ガンダム nearmiss    作:ヨッシー♪

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チャーリーの一日その3

 

「どこに連れて来られたと思えば・・・まさか中立地帯の町とは驚きですね。」

 

「基地でランチ食うよりはマシだろ?」

 

そんな事を言いながら二っと笑みを浮かべるチャーリーにまあ確かにですね。と答えたアメリアはどこからどう見ても優雅なメインストリートとは言い難い雑多としては有るが陽気な屋台街に好印象を抱いた。

 

「ここには良く来るんですか?」

 

「いいや・・・今日が初めてだ。ついでに言うと昼間っから女とマトモに出歩くのも初めてかもな・・・?」

 

「ホントにチャーリーが付き合った女性とは穢れた関係だけの様ですね・・・」

 

「まあ・・・良く言われる。」

 

そんな事を言いながら苦笑いを浮かべるチャーリーにアメリアからハァ・・・と溜息をつかれた。

 

「って事は今日が私とチャーリーの初デートですね。」

 

「へっ・・・!?ま、まあ・・・そうだな。」

 

「じゃあ今日を楽しまないと損ですよチャーリー?」

 

戸惑ってる様子のチャーリーに向かってアメリアがそう答えると、おお焦ってますね・・・?と思ったアメリアは揶揄う様にクスっと微笑みながらギュッとチャーリーの腕へと自分のも絡ませた。

 

「お、おいアメリア!?」

 

「デート何だから別に良いじゃ無いですか。それよりも早く屋台を見に行きましょうよ?私のお腹がペコペコです!」

 

「わーったから引っ張るなって・・・」

 

若干面倒臭そうな声を出しながらもちゃんと付いて来るチャーリーにアメリアもフフッと微笑んでいるが実は内心ではかなり焦っていた・・・

 

(デートってこんな感じで良いんですかね?正直・・・勝手が分から過ぎて特務に居た時のどんな作戦よりも緊張してますね・・・)

 

そんな事を思いながらアメリアは背中に嫌な汗をかきながら士官学校時代の親友から聞いたデートの時の話を思い返した・・・

 

 

『男って大体最初のデートの時は自分で支払おうとするんだけど・・・悪いと思って割り勘とか言っちゃダメよ?』

 

 

『何でですかミユキ?』

 

 

『そんな事言ったらずっと割り勘になるからよ!』

 

 

過去にどんな恋愛をしていたかまでは聞かなかったが・・・アメリアはその時は妙に力説して来る親友に

そうなんだ・・・と苦笑いを浮かべたので有った・・・

 

 

「チャーリーはどうなんでしょうかね・・・?」

 

「何がだ?」

 

自分でも思わず呟いてしまった言葉にチャーリーが反応すると、しまった・・・と思ったアメリアは苦笑いを浮かべながら取り合えず目に付いた屋台を指差した。

 

「アレなんかどうかなーって?」

 

「何だありゃ・・・タコヤキって書いて有るが・・・」

 

聞いた事も無い食べ物を売っている屋台にチャーリーから怪訝そうな顔が浮かぶと、へいらっしゃい!と陽気な声を上げるアジア人の若い男性に良い印象を覚えたアメリアは渋るチャーリーを引っ張り取り合えずどんな物か見て見る事にした。

 

「一体何のお店でしょう・・・」

 

「いやお前が見つけたんじゃねえか・・・一応は食い物を売ってる様だな。」

 

スペースノイドのアメリアとヨーロッパ系のチャーリーが物珍しそうに見ていると、一個食べてみるかい?とその屋台の兄さんから二っと笑みが浮かんだ。

 

「じゃあ・・・一個だけ?」

 

そう言いながら顔を見合せたアメリアとチャーリーは焼きたての丸い物体をつまようじに刺さった渡されると、ゴクッと・・・二人揃って息を飲んだ・・・

 

「じゃあ行きますよチャーリー・・・」

 

「おうよ・・・!」

 

まるで敵陣へ突っ込む前かの様に言葉を交わす二人が勢い良く口の中に含むとすぐに絶叫が聞こえたので有る。

 

「ハフハフっーーー!?」

 

「熱っちーなんだこりゃ!?」

 

涙目でそんな事を訴えて来る二人に屋台の兄さんからアーハッハッ!と楽しそうな笑い声が上がった。

 

「どうだいお二人さん?これはたこ焼きと言ってアジアに有るニホンって呼ばれていた国でお祭りの時に良く出る食べ物なんだが・・・美味しいだろう?」

 

「ああニホンね・・・知り合いが一人居るから後で聞いてみるよ!」

 

チッ・・とニヤニヤとする屋台の兄さんに向かって舌打ちしたチャーリーだったが、4つくれ!と叫ぶ彼にアメリアはクスクスと笑い出すので有った。

 

「知り合いってショウの事でしょう?」

 

「まあな・・アイツには苦労を掛けてるし?たまにはな・・・」

 

毎度ありー!と手を振って来る屋台の兄さんに向かって照れ臭そうにするチャーリーに代わってアメリアが手を振っていると、じゃあ次に行きましょうか?ニコニコするアメリアは再度チャーリーと腕を組みながら屋台を物色し始めた。

 

「まだ買うのかよ・・・」

 

「それだけじゃ足りませんって・・・あっ!今度は焼きそばって書いてますね・・・何だかソースの香ばしい匂いが空腹状態の私のお腹を刺激して来ますね!」

 

「ったく・・・」

 

普段は見せないそんな無邪気な彼女の姿にチャーリーもククっと笑いだした。

 

 

「なあ待てよアメリア・・その隣に有るお好み焼きも気にならないか?」

 

「良いですね!指揮官命令ですよチャーリー全部買っちゃいましょう!!」

 

「イエス・マム!」

 

笑い飛ばしながらアメリアもそんなバカげた指示を出すとチャーリーと二人は屋台通りの先に有る広場で少し一息つくと、オープンテラスとは言い難い簡単に置かれた椅子とテーブルの上に屋台で買った戦利品を並べ出した。


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