先日のジオン軍によるMS部隊との交戦から一週間程が経ち、基地内も大分落ち着いた来た。ショウもコア・ブースターの運用テストの項目を全て終えた事も有り今度は新たに配備されたセイバーフィッシュのサポート要員として携わる事となった。
「調子はどうだチャーリー?」
「おう!上々だぜショウ・・・それじゃあ行って来るぜ!!」
そう尋ねるショウに気合い充分と言った顔でチャーリーがグッと親指を立てキャノピーを下げると、今度はその隣で機体をアイドリングさせているコア・ブースターのコクピットをショウは見上げる。
「あんまり無茶させないで下さいよイエーガーさん。」
「誰に言ってるんだ?お前よりも丁寧に扱ってやるから心配するなって!」
そう答えるイエーガーに間違いねえな?と整備班のホワイト大尉からククっと笑われたショウは少しムッとした顔になる。
「あんまり変なクセ付けないで下さいよ!その機体が学習したデータはどこかに制式採用予定のコア・ブースターに採用されるそうですからね。」
「分かっている。それじゃあ機体も暖まって来たしそろそろ行くぞチャーリー?」
試作機のコアブースターに乗れて嬉しいのか普段より少しテンションの高いイエーガーがニッと微笑むと、低いエンジンを轟かせながら了解!とチャーリーのセイバーフィッシュと共格納庫を出てタキシングを始める。
「知ってるとは思うけど今回はセイバーフィッシュのブースターパックの高高度テストだから、無茶な機動は禁止だからねチャーリー!」
「ショウ分かってるって、てかさテストも何も一回実戦で試してんだけどよ?」
ヘヘっと笑いながら言うチャーリーにヘッドセットを付けたショウはまあ・・・確かにと先日のジオンMS部隊との戦いを思い出しながら苦笑いを浮かべる。
「心配するなショウ?その時は俺が随伴機としてちゃんと抑え込んでやるからな。」
「おっと、イエーガー隊長、旧式のトリアーエズから急に最新鋭機に乗ったばかりの癖にそんな事言って良いんですか?」
「言ってくれるじゃねえか・・・チャーリー!絶対にお前のケツにへばり付いてやるからなっ!!」
チャーリーに煽られその闘志に火が点いたイエーガーがそう答えると、これは模擬戦じゃないって!?
!?とヘッドセットに向かってショウは焦った声で叫んだ。
「ご歓談中申し訳無いけど、CBP1及びCBP2へ離陸許可です。そのまま第一滑走路へ進んで下さい。
そう割り込んで来た管制官のマリアの声に分かった分かった・・・と言いながらチャーリーのセイバーフィッシュとイエーガーのコアブースターが指定された滑走路へと向かうとエンジンの出力を上げ始める。
「CBP2、チャーリー出るぜ!」
「同じくCBP1、イエーガーテイクオフ!」
そう答えた二人がアフターバーナーを吹かしながら機体を加速させ一気に角度を付け急上昇させるのでショウはまったくもう!と呆れた声を上げる。
「テスト機にハイレート・クライムとか勘弁して欲しいんだけど・・・」
「何を言ってるんです?ショウも同じ事やってたじゃないですか。」
背後から聞こえて来る淡々としたツッコミにショウが振り向くと、ニコっと微笑む赤髪の下士官の姿が有った。
「何だアメリアか、サボリか?」
「ショウ達と一緒にしないで下さいよ!マリア曹長と交代となったので休憩がてらここに来ただけですっ!!」
ムウと唇を尖らせながら抗議して来るアメリアにそれは残念だったね?とショウは高度を上げて行くチャーリーのセイバーフィッシュを親指で指す。
「あ~もう飛んじゃったんですねチャーリーは・・・」
「まあね。けど30分くらいで降りて来るから待ってれば?」
「そうします。後これは皆さんで飲んで下さいね。」
そう答えたアメリアが差し入れで基地のPXで買って来たドリンク等を袋から広げながら見せると、マジで!?と整備班の連中がわんさかとしながら集まって来る。
「しかし坊主の言う通りチャーリーが居なくて惜しかったな嬢ちゃん?」
「うっ・・・ちょ、ちょっと待って下さいホワイトさん!?私は別にチャーリーに会いに来た訳じゃ無いですよ?」
アメリアからのお土産を手にするホワイトにアメリアが顔を真っ赤にしながら焦った声を上げると、何を言ってんだ?とホワイトを始めたとした整備班全員からニヤニヤと意味ありげにアメリアは笑われてしまう・・・
「そ、そう言えば今日のコアブースターに乗っているのは誰なんですか?」
これはマズイと話を逸らす為にアメリアが尋ねるとショウはイエーガーさんだよ?と答える。
「愛機のトリアーエズがオーバーホールに入ったから非番にも関わらず僕の代わりに乗りたいって言うからさ・・・」
「成程、イエーガー程の腕ならばあのジャジャ馬も乗りこなせるでしょうね。」
ショウにそう答えながらアメリアがクスっと微笑んでいると、ゴオォォ・・・と轟音を上げながら数機のミデアが降りて来るのでアメリアはあれ・・・?と首を傾げる。
「おかしいですね・・・今日のフライトプランにはこの時間に定期便が着陸するとは聞いてませんでしたが?」
「何かの機体トラブルとかじゃないの。」
そう答えるショウにう~んとアメリアも腕を組んでいると、そのミデアから一番近いこのハンガーへとジープが一直線にやって来た。
「私はジャブロー基地所属ミデア輸送部隊マチルダ隊の指揮官をしているマチルダ=アジャン中尉だ。申し訳無いがここトリントン基地のバリサム大佐へとお取次ぎを願えないか?」
ジープから降りながらそう声を上げる赤毛の女性士官に何だって言うんだ!?とこの場では一番上の上級士官で有るホワイトから焦った声が上がると、落ち着いて下さい。と答えたアメリアはその女性に前に立つ・・・
「ようこそトリントン基地へ、今確認を取りますので少しお待ち下さい中尉?」
「ああ頼む。」
そう答えるマチルダにクスっと微笑んだアメリアだが内心では焦っていた・・・
(マチルダ=アジャンって確かレビル将軍の懐刀ですよね!?何でそんな人がこんな所に・・・)
そう考えながらアメリアは混乱しているショウからヘッドセットを奪い獲る。
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