盪ミサイルを発射管に移送完了しました!いつでも撃てます!』

 

それは“コルウス”の砲術士達の報告だった。

 

このヴェネター級は通常のモデルとは違い震盪ミサイル発射管が何故か船体に取り付けられていた。

 

他にもいい報告は続々と入ってきた。

 

「アイデン、後30秒でハイパースペースへ入れる!」

 

ようやくハイパースペース・トンネルの入り口が見えてきたというわけだ。

 

今ピンチなのは間違いないが同時に希望があるのも確かであった。

 

「そう!では震盪ミサイルを敵艦に発射して。TIEファイターからはなんとか逃げ切るしかない」

 

『了解!震盪ミサイル装填!』

 

震盪ミサイル発射管にミサイルが装填され間髪入れずに3発のミサイルが発射された。

 

青いターボレーザー砲弾と共に震盪ミサイルもセキューター級へと向かう。

 

一点に攻撃を集中している為セキューター級の偏向シールドも実は限界に近く3発の震盪ミサイルがそれにトドメを刺した。

 

ようやくセキューター級の偏向シールドが打ち破られ船体に直接被弾した。

 

この被弾によって射撃装置が一時的にダウンしセキューター級の砲撃が若干弱まった。

 

「ハイパースペース・ジャンプまで残り…5、4、3、2、1…!ジャンプします!!」

 

その直後セキューター級はハイパースペースに突入した。

 

突入する前到着したシスTIEファイター部隊の震盪ミサイル攻撃を受け何ヶ所か被弾し損傷したがジャンプに支障はなかった。

 

2つの特殊部隊はピンチに陥り艦船もボロボロになりながらもなんとか任務をやり遂げたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

-コア・ワールド 第三帝国首都惑星コルサント セントラル地区 アンダーワールド・ポータル-

第9FF装甲擲弾兵軍団と第31義勇擲弾兵団はセントラル地区のアンダーワールド・ポータルを中心に半径5キロを封鎖した。

 

ウォーカーやホバータンク、兵員輸送機やジャガーノート・タンクを要所に配置しスピーダー・バイクやランドスピーダー、エアスピーダーを偵察として度々展開した。

 

各地にバリケードが張られ一般市民には外出禁止令が出ている。

 

これを破る市民は最低でも作戦終了後も48時間拘束され酷い場合はその場で射殺される。

 

『封鎖地点レシュ、今の所問題はなし。外出する市民及び不審な人物も目撃されていません』

 

『こちら封鎖地点ユスク、我々も同様です。偵察隊からも不審な報告は受けていません』

 

封鎖地点の指揮所から本部のあるポータル管理室に報告が押し寄せている。

 

「了解、各隊現状を維持せよ」

 

コムリンクを通じてジークハルトは各隊に指令を出した。

 

空中には第21FF航空旅団を配備し、ポータルにも両部隊のドロップシップを展開しており封鎖は万全だ。

 

管理室にはアデルハイン大佐やヴァリンヘルト大尉ら軍団の参謀以外にも第31FF義勇擲弾兵団の将校達もいる。

 

「第9軍団と第31兵団の連携、思った以上に上手くいっていますね」

 

デア・フルス・ソルー兵団のグリアフ准将はジークハルトにそう呟いた。

 

彼は准将であり階級はジークハルトと同じなのだが権限としてはグリアフ准将の方が上であった。

 

彼は情報将校としてナブー奪還作戦の際は敵の撹乱などを行う予定でいる。

 

「元より度々演習を行なっていましたからね。今回はあえてほぼ全ての部隊を混合させましたがこれでも問題ないならナブー奪還も上手くいくでしょう」

 

「ええ!我々の故郷にして帝国の聖地、連中に預けておく訳にはいきません」

 

「グリアフ准将、少し宜しいでしょうか?」

 

2人が話している間に1人の親衛隊将校がグリアフ准将を呼んだ。

 

どうやらグリアフ准将宛に何か要件があるようだ。

 

彼は名残惜しそうにその場を離れジークハルトはふうと状況を示すタブレットを眺めふと呟いた。

 

「ナブー奪還か……以前は遠い話のように思えていたが今となってはもう目前なのだな」

 

ナブーの奪還作戦に加わるよう命じられたのはシス・エターナルの中隊をモーデルゲン上級大将から与えられた時だった。

 

まだシス・エターナルがどの程度の力を持っているか分からない状態でここまでモン・カラのレジスタンス艦隊を蹴散らし続けるとは思わなかった。

 

しかし親衛隊や国防軍の上層部は何処かこうなることを若干見越していたような気がする。

 

シス・トルーパー中隊を受け取った時もそんな感じだった。

 

それに主要な帝国系勢力とシス・エターナルが軍事条約の締結もかなり早期に執り行われていた。

 

どちら側から先にアプローチを取ったのかは分からないがシス・エターナルが表舞台に立つ前から多少の交流があったのだろう。

 

「しかしグリアフ准将はお忙しそうですね。クリース大将の代理将校として派遣されているのにも関わらずこのように引っ切りなしに呼ばれるなんて」

 

「裏の副司令官兼情報将校だからな。まあうち(親衛隊)の情報将校は今下で忙しく働いてるだろうが」

 

「あくまで掃討作戦の主導はⅢ局、Ⅳ局、そしてⅤ局の実働隊の一部、あくまで旧FFSB中心ですよ」

 

ヴァリンヘルト大尉はジークハルトにそう付け加えた。

 

だからこそ余計に今アンダーワールドで何をやっているのかが気になるのだが。

 

「だったら余計に気になるな、この地下で何をしているのか」

 

ISB、FFSB、これらの秘密警察組織は昔から秩序の為とはいえ、とても口には出せないような事をやっているのは暗黙の了解である。

 

特にFFSBは黒い噂は絶えない。

 

だが彼らもあくまで国家の為、帝国の為と強い信念を持っているはずだと多くの国防軍、親衛隊将校からはあくまでも身内ということでそれらはスルーされてきた。

 

無論ジークハルトとてその例外には漏れない。

 

それにFFSBは身内である国防軍や第三帝国国民にも知られていないこと、知らせていないことが多い。

 

故に誰も今アンダーワールドでFFISOが行っている掃討作戦の実態について知らない。

 

尤も知ったとしても総統やヒェムナー長官、第三帝国の指導者たちは「正しい行いだった」と正当化してしまうだろうが。

 

『こちら第112ドロップシップ連隊、目標地点に到達した。これより掃討作戦を開始する』

 

ポータルを伝ってアンダーワールド内に侵入したFFISOやISB所属のインペリアル・ドロップシップの編隊がアンダーワールドの空中を進んだ。

 

ドロップシップには兵員スペースにEウェブ・ブラスター砲が取り付けられており、砲手のストームトルーパーが狙いを定めていた。

 

『既に市街地の市民は“()()退()()()()()()”。潜んでいるテロリストを逃すな、殲滅しろ』

 

『了解、各機攻撃を開始せよ』

 

その一言と共に一斉にドロップシップのレーザー砲やブラスター砲が発射され市街地を攻撃した。

 

ミサイルランチャーからは振盪ミサイルが放たれアンダーワールドの建物を破壊した。

 

レーザー弾やブラスター弾は窓や建物の外壁を中にいる人間ごと破壊し内側から爆発を起こした。

 

ドロップシップは編隊を崩さずに少しずつ移動しながら攻撃範囲を広げていく。

 

あっという間にドロップシップが侵入した階層は炎の海に包まれ爆発音と悲鳴が広がった。

 

Eウェブの砲手は別のストームトルーパーと共に冷却装置を調整し止まることなく攻撃を続けた。

 

当然中には本当にセントラル地区を強襲したテロリストのアジトも含まれていた為反撃しようとした者もいたがそれ以上に多くの人々が抵抗せずに抹殺された。

 

当然逃げ出そうとする者は皆Eウェブの餌食となり、戦おうとする者も同じ末路を辿った。

 

司令部の将校は“()()退()()()()()()”と言ったが当然彼らの言う“()()”とはアンダーワールド市民全員のことではない。

 

アンダーワールドに住む者達の中には未だに不法入国し国籍を持たずに住む者もいる。

 

それに加えてエイリアン種族や近人間種族を匿っているのではないかとか、コルサント内戦の際反帝国的な言動をしたのではないかとか、テロリストの一味ではないのか、レジスタンスのスパイではないのか、様々な疑いを持たれた人々がいた。

 

疑わしきは罰せよのモットーを持つFFISOはそんなアンダーワールドの人々をあえて退去させずその場に残した。

 

このテロリスト掃討作戦と同時に秘密裏に疑わしい者もまだアンダーワールドに潜むエイリアン種族も全て消してしまうつもりなのだ。

 

そこには疑われているだけで無実の人も大勢いるし本来エイリアン種族や近人間種を庇っただけで殺される謂れはない。

 

むしろエイリアン種族であるから、近人間種であるから抹殺されるのが異常だ。

 

多くのエイリアン種族、近人間種族が旧共和国の黎明期から銀河史に名を残してきた。

 

この銀河は既に人間種だけのものではないのだ。

 

それにどれだけの犠牲を生むのかもこの掃討作戦を実行させた者達が分かっていない訳ではない。

 

だがヒェムナー長官やハイドレーヒ大将、代理総統らからすればそれでもやらねばならない大義があると言うはずだ。

 

しかし彼らの大義とはフォースの意思も肯定しないどこにも根拠がないものであり、それは陰謀論染みた妄言に等しい。

 

されどこの妄言のような本来この世には存在しないはずの大義を彼らは盲目的に信じていた。

 

むしろ当然のように淡々と機械のように命令を出すだろうしそれはきっと恐らくトルーパー達に命令を出す将校たちも同じだろう。

 

無論(フリシュタイン)も。

 

ある程度上空からの制圧射撃を終えると後方のドロップシップは地表に近づき、兵員スペースからストームトルーパー隊を降ろした。

 

彼らはFFISO、ISB所属のストームトルーパー隊であり通常の部隊と指揮系統は少し違っていた。

 

地上に降り立ったストームトルーパー達は一斉に散開して“()()()”を始めた。

 

ドロップシップの火力展開でも生き残る者は必ず存在する。

 

その為ストームトルーパー部隊を展開して生存の有無を確認し、生きているのなら細部まで叩く必要があるのだ。

 

命令に従順、悪く言えば盲目的な秘密警察配下のストームトルーパー達は上官からの命令通り生存者を探し出し抹殺した。

 

優秀な兵士は命令に従う、この軍事的伝統が第三帝国の最悪のイデオロギーと結び付き悪しき方向に働いている。

 

ストームトルーパー達はE-11だけではなく時にはDLT-19やサーマル・デトネーターも使い首都の暗闇で敵と言われた者を殲滅した。

 

逃げ惑う人々にブラスター弾を浴びせかけ炙り出したエイリアン種族や近人間には捕まり将校が直接ブラスター・ピストルで射殺した。

 

当然ストームトルーパーもアーマーの下は生身の人間でありヘルメットの下にはそれぞれの素顔がある。

 

トルーパー達にも生まれ星があり、子供の頃があり、友人があり、家族があり、人によっては愛する人があり、人生があった。

 

それらの要因でこの地獄のような惨状を見て動揺し命令でも“()()()()()()”者が当然いる。

 

それは正しい行いなのだろう。

 

轟音や爆発音が鳴り響き、燃え盛る炎は人を、人の生活空間を焼き尽くし、耳をすませば轟音の他に人の泣き叫ぶ声が聞こえてくる。

 

このような地獄を見て、自分がその地獄を作っている側にいると感じたら罪悪感で動けなくなる者も当然いる。

 

もしかしたら勇気のある者は殺され続ける者達を庇い、逃げられるよう手を貸すだろう。

 

だが個人でやれることは限られている。

 

1人の善は大多数を操る1人の悪によって容易に握り潰されてしまう。

 

今は躊躇いを覚えたストームトルーパーも別の仲間が撃ち、あるいは撃つよう圧力を掛けられて最終的には撃ってしまう。

 

その時の罪悪感がその者を繋ぎ止めてかつての自分には戻れなくなるのだ。

 

故に第三帝国の地獄は広がっていく。

 

このアンダーワールドでも、アウター・リムでも、どこへでも。

 

この掃討作戦が続いている間、アンダーワールドの特定の階層ではブラスターやレーザーの音が止むことはなかった。

 

上空からはドロップシップが、地上ではストームトルーパーが絶滅作戦を続けている。

 

指揮官達は地上でストームトルーパーと共に、上空でドロップシップや司令所として拵えたラムダ級やセンチネル級の機内で指揮を出していた。

 

「第4521拡張地区の制圧完了しました、部隊が命令を待っています」

 

「未制圧の4539地区に移動しろ、制圧を完了した各隊はそれぞれ未制圧の地区へ急行せよ。敵は1人も逃すな」

 

フリシュタイン上級大佐は部隊を指揮し的確に指示を出した。

 

彼の頭の中には迷いや躊躇いという文字はなくただ以下にして効率よく作戦を進めるだけが思考の殆どを占めていた。

 

上級大佐にとって今やっていることは人が当たり前に仕事をするような感覚と同じだった。

 

これがFFISOの仕事、ISBの頃から変わりはしない。

 

むしろ彼が過去に感じたあの出来事からすればこれはやって然るべき行為だとすら思っている。

 

「作戦の遂行率は4割近くです、このまま後1時間もすれば6割以上に到達するかと」

 

「ではもう少しペースを上げろ、予備隊も動員し制圧範囲を広げる。場所によっては護衛付きで補給機も投入し補給の効率化を図れ」

 

「了解!」

 

フリシュタイン上級大佐は更に戦力を動員し戦火を拡大させた。

 

他の地区でも指揮官達が同様に部隊を指揮し総統の為、第三帝国の為と戦い続けている。

 

無論コルサントの最上階で封鎖部隊を指揮している者達の殆どはこの状況を事細かに詳しく知っている訳ではない。

 

ただアンダーワールドではテロリストが掃討され被害が拡大しないよう我々が封鎖している。

 

ジークハルトを含めた多くの将校がこのような思いだろう。

 

だが銀河の中心地の暗黒の中で最も残虐非道な行為が人知れず行われていることに変わりはなかった。

 

 

 

 

 

 

-未知領域 シス・エターナル本領 惑星エクセゴル 玉座の間-

エクセゴルではシス卿を守る軍隊と艦隊が派遣した先遣隊の旗艦を待っていた。

 

第三帝国には知らせていない艦隊の撤退であった為銀河系に大きな動揺を齎したがそんなものは関係ない。

 

先遣隊は大いなる計画の前段階の下準備でしかないのだ。

 

やがて第三帝国を乗っ取り、残り全ての帝国軍閥系勢力を再びシス卿の下に集わせる。

 

この銀河系に再びシス帝国が誕生するのだ。

 

統一された国家の下で銀河は再び備え続けることが出来る。

 

この銀河の統一こそがシスの悲願であり、この銀河の統一こそがこの銀河を唯一守る方策であった。

 

その為には11年以上前からの障害を排除せねばならない。

 

今回は排除の為の第一撃、そしてやがてはこのシス・エターナルの全軍を持って全てを為す。

 

その為に必要な鍵も揃い始めている。

 

「よく来たな、“レン騎士団”。其方らの到着を待っていた」

 

シディアスは相変わらず嗄れた死人が発するような声で同じフォースの同胞である騎士団を迎えた。

 

指導者である“レンの名を持つライトセーバー”を扱う男はシディアスに応えた。

 

「まさかこんな早くから動き出すとは、我々も想像していなかった」

 

男、“レン”は上半身裸で顔には独特なヘルメットを被りボロボロのマントを羽織っていた。

 

彼が持つレンのライトセーバーとはこのレンという男が持つ紅いシスと同じ刃のライトセーバーでありこのレンも先代の人物からライトセーバーを受け取った。

 

故にレンとはそれ以上でもそれ以下でもない。

 

このライトセーバーを持つ者はシスのように厳しく生きることはせず掟は柔軟に、好きなように生き好きなように奪い、フォースの暗黒面の力を略奪と破壊に使った。

 

そしてレンの下には騎士達が集まり彼らは無法者の騎士団として昔から活動していた。

 

未知領域には未だに多くの神格化されたレン騎士団の伝説が残っている。

 

彼らは後悔の念を持たない、故に善悪や目標についてもこだわることはない。

 

彼らが奪って得た者は全てダークサイドが与えてくれたものだと行いを正当化し自らが望むものは何であろうと手に入るはずだと信じていた。

 

レンの下、騎士団は邪悪なる危険な集団としてそこに常に存在し続けていた。

 

存在することにこそ意味があるのだ。

 

レン騎士団にはシスほどの厳しい掟もなければシスほどの悲願もなかったがシスよりその力は曖昧なものだ。

 

同じダークサイドの存在でもシスとレン騎士団とでは差異に違いがあった。

 

だがいつからかレン騎士団は半ば従属する形でシス・エターナルの協力者となっていた。

 

使者として送り込まれたテドリンによってエクセゴルへ召集された。

 

「いよいよ我々もエクセゴル入りか。シスの計画は順調に進んでいるようだ」

 

「銀河が暗黒面のものとなる日も近い。其方らにとっても銀河が手に入ることはこの上ない至上の喜びであろう?」

 

レンは仮面の下で邪悪に微笑んだ。

 

フォースのダークサイドの力の根源はその貪欲さにある。

 

自身の手には収まりきらないであろう銀河すらも欲して力を求め続けるのだ。

 

ジェダイの調和に終わりがないようにシスの貪欲にも終わりはない。

 

対の存在であるが故にそれぞれ同じように対極に伸びていた。

 

そんな中レンはある子供の存在に気づいた。

 

その子供はずっと信者が目をかけているカプセルポッドの中におり、しかもずっとシディアスの側にいた。

 

子供は静かに眠っているがレンからは子供から何か運命的なフォースを感じた。

 

恐らくその子供もフォース感受者だ。

 

レンは「そのガキは一体なんだ?」と尋ねた。

 

「何だってそんなガキを側に、単なるシスの使いっ走りにするだけならこんな所に置いておく必要はないだろう?」

 

その問いにシディアスは死の恐怖を込めた嗄れた声で答えた。

 

「その子は選ばれし者の子が産んだ新たなるフォースの子、スカイウォーカーの末裔よ。選ばれし者の子の人質として、“()()()()”としてエクセゴルで育て上げるのだ」

 

「ほう、このガキが」

 

レンは近づいてカプセルポッドの中のベン・ソロを覗き込んだ。

 

今は静かに寝ているが確かにフォースの力を感じる。

 

こことは違うある銀河の歴史ではやがてこの少年が今のレンを超え“次世代のレン(Kylo Ren)”としてレン騎士団の長となるのだがレンのフォースではそこまで知る事は出来ない。

 

シディアスは眼を瞑っているが感覚でレンや周りの状況が分かった。

 

研ぎ澄まされたフォースが死にかけの肉体に世界を与えてくれる。

 

「やがてこの銀河には新たなダークサイドの騎士達が誕生する…帝国を守り、玉座を確固たるものにしたる騎士達が」

 

シディアスはせせら笑うようにフォースを使って未来を見つめた。

 

彼には見えていた、自らが最初の死を迎える瞬間“()()()()()”が。

 

その為に備え続けてきたしその為に銀河系にも頼れる友と遺言を遺しておいた。

 

だが彼のフォースは予想を大きく外れ銀河系は光も闇もない灰色の混沌の中に入っていった。

 

シディアスには分からなかった、パルパティーンにも分からなかった。

 

これからの未来がどうなっていくのか、己の計画から大きく外れていた。

 

しかし再びフォースは彼に“()()()()()()”。

 

シスにとっては選ばれし者以来の“()()()()()”だ。

 

その未来の為に準備してきた、陰謀詐術を再び銀河系にばら撒いてきた。

 

いつだって計画は順調に進んでいる、いや進ませるのだ。

 

()()()()()()”、そして“()()()()()()”の為の準備は。

 

シディアスは邪悪な笑い声をエクセゴルに轟かせた。

 

この銀河は全て計画通りに運んでいる。

 

 

 

 

-コア・ワールド 第三帝国領 クワット宙域 クワット星系 惑星クワット軌道上-

大セスウェナからコルサントへ向かう途中のヘルムート一行は何故か途中でクワットに訪れクワット・ドライブ・ヤード社会長との会談を求めた。

 

ヴァティオンは断る理由もなかったので密かに訪れていたディープ・コアから急いでクワット本星に戻り会談の用意を進めていた。

 

そして今日、一行はクワットを訪れた。

 

インペリアル級“エグゼキュートリクス”を旗艦とした外交艦隊がクワットに訪れた。

 

オービタル・リングではクワット宙域軍の儀仗隊の儀礼を受けヘルムートはモッティ提督や何人かの諸将と共に会談場所に訪れた。

 

ヴァティオンと軽い握手と会話を交わしてからもう15分は経っている。

 

この15分間、ヘルムートはずっとクワットから送られた兵器の話とか大セスウェナ内の軍需工場の話とかを続けていた。

 

ヴァティオンの全く目の前の青年が腹の底に抱えている本題に入ろうとしなかった。

 

故にヴァティオンの方から話を切り込むこととなる。

 

「ハッハッハ、それで何故態々クワットへ?発注された今月分のものは提供したはずですが」

 

ヴァティオンは自然体を装いながらヘルムートの本題を引き出そうとした。

 

どうやらヘルムートもようやくそれに乗る気になったようだ。

 

「ええ、それは感謝しています。ですが我々がクワットに訪れたのはその件ではありません。あることをご報告に参ったのです」

 

「あること…とは一体?」

 

ヘルムートは後ろの控えていた航空軍の将校からタブレットを受け取った。

 

彼はヴァティオンにそのタブレットを見せながら説明した。

 

「これは我が軍の宇宙軍と航空軍の偵察隊が撮影したレジスタンス軍の新型主力艦の様子です」

 

「ほお、こんなに鮮明に…」

 

タブレットの画像を眺めながらヴァティオンは感嘆の声を上げた。

 

そこには確かにレジスタンス軍の新型艦船、ネビュラ級スター・デストロイヤーの画像がはっきりと写っている。

 

第三帝国もまだこの軍艦は研究対象であるが大セスウェナも独自に研究していたようだ。

 

かなり詳細な報告が記されている。

 

「戦闘データは第三帝国側のものを使っているんですがね。一応撮影だけは我々が、ナブーで実行しました」

 

ヘルムートはいつもの様子を崩さず若干身内をアピールする形で付け加えた。

 

実際大セスウェナ連邦航空軍は宇宙軍共々いい働きをしてくれた。

 

恐らくナブーのレジスタンス駐留艦隊はまだ気づいていない。

 

「この軍艦、レジスタンスの主力艦として第三帝国をかなり痛ぶっていました。シス・エターナル軍が制圧した地域の殆どはレジスタンス軍が一度は奪還した領域だ。インペリアル級と比べて船体は小さいながらも性能はインペリアル級越えでしょう」

 

「ええ、我々も興味深く研究を続けています。あの軍艦は我々の敵に値する艦ですから」

 

ヴァティオンは作り笑いと共に表情ひとつ変えずに嘘をついた。

 

隣で話を聞いていたプレスタも驚くほどの嘘だ。

 

一方のヘルムートも表情ひとつ変えず、されど鋭い眼光で「ほお」と相槌を打った。

 

あれは正にターキン家の瞳だ。

 

「まああなた方がこれに変わる主力艦を設計することは我々としても興味深いですし必要であれば尽力惜しみませんよ。しかし我々がここに来たのはこの新型艦に対抗する軍艦を作って欲しいからではありません」

 

ヘルムートはまずはっきりとそう申した。

 

ヴァティオンは苦笑じみた笑みを浮かべながら「では一体何用で?」とヘルムートに尋ねる。

 

その一言で大セスウェナ側の表情は一気に変わった。

 

まるでこちらを狩るといった獣の森に住む狩人のような雰囲気だ。

 

特にヘルムートからは研ぎ澄まされた静かなる圧迫感を含んだ殺意のようなものが感じられた。

 

「エリアドゥ…今は政府官邸として機能している旧総督府、コルサントやスカリフと同じくデータバックアップとして情報保管庫がありましてね。帝国時代、いやもっと前からの情報が保管されているんですよ」

 

「聞いたことありますね。グランドモフターキンの為設置されたとか」

 

「大伯父にはいつも感謝ですよ。我々が独立し戦後も中、大国としてやっていけるだけの基盤を残してくれた。まあそんなことは置いておいて、保管庫にはただの報告書から重要な開発計画の記録まで保管されています。その中で幾つか、“()()()()()()()()()()()()()”」

 

彼は受け取ったタブレットを操作し別のものを映し出した。

 

ヘルムートはそれをまるで逮捕状でも突きつけるかのようにヴァティオンらクワットの面々にそれを見せた。

 

タブレットの画面を見た瞬間、クワットの面々は凍りついた。

 

ヴァティオンも一瞬だけ顔を顰めた。

 

「保管庫にあった未完成のものもある艦船設計図を幾つか添付した資料でしてね。不思議なことに設計思想や構造、形状がこのレジスタンス軍の新型主力艦に酷似している。無論これらは単なる偶然かも知れません。設計思想が最終的に似ることはこの長い銀河史に置いて、ない訳ではない」

 

「ええ、中に我々が以前設計したものもあったので少々驚きましたよ。それにその手の設計図はコルサントにも保管されていたはず、旧コルサント臨時政府経由で流れたのかも知れない」

 

ヴァティオンは可能性を付け加えてクワットの責任から目を背けさせようとした。

 

だがヘルムートはそうはいかなかった。

 

「確かにその可能性はありますがコルサントの保管庫はエンドア後すぐに封鎖されています、それもスクリーラット1匹入れないほどのです。ですから情報が漏れた可能性は考えにくい。タイロンの辺境など襲撃された施設にもこの手の情報はなかったはず」

 

「情報部の線があります、まあこれ以上可能性の話をしても無駄でしょうが」

 

「それは確かにその通りです。ですから“()()()()()”話をしましょう。ある経由を伝って実は第三帝国にも極秘裏でこの主力艦の一部を“()()()()()()()()”」

 

ヘルムートは今度はその解析データのページをクワット側に見せた。

 

もうクワットの面々はヴァティオン以外はほぼ見るからに動揺しておりプレスタも冷や汗をかいていた。

 

一体いつここまで調べ上げられたのだ、ここまで調べられてはどう言い繕っても隠しようがない。

 

「曰くこの主力艦の名はネビュラ級スター・デストロイヤー。レジスタンス初のスター・デストロイヤーで全長はインペリアル級より小型だがスペックはインペリアル級を凌駕している…恐るべき相手だ」

 

「………」

 

「確かに最初に設計を担当したのは新共和国時代に設置されたリパブリック・エンジニアリング・コーポレーション。今ではレジスタンス・エンジニアリング・コーポレーションと名乗っているそうですが、そして技術、設計、建造支援として“()()()()()()()()()()()()()()()()”」

 

ヘルムートは威圧感を込めて、心の底では感慨深く文章を読み上げた。

 

ここまで調べ上げ、様々な工作を施すのは骨が折れる仕事ばかりであった。

 

大セスウェナが持つ様々なコネクションを使い、情報機関であるFCSIAのエージェント達には苦労を掛けた。

 

だが全ては大セスウェナの為、先祖が護りし地を、連邦に加盟する全ての領域を守る為に必要なのだ。

 

「このネビュラ級の艦隊普及率、いつ頃から建造が始まったかは分かりませんがレジスタンスの勢力圏を考えると凄まじいと言わざるを得ないでしょう。まるで“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”」

 

これは直球勝負だった。

 

この世でそんなことが出来る企業はクワットかレンディリ、コレリアくらいしかない。

 

レンディリは完全に第三帝国に忠誠を誓っており、コレリアのコレリアン・エンジニアリング社の製造する商品の特徴を鑑みればネビュラ級はコレリア製とは考えにくい。

 

そうなると設計の感じから言ってクワットに白羽の矢が立つ。

 

「だから調べてみたんです、この状態で最も怪しいのはベトレイアル社だ。この企業は流石レジスタンスの支援組織会社というだけあって調査が難航しました、ですが我々は掴んだのです。ベトレイアル・エンジニアリング社はレジスタンスとのカウンターパートだけ設置しているただの“()()()()()”、名目上存在はしていない、そして親会社にあたる存在は…」

 

ヘルムートは一瞬溜めた。

 

だがこの溜めはクワットの面々を大いに追い詰めた。

 

ヘルムートは容赦なくその名を告げた。

 

「クワット・ドライブ・ヤード社、あなた達のことだ。第三帝国や我々にベトレイアルの隠れてレジスタンスを影から支援していた、第三帝国風に言うなら…あなた達は“()()()”となる」

 

ヘルムートのその鋭い一言でクワット側の方は完全に凍りついた。

 

ネビュラ級を生み出したのは確かにレジスタンスの|REC《レジスタンス・エンジニアリング・コーポレーション》だが設計や建造を手伝ったのはクワットのダミー企業、ベトレイアル・エンジニアリング社だった。

 

ベトレイアル社は当初新共和国用に建造された艦船、新共和国が残した兵器を新共和国残党軍に流す為に設置したダミー企業だった。

 

旧反乱同盟時代からの関係者をカウンターパートに設置し残党軍と連携した。

 

なおカウンターパートの関係者達はまだ本気でベトレイアル社があると信じている。

 

それから暫くは新共和国の艦船を流すだけだったのだが“()()()()()()()()姿()”を知ってからはベトレイアル社を使ってよりレジスタンスに与するようになっていった。

 

あの国は危険だ、このまま増長させては銀河系に厄災を齎しかねない。

 

彼らの思想と行動力は度を超している。

 

それは狂気、純粋なる狂気なのだ。

 

あの狂気を放置しておく訳にはいかない。

 

倒すことは無理でもせめてレジスタンスの勢力を盛り上げ、周辺のファースト・オーダーやチス・アセンダンシー、ケッセル王国らが台頭する必要がある。

 

そうすれば第三帝国とて狂気に付き合っている場合ではなくなるだろう。

 

前々から密かに手を組んでいるシス・エターナルの存在もそこには含まれている。

 

彼らにはパーツを横流しするだけだったが。

 

せめて微力でも第三帝国の狂気を止めようとするのが“彼の方”と手を結び、第三帝国の原型を作り、第三帝国へ手を貸してしまった我々の責任だ。

 

純粋な利と理性ある責任がそうさせている。

 

だがどうやらバレてしまったようだ。

 

ヴァティオンは諦めたような表情で吐き出した。

 

「流石、ウィルハフ・ターキンの後継者だ……おそらくここであなた方を始末してももう遅いのだろう」

 

「はい、“()()()()()()()()()()()()”」

 

ヘルムートはキッパリとそう答えた。

 

「完敗だ、あなた方の諜報機関が調べたことは全て本当ですよ。第三帝国の情報部にも親衛隊のFFISOにも悟られていないはずなのに。まさかバレてしまうとは」

 

「あなた達は完璧だった、有りとあらゆる情報を抹殺し今の今まで自然にやり続けていた。故に我々はあなた達を“()()()()()()”と考えている」

 

その一言はプレスタをヴァティオンの方へ振り向かせ、ヴァティオンの表情を変えた。

 

背後のクワットの役人達も今度は別の意味で動揺している。

 

「それは…一体どういう……」

 

ヴァティオンは思わず驚いた表情でヘルムートに尋ねた。

 

ヘルムートは今度は別のタブレットを彼らの方へ提供した。

 

「我々にはまだまだ力が必要だ。単独で全てと渡り合えるような軍事力が、今の大セスウェナではそれにはちと力不足です。故にあなた達が裏の契約を行なっているように我々も“()()()()”を行いたい。現状の軍需品の提供とはまた別の契約を」

 

今のままではやはり力不足だ。

 

大セスウェナ連邦、そして同盟国を守るにはもっと力が必要なのだ。

 

大量のスター・デストロイヤー、地を埋め尽くすほどのウォーカー。

 

既に人材は揃っている、後は準備するだけだ。

 

ヘルムートはその為にまず一つ、“()()()()()()()”を口にした。

 

「まずは“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”、あれを我々に引き渡してほしい」

 

 

 

 

 

 

-アウター・リム レジスタンス領 アノート宙域 ベスピン星系 惑星ベスピン軌道上-

ベスピンには救援に来た新分離主義連合艦隊とレジスタンス艦隊が軌道上に並んでいた。

 

司令官はマー・トゥーク提督、地上部隊司令官はリストロング司令官で今各地でレジスタンス軍と共に第三帝国の侵攻を防いでいた。

 

そんなベスピンに突如旧共和国の艦隊が現れたらレジスタンスも新分離主義連合の将兵も驚くことだろう。

 

だがこの異常な事態は実際に起こった。

 

チャルダーン星系から自動でハイパースペース・ジャンプしたヴェネター級を含む艦隊は無事にアノート宙域、ベスピンに辿り着いた。

 

ハイパースペースを通過し徐々に増えていくヴェネター級と旧共和国の艦隊はまるでタイムスリップでもしていたかのような異質さに満ち溢れていた。

 

その様子は当然新分離主義連合の将兵達も見ていた。

 

だが彼らの大半はこの艦隊と毎日のように死闘を繰り広げていたのだ。

 

当然いい表情ではなかった。

 

救援艦隊の旗艦“コンフェデレーション”のブリッジの中でトゥーク提督とリストロング司令官は艦隊を見下ろしていた。

 

「提督……これは……」

 

リストロング司令官は苦虫を噛み潰したような表情で旧共和国艦隊を見下ろしている。

 

この連中とは何度も戦い夢にすら出てきたほどだ。

 

「ああ……仮に中身がもう共和国軍ではないとしても…やはり……堪えるものがあるな…」

 

トゥーク提督は珍しく険しい表情で感情を露わにしながら呟いた。

 

かつてクローン戦争の頃、この艦隊を構成しているヴェネター級のある一隻の影響でトゥーク提督は敗北を喫し一度は捕虜として収監された。

 

提督としては軽いトラウマとなっているほどだ。

 

コンフェデレーション”の他の乗組員達も殆どが同じような表情を浮かべている・

 

パイロット・ドロイド達は無論そんなの気にならない様子だったが。

 

「しかしこんな古い艦隊一体どこから出てきたんでしょうか…」

 

「以前カルリジアン将軍らが『そのうち補填の艦隊が来る』と言っていたが…まさかな」

 

「いやぁ流石に……クローン戦争時代の艦船を改修して使っている我々が言うのもなんですが」

 

トゥーク提督はリストロング司令官と共にそう苦笑いを浮かべていた。

 

だが彼らの言うまさかは大当たりであった。

 

これから僅か数時間後、一番最後の補填艦隊として何故かボロボロのヴェネター級スター・デストロイヤーがハイパースペースからジャンプアウトした。

 

他の軍艦に比べて損傷が酷くあちこちから煙を出していたが最低限のダメージコントロールは施されていた。

 

しかも驚きだったのがその一番ボロボロのヴェネター級の船体下部ハンガーベイからレイダー級“コルウス”がドッキングし艦内に“コルウス”の乗組員と特殊部隊員がいたことだった。

 

今までの軍艦が全て無人であった為その衝撃は大きく最初生命反応があると司令部に入った時は動揺の声が上がったほどだ。

 

損傷したヴェネター級は他の艦同様ベスピンの軌道上ステーションに入り修復を受けていた。

 

その間にジェルマン達は皆ステーションを出て司令部に向かっていた。

 

「ようインフェルノ隊、久しぶりだな。サラストの一件以来か?」

 

ランドは両手を広げ笑みを浮かべながらインフェルノ分隊の面々を迎えた。

 

元々インフェルノ分隊が新共和国に亡命した時最初に迎え入れたのはランドとシュリブだった。

 

その為かつてサラストの放棄された軍需工場から武器を奪取するという今回のような任務があったのだが色々あって燦々な結果となった。

 

そのことを未だに覚えているシュリブは嫌そうな顔で「どっかの誰かさんがいなかったから今回は溶岩に落ちることなく無事に帰れたよ」と皮肉を述べた。

 

2人は互いに握手を交わし他の2人とも握手を交わした。

 

「それで、君達が国防大臣の直轄の」

 

「はい、ジェルマン・ジルディール大尉とジョーレン・バスチル少佐です」

 

2人は敬礼しランドと握手を交わした。

 

「私は…まあ知ってるとは思うがランド・カルリジアンだ。しかし君とはどこかで会ったことのあるような気がするが」

 

「一度だけ閣下が情報部アカデミーの視察に来られた時かと」

 

「ああ、あったな。と言うことは以前はストラインの」

 

「はい、ストライン中将の配下でした」

 

2人の会話は弾んだが「おっとこれはいかん」とランドが先に切り上げた。

 

彼は2つの特殊部隊を引き連れホロテーブルの下まで向かった。

 

「早速その国防大臣が任務の結果をお待ちだ」

 

ランドは近くの技術士官に合図を出してディカーとのホロ通信を繋いだ。

 

ホログラムはディゴール大臣を映し出し彼の声が聞こえた。

 

ジェルマンら5人はディゴール大臣に敬礼した。

 

『その様子を見るに無事に作戦は終了したようだな?』

 

「無事…かどうかは分かりませんが任務は成功です。途中シス・エターナル軍と思わしき部隊の襲撃を受けましたがなんとか切り抜けました」

 

『…それは本当か?』

 

ディゴール大臣は急に表情を変え彼らに尋ねた。

 

ジェルマンとジョーレンは力強く頷きアイデンも「セキューター級一隻を含む専門の揚陸部隊でした」と答えた。

 

『そうか…』とディゴール大臣は唸り声を上げた。

 

『…実はまだ確定ではないんだがシス・エターナル軍が“()退()”を始めているようでな…』

 

「なんですって!?」

 

思わずジェルマンは声を上げた。

 

シス・エターナルはつい最近、いやこれまでずっとレジスタンスに対して大勝利を重ねてきた。

 

ロザルもサンクチュアリも堕とし、このままではモン・カラすら突破しそうな勢いだった。

 

そんな状況で撤退するとは思えない。

 

『まだロザルやいくつかの地点では残っているらしいがサンクチュアリにいた主力艦隊が忽然と姿を消し銀河のどこにも見つからないそうだ』

 

「まさかそんなこと…」

 

『だが第三帝国から傍受した通信を解析してみてもどうやらシス・エターナルの撤退は間違いないようだ』

 

シス・エターナル軍の主力艦隊撤退は第三帝国に多大な衝撃を齎した。

 

今急いで派遣した艦隊によってひとまずシス・エターナルが突き進んだ領域は確保しているがそれでも衝撃は計り知れないだろう。

 

シス・エターナルは第三帝国に何も言うことなく撤退した。

 

さも“()()()()()()()()()()()()”と言わんばかりにだ。

 

『まだ油断は出来ないがひとまずの脅威は去ったと考えるべきだろう、君たちもよく任務を遂行してくれた。おかげで少なくとも艦隊の“()()”にはなったはずだ』

 

「しかしディゴール大臣…あの艦隊本当に役に立つんですか…?どれも旧共和国時代の骨董品ですよ」

 

ジョーレンは思わずディゴール大臣にそう告げた。

 

大臣は『ああ、分かっている』とまず前置きし理由を話した。

 

『だがあの軍艦、君たちがどの程度見たかは分からないが何隻か本来のヴェネター級にはない武装を装備している艦艇があったはずだ』

 

ずっとXウィングの中にいたシュリブ以外はなんとなく思い当たる節があった。

 

最後に全員で乗り込んで撤退したヴェネター級、あれにも本来はなかったはずの震盪ミサイル発射装置がついていた。

 

しかもあそこではドロイドも稼働していないのにも関わらず軍艦の建造を続けていた。

 

「ええ、一部の軍艦にはⅠ級と同様の主砲を装備していた艦もありました」

 

アノート宙域の技術将校の1人は簡易報告書を持ってランドの下に訪れた。

 

『どういう訳かあそこの造船所は使用されていないはずなのにずっと艦船を建造し続けている。しかも一部武装はアップデートしてな』

 

ディゴール大臣は技術将校の発言と合わせてどこか昔を思い出すようにそう呟いた。

 

その様子を見てアイデンは「国防大臣はあの造船所のことを知っていたのですか?」と尋ねた。

 

ディゴール大臣は隠すこともなく深く頷いた。

 

『私も一度だけあそこに訪れたことがある。まだ新共和国が誕生して間もない頃、始めての任務として『使用可能な造船所地帯』の調査に向かった時のことだ』

 

「そこであそこの造船所に?」

 

『ああ…不気味だったが建造は出来るし距離的にも問題がなかった、今すぐ使える艦もあった……だが我々が訪れた時もどこからともなく帝国軍がやってきて我々はどうすることもなく撤退した。当時は帝国が既に半壊状態だったのにも関わらずだ。凄まじい速さでかなり整った軍隊だった』

 

ディゴール大臣は淡々と、それでいてどこか恐ろしげに過去を語った。

 

今より既に4年前の出来事だ。

 

まだ当時は銀河内戦の真っ只中で新共和国は一隻でも多くの軍艦を欲しがり、一つでも多くの造船所を欲しがった。

 

クローン戦争中の銀河共和国と同じ理由だ。

 

そこで調査を当時惑星防衛軍から新共和国軍に編入されたディゴール大臣が任されていた。

 

『それ以降調査は出来なかった、新共和国が銀河内戦に勝ったからだ。もう態々古い造船所を使って軍艦を造る必要もなくなったし古い軍艦を持ち出す必要もなくなった。だからマークだけはされたまま、そのまま放置されていた…』

 

「それが今回の戦争によって大きく事情が変わった」

 

『ああ、アノートの損害を受けてどうしてもあそこから引き抜かなくてはならなくなった。帝国の影響圏はだいぶ後退し少数の部隊であればバレないと思ったんだが…』

 

結局敵は来た、かつては帝国軍で今はシス・エターナル軍だ。

 

しかも毎回本気で潰しにくる。

 

まるであの地を知られたくないかのように。

 

『だがよくやってくれた、あそこに保管されていた全艦艇を接収出来た戦果は極めて大きい。装備の度合いではすぐに現役で使用出来るものもある』

 

特に輸送艦など後方任務にもあの艦隊は十分使える。

 

『…これである程度の準備は整った。挙句、敵の主力艦隊は忽然と姿を消し我々の当面の脅威はなくなった。今こそ我々は実行するべきだとレジスタンス軍最高司令部は決断を下した』

 

重い表情でディゴール大臣はそう呟いた。

 

当然ジェルマン達は「それは一体なんですか?」と尋ねる。

 

『我々は攻勢に転じる、その為の“()()()()”だ。このままではやがてシス・エターナル軍に我々は1人も残らずを消し飛ばされてしまうだろう。そうなる前にあの絶対的な超兵器の力を排除する必要がある。あの力が第三帝国と結びつき、銀河にとって本当の最悪を生み出す前にだ』

 

本当の最悪、それは第三帝国の狂気と結び付きこの銀河全てをあのスーパーレーザーで消し飛ばしてしまうかもしれない最悪の破滅だ。

 

そうなったらレジスタンス軍に勝ち目はない、何せ今でさえ負け続きなのだ。

 

そうなる前に手を打ちたい、当然の考えだが今の状況では現実味が湧かない。

 

「一体どうやって…?」

 

ジェルマンは思わず尋ねた。

 

もしかしたら答えてくれないかもしれないと思っていたが意外なことにディゴール大臣は彼の問いに答えた。

 

『連中の“()()”に奇襲を加える、その為の情報は“()()()()()”…後は』

 

()”から与えられた地図を掘り起こすだけだ。

 

レジスタンス軍による静かなる反撃が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

-コア・ワールド 第三帝国領 惑星コルサント コンプノア・ユーゲント・アカデミー-

アカデミーは元々ある帝国ロイヤル・アカデミーの教員や職員が集まっており、軍事基地ではないがコルサントの一大兵拠点と化していた。

 

多くの親衛隊将校や国防軍将校、警備や教官のストームトルーパー達が通路を闊歩し候補生達は現役の将兵達と触れ合う機会も多かった。

 

このまま軍の道に行くと決めているコンプノア・ユーゲントの少年少女達は特にそうだ。

 

彼ら彼女らはこのまま自分達の顔に皺が目立ち老いを感じるようになるまで基本的にはずっとこの光景の中にいるだろう。

 

尤もそうなったとしたら軍人としては100点の軍役人生であろうが。

 

もしかしたら途中で戦死するかもしれないし退役して別の職務に就くかもしれない。

 

職業軍人一筋で、というのは大半の者にとって難しい道だ。

 

「こちらがユーゲントの校舎です」

 

案内役の親衛隊将校が手を差し出し視察に来た者達に伝えた。

 

今はちょうど休みの時間でコンプノア・ユーゲントの少年少女達が廊下やあっちこっちに出て遊んだり雑談をしていた。

 

全員同じユーゲントの制服を着ており胸元には様々なデータの記載されたプレートがついていた。

 

「上階に上がると更に上の学年となります。本格的な軍事訓練をやっているのはもう少し上の学年です」

 

「ではそちらへ連れて行ってくれ。我々もコルサントの教育方法は参考にする必要がある」

 

今日視察に来ていた大半は帝国アカデミーの教官や校長であり、コルサントのロイヤル・アカデミー教育やユーゲントの教育を視察に来ていた。

 

地方でも帝国に忠実で優秀な将兵を育て上げる必要がある。

 

かつて第一帝国たる旧帝国軍がそうしていたように。

 

だが視察の中にはそうでない面々も多少含まれていた。

 

その1人がウェイランド研究所のカスパー・ヴォーレンハイト少将だ。

 

彼は常日頃から変わらぬ神妙な面持ちで視察団の中にいた。

 

するとヴォーレンハイト少将のポケットに入っていたコムリンク付きホロプロジェクターが鳴り響いた。

 

「すみません、少し抜けてもよろしいでしょうか。研究所から連絡が」

 

「お構いなく、上階の22-1棟合流しましょう。それでは皆さんも私についてきてください」

 

ヴォーレンハイト少将は視察団と離れ視察団は上の階層へと向かった。

 

その道中視察団の何人かの将校は雑談混じりにヴォーレンハイト少将のことを噂していた。

 

「あれがウェイランド・アカデミーの…」

 

「ああ、各アカデミーから徴収した特待生をウェイランドで教育しているらしいが…」

 

「噂じゃ人体実験による能力強化とかも行ってるとか……」

 

ヴォーレンハイト少将はウェイランド研究所の所長ではあるが名目上は同接するウェイランド帝国アカデミーの校長でもあった。

 

本来今まで軍の教育に関わってこない技術畑の将校が校長になるという異例の事態に加え、ウェイランドで本来やってることも相まってヴォーレンハイト少将には黒い噂が絶えなかった。

 

実際その噂は一部当たっていたりする。

 

ウェイランドで人体実験を行い、最終的にクローニングと併用して帝国にフォース使いの兵士を齎そうとしていることは事実だ。

 

自分のやっていることにも負い目があったのでヴォーレンハイト少将は気にしてはいなかった。

 

視察団と離れたヴォーレンハイト少将は人気のないところで着信に出ていた。

 

「私だ、何があった」

 

『研究室、ヒルトルフです。被験体E-557が危険な状態です、心肺機能が低下しミディ=クロリアンも死滅し始めています』

 

「……延命処置は」

 

ヴォーレンハイト少将は冷たい声で問い詰めた。

 

『していますが恐らくもう長くありません。このままではミディ=クロリアンを移植した他の被験体にも影響が出る可能性があります』

 

「…手順通りに対処しろ。それしかない」

 

『了解』

 

苦虫を噛み潰したような表情でヴォーレンハイト少将は通信を切った。

 

まただ、またこうなった。

 

無理な実験をしすぎとミディ=クロリアンを移植する時に被験体の身体を傷つけ過ぎた。

 

恐らくあの子の命はもう助からない。

 

また我々の任務とかつて求めた自分の探究心のせいで幼い子供を犠牲にすることになる。

 

ヴォーレンハイト少将は自らを殺めたいようなそんな気持ちになった。

 

昔は銀河の全ての人々に幸福と力を与える為の仕方ない犠牲だと考えていたが今では無理だ。

 

「また…か、クソッ…!」

 

握り拳を作りながらヴォーレンハイト少将はそう吐き捨てた。

 

これは自分達に対する怒りでありどうしようもないものだった。

 

急ぎ足でスタスタと視察団の下に戻ろうとするとヴォーレンハイト少将はあるものを目撃した。

 

アカデミーの空き教室に2人の少年と少女がいた。

 

まだ5、6歳の子供達で誰かから隠れるように壁側に寄って座っていた。

 

ただのユーゲントの子供かとヴォーレンハイト少将はその場を過ぎ去ろうとしたがあるものを目撃してしまった。

 

少年の方が手を広げて何もないのに“()()()()()()()()()()たのだ”。

 

「お父さんもお母さんもどうして人前でこれをやっちゃいけないっていつも言うんだろう」

 

「分からないけど…私は同じことやったらいじめられたから…」

 

あの言い方からして2人とも相当力の強いフォース感受者のようだ。

 

ヴォーレンハイト少将じゃなくたって見れば分かる。

 

このような超能力的な力が発揮出来るのはフォース感受者以外に存在し得ない。

 

しかし何故だ、ヴォーレンハイト少将は疑問に思った。

 

何故彼らは我々の研究所にいないのか。

 

コンプノア・ユーゲントの生徒には全員ミディ=クロリアン値の検査を行い数値の高い者はウェイランド研究所に送られてきたはずだ。

 

一部検査にハッキングが入りFFSBが調査したらしいがそれは既に『問題なし』として報告書が送られてきた。

 

ではこの2人はなんだ。

 

親衛隊の調査ミスか、それとも数値の検査キットの誤作動か。

 

「大丈夫、僕もお父さんもお母さんもそんなことしないよ」

 

銀髪の少年はそう呟いて少女の手を優しく握った。

 

その様子を1人のフォース研究者が恐怖と動揺のまま差しで見ているとも知らずに。

 

ジークハルト達の工作に今危機が迫っていた。

 

 

 

 

 

 

 

女が目覚めるとそこに広がっていた光景は無機質な船の中だった。

 

ぼんやりとした意識の中で辺りを見回すと何人かの赤い装甲服を着た者達が立っていた。

 

手には武器を持っており女が目覚めたこともすぐに察知した。

 

「目覚めたぞ、どうする」

 

「放っておけ、拘束具はつけてある」

 

装甲服の者達の会話で女は初めて自身につけられた拘束具を知覚した。

 

それと共に意識もしっかりし始め、自身が感じた恐怖と共にいた男の存在を思い出した。

 

彼はどこだ、と女は叫んだが猿轡が邪魔して殆ど聞こえなかった。

 

装甲服の者達も気にすることもなく再び警備についた。

 

身体を必死に動かして逃げ出そうとするが拘束具はそう簡単には外れない。

 

叫ぶ声も周りには殆ど届くことはなかった。

 

このままでは男が連れ去られてしまう。

 

男は昔一度だけ、自分の生まれについて話してくれた。

 

生まれた場所はまるで地獄のような環境で光や暖かさはまるで存在しなかったそうだ。

 

誰からも愛されず、虐げられ、“()()”と呼ばれ続けてきた。

 

そこには愛も希望も人らしい感情もなかった。

 

男が生まれた場所は狂信者の集う恐ろしい場所だった。

 

悪の指導者に惹かれ闇の中を盲目に付き従う狂信者達の集う場所だ。

 

だから抜け出した、たった1人の友人と共に。

 

外に出れば希望があるかもしれないと思って男はここまできた。

 

男と女は惹かれあい男が生まれた地獄で得ることの出来なかった愛情や希望、人らしい感情がこの地には溢れていた。

 

これからずっと求めていたものに囲まれて生きていけるのだと思った。

 

だが地獄の使者は訪れた。

 

2人を、特に男を地獄に連れ戻す為に。

 

このまま連れ去られてしまうのか、男の言っていた地獄のような場所に。

 

希望も光もない暗黒の場所に。

 

女は必死に抵抗しようとしたが彼女の持つ力では何も出来ない。

 

絶望はすぐそこまで迫っていた。

 

必死に叫ぶ女の声が金切り声のように船内に響き渡った。

 

装甲服の者達は少しうるさいと思うだけで全く気にしていない。

 

これか彼女の限界だ。

 

もうダメなのか、女がそう思った瞬間だった。

 

“希望は訪れた”。

 

『こちら第7分隊…!敵の攻撃を受けている…!増援をっ!』

 

装甲服の男達のヘルメットから漏れ出る会話が女にも聞こえた。

 

増援を求めた仲間はその直後独特の音と共に地面に倒れた。

 

今度聞こえた音は通信機からではなく船内の外からだった。

 

何発もの銃声と通信機から聞こえたのと同じような音が辺りに響いた。

 

時折人の断末魔のような声も聞こえる。

 

「すぐ近くまで来てるぞ!!」

 

別の誰かの声が響いて装甲服の者達は一斉に駆け始めた。

 

船内にいた装甲服の者達も外に出て外の戦いに加わった。

 

女は音だけで加勢にいった装甲服の者達が負けていることに気づいた。

 

どんどんブォンブォンという独特の音がこちらに近づいているからだ。

 

目で見える範囲では装甲服の者達が放った銃弾は弾かれ逆に装甲服の者達に当たった。

 

最後にはすぐ目の前まで現れたローブを被った者が白い2本の光剣で装甲服の者達を斬り倒していった。

 

「今助けるわ」

 

ローブを被ったその女性は片手を前に出し触れることなく女についていた猿轡と拘束具を外した。

 

全身が一気に自由になり女は立ち上がった。

 

ローブの女性は光剣をしまうと女に近づいて「大丈夫?怪我はない?」と尋ねた。

 

「私よりももう1人捕まったんです!彼を早く…!」

 

「分かってる、どんなに時間が掛かっても必ず助ける」

 

女性はローブを下ろして約束した。

 

それはジェダイでもシスでもない約束だ。

 

「しばらくここにいて」

 

彼女、アソーカは女を船の側に寄せると再びライトセーバーを手に取り構えた。

 

既にアソーカの前には一個分隊ほどのシス・トルーパーがブラスター・ライフルを構えて迫ってきていた。

 

だがこの程度の人数、アソーカの敵ではない。

 

それにアソーカには他にも頼れる仲間がいる。

 

レジスタンスVSシス・エターナル前哨戦、第二回戦のスタートだ。

 

 

 

つづく




どうもお久しぶりです!Eitoku Inobeです!

ナチ帝国もこれでちょうど60話!恐ろしいですね

そうこうしている間に気がつけば本家本元も軍将殿の13人VSマンダロリアンズ(仮)をやろうとしているんでびっくりですよ

マンダロリアンズが映画で公開される頃にはナチ帝国も終わってるといいですねぇ(希望的観測)

そいではまたなんかで〜!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。