人使side
俺は1ーAだけで行われている決勝トーナメントのその激しい戦いを見て呆然としまっていた。
「なんだよ、あれは!?」
一緒に観戦していた普通科の仲間がそういうことを呟いていたが、納得できる。
俺たちは2週間前に1―Aに宣戦布告しに行った。
俺たちだって凄いと証明するために。
だけど俺たちは緑谷と爆豪と呼ばれていた2人にビビってしまった。
人は目標となる障害を壁に例えるが、この二人は壁なんて呼べるものではないと思ってしまった。
例えるなら巨大なゴーレムだろうか。
例え足にしがみついて登ろうとしても振り落とされる。
助走を付けて飛び乗ろうとしても叩き落とされる。
そんな光景が頭をよぎってしまう。
でも特別なのはあの2人だけで、他のメンバーは推薦組の2人を除けば楽だと思っていた。
けど、あれから
どんなトレーニングをしたっていうんだよ。
小柄な大仏のような髪をした生徒は2週間前は俺たちと同じように立っていられなかった。
だが、この決勝トーナメントで闘っている時に感じる雰囲気はあの時の爆豪たちには及ばないものの、それなりの気迫を持っていた。
俺にはどうすれば勝てるか思いつかなかった。
ただ、体は鍛えてみようと決意を固める事にした。
お茶子side
私は今、1年生の中では双璧の片方と思える爆豪くんと勝負していた。
訓練をしている時も思ったけど、爆豪くんはやっぱり凄かった。
まるで大木の様な腕から繰り出される一撃はセメントス先生が作ったステージを破壊する程の威力だ。
今の私は躱すだけで精一杯だ。
だけど、私は爆豪くんが破壊する度に破壊されたステージの欠片に触れておいた。
そして、ある程度それが貯まった頃に私はそれを解除した。
「爆豪くん、覚悟!」
そう、私の指が触れればその物質は無重力状態になる。
後は爆豪くんのパワーで発生した衝撃波で浮かび上がる。
そうしてある程度貯まった所でそれを解除すれば、爆豪くんは上空からの攻撃に気付くだろうけど、更に私は追い討ちをかける為に接近するけど、次の瞬間には爆豪くんの裏拳で吹き飛ばされ場外敗けをしてしまった。
出久side
かっちゃんと麗日さんの勝負の結果がついた瞬間、会場中から罵声が飛び交う。
《嘗めプ》だの《遊んでたのか》等の声を聞いた直後、相澤先生がとなりのプレゼント・マイクからマイクを取り上げ、会場に語り掛ける。
「今、遊んでるつったのプロか?、何年目だ?。シラフで言ってんならもう見る意味ねぇから帰れ。帰って転職サイトでも見てろ。今の一撃で爆豪が麗日を場外に出してなけりゃ、麗日は今頃瓦礫の下だ。そんな事も解らないのか…」
相澤先生の一言に会場が一気に静かになるが、関係ない。
1つの事に集中するのは悪いことじゃない。
只それでも大局を見失ったヒーローたちに問題があるだけだ。
次の試合は尾白くんと芦戸さんの試合は尾白くんが芦戸さんの酸に苦戦をしいられていた。
近づけば酸で触れる事が出来ず、距離を取れば攻撃が届かないばかりか芦戸さんは酸を飛ばして攻撃してくる。
結果、芦戸さんの酸の遠距離攻撃を躱したのは良いけど、その際に場外に出てしまい、尾白くんは敗北してしまった。
次の試合も見たかったけど、その次が僕の番なので控え室に向かうことにした。
勝己side
俺が試合を終え、控え室に戻ろうとしていると、そこに。
「久しぶりだな、爆豪」
「
そこには、俺の師匠、エンデヴァーがいた。
「お前に話がある」
師匠がそう言ったので、俺たちは1―Aの控え室に向かった。
すると其処にはデクが先に来ていた。
「お前も久しぶりだな、緑谷」
師匠がそう言って椅子に座ったので俺たちも椅子に座る。
そして、エンデヴァーが語り出す。
「話と言うのは他でもない。お前たちが戦った脳無とやらについて教えろ」
俺がデクを見ると頷いていて語り始めた。
「くれぐれも他言無用でお願いします」
「解った」
俺がそう言うと師匠も黙って頷いていた。
「結論から言えば、アイツはとんでもない化け物でした。オールマイト並のパワーと、“衝撃吸収”という個性も持っていました。だけど、それだけではなかった」
「どういう事だ?」
「オールマイトの長年の知り合いである警察官の塚内さん同伴してもらい調べたところ“再生能力”まで備わっている事が解りました」
「それはつまり、焦凍のように俺の“炎”と冷の“氷”を受け継いだ個性だったという事か?」
師匠がそう言うとデクは難しい顔をしていた。
「僕も最初はそう思っていました。だけどアイツの細胞を調べた結果、少なくとも4人分のDNAが発見されました」
「!?」
デクの言葉にさすがの師匠も絶句していた。
「即ちアイツの正体は、複数の人間同士を組み合わせた
「とんでもない化け物だな…」
「それにアイツを連れてきた男はこうも言っていました。対オールマイト用なんだと」
「それはつまり、対
「ええ、おそらくは。他のヒーロー対策もされているかも知れませんが」
「しかしそうなると、奴らの目的は一体?」
「おそらく、“個性特異点”における終末理論の証明かもしれませんね」
「しかしそれは随分と未来の話だな。しかしそんなことはあり得ると思うか?」
師匠がそう言った時、校内放送がかかった。
「1―A、緑谷くん、ステージまでお願いします」
「それじゃ、僕行ってきますね。それと僕は“個性特異点”は存在しないって考えですから」
そう言うとデクは試合会場に向かった。
「皮肉なものだな。“個性特異点”を否定している反面、もっとも近い所にいるのが緑谷なのだからな」
師匠はそんな事を呟いていた。
爆豪┓ ┏緑谷
┣┓ ┏┫
芦戸┛┣━━┓ ┏┫┗上鳴
八百万┛ ┃┏┫ ┏葉隠
┃┃┗━┫
┗┫ ┗耳郎
┃ ┏飯田
┗━━┫
┗轟