勝己side
俺たちは試験を終え、帰りの電車を待っていた。
ちなみにエリはデクに抱っこされ眠っている。
俺はデクに自販機で買ったペットボトル飲料水を渡した後、気になる事を聞いてみることにした。
「なぁ、デク。俺たちの声を周りに聞こえなくすることは可能か?」
「できるよ。やろうか?」
「頼む」
そういうと、デクが「
「これで僕たちの声は聞こえないし、僕たちの声以外の音も聞こえなくなったでしょ」
確かにさっきまで騒がしかった駅のホームの音は聞こえなくなっていた。
それを確認すると俺はデクに質問をした。
「デク、お前が今日怒ったのは、エリの事をあのメガネが悪く言ったからだろ。違うか?」
「なんのことかな?」
そんなことを言ってもデクは笑顔を崩さないが俺は続ける。
「だってエリはそっくりじゃねぇか。お前の
途端に顔を赤くなり飲んでいたジュースを吹き出しかけるデク。
「と、とにかくこの話は終わり。もうすぐ電車が来るし」
そう言って能力を解除した。
俺も深くは言及せずに、電車に乗り込む。
そしてその日の夕飯の後、デクが夕飯の片付け(俺たちは小学校を卒業してからは秘密基地で生活している)をしている間に俺はエリにも聞いてみることにした。
「なぁ」
「な、何?」
相変わらず、俺には懐かないな。いや、反応してくる辺り少しは慣れたのか?。
いや、今はそれより。
「デクの事を、どう思う」
「えっと、デクお兄ちゃんの事は、かっこよくて、優しくて、えっとえっと」
顔を真っ赤にして慌てふためくエリ。
それを見ながら俺はただ、お揃いだなと思ってしまった。
その後、デクがエリと風呂に入っている間、俺は自室でスポーツ飲料を飲みながら一言。
「俺も彼女、欲しいな」
そう呟いていた。
出久side
僕は風呂上がりにエリちゃんの髪を乾かしながら駅でかっちゃんに言われた事を気にしていた。
確かにエリちゃんは僕の前世の僕の彼女に似ている。
髪とか目とか、似ていないところを探すのが大変なくらいだ。
ただ、僕の恋人だった彼女は僕より少しだけ年上だった。
エリちゃんに彼女を合わせる訳ではないけど、今の僕からしたらエリちゃんに手を出すわけにはいかない。
「どうしたの?」
「何でもないよ」
そう、今の僕はエリちゃんよりも10歳も歳上なんだから。
「そろそろ寝ようか、エリちゃん。おやすみ」
「おやすみなさい」
その後僕はいつも通りエリちゃんと一緒のベットに入り抱っこして目蓋を閉ざした。
だけどその日の夜は少しだけ眠れなかった。
壊理side
今日私は寝る前に勝己お兄ちゃんに言われた事を気にしていた。
勝己お兄ちゃんにも言ったけど、デクお兄ちゃんはかっこよくて、優しくて、そして近くにいたら胸の辺りが締め付けられるような不思議な感じ。
デクお兄ちゃんが読んでくれた絵本のお姫様なんかが王子様にしている気持ちに近いかも知れないけど、私にはまだよく解らない。
でも、こうやってデクお兄ちゃんに抱きつくとすごく落ち着く。
この気持ちの正体はなんなのかな。
もう少し私が大人になったら解るのかな?。
時間は遡り雄英高校 職員side
「今年は有能な受験生はいるかな」
受験生に試験内容を説明していたプレゼント・マイクこと山田ひざしが試験会場の映像を見ながらそんなことを語っていた。
それに答えるかのように鼠で校長の根津校長が口を開く。
「限られた時間と広大な敷地…。そこからあぶり出されるのさ。状況をいち早く把握する為の、情報力。遅れて登場じゃ話にならない、機動力。どんな状況でも冷静でいられるか、判断力。そして純然たる戦闘力……。市井の平和を守る為の
「今年は群を抜いてる生徒が2人もいるわね」
女教師の香山がそんなことを言っていた。
「いやー、まだわからんよ。真価が問われるのは…、これからさ!!」
すると校長はYARUKISWITCHと刻まれているスイッチを押していた。
するとビルの形で隠蔽していたエグゼキューターが起動した。
「圧倒的脅威。それを目の前にした人間の行動は正直さ………」
多数の受験生が逃げている中、群を抜いてる2人は逃げる素振りを見せていなかった。
「あの2人逃げないのかしら。腰が抜けてるってわけでもなさそうだけど」
次の瞬間、A会場の薄い金髪の少年はエグゼキューターを破壊し、C会場の女の子を抱っこしていた緑色の髪をした少年はエグゼキューターをパーツ事に分解し錆び取りまでしていた。
それを見た校長は一言。
「とにかくこの2人は別のクラスで、良いよね…」
『異議なし』
その日、職員たちの意見は一致していた。