エンデヴァーside
先程の準決勝、不覚にも俺は気を失っていた。
まさか緑谷の歌がここまで酷いとは思わなかった。
気を取り戻してスマホを見ると時間はそんなに経過していなかったが、緊急ニュース速報が入っていた。
確かめてみると世界各国で不快な音波が聞かれたというニュースだ。
おそらく、いや確実にこの原因は緑谷だろう。
このニュースによると日本全国でテレビが壊れ、それを視聴していた視聴者の多くが病院に運ばれたらしい。
あくまで命に別状がないのが救いだな。
他の国の方では冬眠していた熊が目覚めたや、草木が枯れた。
また、水面に気を失った魚たちが浮かび上がったとのニュースもあるがおそらくこれらはデマだろう。
イヤ、デマであってほしいと俺は思っていた。
しかも本人は満足したような顔をしているところを見ると、自分が音痴だと気づいてないタイプか。
さて、続いては緑谷と焦凍の対決か。
昔あの2人で組み手をさせたことは有ったが今の実力はどれ程のものか楽しみだな。
「緑谷少年の次の対戦相手は君の息子か」
俺がそんな事を考えているとオールマイトがやって来ていた。
「君はどちらが勝つと思っている」
「俺としては焦凍に勝ってもらいたいが、難しいだろうな」
俺はそう答えるしかできなかった。
焦凍side
俺の準決勝の相手は緑谷だった。
緑谷と爆豪は幼い頃からの知り合いだ。
どんな戦闘スタイルかは良く理解しているが、理解しているだけこの2人はとんでもなく強いって分かる。
けど、俺だってNo.2ヒーローの息子っていう意地がある。
簡単に負ける気はない。
そして、俺たちが戦闘態勢をとるとミッドナイト先生が「準決勝第2試合を始める前に一言、言っておくわ。緑谷くん、歌うのは禁止ね」
確かに緑谷の歌は酷かったからな。
「後、エリちゃん。そんな残念そうな顔しないで。緑谷くんからの視線が痛い、というか怖いから」
緑谷の方を見ると顔は笑ってるが、なんというかどす黒いオーラのような物を出していた。
俺は昔これに似た何かを見たことがある。
それは
姉ちゃんが同じ
勝己side
遂に始まったデクと轟の対決。
この戦いで勝った方が俺と戦うことになる。
試合が始まると同時に轟の奴はいきなり試合会場を凍らせる攻撃を仕掛けるが、デクも負けずに同レベルの炎を放出し防いでいた。
それを見ていたプロヒーロー(教師も含む)や他の科の生徒たちは驚いていたが、一緒に特訓していた俺たちにとっては普通の事だったから驚くほどの事でもない。
試合会場は水蒸気に包まれたが轟の奴は影からデクの場所を見つけたのか、そこに向かって氷の塊を打ち込んでいた。
だが、それは悪手だ。
その攻撃に反応してデクも負けじと反撃をしていた。
そういった攻防が繰り広げられているうちに水蒸気も晴れてきた。
それと同時に轟の奴は右手で巨大な氷の爪を作るとデクに向かって振り下ろすが、それよりも早くデクが轟の奴に接近していた。
そしてそのまま、炎を纏ったデクのパンチを受けて場外に跳ばされ、敗北宣言を受けていた。
その後、更に20分の休憩時間の後に決勝戦を行うという宣言をミッドナイトが言っていた。
爆豪━緑谷