「一体どうなってるんですか!ウィスキードッグっ!?」
ミリィの指示で敵部隊の背後に回り込んだは良いが、アメリアは突然起きた敵機の爆発によって混乱し生き残った数機の敵MSと撃ちあいになりビル陰に釘付けにされてしまった。
「恐らくスカート付きを狙ったCSD2の攻撃が後続機に当たった模様・・・そのままCSD2から交戦中との交信が入ってますが・・・支援どうしますぅ?」
「そんなのコッチが聞きたい所なんですけどっ!?」
そんな事を言いサブモニターの向こうから困った顔するミリィに向かってアメリアは抗議すると、コイツっ!と陸ジムのビームライフルで崩れた建物の陰から120ミリマシンガンで応戦して来るザクⅡに向かって撃ち返した。
「ねえチャーリー!私達だけでこの数を突破出来ると思いますか・・・!!」
「無理に決まってんだろ!?・・・でもやるって言うんだろアメリアは?」
道を挟んだ隣のビル陰に居るチャーリーの陸ジムからそんな溜息交じりの通信が返って来ると、良く分かってるじゃ無いですか?と答えながらアメリアはいつもの様に余裕の表れを示すようにクスっと微笑んだ。
「そう言うからには妙案でも有るんだろうな・・・」
「それは勿論。ウチの十八番で行きますよ?」
「ようは出たとこ勝負って事な・・・マジで勘弁して欲しいぜ。」
チャーリーもすぐにショウの援護に向かいたいのは山々なのだが、同じ思いなのか強引な手段を取ろうとするアメリアにチャーリーはガクっと項垂れつつFCS火器管制から背後のバックパックからウェポンコンテナを降ろすとミサイルランチャーを取り出した。
「ウィスキードッグへこれより敵MS部隊へ突っ込みますので視界不良によるサポートをお願いします。」
「ヘッ!?本気ですか先輩っ!!」
「時間が有りません。急いで下さい!」
ショウの事が心配なのか少し怒った声を出すアメリアに分かりましたってぇ!?とミリィも焦りながらキーボードを叩き出した。
「音紋センサーアクティブソナー展開・・・敵機の位置を確認っ!リアルタイムで誘導しますぅ・・・!」
更に精度を上げる為にミリィがホバートラックから地面に伝わる振動を探知するセンサーを突き刺すと、それでは準備は良いですか?とアメリアは陸ジム脚部に有るサーベルラックからビームサーベルの柄を掴むと、いつでも良いぜ・・・?と緊張気味の顔でチャーリーも陸ジムのミサイルランチャーを構えた。
「それではスリーカウントで行くのでウィスキードッグがカウントして下さい?」
「了解ですぅ・・・それじゃあ行きますよぉ!3・2・1・GO--っ!!」
ミリィのカウントダウンの終わりと同時にチャーリーの陸ジムが顔を出しウォォっ!と叫びながらミサイルランチャーを6発全弾撃ち尽くすと、ドドンっ!!と着弾が起きると同時にアメリアはフットペダルを踏み込み陸ジムのバーニアを吹かし敵MS部隊へと一気に距離を詰めた・・・
「クッソォ連邦の奴等め!こっちも反撃に・・・」
そのままガガっ・・・と突然小隊長から通信が切れてしまったのでその僚機で有った少尉は慌てて隣を見た。
「どうかしたのですか中尉・・・・っ!?」
チャーリーの陸ジムからの攻撃で視界が悪く少尉は段々と見えて来たその小隊長機のザクの姿に驚愕した。
「連邦だとォーーーっ!!?」
そう叫びながら120ミリマシンガンを撃ち出す少尉にアメリアはビームサーベルで突き刺したまま小隊長機のザクを盾にするとその陰から味方ごと撃って来るザクをビームライフルで仕留めた。
「おやおや、フレンドリーファイアは良く無いですね?こちらCSD1二機撃破。」
「CSD3了解・・・ってアメリア伏せろーーっ!!」
ハッとしたアメリアがチャーリーの叫び声通り機体を中腰に落とすと、脇から飛び出して来たザクⅡに向かってチャーリーは陸ジムの100ミリマシンガンを放った。
「この野郎っ!!」
ヒートホークを振り上げようとしていたザクⅡがガガガっとチャーリーによって蜂の巣にされると、フゥ・・・とアメリアはコクピットの中で安堵した。
「ありがとうございますチャーリー・・・おかげで命拾いしました。」
「ったく・・・お前はいっつも無茶しすぎなんだよ・・・!」
「えっ・・・えーとゴメンない・・・?」
そうお礼を言ったものの、先日の中立都市の時と同じ様に真剣なトーンで怒り出すチャーリーにアメリアが困惑していると、頼むから・・・とチャーリーから不安そうな顔がサブモニターに映った。
「お前に何か有ったらって思うと・・・だからこれ以上心配させんなって・・・!」
「へっ・・・何ですそれ?何だか私の事が好きって言ってる様に聞こえるんですが・・・」
そう答えながらもアメリアはあれ・・?と過去の記憶を辿り寄せた。
(いや元々チャーリーは私の事を・・・いやいやあの時はただのナンパだった筈です!?)
初めて出会った時の事をリフレインしながらアメリアが真っ赤にしながら顔を左右に振っていると、その通りだけど・・・?と同じく照れ臭そうに言って来るチャーリーにアメリアはウニャ!?と妙な声を上げながら顔をボッと赤くした。
「なあ・・・こんな場所で悪いけどよ。お前の返事はどうなんだ・・・?」
「そっそんなの急に言われたって心の準備がっ!?」
そう答えながらアメリアの本心は決まってる。
(二度も命を救ってくれたし、そんなのイエスに決まってるじゃ無いですか・・・)
そう思いながらも素直じゃないアメリアが答えを引き延ばそうとしていると、あの先輩~?と苦笑いを浮かべたミリィから通信が入って来た・・・
「正直言い難いんですけどぉ・・・お二人の会話が隊内に駄々洩れなんですがぁ?」
「えっ・・・嘘ですよね?全部・・・!?」
「はい・・・全部ですぅ。」
そう淡々と答えるミリィにアメリアからウニャ~!!?と素っとん狂な声が上がると、取り合えずそんなおもしろ・・・楽しそうな事は作戦終了後にしましょうよぉ?と提案するミリィに全然言い換えてませんよ!とアメリアはハァ・・・と溜息をつき出した。
「良いから残った敵機の情報を転送して下さい・・・」
まさかの戦場で起きたこの告白劇に、ミリィ達には邪魔されたくないと思ったアメリアはこの作戦が無事に終わったら自分の気持ちを素直に伝えようと決めたので有った。