「えっ・・・本気かよ姐御!?特務の連中と事を一戦交えるって・・・」
「姐御じゃ無くて隊長!まあ・・・事によってはね。ねえもう一杯くれない?」
部下で有るイワン=アレンスキー少尉に先程の作戦内容を教えたヒルダが一気に飲んだウィスキーのロックを頼むとリンから不安そうな顔が浮かんだ。
「あの・・・ゴメンなさい。それって・・・ショウが危険って事なの・・・?」
「ひょっとして貴女・・・」
軍人を恋人持つ身としてリンもショウの仕事に関してなるべく立ち入らない様にしていたのだが・・・彼女の気持ちに気付いてしまったヒルダはしまったな・・・と思いながら内心の自分の迂闊さにチッと舌打ちする。
「もう彼とは長いの・・・?」
「友人としてはね。付き合いだしたのは割と最近だから・・・」
そう答えながらニコっと微笑むリンにそっか・・・と呟いたヒルダは受け取ったグラスをギュッと握りながらねえ・・・と小さく呟いた・・・
「軍人なんて止めた方が良いわよ・・・絶対に後悔するから」
「・・・どうしてか聞いても良い?」
「残された方が辛いからよ・・・」
「そっか・・・ゴメンね。変な事聞いて・・・?」
そんな何ともない顔をするリンにキョトンとしたヒルダからすぐにアハハハっ!と突然笑い声が上がるのでリンはイワンと驚きながら顔を見合せた。
「おい大丈夫か姐御・・・?」
「ああ、ゴメンゴメン・・・彼女がちょっと意外過ぎてビックリしただけよ?」
「はあ!?」
妙な事を言って来るヒルダにイワンから素っとん狂な声が上がると、どう言う意味?とリンは首を傾げた。
「想いが強いって言ってるのよ・・・えーと?」
「リン=ローダンセよ。それって私が重たいって事・・・?」
「違うわよ・・・良くそこまで信じられるなって呆れただけ!」
そう言いながら苦笑いを浮かべて来るヒルダに当たり前じゃない?と答えながらショウと交わした絶対に帰って来る。と言った約束を胸にリンは満面の笑みを浮かべたので有った。
~~~
「ねえ・・・向こうで仲間達と飲まなくて良いの・・・」
「こんな辛気臭い私が居たら酒が不味くなります。」
「私なら良い訳・・・」
「はい・・・ケイは私の唯一信用できる親友ですからね・・・?」
そう困った様にケイは首を傾げて来るアメリアに向かってハァ・・・と盛大に溜息を付きながらカウンターに置かれたビールジョッキをゴクゴクと一気に飲み干した・・・
「フウ・・・」
「ちょっと大丈夫ですか!?そんなに一気に空けて・・・」
「五月蠅い!素面じゃ話せないのよ・・・」
「はいっ!?」
空きっ腹にビールが効いたのか顔を赤くしながら顔を寄せて来るケイにたじろいだアメリアから変な声が上がった。
「それなら何でっ!?すぐに私に相談してくれなったのよアメリアは・・・!!」
「すみません・・・ケイを巻き込みたく無かったんです・・・」
そう説明しながら謝るアメリアに向かっていつもそう!とケイは泣きそうな顔でジッと睨みだす・・・
「何でも自分で抱え込んで全然周りを頼ろうとしないし・・・そう言う所大っ嫌い!!」
「えっ・・ケイっ!?」
士官学校時代も何度かケンカした事は有るが、ここまで激昂しポロポロと涙を流しだす泣き出すケイの様子にアメリアは正直言って困ってしまった・・・
(えっとえっとっ!?こういう時は何て言ったら良いんですか!!)
いつも強気な姿を見せていた彼女にアメリアが内心困惑していると、そうそう・・・俺も困ってるんだよな?と言って来るチャーリーにアメリアからギョッとした顔が上がるとコイツは・・・?とケイは明らかに軽薄そうな男性士官に嫌悪感を見せた。
「おっと・・・昼に一度顔を合わせた筈だぜ?確か・・・ケイ=キタムラ少尉だろ。」
「ああ・・・そう言えば居た気がします。」
そう淡々と答えて来るケイに、こっちが素か・・・と思ったチャーリーは最初に見た愛想の良い彼女とのギャップに苦笑いを浮かべながらアメリアを見た。
「やっぱお前の方が分かりやすくて良いよな・・・」
「ちょっとチャーリー!私の事をバカにしてるんですかっ!?」
「違えよ・・・単純に可愛いって言ってんだよ?」
「うにゃっーー!?」
先日の作戦行動中にも聞いた告白宣言を再び聞いたアメリアから変な声が上がると、この子とは本気なのよね?とケイは低い声を出しながら首を傾げた・・・
「おうよ!俺はアメリアと添い遂げると決めてるからな?」
「ふ~ん・・・あのアメリアがね・・・」
未だ顔を真っ赤にしている親友の姿に仕方ない・・・と納得したケイは真剣な顔でチャーリーに向かって指を差した。
「もし・・・アメリアをまた裏切るような事をしたら私が殺すからね?」
「おっおう・・・そうならない様に気を付けるぜ・・・」
まるで自分の代わりアメリアを守れと言わんばかり脅してくるケイの物騒な警告にチャーリーから苦笑いが浮かぶので有った。