中立地帯に有る町で起きた騒動をどうにか繰り抜け、自分達が所属するトリントン基地近くに有る町に到着した二人は行きつけのパブへとトラックを乗り付けた。
「やっと着いたぜ・・・早くビールが飲みてぇ~!」
「私もです・・・さっきの戦闘で喉が渇いちゃいました。」
そう言いながらチャーリーとアメリアが同僚で有るショウの恋人が営んでおり部隊名の元となったCASCADEの中に入ろうとするが入り口には閉店と書かれた札が掛かっていたので有った・・・
「あ、そっか・・・そう言えば今日は買い出しに行くって言ってたなショウの奴・・・」
「へえ・・・買い出しにですか・・・?それなら仕方ありませんね。」
チャーリーからの説明に何かが引っ掛かるアメリアでは有ったが、今日は出直して基地の食堂に有る自販機で売っている合成アルコールで妥協しようと提案していると、あれ・・・どうしたの二人共?とカロンコロンと鳴るカウベルの店の中からリンが顔を出した。
「どうも外が騒がしいと思ったら・・・飲みに来たの?」
「すみませんリンさん・・・定休日と知らなくて・・・」
そう言いながら申し訳無そうな顔をするアメリアにクスっと笑ったリンが良いわよ?と中へ招き入れようとするので、ショウと一緒だろ?と折角のオフを邪魔したくないと思ったチャーリーは遠慮がちに手を横に振ったのだが・・・
「良いから入って来いよ二人共!僕とリンだけじゃ食べきらないくらいの量が有るんだ・・・」
「なんだそりゃ?まあ・・・二人がそう言うんなら言葉に甘えるかアメリア?」
よく訳の分からない事を言って来るショウにそう答えたチャーリーはアメリアに首を傾げると、そうしますか?とフフッと微笑むアメリアの背中をリンもさあ入って入って!と押して来る。
「なんだこりゃ・・・またタコか・・・これ?」
「うん・・・リンが大量に仕入れたからちょっと試しに色々作ったらこんな事になってさ・・・二人も手伝ってくんないかな・・・」
「別に良いけどよ・・・因みに俺とアメリアからもお前達に土産が有るから受け取ってくれないか?」
そう言いながらチャーリーがアメリアと共に苦笑いを浮かべながら出店で買った焼きそばやたこ焼きを渡すと、げっ・・・とあからさまにショウとリンから嫌な顔をされてしまった。
「なんで増やすんだよ!?」
「おいショウ!買ってきてやったって言うのに何だよその返事は・・・良いからさっさと食おうぜ?コイツの所為でほとんど食べて無いし飲んで無いしで全然満足してねえんだよ俺は!?」
「私はちょっと人助けをしただけです。」
チャーリーの言葉が聞き捨てならないのかアメリアから異議有り!と手が挙がりながらそんな声が上がると、はいはい・・・とリンから手を叩かれた。
「飲み物を取って来るからケンカは店を出てからやって頂戴!」
「じゃあビールで頼むなリン!」
「私もお願いします。」
「まったくもう・・・調子がいいんだから二人共!因みに今日は店の奢りだから好きなだけ飲んでいいからね。」
カウンターに並ぶまあまあな数の料理を片付ける代価としてなのかリンの提案にチャーリーとアメリアがやったね!とタダ酒に有りつける事に嬉しくハイタッチしてると、随分と楽しそうなデートだったみたいだね?とショウからニヤニヤと意味ありげに笑みが浮かんだのでアメリアはムゥ・・・と思案顔を浮かべた・・・
「あの時チャーリーが正面から撃ったのにジオンの肩に当たった銃弾は背後から撃たれた物でした・・・ショウですね撃ったのは?」
「さあ・・・何の事やら・・・?」
「ついでにもう一つ・・・私は元特務で同時に聞こえた二発の銃声を聞き逃す程間抜けでは有りませんよショウ・・・助けてくれてありがとうございました。」
アメリアからの淡々とした説明に言い逃れが出来なくなったショウが参ったな・・・と困った顔で頭をガシガシと掻いていると、じゃあ俺は何を撃ったんだ・・・?とチャーリーは首を傾げた。
「お前が撃ったのは僕の上に有った看板だよ・・・この下手くそ!」
「チャーリーは銃を撃つのは止した方が良いみたいですね・・・正直言ってバックアップには不向きです。」
二人から散々な言葉を浴びされたチャーリーがヒデエ!?お前達マジで酷いからなそれっ!と抗議の声を上げるのだが、ですが・・・とアメリアから嬉しそうに首を少し傾げられた・・・
「私を助けてくれた事は事実です。割と恰好良かったですよチャーリー?」
「そ、そっか・・・じゃあ良いけど・・・」
「って事で明日からはマンツーマンで射撃の特訓をしますね?今後あのような事態になった時に困りますで・・・」
「ハハハ・・・」
アメリアからの提案に対し二人っきりで何かするなら他の事が良いんだけどな・・・と考えたチャーリー
が誤魔化す様に苦笑いを浮かべていると、何だ開いてるじゃないか?と声を上げるイエーガーの声と同時にカウベルがカランコロンと鳴るのでドアの方を見たチャーリーはアレ?と不思議そうな声を上げた。
「珍しいっすね・・・イエーガー隊長が女連れなんて・・・?」
「ホントだ・・・ただ一緒に居るのはソフィーだけどね。」
チャーリーが驚くのも無理は無い・・・寡黙で硬派なイエーガーが基地の女性と二人になるなんて聞いたことが無い。そんなイエーガーにショウがツッコむと、五月蠅えな・・・と明らかに不機嫌そうな声がイエーガーから聞こえたので有る。
「お前とアメリアがコイツを押し付けたから俺は散々な目に有ったんだからな・・・」
「散々とはヒドイじゃないですかっ!?アメリアさん達がランチに行くから私にもどうだ?って誘って来たのはイエーガーさんですっ!」
「だからと言って食堂に有った米を全部食べる奴が有るか!お前のおかげであそこのおばちゃんから怒られたじゃ無いか!!」
そう説明するイエーガーに向かって面目無いですっ・・・とソフィーからエヘヘ・・・と苦笑いが浮かぶと、じゃあコレも食べてよ?と奥からチャーリー達のビールを持って来たリンにカウンター席に並んだタコ料理の数々に目を輝かせたソフィーから良いんですかっ?と満面の笑顔が浮かんだ・・・
「こんなチビなのにどこに入るんだ・・・コイツは?」
そんな呆れた声を出しながらもククっと楽しそうに笑うイエーガーにへえ・・・と驚いたチャーリーがククっと笑いだすので、どうかしたんですかチャーリー?と隣のアメリアからキョトンと首を傾げられたチャーリーは何でもねえよ・・・と答えながらビールを一口飲んだ・・・
(こりゃあ暫く楽しめそうだぜ・・・あの二人は?)
そう思いながら悪そうな顔をするチャーリーにアメリアがムゥ?と不思議そうな顔を浮かべながらビールを飲むので有った。
因みにだが、チャーリーとアメリアは中立地帯で起きたジオン兵との戦闘行為が指令のバリサムにしっかりとバレてしまい、そのとばっちりでショウを含めた三人で仲良く始末書を書く羽目となったのは後日談で有る・・・