第二次銀河内戦   作:Eitoku Inobe

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「シスであるとか、ジェダイであるとかは政治組織を仕切る根拠にはならない。政治指導者への最高行政権付与は星々に住む全ての大衆によって決められるものだ。フォースは政治組織までは介入出来ない」
-大銀河戦争期の農民より抜粋-


親と子

エクセゴルの洞窟は常に冷ややかな空気が辺りを覆い、気味の悪い感触を他者へ味合わせる。

 

洞窟の前に立ったルークも同様の感触を抱いたようだ。

 

顔を顰め、周囲を見回し気分が落ち着かない。

 

「こちらですスカイウォーカー卿、貴方の更なる力の研磨を楽しみにしております」

 

シス信者は頭を下げ、その場を後にした。

 

洞窟の前にルークが1人取り残された。

 

彼は先の見えない暗い穴の中を見つめた。

 

まるで先が見えない、ダゴバの洞窟とどことなく感触が似ている。

 

この洞窟はフォースのダークサイドが強い場所のようだ。

 

長時間いたら体調が悪くなる気がする。

 

本当に行くのか?

 

ふとルークその場に現れたそれは彼に話しかけた。

 

如何にも不安げな表情で止めた方がいい、行ってはダメだと訴えかけている。

 

覚悟はあるのか?

 

「勿論だよ父さん、種類は違うけどダゴバでも似たような洞窟に入った。フォースのダークサイドが強い洞窟は必ず己を強くする。それに皇帝を完全に葬るにはそれしか方法が…」

 

ルークの側に立つ彼は一瞬どうしようもない不安感に見舞われた。

 

ルークの瞳がかつての自分と同じく憎しみや怒りによって黄ばんだ黄金の瞳のように輝いて見えたからだ。

 

皇帝を、かつての自分の師を倒すためとルークは度々その目になった。

 

ほんの一瞬だけ自分の師が望んだような自分を超えるダークサイドの力を纏って。

 

だがその先は地獄だぞ、強力な暗黒面と光明面が1人の身体に宿り続けるのは地獄のような苦しみを味わうことになる

 

「だとしても、皇帝が今まで生きているのはダークサイドとの強い繋がりがあるからだ、繋がりを断ち切る為にはダークサイドの力を使うしかない」

 

それがお前の思い描いた新しいジェダイの姿なのか?

 

「…望んではいないけどこうなってしまったら僕は戦うしかない、妹や親友達の為にも」

 

ベン・ソロの誘拐、第二次銀河内戦の開戦、シスの帰還、どれもルークが本来行うはずだったジェダイ・オーダー再興の旅を妨害するには十分だった。

 

今の生き残りのジェダイにはクローン戦争以前の平和の守護者としての役割ではなく、戦う戦士としての役割が求められている。

 

役割を果たさなければこの銀河は、友人達は皆失われてしまう。

 

全員で戦い、抗わねば。

 

岩陰からR2-D2がルークのことを不安そうに見つめている。

 

R2がルークの隣にいる前の主人を知覚しているかは分からないが想いは同じだ。

 

R2は電子音で「ほんとに行くのか?ついて行くぞ」とルークに伝えた。

 

ルークは相棒に微笑み「R2、君はここで待っていてくれ」とR2を止めた。

 

「きっと近いうちにレイアやハン達がここにやって来る、その時は彼らを導いてやってくれ」

 

ルークに宥められR2は渋々了承した。

 

彼はそれから一度も後ろを振り返ることなく洞窟の中へ入っていった。

 

その姿はどこかムスタファーで二度と戻ることはなかったかつての主人の姿を想起させた。

 

ルークも同じ未来を辿ることになるのだろうか。

 

洞窟の辺りにはフォースのダークサイドだけではない不安が漂っていた。

 

 

 

 

コルサントのテンプル管区にはその名の通り寺院がある。

 

銀河共和国を守護する騎士達、ジェダイ・オーダーの本拠地ジェダイ聖堂だ。

 

聖堂の中には数え切れない程のジェダイがおり、中にはまだ見習いの小さなジェダイの卵達が訓練に励んでいた。

 

ヤングリング、またはイニシエイトと呼ばれる子供達はそれぞれのクランでジェダイの術を学び、やがてはパダワン、ナイトとして成長していく。

 

幼い子供達には輝かしい希望に満ちた未来が待っているのだ。

 

例えばこのルーク・スカイウォーカーと呼ばれる少年にも。

 

「ふむ、そのまま構えてみよ」

 

まだ幼いルークよりも小さい緑色の老人はルークにそう指示した。

 

彼はルークの、延いては彼の父や全てのジェダイの師である。

 

名をヨーダといい、数百年の時を生きたグランド・マスターだ。

 

「では始めるぞ」

 

ライトセーバーを構えたルークの周りを白い球体が飛び始めた。

 

ルークは視覚聴覚を封じたヘルメットを被っている為外の要素は見えない。

 

しかし、ジェダイは五感に頼らずとも外を知覚する方法があった。

 

白い球体から放たれた非殺傷性のレーザーをルークは全てライトセーバーで弾き返した。

 

「うむ、お主もだいぶ上達したな」

 

ヨーダは柔和な笑みを浮かべ、小さなジェダイの卵を褒めた。

 

ルーク少年はヘルメットを脱ぎ「ありがとうございますマスター・ヨーダ!」と頭を下げた。

 

「今日はここまでじゃ、暫し休んでおれ」

 

「はい、マスター」

 

ルークはぺこりと頭を下げその場を後にした。

 

聖堂の中には幾人ものジェダイがおり、それぞれ立ち話をしているか或いは次の目的地に向かうかと様々だった。

 

本来は当たり前の光景だがルークには何処か珍しく見えた。

 

()()()()”不思議な感覚だ。

 

聖堂の通路を抜けるとそこには庭園が広がっていた。

 

また幾人かのジェダイがおり、中には顔馴染みもいた。

 

「ルーク!!」

 

ルークの名前を呼んだそのジェダイ・マスターは彼を抱き上げ一回転させて降ろした。

 

「父さん!」

 

ルークも嬉しそうに彼の名前を呼んだ。

 

彼はルークの父アナキン・スカイウォーカー、選ばれし者にして共和国の英雄である。

 

「もうマスター・ヨーダの訓練は終わったのか?」

 

アナキンの背後から髭を蓄えた穏やかな顔のジェダイ・マスターが姿を現した。

 

静かに染み渡る声で、思慮深さを感じさせる。

 

アナキンの師、そしてルークの将来のマスター候補の1人、オビ=ワン・ケノービ。

 

2人はしゃがみ、ルークと同じ目線で会話を重ねた。

 

「うん、マスターは上達したなって」

 

「僕とパドメの息子だ、すぐにマスター・ヨーダを追い越すジェダイになる」

 

アナキンは自慢げに息子のことを自慢した。

 

しかしオビ=ワンは苦笑混じりであった。

 

「ルーク、君もお父さんも優れたジェダイであることは間違いないがお父さんほど自信過剰になるのも良くないぞ。少し抑えないと無茶ばかりするようになる」

 

「でもお陰でマスターの命は何度も救ったでしょう?」

 

「何度も危険に晒されたけどな」

 

2人は互いにジョークを言い合い笑みを浮かべた。

 

自然にルークも笑顔が溢れてきた。

 

「沢山訓練して沢山経験を積んで、いつか父さんと一緒に修行しような」

 

「うん!」

 

「おいおい、ルークのマスターになるのは私かもしれんぞ?」

 

既に自分の息子を自分で教える気満々のアナキンにオビ=ワンは名乗りを挙げた。

 

もうアナキンは立派に成長したしオビ=ワンは暫く弟子を取っていない。

 

頃合いとしては丁度良かった。

 

「親子二代でマスターの世話にはなりませんよ。ルークもレイアも僕が育てます」

 

「と言ってもだな、流石に2人は厳しいぞ?それにパドメだって親元を離れることは成長の中で重要だと言うかも」

 

パドメの名前が出てくるとアナキンは反論し辛くなってしまう。

 

彼女にベタ惚れのアナキンは彼女に全く頭が上がらないのだ。

 

「……でしたら心苦しいですが貴方とアソーカに預けますよ。ルークが大きくなる頃にはアソーカもきっと良い先生になってる」

 

ルークの頭をポンポン撫でながらアナキンは自分の弟子の未来を予想した。

 

アソーカにはルークも何度か会った事がある。

 

確か聖堂の……。

 

()()()()()”。

 

「スカイウォーカー将軍、よろしいですか」

 

ある男性の声が聞こえ、声の方向を見ると白いアーマーに青いラインの入った男が敬礼していた。

 

彼も名前も知っている。

 

CT-7567、レックス。

 

「キャプテン…あっいやコマンダー、どうした」

 

アナキンは長らくキャプテン時代のレックスと共にいた為よく階級を間違えてしまう。

 

ルークが初めて会った時はもう既にコマンダーであった。

 

「お構いなく、最高議長が要件があると及びです。グランド・アーミーの参謀総長も」

 

「…何やら重大事件のようだな」

 

オビ=ワンは深刻そうな顔でアナキンを見つめた。

 

「すぐ行こう。ルーク、すまないが仕事だ、すぐにパドメとレイアが来るから一緒にいるんだぞ」

 

「うん!」

 

レックスも腰を下ろし、ヘルメットを脱いで素顔を見せた。

 

彼の特徴的なスキンヘッドは何年経っても変わらない。

 

「ご立派になられましたなリトル・スカイウォーカー、いつか父君と同じように“()()”と呼べる日が来ることを楽しみにしていますよ」

 

レックスは微笑みつつもしっかりとした敬礼を小さなジェダイに送った。

 

ルークも敬礼をお繰り返し、レックスは満足げに立ち上がってアナキンに続いた。

 

遠ざかる2人は何やら「ルークが将軍なんて呼ばれる時代は来ない方がいいな」とか「でもお仕えするならあの子がいい。ヘヴィーもファイヴスもハードケースもそう言ってましたよ」と話していた。

 

オビ=ワンも立ち上がりルークの頭を撫でた。

 

「私もコーディやコバーン提督達と打ち合わせがある。またゆっくり話そう」

 

「うん、マスター・ケノービ!」

 

オビ=ワンもその場を離れたことでルークは1人になった。

 

なんて穏やかで平和な日々なのだろうか。

 

こんな日常がずっと続けばいいな。

 

幼心にルークはそう感じた。

 

まるでそうではない世界を知っているかのように。

 

「あれ、そういえば」

 

ルークはふとした疑問を思い出した。

 

“ファイヴスって誰だっけ”。

 

何故か会った記憶がある。

 

ARCトルーパーのアーマーを着た髭のおじさん。

 

でもいつ会ったかはよく覚えていない。

 

レックスだってオビ=ワンが言っていたコーディだってそうだ。

 

何故かみんな見た目は思い出せるのに出会った時のことを覚えていない。

 

特にコーディは。

 

「あれ…?」

 

視界が揺らぎ、暗闇が押し寄せるような感覚に陥った。

 

そういえばそもそも“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

幾つもの疑問が浮かび上がる度に大地が抜け、世界が消えていくようなどうしようもない不安感に取り憑かれた。

 

怖い、自分のいる世界がなくなってしまいそうで。

 

だから幼いルークは浮かび上がった疑問について考える事をやめた。

 

そうすれば世界が壊れることはない気がして。

 

自分自身が徐々に洞窟の暗黒に飲まれていることも忘れて。

 

叫ぶ己の意識に目を背けた。

 

 

 

 

 

-シス・エターナル本領 未知領域 惑星エクセゴル 玉座の間-

ルークがエクセゴルの洞窟へ潜っている間、玉座の間には何人かのソヴェリン・プロテクターが控えているだけで、実質的にマラ・ジェイドとシディアスの2人だけとなっていた。

 

静寂が辺りを包み込み、誰も何も発さない。

 

シディアスは目を閉じ、満足げに笑みを浮かべていた。

 

以前同じように玉座の間で会った時よりも彼は死ぬ以前の姿に近くなっている気がした。

 

まだ嗄れた老人ではあるが少なくとも生ける屍のような姿ではなかった。

 

「…良いぞ、良いぞ…暗黒のパワーが高まるのを感じる……フッフッフッフ……」

 

シディアスは掠れた声で静かに笑った。

 

以前はなんとも思わなかったこの光景でも今では何処か気味が悪い。

 

そう思うようになったのは死によって主人が変わってしまったのか、それとも自分が彼との出会いにより変わってしまったのか。

 

どちらにせよマラ・ジェイドはもう“()()()()()()()()()()()()()”。

 

そしてそのことを見抜けぬほどシディアスは衰えてはいなかった。

 

「…其方の中には揺らぎが見えるな、フォースの揺らぎ……そして余に対する忠誠心の揺らぎ」

 

ハッとした顔を隠そうとマラ・ジェイドは取り繕う。

 

「そのようなことは決して……」

 

「其方は若きスカイウォーカーとの出会いと共闘によって感化されすぎた。其方は世に対する忠誠心が薄れ、若きスカイウォーカーに惹かれておる」

 

マラ・ジェイド自身の葛藤がシディアスに心の内を覗かせる隙を与えた。

 

彼女の額には冷や汗が浮かび上がり、震える手でライトセーバーを掴もうとする。

 

マラ・ジェイドの焦りとは対照的にシディアスは特に何も思っていないようであった。

 

むしろ彼の満足げな表情が何ら変わることはなく口を開いた。

 

「其方では余を倒すことは出来ぬ。だがいずれ余の時代は終わり、新しいシスによる新しい帝国の時代が始まる。今度こそ全てのシスを超える史上最強のシスが誕生してな」

 

シディアスは目を開き未来を語った。

 

彼自身とシスにとってのそう遠くない未来の話を。

 

「エクセゴルの洞窟に入ったスカイウォーカーは己が思い描く幻想に囚われ、幻想を守ろうとダークサイドの力に手を染める。最早ダークサイドから逃れることは出来ない」

 

フォースの影響が強い場所はフォース感受者に何かしらの影響を与えると聞いた事がある。

 

それが試練なのか将又罠なのかは分からない。

 

だがルークにはあの洞窟へ入らないという選択肢はなかった。

 

彼がジェダイでシスと対決する以上再び洞窟の試練を乗り越えねばならない。

 

「余を倒す為、スカイウォーカーは強大な力を身につけて帰ってくるだろう。さすればスカイウォーカーは余を打ち倒し、シスの全てを受け継ぐであろう。されば其方らは新たな皇帝となったスカイウォーカーに仕えるが良い。“()()()()”としてな」

 

邪悪な笑みを浮かべ内側から湧き出る喜びをまるで隠そうとしない。

 

シディアスが言っていることが全て本心なのかは分からない。

 

それにルークが暗黒面に堕ちたからといってそう簡単に打ち倒されるとは到底思えない。

 

しかしどのような結果になろうとシディアスがマラ・ジェイドに言っていることは1つ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

「スカイウォーカーは再びシスの手に堕ちる…運命は変わることはない。其方も、若きスカイウォーカーも」

 

その全てが自らの手の内にあるかのような様相が彼女の反逆心の一押しとなった。

 

ルークは言った、人は必ず選択して変われると。

 

かつては皇帝の手という駒に甘んじていたが今は違う。

 

シディアスは言った、シスは生まれながらの反逆児と。

 

ならばお望み通り叛逆してやろうじゃないか。

 

師の教えを否定し、マラ・ジェイドはその瞬間に自由を選んだ。

 

彼女が手に持つライトセーバーが起動しシディアスに突きつけられる。

 

「余に対する反逆か?」

 

「ええ、私は貴方を裏切る。皇帝の手ではなく1人の“ジェダイとして”!」

 

人は変われる、変われるならば変わりたい。

 

ルーク・スカイウォーカーと新たな時代を歩める未来へと。

 

「…確かに魂まで倒し切ることは出来なくても……今の私ならせめて肉体だけなら…!」

 

マラ・ジェイドは勇気を振り絞り、今まで自分を鎖で繋ぎ続けていたダークサイドのフォースを払い除けた。

 

紫色のライトセーバーは彼女の意志を示すかのように神々しく光っている。

 

ルークはかつて言った。

 

善と光の心が残っていると。

 

確かにそうだったのかもしれない。

 

彼女には今、ライトサイドのフォースがついている。

 

シス卿への最初の叛逆が、シス・エターナルへの最初の反撃が始まった。

 

危機を察知したソヴェリン・プロテクターがマラ・ジェイドに向けて発砲する。

 

ブラスター弾を弾き返しプロテクター達に接近し斬撃を放つ。

 

1人は首を刎ねられ、もう1人は胸を裂かれて絶命した。

 

駆けつけてきた2人は弾き返されたブラスター弾を4、5発喰らって死亡。

 

もう2人は銃剣を用いてマラ・ジェイドに近接戦を挑むも、手首を跳ね飛ばされ即座にトドメを刺された。

 

残りは2人。

 

片方が後方から援護射撃し、もう片方が突っ込んでくる。

 

ライトセーバーで弾丸を弾きつつ、フォースでソヴェリン・プロテクターを引き寄せる。

 

そのまま胴体に一撃を入れ、突っ込んできたもう1人も腹部にセーバーを突き刺した。

 

しかしまだ絶命しきっていないのかソヴェリン・プロテクターはブラスターの引き金を引いて、マラ・ジェイドを殺そうとした。

 

勿論引き抜かれたライトセーバーの刃によって首を刎ねられ、玉座の前に控えているソヴェリン・プロテクターは全滅した。

 

一気に接近しシディアスの喉元にセーバーを突き立てる。

 

「其方に教えた術は全てダークサイドから生まれるもの、決してジェダイにはなれぬ」

 

「ええ、でも人は変われるわ。貴方が一番よく知っているはず」

 

そのままライトセーバーでシディアスの首を刎ねようとした瞬間、シディアスの周りに黒い雲と電撃が走った。

 

マラ・ジェイドは衝撃で吹き飛ばされ直後にパルスレーザーが降り注いだ。

 

岩が割れる音と共にマラ・ジェイドがいた場所には鉈が刺さっており、持ち主がすぐ側にいた。

 

IG-99E、主人の危機を察知したこの暗殺ドロイドは即座に救援に駆けつけた。

 

裏切り者を殺さんとするその殺意はドロイドなのにも関わらずフォースで感じ取れた。

 

IG-99Eの奥でシディアスは高らかに笑う。

 

「其方では余を倒すことは出来ぬ、余はかつて程ではないが力を取り戻した」

 

シディアスは玉座の背後に繋げた2つの機械を見つめる。

 

()()”でも媒介としては役に立つのだな。

 

「…まさかフォース・ドレイン…!?」

 

「スカイウォーカーの末裔と余の“()()”、2つ合わせてようやく余はかつての姿を取り戻す。余を倒す為には余を超えたダークサイドの使い手が必要だ」

 

つまり暗黒面に堕ちたルークでなければ自分は倒せない、シディアスはそう高を括っていた。

 

間髪入れずにIG-99Eの猛攻が始まる。

 

全身から小型ミサイルを放ち、重パルス・ソードキャノンを放ち、圧倒的火力でマラ・ジェイドを追い詰めた。

 

しかもIG-99Eはどこからともなく呼び寄せたプローブ・ドロイドで上空からも攻撃を行った。

 

プローブ・ドロイド自体は即座に始末出来る、だがこの猛攻下では流石に限界があった。

 

マラ・ジェイドは一旦後退し距離を離した。

 

シス・エターナル・ドロイド軍団もマラ・ジェイドを追撃する。

 

反撃開始早々苦戦続きではあるがマラ・ジェイドから希望が失われることも後悔もなかった。

 

必ず助けが来る、そしてルークが必ず洞窟から出てくる。

 

彼女のフォースがそう告げていた。

 

レジスタンスと連合軍の大艦隊到着まで後1時間を切っていた。

 

 

 

 

 

聖堂の中にある待合の間には本来ルークが会った事がない母親の姿があった。

 

母の名はパドメ・アミダラ、かつてのナブーの女王にしてナブーの元老院議員である。

 

普段は政治家として気丈な姿でいるが子供達といる時は優しい母の顔になっていた。

 

「ルーク、どうしたの?こっちに来て」

 

「うん……」

 

ルークは母の隣に座った。

 

ルークにとっての母はタトゥイーンのベルー・ホワイトサン・ラーズであり、残念ながらパドメの影は薄かった。

 

それも仕方がないことだ、パドメはルークとレイアを産んだ後世を儚んで息絶えてしまった。

 

だからルークには母親の記憶が一切なかった、妹のレイアの方には僅かばかりあったようだが。

 

そんな実母が今鮮明に、体温すら感じるほど隣にいる。

 

どうして会った事のない実母の姿が分かるのかは分からない。

 

今はそんなことを気にしたくなかった、ここは居心地がいい。

 

それでもルークは何故か後ろ髪を引かれる思いであった。

 

「最近はどう?訓練は辛くない?」

 

「全然、マスター達もみんな優しいしそれに上達が早いって」

 

ルークは無邪気に笑い、パドメもそれに釣られて微笑んだ。

 

もしかしたらこんな未来もあったのだろうか。

 

戦争が起こらなければ、或いは戦争が共和国とジェダイの勝利に終われば、将又直接対決をしない戦争の形になっていれば。

 

ルークはこの世界は居心地はいいと感じていても何かの一挙手一投足で違和感を覚え、疑問が頭の中に浮かんだ。

 

「…母さん」

 

「ん?」

 

パドメは愛らしく首を傾げた。

 

「母さんはいつ父さんと会ったの?」

 

「またその話?そうね、あなたのお父さんと会ったのはまだ私が14歳の頃だったわ。その頃はお母さんも女王様って呼ばれてたのよ」

 

パドメは昔を懐かしむように話し続けた。

 

一度だけ霊体の父に聞いた事がある。

 

父と母の出会いの話、亡国になりつつある女王と砂漠の星に生まれた奴隷の少年の出会い。

 

「あなたが生まれる前にも戦争があったわ、故郷のナブーも侵略されてなんとか逃げてきて辛うじて降りたてた星にお父さんはいたの。最初に会った時『天使なの?』って言われたわ」

 

きっとこの世界は幻想だ、されどこの話は本当なのだろう。

 

母からの愛情、家族の温かみを感じた。

 

「待たせた!」

 

奥の方からアナキンが走ってきた。

 

議長との話し合いが終わってようやく戻ってこれたのだろう。

 

「楽しそうだったが……一体なんの話を?」

 

アナキンは2人に尋ねた。

 

ルークとパドメは顔を見合わせて微笑んだ。

 

「私達が最初に出会った時の話よ」

 

その一言だけでアナキンは口周りを触りながら照れ隠しの笑みを浮かべた。

 

あの頃のアナキンはまだ9歳の少年であり、今となっては少し照れてしまう。

 

「出来れば僕がスターファイターで通商連合の船を破壊した時の話をしてほしいな」

 

「あら、あの時私は玉座の間の方にいたから直接は知らないわ」

 

結婚して10年以上経つ2人はいつまで経っても熱々で愛が途切れることはなかった。

 

「さあ、お父さんも来たことだし行きましょう。レイアが待ちくたびれてるわ」

 

パドメは席を立ちアナキンと並んで歩き始めた。

 

ルークも2人に着いて行こうとした、“()”に呼び止められなければ。

 

「ルーク!!」

 

振り返るとそこには“()()1()()()()()()()()()()”。

 

再び反対方向を見る。

 

ルークがついてこないことに違和感を感じたのかアナキンとパドメの2人が立ち止まって振り返っていた。

 

再び振り返るとやはりそこにはアナキンがもう1人、たった1人で経っていた。

 

「戻ろう……ここは僕たちの世界じゃない……」

 

アナキンも苦々しそうな苦悶に満ちた表情だった。

 

その瞬間ルークは全てを思い出した。

 

エクセゴルの洞窟、手にすべき新たな力、倒すべきシス、共に戦い守るべき仲間達。

 

ここは全て幻想だ、何もなかった。

 

ふと自分の手を見つめた。

 

幼い少年の手はいつの間にか二十歳を超えた大人の手に、右腕は黒手袋を嵌めた義手に変わっていた。

 

「…そうだった…」

 

現実はこんなに優しくない。

 

実母とは会った事がないし、自分を育ててくれた育ての親は帝国軍に殺された。

 

父とは命を賭けた死闘を演じ、多くの戦友が戦場で還らぬ人となった。

 

それだけかけて手にした平和も経った2年で崩れ去り、ジェダイを再興するという夢も土台にすら立てずにいる。

 

一見すれば何も叶わず何もかもを失うだけの世界。

 

幻想の世界には全てがあった。

 

幻想の世界が居心地が良く感じられた。

 

それでもルークが生きている世界はここじゃない、仲間達が生きている世界はここじゃない。

 

ジェダイとして使命を果たす場所はここではなかった。

 

ルークは決して後ろを振り向かなかった。

 

2人の姿を見たらもう戻れなくなる気がして。

 

決意を固めた途端、世界は完全に崩れ暗黒に包まれた。

 

 

 

 

 

 

暗闇から抜け出しルークが目を覚ました場所はまだ現実ではなかった。

 

「ハァ……ハァ……っハァ…」

 

「よく戻ってきたな」

 

顔を上げるとそこにはアナキンがいた。

 

幻想ではない、されど霊体ではない自分の父が優しい微笑みを浮かべていた。

 

「ルーク、お前が自分であの世界から抜け出そうという意思がなければ僕は助けに入ることすら出来なかった。お前は再び暗黒面に勝ったんだ」

 

自分の両手を見て、感触を確かめる。

 

()()()()()()”。

 

あのシス卿を完全に葬り去る為にはまだ足りない。

 

力不足の恐怖がルークを立ち上がらせた。

 

「…まだ不安なのか?」

 

アナキンはルークの内心を見抜いていたようだった。

 

最早隠すことも隠す必要もないと判断したルークは全てを打ち明けた。

 

「ああ……このままじゃあ皇帝を完全に葬り去ることは出来ない……これじゃあまた繰り返しになる」

 

繰り返しになればまた見知った誰かが、知らない誰かが死ぬことになる。

 

アナキンは失う恐怖は誰よりも理解しているつもりだった。

 

だから何がなんでも失われる未来を回避しようとシスにも縋った。

 

「だから1人でフォースのダークサイドの力も取り込むのか、それではやがて限界が来る」

 

「でもそれじゃあ他に方法は……」

 

「あるさ」

 

そう言ってアナキンはライトセーバーをどこから取り出し、引き抜いた。

 

かつて自分が使っていた青いライトセーバーだ。

 

右手にライトセーバーを持ちながらアナキンはゆっくり近づいてくる。

 

「己の力だけで全てを解決しようとは思うな、全知全能を得ようと思えば思うほど僕の二の舞になる」

 

一瞬だけアナキンの顔にヴェイダーの面影が映った。

 

彼が本当に成し遂げたかった目標は永久に成し遂げることは出来なかった。

 

グランド・マスターに頼っても、将又シスの首魁に縋っても、師であり友人に話したとしても、ましてや自分自身の力を持ってしても。

 

結果的に愛する妻と自分の手足と数多のミディ=クロリアンを失い、暗黒面に堕ちたサイボーグのシス卿へと成り果てた。

 

選ばれし者であったとしても全ての願いを叶え、思い通りに進めることは出来ない。

 

あのパルパティーンの陰謀にだってイレギュラーはあったのだ、これが世界の理である。

 

だから若きジェダイに、愛くるしい自分の息子に自分の力だけには頼らない戦い方を授ける。

 

1人のジェダイとして、たった1人の父親として。

 

ルークも緑色のライトセーバーを起動した。

 

大体察したのだろう。

 

「僕がお前に戦い方を授けてやる」

 

青と緑の光剣が何度もぶつかり合った。

 

かつてはこの片方の色が憎しみと怒りの血に染まった赤色だったが今は違う。

 

戦意を挫く為ではなく戦う術を教える為の刃が振るわれた。

 

「本当はこうして、お前にセーバーを教えたり、一緒にスターファイターに乗ったりしたかった」

 

鍔迫り合いの格好のままアナキンは微笑みながらルークにそう伝えた。

 

「じゃああれは父さんの幻想ってこと?」

 

「半分はそうかもな!」

 

反撃に出たルークの斬撃を食い止め、フォース・プッシュで奥に飛ばす。

 

そのままライトセーバーを投げて休む暇を与えずに再び攻撃に移った。

 

「ずっとオビ=ワンに鍛えられたと思ってた。でも後から2人に聞いたら違った」

 

ルークの斬撃を避けながら反撃に出るアナキンは何処か楽そうだった。

 

純粋にルークの成長を喜んでいる。

 

この成長を親が喜ぶという生きている間は殆ど感じることのなかった光景だ。

 

「マスター・ヨーダが僕にジェダイの術を教えてくれた、僕を短期間であそこまで成長させてくれた」

 

「マスター・ヨーダはすべてのジェダイの師、僕もお前も同じマスターに教えられた」

 

一体どういう因果なのかアナキンとルークのマスターは全く同じだ。

 

この空間の中で何故かヨーダとオビ=ワンのフォースを感じる。

 

何処かで見守ってくれているのだろうか。

 

「アソーカやカルにだって、生き残ったジェダイはみんな僕にそれぞれが学んだ術を伝えてくれた。今は父さんに」

 

あの幻想の中の出来事がたった1つだけ叶った。

 

父と共に修行しジェダイの術を高める。

 

この残酷な世界の中でたった1つだけフォースの意志が許してくれた奇跡なのかもしれない。

 

「アソーカは僕の弟子、全部を教え切れなかったのは本当に残念だった……」

 

「きっと教えられるようになる、今こうして僕が教わってるみたいに」

 

アナキンとの打ち合いの度、ルークは様々な戦闘技術を学んで行った。

 

父がジェダイだった頃に経験した全てが一撃一撃に詰まっている。

 

二度のジオノーシス戦、クリストフシスの戦い、ライロスにアンバラ、オンダロン、スカコ・マイナーにアナクセス、そしてコルサント。

 

ルークはこの時初めてアナキン・スカイウォーカーとしての父の剣術を見た。

 

ダース・ヴェイダーの時のようなパワーのある戦い方とはまた違う優れたライトセーバーの術だ。

 

「防御はセーバーで受け止めるだけではない。フォースを使えばセーバーがなくても攻撃を受け止められる」

 

アナキンはあえてルークが受け止めやすいように一撃を振り翳した。

 

ルークは手の表面に力を蓄え、セーバーの一撃を防御した。

 

「その調子だ」

 

左手でセーバーを防ぎつつ右手のライトセーバーで反撃に出る。

 

ルークは着々と不滅のシス卿を倒す為の戦い方を学んでいった。

 

「皇帝の雷は今のお前なら防げる、いや防げるだけじゃない。攻撃を受け流し、反撃に利用することだって出来るはずだ」

 

「…!それが皇帝を倒す為の!」

 

ルークはようやくアナキンが教えんとすることを理解した。

 

シディアスは今やシスの全てを司りダークサイドの術を極めた存在。

 

そんな存在の攻撃を受け流しライトサイドの力と共に反撃を加えればシディアスの魂を現世と繋ぎ止める鎖が引きちぎられる。

 

目には目を、ダークサイドにはダークサイドの力を持ってあたる。

 

それまでは分かっていた、だから己の中にダークサイドの力を求めた。

 

だがないのなら相手の力を利用すればいい。

 

かつて“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”。

 

「今の皇帝ならそれだけの力を引き出せる。自分の子と僕達の子孫から力を奪って回復しつつあるからな」

 

「それってつまり…!」

 

「妹の子……僕の孫が危険に晒されている」

 

大きく横に振られたライトセーバーの一撃の合間にアナキンは距離を取り、己が持ちうる最大の力を持ってフォース・プッシュを繰り出した。

 

ルークはライトセーバーを構えて攻撃を受け止める。

 

だがアナキンは「受けるな!」と叫んだ。

 

「受けるのではなく力を利用して受け流せ!フォースの流れを読み取るんだ」

 

ルークはライトセーバーの刃を戻し両手に己のフォースを貯めてアナキンの攻撃を一旦受け止めた。

 

フォースには流れがある、例えそれがフォース・プッシュであろうとフォース・ライトニングであろうとだ。

 

受け止めて打ち返せれば相手に大きなダメージを与えられる。

 

ルークは目を閉じ、意識をフォースと一体にした。

 

鍛えられた集中力がフォースの流れを掴み、攻撃の方向を指し示した。

 

蓄えられたフォース・プッシュが反撃としてアナキンに返ってきた。

 

アナキンは満足げに笑い、セーバーで攻撃を受け止めた。

 

かなり後ろまで押され少なからぬダメージが入ったが所詮は魂の存在、無事であった。

 

静かにライトセーバーの刃を納め、ルークに近づく。

 

「これでもう、不安はなくなったな」

 

ルークは力強く頷いた。

 

「ではもう教えることはない。行け、彼女の下に」

 

空間に現実の様子が映し出された。

 

そこにはエクセゴルでたった1人で戦うマラ・ジェイドの姿があった。

 

「彼女はお前と共に生きる選択肢を選んだようだ。お前なら僕と違って彼女を救える」

 

「ありがとう父さん」

 

「忘れるなルーク、お前にはいつも僕達がついている。これからの戦いもだ。また一緒に成し遂げよう、“()()()()()()宿()()()”」

 

ゲートが開きルークは走った。

 

現実へと彼は帰る。

 

どれだけ悲惨な現状が待っていようと彼がいる世界はあそこなのだ。

 

ルーク・スカイウォーカーという新たなジェダイは駆け出した。

 

その姿を3人の古いジェダイ達が見守っている。

 

「スカイウォーカーはわしが教えた頃よりも何倍も成長した。もう心配することはない」

 

ヨーダは杖を下ろし、最後の教え子の姿を見守った。

 

900年間、今となっては悔いることの方が多いかもしれないが成長したルークは胸を張って行かせられる。

 

「アソーカ達もすぐにくるようです。我々も行かねば」

 

オビ=ワンは腕を組み、ルークの背中を見守った。

 

彼がタトゥイーンを離れるまでの19年間ずっと見守り、時には宿敵をも倒して隠し続けた背中だ。

 

いつの間にかあんなに大きくなって、感慨深くなった。

 

「ええ、パルパティーンは僕達の世代の異物。新しい時代には残していく訳にはいかない。僕達が連れていかないと」

 

3人の霊体の後ろには幾万ものジェダイが控えている気がした。

 

もう新時代にシスとジェダイの争いは必要ないだろう。

 

これが最終決戦だ。

 

エクセゴルの戦い、これ以降の銀河戦史において戦争の名にシスとジェダイという言葉がつくことはもうなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

あの空間を抜けた先は洞窟を出た反対側に繋がっていたらしい。

 

相変わらずエクセゴルの空気は冷たく、肌がひりつく。

 

以前より居心地が悪くなっているということは身体が明確に拒絶反応を示しているのだろう。

 

「マラ・ジェイドは……向こうか…!」

 

フォースで位置を探知しルークは走った。

 

エクセゴルには数ヶ月は滞在した、もう土地勘は備わっている。

 

迷うことなく目的地へと走り続けた。

 

道中何人かのシス・トルーパーがルークには目もくれずにどこかへ走り去った。

 

もしかするとマラ・ジェイドとの戦闘に駆けつけているのかもしれない。

 

急がなければ、ルークが走るスピードを上げようとした途端違和感に気づいた。

 

明らかにルークとは反対側の方向へ走り抜けていくシス・トルーパーの一団が多くなっていた。

 

本来戦いが発生している場所はシス・トルーパー達が向かう先の反対側、つまりルークが走っていく方向でありその反対方向へ走っていくのは妙だ。

 

もしかしてシス・トルーパー達には別の目的があるのではないか。

 

ルークは少し開けた場所でトルーパー達の行動理由を察した。

 

今までは岩壁に囲まれていたから空が少し見え辛かった。

 

ここは上空がよく見える。

 

エクセゴルの上空には常に何百隻を超えるジストン級スター・デストロイヤーが駐留している。

 

だが今は“()()()()()()()()()()”。

 

増えている、次々と増えているのだ。

 

エクセゴルの青白い空に一隻、また一隻、また何十隻とジャンプアウトし、戦列を組む。

 

エクセゴルの上空は舟で埋め尽くされつつあった。

 

それもシス・エターナルや第三帝国の艦ではない。

 

全てレジスタンスのものだ。

 

「来てくれたのか…!レイア…!みんな…!」

 

主力艦はMC80にMC75スター・クルーザー、新型のMC85にネビュラ級、鹵獲したインペリアル級やどこから引っ張ってきたのか分からないヴェネター級すらいる。

 

中、小型艦を見ればネビュロンBにCR90にCR70コルベット、同じく鹵獲されたアークワイテンズ級にヴィクトリー級、ゴザンティ級やクエーサー・ファイア級まで。

 

XウィングやAウィングに守られたUウィングとGR-75中型輸送船の群れが地上へ降り立とうとしている。

 

そうか、地上戦の為にシス・トルーパー達は走り回っていたのか。

 

展開された艦隊の左側には新分離主義連合の艦船も多数確認された。

 

ルクレハルク級バトルシップはその特徴的な見た目故すぐに分かった。

 

他にもプロヴィデンス級やレキューザント級デストロイヤー、ミュニファスント級に加えてコーマス・ギルド・コルベットやハードセル級など数多の艦船がレジスタンス艦隊と戦列を組んでいる。

 

それによく見れば明らかに民間の武装船も多数混じっていた。

 

コロナ級武装フリゲート、民間に払い下げられたペルタ級に旧時代のカンセラー級、スフィルナ級さえもいる。

 

シス・エターナルを倒す為にここまで多くの人々が、多くの部隊が立ち上がってくれただなんて。

 

ルークは感動していた。

 

こんな光景やヤヴィンでもエンドアでも見たことがない。

 

鹵獲したものとはいえ帝国系の艦船まで混じったこの大艦隊は正に銀河系を代表する“民衆の艦隊”と呼んでもふさわしいとすら思えた。

 

もう二度とこんな光景は目に出来ないだろうとすら思うほどの光景だ。

 

ハイパースペースから艦船がジャンプアウトする様子はまだ終わりそうになかった。

 

艦隊は徐々に前進し戦端が開かれようとしている。

 

自分も戦わねば。

 

ルークは自身のライトセーバーを起動し再び走り出した。

 

まずはマラ・ジェイド達と合流せねば。

 

抑圧者となったシスの大軍団と自由を求める抵抗者達の艦隊。

 

エクセゴルという誰も知らない星で銀河の夜明けは始まった。

 

 

 

つづく




お久しぶりです!!Eitoku Inobeです!

ナチ帝国68話、いよいよシス・エターナル編も佳境になってきました

みんな見たかったんじゃないですか?人民の艦隊に混じるヴェネター級とかインペリアル級?

なんとか無理くりこねてやりましたええ(半ギレ)

そいではまたいつの日か!
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