第二次銀河内戦   作:Eitoku Inobe

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「戦わなければいけない時と戦う必要のない時が、人にはあります。戦わなければいけない時は故郷が侵略者の手に堕ち、目の前で人道に反する行いがされている時。そして戦う必要がない時は自分が侵略者となり、仲間が人道に反した行いをした時です。今の我々は果たしてどちらなのでしょうか。私は一度、皆さんに考えて欲しいのです」
-クローン戦争中の演説会より抜粋-


エクセゴルの戦い/後編

「来い、ジェダイ」

 

シディアスの煽りから僅かな時も経たずに6人のジェダイが飛び掛かった。

 

全方位からの同時攻撃だがこれであのシス卿が討ち取れるとは思えない。

 

思考を読まれないように警戒しつつ、確実にトドメを刺せる位置にライトセーバーを構えた。

 

「っ!避けろ!!」

 

ルークは寸前でシディアスの予備動作に気付き全員に叫んだ。

 

シディアスは周囲にフォースの嵐を作って全方位に飛ばした。

 

細かく鋭い電撃が全方位に飛び出し、ジェダイたちを襲った。

 

殆どはセーバーで防げたが一部の電撃を喰らいダメージを負った。

 

周囲に飛ばされ、すぐに立ち上がって防御態勢を取る。

 

そんな中、真っ先に再びシディアスに接近したのはルークだった。

 

緑と青のライトセーバーが赤いライトセーバーとぶつかり、衝突の光が周囲に飛び散った。

 

次に戦いに加わったのはマラ・ジェイドだった。

 

彼女が戦いに加わり2対1となったがシディアスは優位に立ち回った。

 

ルークには積極的に刃を叩きつけ、マラ・ジェイドは耐えきれないほどのフォース・ライトニングをぶつけた。

 

ライトセーバーでの防御では限界が生じ、マラ・ジェイドは遠くへ飛ばされた。

 

次に戦いに加わったのはアソーカであった。

 

父の弟子にして、自分にとっては先輩であり3人目の師と言っても過言ではないジェダイだ。

 

白いライトセーバーがシディアスのライトセーバーを抑え、ルークに攻撃のチャンスを作った。

 

ルークは片方のライトセーバーを予備として残しつつ右手のライトセーバーでシディアスの脳天を叩き切ろうとした。

 

シディアスは寸前でフォースを用いて振り下ろされる刃を止め、フォース・ライトニングを半円状に展開した。

 

ルークとアソーカはギリギリのところで防御し、身体に若干溜まる電撃を振り払う。

 

シディアスはすぐに距離を取ったが敵を逃がすまいとしてカルがシディアスを抑えた。

 

ダブル=ブレード・ライトセーバーを巧みに操り、一進一退の攻防を続けた。

 

するとルークがシディアスに飛び蹴りを入れ、カルに加勢する。

 

シディアスはセーバーで攻撃を防ぐよりも避けることに専念した。

 

攻撃を避けつつ時に反撃し、時間を稼いだ。

 

するとどこからともかく赤いブラスター弾が飛んできた。

 

ルークとカルはブラスター弾を弾き、一旦後退した。

 

シディアスを守る為シス・トルーパー部隊が一部合流したのだ。

 

「皇帝を倒せ!こいつらはこっちで抑える!」

 

ルークの分まで敵のブラスター弾を防ぎ、シディアスの下へ行かせた。

 

途中でアソーカもシス・トルーパー部隊の中に割って入り、隊列を乱す。

 

ルークはライトセーバーを手にしてシディアスを追撃する。

 

「このぉ!」

 

ルークが辿り着く前にエズラがシディアスの前に割って入り、戦闘状態に突入した。

 

彼は久しぶりのライトセーバー戦であったが”()()()()”で得た新たな知見と技量が剣技に生かされている。

 

すぐにルークも加勢しシディアスの攻撃を受け止めつつ、徐々に追い詰めていった。

 

帝国の日に生まれたジェダイと帝国が生まれた後に人知れず生まれたジェダイ。

 

オビ=ワンが守り続けてきた希望がルークであり、その希望に至るまでの反乱の炎を繋いできたのがエズラであった。

 

幾度かの鍔迫り合いの後、シディアスが放った一点集中のフォース・ライトニングを受け、エズラも吹っ飛ばされた。

 

幸い命に別状はなかったが身体にダメージは残った。

 

次にシディアスにライトセーバーを叩き込んだのはレイアであった。

 

レイアとシディアス、今やこの2人はレジスタンスの最高指導者とシス・エターナルの最高指導者という2組織の最高指導者同士の対決であった。

 

組織のトップ同士の対決がライトセーバーのぶつかり合いというのは何ともまあ前時代的である。

 

それでもこのジェダイとシスの争いに決着をつける為には一つ重要なことである。

 

スカイウォーカー兄妹の息の合った斬撃がシディアスを追い詰め始めた。

 

フォースの嵐を2人の同時フォース・プッシュで打ち破り、すぐに連続した攻勢に出た。

 

片方が防御を固めているうちにもう片方がひたすら致命傷を与えんとして攻め立てる。

 

「ここで其方を打ち倒せばレジスタンスは崩れ去る。安全圏にいれば楽に死ねたものを」

 

シディアスは自身がこうして戦っているにも拘らず、レイアを嘲笑して煽った。

 

しかしレイアは平然とした顔で言い返す。

 

「私は人々の前で戦うと決めた。だったら安全な場所などもう何処にもない!」

 

シディアスの斬撃を押し返し、即座にルークが蹴りを入れて相手の体勢を崩した後に斬撃を加えた。

 

ギリギリでルークの斬撃を防ぐもシディアスが徐々に体力を失いつつあるのはルークが僅かに感じ取っていた。

 

もしシディアスがベンの力を全て奪っていたらまた話は別だろう。

 

中途半端に取り戻した力では限界があった。

 

それでもなお暗黒卿の力は絶大であり、現代に生き残ったジェダイ達が束になってもそう簡単には斃れなかった。

 

ルークが最早ルーク1人の力で戦っていないように、シディアスもまたシディアス1人の力だけではない。

 

戦いを重ねる内に銀河の過去に散っていったシスの亡霊が彼に依ってきた。

 

だからシディアスは万感の意を込めて叫ぶ。

 

「余はシスの全てだ!!」

 

一瞬だけ彼の背後に今までジェダイと戦ってきた幾人ものシス卿達が透けて見えた。

 

直後、今までにないほど強力なフォース・ライトニングが迫りくる全てのジェダイに降り注がれた。

 

ルークは辛うじて攻撃を防げたがまだ戦いの経験が浅いレイアは雷の一端に当たり、遠くへ吹き飛ばされた。

 

他のジェダイも殆どがシス・トルーパーと対峙しており、強大なダークサイドの力を感じた時にはもう遅かった。

 

皆少なからず電撃に当たり、ダメージを負った。

 

身体に残る電撃が何度も痛みを与え、動きを阻害する。

 

雷鳴のうねりと共にシディアスは嗄れた邪悪な高笑いを広げた。

 

「余の下を這いずり回り、哀れにくたばるが良い最後のジェダイ達よ。其方らが死することで我らの復讐は成し遂げられる」

 

ルークは1人、ライトセーバーを構えてシディアスの前に立ちはだかった。

 

周囲はダークサイドのフォースで取り囲まれており、ライトサイドの者としては不利な状況だ。

 

暗黒の中で亡霊達が囁く。

 

暗黒面への服従かさもなくは死か。

 

悪寒と断言していいだろう、エクセゴルの冷たい風が吹く度に気持ちの悪い肌寒さがルークを襲った。

 

それでもなお彼の心には父と同じ善の心があり、ライトサイドのフォースがついていた。

 

「それは……どうかな」

 

ルークはゆっくりとシディアスに近づき、ライトセーバーを振るった。

 

1対1の静かな勝負、しかし双方1人の力ではないことをルークは承知している。

 

自身に力を与えてくれる父と師匠達、それに比べてシディアスはどうか。

 

彼は最早彼の意志で戦っていない。

 

徐々に身体と心をシス卿の亡霊達に蝕まれ、その姿はまるで傀儡のようであった。

 

かつてこの銀河の表舞台に立つ者達を傀儡のように操った人間の末路としては皮肉なものである。

 

「お前はもう!パルパティーンでもなければシディアスですらなくなっている!」

 

「であればシスの総意として進化を遂げているということだ!」

 

「違うな、違うからこそ止めなきゃいけない!」

 

ルークは攻勢を強めた。

 

再びもう1本のライトセーバーを破壊し、シディアスが手元にあるライトセーバーは最後の1本となった。

 

しかしその1本のライトセーバーでもシディアスはうまく立ち回り、互角以上の戦いを繰り広げた。

 

何度かの打ち合いの末、2人は互いに致命傷を与えられる瞬間に入った。

 

シディアスはフォース・ライトニングを放ちつつ、赤刃のライトセーバーをルークの肩に叩きつけようとした。

 

ルークもフォース・ライトニングを防ぎながらシディアスの胴体に一撃を入れようとした。

 

双方致命傷を負うことは確定しつつももう退くことは出来なかった。

 

どちらが素早く先に攻撃を相手に届けるか、コンマ何秒の差が何十分もの大きな時間に感じられた。

 

ようやくシディアスのフォース・ライトニングから立ち直ったジェダイ達はその様子を瞳孔を開きながら見る事しかできなかった。

 

()()1()()()()()()”。

 

突如振り下ろされるシディアスの刃を別の刃が跳ね除けた。

 

しかも流れるようにその刃はシディアスが手に取るライトセーバーを破壊した。

 

流石のシディアスもこの状況に動揺を隠せないようだ。

 

自分の目の前にいるのは”()()()()()()()()()()()()”だからだ。

 

ルークも同じように驚いていた。

 

彼の前にいるのは間違いなくマラ・ジェイドであり、彼女によってルークは窮地を救われた。

 

彼女は攻撃から回復するなり残された全力を振り絞り、2人の下へ急接近しシディアスのライトセーバーを破壊して見せたのだ。

 

一方のシディアスは戦闘においてはまだ脳が切れるようでバックステップを踏んで後退し、全力のフォース・ライトニングを裏切り者に浴びせた。

 

シディアスの斬撃を跳ね除けるので精一杯のマラ・ジェイドはフォース・ライトニングに対して全くの無防備である。

 

彼女は今まで以上に暗黒卿の強大な電撃の直撃を受けてしまった。

 

「マラ・ジェイド!!」

 

吹っ飛ばされるマラ・ジェイドの前にルークが割って入り、全ての電撃を受け止めた。

 

強大な電撃はライトセーバーすらも貫通し、肉体に直接ダメージを与えてくる。

 

「クゥッ!!」

 

シディアスはこのままフォース・ライトニングでルークを殺すつもりだ。

 

彼は更に力を強め、電撃の効力を増していく。

 

ジリジリと追い詰められ、ルークは険しい顔を浮かべた。

 

「このままでは……!!」

 

いずれ押し切らる、そう思った瞬間に”諦めるな”と声が聞こえた。

 

父アナキンの声、その姿は僅かにだがルークが握る父のライトセーバーに手が添えられていた。

 

教えたことを思い出せ、流れを見て受け流すんだ

 

ルークは目を閉じフォースの流れを読んだ。

 

静かに流れに沿ってフォース・ライトニングを曲げ、2本のライトセーバーに帯電させた。

 

肉体への直接的なダメージはなくなり、シディアスに向かって一歩ずつ進んでいった。

 

シディアスは冷静にフォース・ライトニングを強める。

 

しかし今のルークには無意味だった。

 

行こう、決着をつけるんだ。幾万年の争いに

 

その瞬間、ルークはアナキンやオビ=ワン、ヨーダだけではない大勢の人に背中を押された気がした。

 

空高く飛んだルークはそのままの勢いで空を切り、シディアスに向けて刃を振るう。

 

シディアスがフォース・ライトニングを通じて与えたダークサイドの力と元よりあるライトサイドの力。

 

この2つが込められたライトセーバーの刃がエクセゴルの空に輝く。

 

刹那、シディアスは何を思っただろうか。

 

一度は銀河を手にした男が見る走馬灯とは一体何だったのか。

 

それは誰にも分らない。

 

ただ一つ言えることは、ルークの一振りでシディアスは肉体に致命傷を負い、魂は完全に現世と切り離されたということだ。

 

 

 

 

「後方からTIEファイター2機来てます!」

 

ミレニアム・ファルコンの背後を3機のシスTiEファイターが追っている。

 

操縦桿を握るのはハンであり、ファルコン号の銃座にはカルアン・イーマット少佐率いるニューシュライクス隊の隊員が乗り込んでいた。

 

「峡谷に入り込んで巻く。砲手班は何とかして堕とせよ」

 

機体を急降下させ近くの峡谷へと投入する。

 

シスTIEファイター隊も当然のようにファルコン号を追って峡谷の方へと入っていった。

 

緑色のレーザー弾を避けながら反撃のレーザー弾が放たれる。

 

反撃のレーザー弾は全て回避されるも、その途中で近くの岩壁に衝突したシスTIEファイターが爆散した。

 

残り2機となるはずだったのだが別の編隊が到着し5機に増えてしまった。

 

チューバッカは大声で「増えちゃったよ」と叫んだ。

 

「ああそうだな。悪いが少佐、降りるのはもう少し後になりそうだ!」

 

機体を90度傾けながら狭い峡谷を抜けていく。

 

その間もファルコン号は攻撃を続け、ひとまず1機撃墜した。

 

シスTIEファイター隊は戦術を変え、2機が峡谷から離脱し上空からレーザー弾を浴びせた。

 

何発かがファルコン号の目の前に命中し、うち何発かは船体に直撃した。

 

現状、偏向シールドがあるから全くダメージは残らないがかといって何度も被弾するのは望ましくない。

 

ハンはコックピットの中で戦術を練った。

 

「砲手班、カウントしてから5秒後に機体を回転させるからその隙に追撃中の2機を撃て」

 

『えっ今なんて!?』

 

「さっきみたいに90度ひっくり返すからそこでケツのうるさいのを堕とせってんだ。角度的にも十分命中するだろう」

 

『了解です…!』

 

銃座に座る砲手達は困惑しながらも命令を受領した。

 

攻撃の為にチューバッカは機体を調整し、サポートに努める。

 

「また機体をひっくり返すんで掴まっててくれ」

 

「さっきもその報告が欲しかったんだがな…!」

 

イーマット少佐と副隊長はしっかり座席に掴まり、ハンのタイミングを待った。

 

彼は全ての準備を整え、カウントダウンを始めた。

 

「よおしそれじゃあ行くぞ?5、4、3、2、1、今だ!」

 

再びファルコン号は90度回転し後方のシスTIEファイターからは綺麗な一直線に見えた。

 

しかしその一直線から放たれる攻撃を受けた末路は死以外の何者でもない。

 

赤いレーザー弾が2つのレーザー・タレットから放たれ、シスTIEファイターは2機同時に撃墜された。

 

爆発する2つの炎が地面に墜落し残すところ敵機は2機となった。

 

その2機も速やかに排除された。

 

機体を元に戻したファルコン号がそのままの勢いで上昇し、上空を取り囲んでいたシスTIEファイターと並んだ。

 

再びレーザー・タレットがそれぞれ別の方向に回転し、TIEファイターの特徴的なパネルに向かってレーザー弾を放った。

 

2つの火球を背に、ミレニアム・ファルコンは目的地へと急いだ。

 

「着陸するならあそこの平地が良さそうだ。玉座の間と我々の目的地に近い」

 

座席から立ち上がったイーマット少佐が指を差し、着陸地点を表示した。

 

ハンは「もう少し近くに停めてやろう」と玉座の限界まで近づき、ミレニアム・ファルコンを着陸させた。

 

ハッチが開き、ニューシュライクスの隊員達がブラスター・ライフルを構え一斉に降りてくる。

 

「俺は玉座の方に用がある」

 

「我々のチームは近くの施設だ。任務が終わったら後で合流しよう」

 

イーマット少佐はファルコン号の護衛に隊員を2名残し、残りは全員目的の施設へ移動した。

 

一方のハンはチューバッカを連れて玉座の間に急行した。

 

ファルコン号には2名の隊員と戦闘ではあまり役に立たないC-3POが残っていた。

 

「お二方とも無事であるといいのですが…」

 

走り去るハンとチューバッカを見つめながら寂しそうに呟いた。

 

するとどこからともなく聞き慣れたアストロメク・ドロイドのドロイド言語(バイナリー)が聞こえた。

 

この声は何十年来からの友人の声だ。

 

「R2!お前さんこんなところで何してるんだ!?ルーク様は何処にいらっしゃるんだ!?」

 

R2は「わからねぇから今探してるんだよ!」とぶっきらぼうに伝えた。

 

彼のすぐ後ろにはアソーカと共に特殊部隊の1隊を率いていたレックスの姿が見えた。

 

「コマンダー・タノ達と途中で逸れたんだが見てないか」

 

隊員がつけているワッペンでニューシュライクス隊の兵士である事はすぐに分かる。

 

隊員達は「我々は今さっき着陸したばかりで見ていません」とすぐ答えた。

 

「ソロ将軍は今玉座の間に向かわれた。すぐ戻ってこられると思うが…」

 

3POの予想に反して、玉座の間に着くなりすぐに銃撃戦が始まった。

 

皇帝のいない玉座の間の警備に来たシス・トルーパー分隊と運悪く鉢合わせてしまったのだ。

 

近くの岩陰に隠れながらシス・トルーパーと撃ち合っている。

 

「後一歩だってのにな!クソッ!」

 

チューバッカは雄叫びを上げ、ボウキャスターを連射する。

 

親友であり命の恩人である男の息子が今すぐにでもまた会えるかもしれないのだ、再会を邪魔する者は誰1人として許せるはずがなかった。

 

凄まじい威力のボウキャスターを喰らい、何人かのシス・トルーパーが吹っ飛ぶ。

 

敵兵が欠けブラスター弾の弾幕が薄くなった所にハンが正確に残りの敵兵を撃ち抜く。

 

少なくとも15人はいたシス・トルーパーの部隊も10分も掛からずに制圧した。

 

「ベン!!」

 

ハンが我が子の名前を叫び、周囲を探し回った。

 

すると何処からか父の呼ぶ声に呼応するかの如く赤子の鳴き声が辺りに響き渡った。

 

その声がベンであるとハンはすぐに理解した。

 

「ベン!!」

 

声のする方向へハンは一目散に走った。

 

チューバッカは辺りを警戒しつつ、彼の後に続く。

 

玉座に繋がれたコードの先には2つの棺桶のようなカプセルがあり、中には小さな赤子と顔色の悪い青年がいた。

 

「チューイ!開けるぞ!」

 

ハンは赤子のカプセルを、チューバッカは青年の方のカプセルをそれぞれ開けた。

 

「ベン!!ベン!!」

 

ハンはカプセルの中の赤子、ベン・ソロを抱き抱えしっかり抱きしめた。

 

ベンは喜びと寂しさと赤子としての本能を全て混ぜて大声で泣いた。

 

ハンの目尻にも涙が浮かんでいる。

 

彼はアウトローであり、今や父であるのだ。

 

失われた我が子を前にして涙を浮かべるのは十分であった。

 

「うぅ……ここは……」

 

もう1人の青年も目を覚ました。

 

チューバッカはすぐに「大丈夫か」と声をかけ、まだ意識がぼんやりとしている青年を支えた。

 

よく見ると彼の顔色はカプセルの中にいる時よりずっと良くなっていた。

 

彼らは気づかなかったがシディアスが斃れたことにより、彼が吸い取った生命力が2人に戻ってきたのだ。

 

「アイツがやってくれたんだな……さあ、帰ろう。ベン、母さんも待っている」

 

ハンは静かにファルコン号の方へと戻った。

 

シスによって失われた全ての者を今取り戻したのだ。

 

 

 

 

同じ頃、イーマット少佐とニューシュライクス隊は制圧目標のクローニング研究施設に到着した。

 

施設は撃墜されたシスTIEファイターが墜落・衝突したせいで研究員達はほぼ全滅し、培養ポッドもかなり破壊されていた。

 

しかし一部の端末とポッドはまだ生きている。

 

施設警備のシス・トルーパー隊を排除し、イーマット少佐は任務の遂行に取り掛かった。

 

「施設の研究データと資料を全て持っていくぞ。どんな些細なものでも持っていく」

 

ニューシュライクス隊に与えられた任務はこのエクセゴルで行われていたクローニング研究のデータを採取し、徹底的に破壊する事だった。

 

データの採取は今後の技術躍進に役立つというのもあるが、一番はこのデータを第三帝国に渡さない為であった。

 

もしあの異常な人種的価値観を持つ連中がクローン技術を手にしたらどうなるだろうか。

 

優良種と認定された種族をひたすら量産し、使い続けるだろう。

 

旧共和国軍のように兵士として利用するかもしれない。

 

「データの殆どは古代シス語で書かれていますが…」

 

隊員の1人がコピー中の電子データを見ながらイーマット少佐に報告した。

 

「後で翻訳するから問題ない。データを取り終わったら直ちに破損プログラムを流して閲覧出来ないようにしろ。培養ポッドには近接反応爆弾を」

 

「はい!」

 

部下達がデータを採取している間、イーマット少佐は警戒と進捗の確認を兼ねて施設の中を歩いた。

 

破壊された培養ポッドからはまだ下半身が誕生していない出来損ないの人間のような何かが溢れ出ていた。

 

はっきり言ってしまえばグロテスクな代物であり、流石のイーマット少佐も顔を顰めた。

 

ふと副官が目の前のまだ無事なポッドを見つめながら呟いた。

 

「一体ここで何のクローン作ってたんでしょうかね…」

 

中には破壊されたポッドから出ていたのと同じクローンの姿があった。

 

こうなってしまっては中身が生きているのかすら怪しい。

 

「…さあな、まあ碌なもんじゃないだろう」

 

培養ポッドの液体も採取して隊員はバックパックに詰めた。

 

データの採取もほぼ完了し同隊は破壊のフェーズに入り始めた。

 

速やかに撤収しなければ、ここにまたいつシス・トルーパーの奪還部隊が突入してきたり撃墜されたスターファイターが墜落するか分からない。

 

そんな中ある1人の隊員が「イーマット少佐!」と叫んだ。

 

「どうした」

 

「この人員名簿なんですが……」

 

隊員はコンソールを操作し、名簿をイーマット少佐に見せた。

 

名簿の名前を見て少佐はすぐに勘づいた。

 

「これは……開戦と同時に行方不明になったホズニアンとシャンドリラの子供たち…?」

 

「はい…しかもこちらを」

 

隊員はある1人の名前をタップし正確な個人情報を拡大させた。

 

「…ノヴァン・ストライン……ストラインってまさかあの」

 

「ああ、艦隊情報部のストライン中将……の息子だ」

 

名簿には彼らがエクセゴルから第三帝国領へ輸送されたことが記載されていた。

 

「このこと、クラッケン将軍に報告する必要があるな…」

 

イーマット少佐はヘルメットを被り直しこれから起こる出来事にため息をついた。

 

シスとの戦争は終わっても第三帝国との戦争はまだ続くのだ。

 

 

 

かつて我が師、ダース・プレイガスは言った。

 

「光の支配が長すぎるほど続くと世界はダークサイドのフォースが強い者を与える」と。

 

何十年も昔、私は(スカイウォーカー)を見て確信した。

 

あの子がダークサイドのフォースが強い者であると、我々シスの希望であると。

 

その希望は我々の願い通りにライトサイドの時代を終わらせ、一千年ぶりに我々の時代を齎した。

 

そこからは私にとっての黄金時代だった。

 

大いに力を失ったがシス卿として十分の強さと恐怖を手にした。

 

銀河をこの手にし、自身でやる仕事を他に任せられるようになった為かつての師と同じく時間を手にした。

 

私はフォースの研究に勤しんだ、バックアップも兼ねてシスの発展と繁栄にも寄与した。

 

私の周りにはフォースがなくとも頭の切れる者達がいた。

 

ウィルハフ、スライ・ムーア、ガリィ、顧問達、そして”チスの大提督(ミスローニュルオド)”。

 

彼らから与えたれた情報でやがてこの銀河が新たな脅威に晒されると聞いても一抹の不安もなかった。

 

むしろ新たな闘争の愉しみがくる、シスの性が騒いでいた。

 

それが今やどうだ。

 

ウィルハフは死んだ、ガリィも託した使命と共に死んだ、顧問達も同じくして死んだ。

 

大提督は消え、虎の子のシス・エターナル艦隊は私の目の前で消えようとしている。

 

フリューゲル・ヴァントと彼の艦隊もどこかへ消えた、開祖の代から知っているあの提督はシスの艦隊を率いるに相応しい人材であったのに。

 

私の帝国も、私の死と共に崩れ、そして今やどこの馬の骨とも知らぬ画家崩れに簒奪された。

 

これが私の人生か、私の目の前で私が93年の歳月をかけて作ってきた私の全てが崩れ去ろうとしていた。

 

「……息の根を止めたいなら好きにするがいい……そのうち完全な死が訪れる」

 

いつの間にかルークがパルパティーンの側に膝をついて顔を覗き込んでいた。

 

彼の表情は憎しみや怒りでもなければ、悲しみや哀れみでもなかった。

 

かといってそこに勝利の喜びや昂揚もなかった。

 

「一つ聞きたい、お前は前にシーラで戦った生き物が銀河に破滅を齎すと言った。あれは何処まで本当なんだ」

 

そのことかとパルパティーンは笑みを浮かべた。

 

消えゆく意識の中で彼は静かに語った。

 

この銀河に迫る脅威とこの内戦の先の話を。

 

「……全て本当の事よ……奴らは必ずこの銀河に来る……だからこの艦隊が必要だった……いや帝国と、私の作り上げた全てが必要だったのだ……」

 

「仮にそれが人々を苦しめるものだとしてもか」

 

「急速な変化は痛みを伴うものだ……旧共和国のままで奴らと全面戦争が出来ると思うか……?」

 

パルパティーンは嘲笑めいた笑みと共に聞き返してきた。

 

ルークは即答出来なかった。

 

旧共和国がどんな様相であったのかはルークとて知っている。

 

かといって父を隷属し、育手の家族を殺されたルークとしてはどうしても完全には納得出来なかった。

 

「奴らの侵略に抗う為には力が必要だ…どんな者でも返り討ちに出来る力が」

 

それが帝国であり帝国軍でありいざという時の為のシス・エターナル軍だった。

 

今やそれらの全てがバラバラに砕け散った。

 

「お前の力はシス時代再興の為ではないのか?」

 

「無論それもある……だが力を持つ理由が一つとは限らない。特に我々のような裏表の顔があり、舌が三枚もあるような”政治家”はな」

 

先ほどまで傀儡の様だったこの男は今や別人のように余裕の笑みを浮かべていた。

 

もう間もなく死ぬというのに彼に恐怖はなかった。

 

ある意味で帰ってきたのだ、シーヴ・パルパティーンという銀河に名を遺した”()()()”が。

 

「艦隊は最早全滅だが……まだフリューゲルの本艦隊は何処かで生きている……それを探して未知領域の”同志”に引き渡せ。さすれば少しは破滅も免れるだろうて」

 

「最期にはこの銀河の心配か」

 

「外敵を前にして敵味方が一つになるのは世の常……いずれこの銀河もそうなる」

 

パルパティーンは両腕を空に掲げ、最期に力を込めて自らの生命を代償としてあるものを起動させた。

 

「エクセゴルの造船所……時の流れすら歪めるシスの遺物は必ず役に立つだろう」

 

「銀河が滅びればジェダイもシスも関係なく消え去る、支配すら無意味なる。だからか」

 

パルパティーンは笑みを浮かべるだけで正確な答えは喋らなかった。

 

彼は最期に政治家として名を轟かせたパルパティーンに戻ったのだ。

 

「お前はシスとしてではなく政治家として銀河に名を残すだろう。評価は大きく分かれるだろうがな」

 

その一言を聞いてパルパティーンは「だから勝てたのだよ」と言い残した。

 

刹那、彼の魂はフォースの潮流へと消えた。

 

シーヴ・パルパティーンの、ダース・シディアスの最期であった。

 

絶対的な皇帝はエクセゴルという誰も知らない未知領域の惑星で本当の生涯を終えたのだった。

 

暗黒卿の最期を見届けたルークはライトセーバーを手に取り、彼女の下へ走った。

 

「ルーク!」

 

マラ・ジェイドは皇帝のフォース・ライトニングを喰らい、瀕死の状態にあった。

 

奴の電撃は彼女の肉体と精神の両方を蝕んでいる。

 

「このままバクタに漬けても助かるかどうか……」

 

カルは不安そうな表情を浮かべていたがルークは平静を保っていた。

 

ルークはマラ・ジェイドを抱き抱え、彼女に声を掛ける。

 

「ありがとう、僕の命を救ってくれて。君のおかげで僕は生きている」

 

マラ・ジェイドはゆっくりと目を開け、「咄嗟に身体が……動いただけ……」とゆっくり呟いた。

 

「今度は僕が君を助ける番だ」

 

ルークはマラ・ジェイドの手を握りしめ、目を瞑った。

 

彼の呼びかけにフォースは答える。

 

マラ・ジェイドの肉体に宿るミディ・クロリアンのフォースが共鳴し、身体に働きかけた。

 

肉体が負ったダメージを癒し、暗黒面の呪いを払い除ける。

 

かつての文献ではこれをフォース・ヒーリングと呼ばれており、ルークはこれを父との打ち稽古で身に叩き込まれた。

 

父アナキンが出来なかったことを成し遂げる。

 

()()()()()()()()()()()()”。

 

「息を整えて、還って来るんだ。君は生きている、生きているんだ…!」

 

足りない生命エネルギーをルークの分で補う。

 

マラ・ジェイドは目を覚ました。

 

肉体に残っていたダメージは完全に消えた。

 

「ルーク…?」

 

「マラ・ジェイド…!」

 

ルークは感極まって彼女に抱き着いた。

 

突然の出来事でマラ・ジェイドは動揺していたがすぐに事態を受け入れた。

 

彼らは勝ったのだ、このエクセゴルの戦いに。

 

こうしていられるのは勝者であり生者である彼らの特権であった。

 

 

 

-エクセゴル 上空-

千隻近くはいたジストン級の艦隊も今や片手で数えられるほどの戦力となってしまった。

 

艦を守るシスTIEファイターも殆どが撃墜され、完全に孤立していた。

 

しかし敵艦には未だにアキシャル・スーパーレーザーがあり、味方艦隊を狙っている。

 

『敵艦が撃とうとしてる!』

 

『艦列を開けろ!退避するんだ!』

 

『沈めるぞ!』

 

アキシャル・スーパーレーザーのチャージに気がついたパイロット達がすぐに機体を翻し、迎撃に向かう。

 

敵艦はもう全ての艦載機を出し切ったようで艦に備わっている防空兵装頼りであった。

 

対空網の隙間を抜け、YウィングとBウィングの編隊が艦底に突入する。

 

合成ビーム・レーザーを放って装甲に穴を開けたところに、Yウィングがプロトン魚雷を投入した。

 

アキシャル砲が破壊されるも艦に誘爆する前に砲が切り離される。

 

ジストン級はアキシャル砲を抜いた性能だけでもスターホーク級を上回るが今の状況では焼け石に水だ。

 

四方八方からMC80とスターホーク級の集中砲火を喰らい、ゆっくりと沈んでいった。

 

『残り一隻だ!!』

 

ラクティスが通信越しに叫ぶ。

 

既に最後のジストン級は中破まで差し掛かっており、撃沈は時間の問題であった。

 

ジストン級は死に物狂いで有りとあらゆる火器を用いて応戦していた。

 

余りの火力に一部のスターファイターに被害が出ている。

 

『これじゃあ近づけないぞ!』

 

『コイツもスーパーレーザーの発射態勢に入ってる!』

 

『任せろ!』

 

バリオン・レイナー率いるブルー中隊が対空砲火を潜り抜け、敵艦のブリッジまで近づいた。

 

青い線の入ったXウィング達が一斉にプロトン魚雷を放ち、敵艦の偏向シールド発生装置を破壊した。

 

目標撃破と共に中隊はその場を離脱し、艦隊に後を任せた。

 

時を同じくしてジロ・ビーストを討ち倒したウェッジが戻ってきてアキシャル砲にダメ押しのレーザー掃射を繰り出した。

 

剥がれかかっていた装甲が完全に破壊され、内部の反応炉にもダメージを負った。

 

「コイツで終わりだ!!」

 

真正面から突入したラクティスのXウィングから放たれた最後のプロトン魚雷がジストン級のブリッジに激突する。

 

司令塔を失い、尚且つ周囲を敵に包囲されたジストン級の末路はもう決まっていた。

 

シス・エターナル最後のジストン級は地上に墜落し大爆発を起こした。

 

奇しくもその姿はジャクーに沈んだインペリアル級”インフリクター”の姿に酷似していた。

 

「最後のジストン級の撃破に成功!敵艦隊を殲滅しました!」

 

「よし!地上に展開している全ての部隊を回収しろ。それまで全艦艇でこの空域を死守する」

 

エンデュアランス”からの的確な指示ですぐに地上のレジスタンス軍の撤収が始まった。

 

着陸したUウィングや揚陸艦に兵員や砲を積め込み、艦隊に合流する。

 

アクバー元帥は”エンデュアランス”で撤収の状況を逐一確認していた。

 

『完全な撤収は後20分必要になる。私は最後の便で戻る』

 

タイベン将軍は上陸部隊の司令官としてそう断言した。

 

「降下した特殊部隊と空中機動歩兵の方はどうだ、メイディン将軍」

 

『ジロ・ビーストにやられた以外の全隊と連絡が取れている為、取りこぼしはないと考えています。ただし問題は……』

 

「玉座の間を目指していたフルクラム隊とスカイウォーカー将軍か…」

 

流石のジェダイといえどあの防衛網ではという懸念があった。

 

メイディン将軍は『完全撤収5分前までに連絡がない場合、全滅したと判定します』と付け加えた。

 

しかし彼の判断は杞憂に終わった。

 

『こちらミレニアム・ファルコン、ハン・ソロ将軍だ。”エンデュアランス”聞こえるか?』

 

ニューシュライクス隊を運んでいたファルコン号から報告が入った。

 

「ファルコンどうした、何があった」

 

『良い報せだ、道中でジェダイを拾ってきた。片割れはT-6とS-161の方に乗ってる』

 

ハンは喜びを隠しきれない声音でそう答えた。

 

ブリッジに集結していた将軍や提督達の顔もどんどん明るくなっていた。

 

『こちらルーク・スカイウォーカー将軍、レジスタンス軍と同盟国軍の救援に感謝する。我々は敵の最高指導者殺害に成功した。この作戦は成功だ』

 

「そうか…!了解した、全機”クレマンソー”に合流してジャンプの指示を待て。作戦は終了した、我々の勝利だ!」

 

『ああ了解した…!直ちに向かう』

 

アクバー元帥はホッと一息吐き、椅子の背もたれにもたれ掛かった。

 

銀河の脅威を救い、ボラトゥスら仲間達の雪辱を果たした。

 

同じような歓喜の雰囲気が”クレマンソー”にも届いていた。

 

将兵達は敵の撃滅と勝利に喜んでいた。

 

ディゴール大臣を除いて。

 

「少佐、全艦隊と地上軍の損耗率は?」

 

大臣は副官のティムル・フェレリール少佐に尋ねた。

 

少佐はすぐに「3割は持ってかれました、地上軍の損耗率は1割にも達していないようですが…」と答えた。

 

3割という数字、決して小さくはない。

 

今回レジスタンス軍は殆どの艦隊戦力を投入した。

 

そのうちの3割はとてつもなく大きい。

 

この勝利を喜ぶ気持ちはあっても後のことを考えると自然と表情が暗くなった。

 

「覚悟していたが……これほどとはな……後で今後の戦略を練り直さなければならなんな」

 

戦争はこれで終わりではないのだ。

 

第三帝国との戦争はむしろこれから始まる。

 

地上軍の撤収が完了し、宇宙艦隊の全艦が針路を同じくしてハイパースペースへと向かう。

 

「さあ諸君、帰ろう!我々の銀河へ!全艦ハイパースペースへ突入せよ!」

 

未来はどうなるか分からない、しかし今は勝ったのだ。

 

皆が勝利の昂揚を胸に銀河へと静かな影の凱旋をする。

 

エクセゴルの戦い、後にシス・エターナル戦役と呼ばれる一連の戦いの終結点は、最後にレジスタンス軍の勝利に終わった。

 

 

 

 

 

 

-ミッド・リム コメル宙域 ナブー星系 惑星ナブー-

戦いが終わり、ルークはレイアを連れてナブーのある場所を訪れた。

 

ここは実母パドメ・アミダラが生まれ育った故郷であり、彼女は今もこのナブーの大地に眠っている。

 

「昔、レイアから母さんのことを少しだけ聞いたんだ。本当に朧げだったけど、僕は全く覚えてないから少し羨ましかった」

 

ルークは真っ直ぐな瞳で今は亡き母に声をかけた。

 

今度はタトゥイーンの実家にも帰っておじさんとおばさんにも挨拶しようと思う。

 

あそこにはもう誰もいないけれど、2人はタトゥイーンに眠っているから。

 

「父さんの記憶の中の母さんに会ったよ。記憶の中だったけど、とても嬉しかった」

 

ルークの優しい微笑みが彼女の墓前に向けられる。

 

ここはナブーの墓地、パドメ・アミダラが眠る母の墓前だ。

 

墓前に捧げられた花束は全てナブー原産のものだ。

 

「僕は……僕は父さんがそうであったようにジェダイとして、母さん達が守りたかった平和を守るよ。もう一度、平和な時代を作ってみせる」

 

「私は貴女と同じ道に行きます。政治家として、指導者として、皆を率いて戦います」

 

ルークがアナキンの跡を継いだようにレイアもまた、パドメの跡を知らず知らずのうちに継いでいた。

 

その瞬間静かな風が吹き、2人は誰かに肩を抱き抱えられたような感触に陥った。

 

風の音に紛れて声が聞こえる。

 

聞いたことはないはずなのに誰なのかすぐに分かる声だ。

 

ありがとう、2人とも

 

「母さん…?」

 

ルークはふと墓前を見た。

 

ピカピカに磨かれた墓石には本来映っていないはずの誰かが映っていた。

 

また会いましょう。その日が来たら

 

その声と姿は風と共に消えていった。

 

「ああ…また…」

 

「また…会いましょう…」

 

2人は涙を堪え、空を見上げた。

 

パドメが願い、ルークとレイアが守ろうとしている平和とは裏腹にナブーの空には戦乱が広がっていた。

 

第三帝国の尖兵と戦うレジスタンス軍。

 

この銀河から戦争がなくなる日はまだまだ当分先だ。

 

それでも2人は戦う、必ず平和が来ると信じて。

 

ルークとレイアは涙を見せず振り返ることなく墓を後にした。

 

2人がいるべき場所はここじゃない、仲間達が待っている。

 

第二次銀河内戦はここから始まるのだ。

 

 

つづく




どうも〜Eitoku Inobeでございますよ〜(宣戦布告)

世の中は戒厳騒ぎだのなんだの騒がしいですが皆様はいかがお過ごしですか?

ナチ帝国シス・エターナル編もこれにて終結です

なんだかんだ2年近く掛かった気がしますがようやく終わりでございます

そして予告通りここから本当のナチ帝国が始まります

うぉおお人生はファシストや!

というわけでお後がよろしいようで…
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