「ウォルフ大尉?すぐに出ますので、我々が降下した後はすぐにこの空域を離脱し基地への救援要請をお願いします!」
そう言いながらコクピットから出て行くアメリアにウォルフが、おっおい!?と慌てて声を掛けるが既に遅く、アメリアはミデア下部と繋がっているMSコンテナへと駆け降りていた。
「あっアメリアちゃ~ん!ホントにコイツを使うのかい・・・俺っちはお勧めしないよぉ・・・?」
そう声を掛けて来たのはトリントン基地整備班主任のシバ=シゲオ曹長で有る。
「どうせいつかは運用試験しないといけないんですから一石二鳥って奴です。それよりもセットの方は間違い無いんですよねシゲさん?」
「そりゃあマニュアル通りには組んだけどさ・・・このジェットパックのテストまだやってないしぶっつけ本番になるからね!」
「その時はその時ですって?」
呆れた顔で腕を組むシゲにそう答えたアメリアはありがとうございました!とお礼を言いながら敬礼するとソフィーとミリィが待機していたホバートラックへと向かった。
「先輩おかえりなさいですぅ。」
「もう着いたんですかっ?」
車内へと入ったアメリアにミリィとソフィーが出迎えると、ええまあ・・・と曖昧に答えたアメリアはヘッドセットを付けながらオペレーター席に座った。
「先輩何か有ったんですかぁ?」
「いえ、どうも通信状況が悪いそうで基地と連絡が取れないそうなんですよ。」
「あぁ、そうれなら私も確認しました・・・どうも今から向かう補給基地周辺のミノフスキ濃度が妙に高いんですよねぇ・・・??」
そんな事を報告して来るミリィの手際の良さにアメリアは感心すると同時に不安を感じた・・・
(そんなの敵が居るって証明している様なもんじゃないですか・・・)
「ホント・・・嫌な予感で一杯です。」
そう独り言ちたアメリアは既に機体の中で待機しているカスケード隊のパイロット達へと通信を繋ぐ為にキーボードを叩き通信回線を開いた。
「アメリアよりカスケード隊各機へ作戦空域へと到着、これより空挺での降下作戦を行う。各自マニュアルはしっかり読んでますね?」
「こちらイエーガーだ。一通り読んだが・・・本気で空挺降下するのか?」
「勿論です。それに当初は訓練のつもりでしたがどうも雲行きが怪しくなってきたんですよね・・・」
そんな妙な事を言って来るアメリアにどいう事だ?と訝し気にイエーガーは首を傾げた・・・
「トリントン基地と連絡が取れないくらいミノフスキー粒子の濃度が高いんです。ちょっとヤバそうですよイエーガー・・・?」
「考え過ぎだろう・・・しかしアメリアの言う通り警戒を厳にしていくぞショウ、チャーリー!」
「イエーガーさん了解です。」
「了~解イエーガー隊長!」
そう気合い入れるイエーガーの声にショウとチャーリーからも各々返事が返って来るのをアメリアも自分のヘッドセットで聞いていると、なあちょっと良いか?と第二小隊のジャック=アルヴィン中尉から少し不満そうな声で尋ねられる。
「俺達の機体はいつ来るんだよ!」
「それは上の都合って奴です。代わりに陸ジムが送られて来ただけでもジャブローのマチルダ中尉に感謝してください?」
「わーってるよ!」
アメリアの説明にジャックから少し不貞腐れ様に返事が返って来ると、アハハ・・・とその内情を知っているアメリアは苦笑いを浮かべると、マチルダからジャック達の陸ジムを受け取った時に聞いたがどうやら量産機のベースとなる予定の試作機の到着が遅れているらしい・・・
(多分ウチに回って来るのは当分先でしょうね・・・)
そう思うアメリア率いるカスケード隊第二小隊には型式番号RGM-79ジムの配備は無くなり代わりに先行量産型の陸戦型ジムが三機導入される事となった。
「さてご歓談中の所悪いがそろそろ降下地点に到着するぞい嬢ちゃん!」
「了解です。ウォルフ大尉、皆さんも聞きましたね?」
ヘッドセットに聞こえてきたウォルフからの声にアメリアがカスケード隊各機に尋ねると、イエス・マム!と元気の良い返事返って来るとアメリアはフフッと微笑んだ。
「良い返事です。それではこの場よりこの指揮車両のコールサインをウィスキー・ドッグと呼称します。そしてイエーガーの第一小隊はCSD1から始まり、そしてジャックの第二小隊からCSD6となりますので各自コールサインを覚えて下さいね?」
「CSD1イエーガー了解だ。」
「CSD6ジャック了解!」
第一第二小隊長からの返事と同時にタイミング良くMSコンテナの後部ハッチが開き出すと、再び機長のウォルフから通信が入る。
「それじゃあ射出準備は良いかの?」
「いつでもどうぞ!」
「行くぞい!」
そう声を上げたウォルフが操縦席脇に有る射出レバーを引くとハッチ上部に有るシグナルがレッドからグリーンに変わった・・・
「カスケード隊出撃です!」
アメリアの号令と共に一番機のイエーガー機が射出されると二番機のショウそしてチャーリーとウォルフのミデアから降下して行くと今度はアメリア達が乗るホバートラックの番で有った・・・
「あのぉ・・・先輩?」
「何ですミリィ・・」
「ほんと~に大丈夫ですよねぇ・・・」
「私に聞かれても・・・ねえソフィー?」
「えっとですねっ・・・たしか成功率は80%って聞いてますよっ?」
「「・・・・・」」
何とも言えない微妙な成功率を知ったアメリアとミリィが無言になると同時にホバートラックも射出された。
「高度2000・・・1500・・・1000・・・このパラシュートとブースターは本当に点火するんですよねぇ!?」
「それよりも脱出用のパラシュートって積んでましたっけ・・・?」
「怖い事言わないでくださいよぉ先輩!?」
「こんなに早く実戦データが取れるなんてラッキーだなっ♪」
慌てるミリィとアメリアとは反対に落ち着いた様子のソフィーを乗せたホバートラックは台座付けられたブースターが点火し開いたパラシュートと共に六機の陸ジムと共に無事に着地したので有った。