『基地までもう少しって所まで来たんだが・・・エンジンの油圧が下がってきて保つがどうか怪しくなって来やがったぜ』
「大丈夫なんですかチャーリー!?ちょっと機体の状況はどうなんですかショウ!」
『こちらCBP1・・・隣から見てもどうにかバランスを保っている感じでこのままだと着陸は難しいと思う。』
隣を飛ぶショウのコアブースターからの報告に冗談じゃねぇ!!とチャーリーが怒鳴り返しだす。
『俺は絶対にコイツと帰るぞ!ショウの時だってソイツのテスト飛行の時片肺で着陸しただろ。』
『僕の時も確かに片肺だったけどチャーリーのトリアーエズはエンジン両方の油圧が下がって来てるんだろう?さっさと機体を捨ててベイルアウトしろって!』
そう押し問答を繰り返す二人にイラっとしたアメリアはゴチャゴチャと五月蠅いですねぇ・・・と呟くと、その迫力有る低い声にショウとチャーリーもビクっとする中マリアもちょっとアメリア!?と少し後ずさってしまう・・・
「分かりました。そこまで言うんなら着陸させてあげますが・・・もし失敗何かしたりしたらチャーリーの墓碑銘にバカ野郎と刻みますが良いですね?」
『お、おう・・・絶対にタッチダウンを決めてやるぜ!』
アメリアの条件を呑んだらしいチャーリーのトリアーエズが止めろって!と叫ぶショウを無視してギヤをダウンさせフラフラと着陸体勢に入ると、ミリィ!!とマリアが慌ててその隣の管制官に向かって叫び出す。
「今から降りて来る機は全て上空待機にさせて!それと滑走路上に居る機は急いでタキシングさせて逃がししなさい!」
「もうやってますってぇ!念の為にレスキュー隊も要請済みですぅ!?」
そう報告しながらヘッドセットをずらすミリィに来ましたっ!とショウのコアブースターとエンジンから黒煙を上げるチャーリートリアーエズを視認したアメリアが指差すと、タイミングを合わせた様に滑走路へと消火用の車両が数台飛び出して行く。
「トリントンコントールよりCBP1へ滑走路が塞がると厄介なので先に着陸をしてそのままタキシングしてハンガーへ向かいなさい!」
『CBP1了解、じゃあチャーリー先に降りて待ってるからな!』
『CBP2了解、無事に降りたら冷たいビールを頼むぜショウ?』
こんな時でもしっかりと冗談を言って来るチャーリにショウは返答代わりにコアブースターの翼を左右に一度振りながら着陸体勢に入る。
『CBP1よりトリントンコントールへこれより
「トリントンコントロールからCBP1へそのまま第一滑走路へ着陸して下さい。」
アメリアからの指示に声にショウのコアブースターが何事も無くキュキュとギヤの音を鳴らしながら無事にタッチダウンを決めると、さてここから勝負ですよチャーリー・・・とアメリアは心配そうにフラフラしながら滑走路へと向かって来るチャーリーのトリアーエズへと通信を繋ぎだす。
「トリントンコントロールからCBP2へこちらの滑走路はオールグリーンです。いつでも降りて来なさいチャーリー!」
「こちらCBP2、分ーってるから少し黙ってろってアメリア・・・!?」
流石に余裕が無いのかチャーリーの焦った声にホントにバカですね!とアメリアが苛立つと、左に流れ過ぎてます!位置の調整と高度も低いですパワーアップ!と指示を出し始めるのでホント可愛くねえな・・・とチャーリーは気合いを入れ直す様に操縦桿を握り出す。
『うるせえなアメリア・・・コッチも必死にやってるってんだよ!』
『ならしっかり操縦しなさい。それとも死にたいんですか?』
そう淡々と言って来るアメリアにそんな訳無えだろ!?と叫び返したチャーリーは左脚のラダーペダルを蹴っ飛ばしながら操縦桿を引きフルフラップ機体の揚力を最大限に活用しながらギリギリで滑走路に届くと機体角度からバチバチとエンジンから火花を散らしながらタッチダウンを決めて来る・・・
『どうだ見たかアメリアっ!?』
「CBP2の着陸を確認しました・・・パイロットは無事です。」
ホッとしながらチャーリーの安否を報告するアメリアにやったぁ!!とマリアとミリィが彼女の両肩から飛びつくと管制タワーの全員からもイヤッホウ!と再び歓声が上がり出す。
「ちょっと苦しいですって二人共!?」
「そんな事言って・・・一番うれしいのはアメリアでしょ?」
アメリアはフフッと微笑んで来るマリアに何の事ですか?と惚けていると、取り合えずアイツ等を出迎えに行ったらどうだ?とバリサムから指示が出される。
「良いんですか指令・・・」
「いや良いも何も君はあの問題児コンビの専属オペレーターだがウォーカー軍曹?」
そう二っと笑みを浮かべて来るバリサムに感謝します!とガタっと席を立ったアメリアが管制タワーから飛び出して行くと、お優しいですね?とクスクスと笑い出すマリアに
と照れ臭そうに自分の席で頭を掻くバリサムから返事が返って来る。
「指令も良い所が有りますねぇマリア曹長?」
「そうね・・・所でミリィ?ちょっと私の頼み事を聞いてくれないかな・・・」
そんな真面目な顔をするマリアにどんな事ですかぁ・・・?とミリィから不安そうな顔で首を傾げられたマリアは少し困った顔になる。
「アメリアの事を調べて欲しいのよ・・・ミリィなら得意でしょうそう言うの?」
「先輩の事をですかぁ・・・何でまたぁ?」
そう不思議そうな顔をして来るミリィに今度お昼奢るからお願い!と手を合わせながらマリアが頼み込むと、事情は分かりませんけどC定食にデザートなら良いですよぉ♪と条件の提案するミリィからニコっと笑みが浮かぶのでマリアは好きなの頼んで良いから・・・と答えながらハァと溜息をつきだす・・・
「やったぁ♪それじゃあ今晩にでも基地のホストコンピューターに忍び込んで来ますのでしばしお待ちくださいねぇ?」
その間延びした声とのんびりした雰囲気で男性隊員からも人気の彼女なのだが・・・実は基地内でも一番の情報通でハッキングの天才だと言う事は彼女と契約を結んでいるごく一部のみの隊員による共有の秘密である。
「いつも言ってるけど絶対に尻尾は残さないようにね?」
「分かってますよマリア曹長ぉ。」
満面の笑みを浮かべるミリィに頼むわよとマリアが念を押すと、マリアはホント・・・何者かしらねあの子って?と以前感じた階級の矛盾と新任ながらも妙に場慣れした指示の出し方に違和感を感じるので有った。