「先輩っ!?第一、第ニ小隊共に敵部隊を順調に追い込んでる模様ですぅ!」
とホバートラック内で情報分析を任せているミリィからの報告に順調ねえ・・・とアメリアはリンクしているカスケード隊各機から送られて来た上部モニターに映る戦術マップに苦笑いを浮かべた。
「確かに第二小隊に関しては私の指示通り動いている様ですが、第一小隊は如何なもんですかねね・・・?」」
「何だかんだ上手くやってるんじゃ無いですかショウとチャーリーはぁ・・・まあスタンドプレイみたいなもんですけどぉ・・・」
そう答えながら苦笑いを浮かべるミリィにハァ・・・と溜息をついたアメリアは腕を組みながら思案顔となった。このカスケード隊を率いる事となってアメリアが全員に叩き込んだ戦法は敵機に対し常に多数での対応とその連携で有る。
(ショウとチャーリーには後でお仕置きを考えて置かないといけませんね。)
そう思いながらアメリアが二人に与える罰と言う名の訓練メニューを考えていると、それとせんぱ~い?とミリィからヘッドセッドを掴みながら首を傾げられた。
「その二人が撃破した内の一機からオープンチャンネルで降伏すると言って来てますがどうしますかぁ?」
「えっ降伏って・・・まだ戦闘中ですよ!?諦めるの早く無いですか?」
「いや・・・何だかCSD2と3に妙に怯えた様子で、すぐに連行してくれと喚いてますがぁ・・・」
そう怪訝そうに報告して来るミリィに何をやったんだかあの二人は・・・と頭を抱えたアメリアがCSD1聞こえます?とヘッドセットを掴みながら第一小隊の小隊長で有るイエーガー=バウスネルン中尉へ通信を繋ぐと、聞こえているがウィスキードック・・・?とこの状況にも関わらずわざとらしい声がイエーガーから返って来た・・・
「どうもあの二人が突出しすぎている様ですが・・・イエーガー?」
「現在その対処為に急行中だ。お咎めは後で聞くから一旦切るぞアメリア!」
「あっちょっと・・・もうイエーガーったら!!」
一方的にイエーガーから通信を切られてしまったアメリアがまったくもう!と腕を組みながらムゥと頬を膨らませていると、ホバートラックの操舵手をしているメカニックのソフィー=ホワイト伍長から大変ですねアメリアさんはっ?と楽しそうに笑われてしまう。
「笑いごとじゃ有りませんよソフィー!ホントに彼らを纏めるのは大変なんですからね?!」
「アハハハ・・・ご愁傷様ですっ。」
そう答えながら苦笑いを浮かべるソフィーに向かってハァ・・・と溜息をつきながらアメリアは今後の作戦行動の意味合いも含めて各機の損傷度は?と尋ねた。
「えっとっ・・・・強いて言えばバウスネルン中尉の陸ジムが一番ダメージの蓄積度が高いですねっ・・・先程の攻撃で左腕部のアクチュエータに負荷が掛かっていますっ。」
ホバーの操縦席にも設置されているキーボードを叩きながらソフィーがダメージデータを色分けで表示した物を上部モニターに表示させるとアメリアはムゥ・・・と再び思案顔となる。
「ザクが撃った砲撃を直接シールドでを受けてますしね・・・因みに作戦の継続には支障有りませんか?」
「いやいや何を言ってるんですかっ!あの子の装甲はルナ・チタニウム製ですよっ?超硬スチール合金のザクとは違うんですザクとはッ!」
「えっ?あ、ハイ・・・!?」
アメリアがそう力説する祖父譲りの技術屋で有るソフィーの指摘に対しタジタジとなりながら答えていると、それを横目に見ていたミリィから変な子だなぁ・・・と自分の事を棚に上げながらモニターに目を向けると基地方向からピーっと妙な反応を拾ったので有る・・・
「あれぇ先輩・・・何だか補給基地から熱源を多数確認しましたよぉ・・・?」
「今何と言いましたミリィ・・・」
「だからぁ・・・後方の友軍基地から増援が現れたんですよぉ!現在後退しようとする敵MS部隊を支援しようと展開中~!!」
「音紋センサー展開・・・って!ちょっと・・・マジで連邦軍の車両じゃ無いですか!?」
ミリィからの報告にアメリア自身も慌てて自分の席でホバートラックのアクティブソナーで確認すると出て来たのは
「あの補給基地の司令官は本気何ですかぁ・・・これじゃあ自分で罪を認めている様なもんですよぉ?」
「まあ・・・その証拠を残さない様に我々を消す為に出て来たんでしょう。」
「成程ぉ~因みに負けませよねぇ先輩・・・?」
そう答えながら不安そうにミリィが首を傾げると、そうですね・・・と呟いたアメリアは戦術マップを見ながら腕を組んだ・・・
(MSさえどうにかすれば大人しく降伏すると思ってましたが・・・補給基地の指揮官はどうやら相当強気の様ですね・・・いくら戦車と言えども数が揃うと厄介過ぎです・・・)
そう考えるアメリアのこの補給基地の司令官の印象は間違っていない上に敢えて加えるなら粗野で横暴だった。
「全車へ目標は友軍のMSだ良いな・・・」
「本当に良いんですか指令・・・これは明らかな反逆行為になります。」
「ここまで来て何を?どうせバレたら全員銃殺だ・・・だったら何も残らない様に撃ちまれーーーっ!!」
もう後がないのか切羽詰まった様に叫ぶ指令官に基地オペレーターも前面に展開する戦車隊へと交戦許可を出しながらチッ・・・と舌打ちしながら内心クソ野郎と思っているとピーっとレーダーから何か反応を示した・・・
「レーダーにコンタクト!?友軍機が急接近中です。」
「何だと!?一体どこの部隊だ・・・すぐに引き返させるんだ!」
そう叫ぶオペレーターに基地指令が焦った声を上げると・・・、ワーハッハッハッ!とその急接近中のミデアの操縦席で疾風ウォルフことウォルフガング=アレクサンダー大尉は高笑いを浮かべた・・・