暗躍する請負人の憂鬱    作:トラジマ探偵社

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連続投稿です。




第21話

 アイス・ピラーズ・ブレイクに出場する十文字克人への工作は、俺が天狗さんに捕まった事も相まって何もできなかったので優勝を許す結果となった。圧倒的な実力差を見せつけた上で勝って何が楽しいんだろうね。

 

 ある意味でバックレた形になったワケだが、半日近く拘束してくれた天狗さんにはどうにか意趣返ししたい。

 

 ということで、天狗さん……風間玄信についての情報を持ってる人脈を利用して丸裸にして悪意ある酷評してやる。

 

 風間玄信という男は、Bライセンス所持の古式魔法師だ。あの九重八雲の弟子で皇悠の兄弟子……にしては仲悪いが……そんなこんなで忍術系の古式魔法を扱える。経歴は防衛大学校卒業の幹部候補生教育を終えた超のつくエリート。順調なら大佐かそれ以上になっていたかもしれないが、出世コースから外れたのは大越紛争への介入が原因。目立たなきゃいいものを目立った挙げ句、日本と大亜連合との間に火種を作って帰還した。それで、擁護してくれなかった所属していた自衛隊派から十師族派へ転向した。

 

 優秀であるものの、自らの高い能力を見せたいという自己顕示欲が強い男である。魔法師なんて自己顕示欲の擬人化みたいなものだから、別に彼が特別自己顕示欲が強いという訳ではないので悪しからず。

 

 そんなこんなで長らく大尉止まりであったが、大亜連合による沖縄侵攻戦で侵攻軍を撃退した功績を称えられて再びエリートコースへ返り咲いた。

 

 彼の出世に関して、大きく関わってくるのが『銀狐』と呼ばれている佐伯広海陸軍少将である。

 

 参謀畑を歩んできた才女で、大越紛争で天狗さんを支援して日本と大亜連合に火種を持ち込ませたある意味で元凶だが、魔法師の戦略的・戦術的な運用を出来るのは当時は彼女しかいなかったため、失脚しなかった『有能』な軍人。

 

 そんな人物のお気に入りとなった天狗さんは、佐伯広海の招聘を受けて新設した国防陸軍第一○一旅団隷下の独立魔装大隊の大隊長に少佐への昇任と合わせて任命された。

 

 独立魔装大隊とは、十師族から独立した魔法戦力を備えることを目的に創設したものである。魔法装備を主装備とした実験的な一○一旅団の中でも、新開発された装備のテスト運用を担う部隊である。その為、機密の度合いが通常の軍事機密から5、6段階跳ね上がっている。二個中隊規模の人員がおり、構成員のほとんどが魔法師。特定分野に突出しているクセの強い魔法師が集まっている。自衛隊派が抱える特殊作戦群の魔法師バージョンといったところ。尚、この情報は機密保持の制約を課された上で得た情報で第三者への漏洩は絶対にしないように万全を期している状態での情報入手であることを注釈する。

 

 この独立魔装大隊や第一○一旅団は、反十師族とまではいかなくても国防陸軍で選りすぐった強い魔法師を中心に創設し、更に非公式ながら戦略級魔法師を抱え込んでいる。

 

 誰かと思えば、司波達也だった。血縁関係でいけば従兄にあたる男だ。つまり四葉の人間。

 

 十師族や師補十八家の人間が軍人になるのは構わないのだけど、『十師族から独立した戦力の確立』を目的にしておきながら実際は十師族に依存しているとか……これぞ十師族派クオリティーとも言える体たらくだった。反十師族的で皇悠と同じ中立的立場にいるであろうとされる佐伯少将だったが、十師族の四葉と繫がっているあたりで何も言うまい。

 

 というか、ここでも出てくるか司波達也。

 

 大亜連合の沖縄侵攻を食い止めてくれた功労者にして世界最大規模の破壊力を持つ戦略級魔法を扱える魔法師だという。沖縄は最悪取られる覚悟だっただけに感謝している。潜在的な反乱分子であるレフト・ブラッドの排除してくれたのも感謝している。司一を助けてくれた恩もある。あれ、意外と俺にとってプラスに働いてくれてるな。でも、白旗上げようとした敵兵を白旗上げる前に殺しにかかったり、軍の装備を私的利用したり、権利は行使しても義務は他人に押し付ける軍隊で最も忌み嫌われる立場に籍を置くのは赦せない。軍人になるのか否かハッキリしてほしいところだけど、そもそも十八歳以下が軍に入るのは国際的な条約で禁止だと決められているので軍属になるなよと言いたい。昨今、どこの国でもやっているから一概に何とも言えないのが痛いところ。

 

 本来なら、沖縄侵攻を防いだのは司波達也であるのだが、なんというか……民間人だし、それに彼に装備などの便宜を図って戦わせた風間玄信に家の事情もあって功績を譲る形となり、それで彼は昇任してエリートコースへ返り咲いたのが真相。棚ぼただった。

 

 指揮官としては確かに有能であるが、出世できたのは戦略級魔法師である司波達也と上官の佐伯少将の調整力や根回しのおかげであり、決して本人の能力が高いからではない。他人の力でのし上がってきた男と言えるかもしれない。実際に言ったら地雷だった。

 

 意趣返しには、天狗さんは戦いでのし上がってきたから、絶対に戦場に立たせないようにしてやることだろうか。椅子に座って書類地獄にしてやる。

 

 そこまで考えていたところで、本戦のバトル・ボードが終了した。一高の渡辺摩利の優勝で、二位に七高、三位に三高の水尾佐保という順位だった。

 

 本日の競技は終了したということで、今日はもう戻って寝るだけだろう。

 

 俺が軍の人間に拘束された、という情報は四十九院を通して三高の主立ったメンバーに伝わったらしい。一条が原因究明に動き出し、天狗さんの部下が対応して上手く誤魔化したらしい。立入禁止区域への侵入が原因になっていた。

 

 生徒会長の水尾佐保から叱られ、観戦に来ていた前田校長から直々に叱られるレアな体験も出来たあたりで気分が悪い。利用させてもらったので恨む筋合いはないが、とりあえずおのれ天狗め。

 

 強権使って拘束などされた時、賄賂などの汚職をしまくる十師族派は使い物にならない。彼らが腐っていられるのは魔法師という存在がいるからで、魔法師に対して頭が上がらないのだ。故に風間玄信みたいに国防という強権をいくら利用しようとも黙認するし、証拠隠滅に加担する。軒並み粛清されてほしいけど、たぶん難しいだろうな。

 

 なんて考えながら自室へ向かう途中の事だ。

 

「お前が壬生の依頼を受けたっていう請負人の志村真弘か?」

 

 声を掛けてきたのは野性味あふれる男だった。一高の制服を着てて、見た目がヤクザという強面で怖い。

 

「そうですが、どちら様でしょうか?」

「桐原武明だ。お前に聞きたいことがある」

 

 次から次に問題がやってくるなー。自分で撒いた種なので仕方ないが、それにしたって返ってくるのが早過ぎだろう。

 

 桐原武明と名乗った男は、人通りが無いとはいえ通路の真ん中でいきなり頭を下げるなんて目立つ行動をとった。

 

「頼む! 壬生がどこにいるのか教えてくれ!」

「えっ、嫌ですけど?」

 

 即答した。

 

「な、何故……」

「本人の気持ちの整理が出来てない。それに魔法とは関わりたくないと言っていたから、魔法師である君が関わりに行ったら変に拗れるし精神的にも情緒的にも不安定になるかもしれない。そんなに連れ戻したいんですか?」

「違う! ただ俺は……謝りたいだけなんだ……!」

 

 後悔しているのだろう。懇願するような叫びに俺は絆され……てはいけないので、冷静に事情を伺う。

 

「全て俺が悪いんだ……」

 

 ベンチに座り、語り出した最初の言葉は自分自身を責めるものだった。

 

 桐原武明と壬生さんの関係は高校一年生の時からだったが、桐原は中学時代の壬生さんが出場した剣道の大会を見ていて太刀筋に惚れたらしい。最初は凛々しい容姿に惹かれたのだと思うが、そう思っても野暮だし揚げ足取りなので口にはしない。

 

 なんというか、俺には剣道などといった武術に生きる人間特有の感覚は理解できない。剣が汚染されていたとか言われても、それで頭に血が上って殺しかけるとか、もう少し理性的に振る舞えよとしか思えない。そもそも、利用した俺がああだこうだ言うのはアホの極みなので静かに聞く。

 

 静かに馴れ初めから現在に至るまでの過程を聞いて……聞い、て……壬生さんの魅力をこれでもかと聞かせられた。メスゴリラ信者による精神汚染にも似た圧倒的な語彙力による壬生さん語りには、もはや何を言ってるのか脳が桐原武明の言葉を受け取るのを拒んでいた。そこまで想っているのなら何故殺しかけるのか疑問だが、何となく桐原武明という男を壬生さんに会わせてもいいんじゃないか、と絆されてきていた。

 

 しかし、魔法とは関わりたくない、と壬生さんは言っていた。彼女の了承なしでは魔法師である桐原武明を会わせるのはマズい気がする。魔法師と一般の人間は別の価値観を持っていると言っていいくらいで、一般人から魔法師へなるのは容易であるものの、魔法師から一般人へ戻るのは並大抵の事ではない。どこまでいっても魔法師の価値観や感覚が残り、魔法師がどれだけ優遇されていたか思い知らされ、更に世間の風当たりも強く、様々な面で不利益を被る。魔法力喪失した元魔法師が社会不適合者となる事例は後を絶たない。

 

 そういう事で、現在の壬生さんは社会復帰の真っ最中という事も相まって桐原さんを会わせる訳にはいかない。どれだけ彼が壬生さんの事で後悔してようと、心を鬼にして拒否しなければならない。

 

「あの……私からもお願いできるかしら?」

 

 断りの言葉を言おうとしていたら、別の人が桐原さんと一緒になってお願いしてきた。

 

「あっ、ごめんなさい。いきなり話しかけちゃって。私は一高の生徒会長をしている七草真由美です。志村くんだったわよね。私からも、桐原くんと壬生さんが和解できるよう協力してくれないかしら?」

 

 桐原さんには「七草真由美は無関係」と念押ししていたから、両者間に蟠りは存在しない。むしろ、身内がやらかした事に腹を立てた七草真由美は桐原さんに協力的だ。ある意味で七草家の失態を尻拭いしている状況か。出場した競技で負けて色々なところから責められたらしいが、全く引き摺っている様子はない。内心はさておき。

 

 さり気なく『七草』という名字を強調して十師族としての権威をちらつかせてきているあたり、交渉する気が無いことが窺える。桐原さんに便乗してついて来そうな感じがするし、壬生さんが情緒不安定になりそう。

 

 これはマズい。俺は日本の一般魔法師だから、十師族の権威に逆らえないので頼まれたら断れない。きちんと事情を話せば問題ないかもしれないけど、喋ったところで権威によるゴリ押しが待っていると考えると面倒くさい。

 

「協力するのはいいですけど、姫殿下と壬生さんからの許可を得てからでいいでしょうか?」

 

 ここで必殺の手札、皇悠の権威だ。

 

 十師族は日本の魔法師社会という狭い世界で絶大な権威と力が振るえるが、日本の社会では通じない。日本という国の社会で同等以上の権威がある皇悠の名前を出せば、そのまま『十師族の権威が通じない』ことを表しており、七草真由美は表情には出てないが、内心では皇悠に対するヘイトがバク上がりしてそう。

 

「どうしてそこで姫殿下が出てくるの?」

「壬生さんの父親が俺に依頼したのですけど、俺は姫殿下に壬生さんの保護を頼んだんです。あとは姫殿下の腹心がやってきてどこかへ連れて行ったので俺は感知してないんです。すみません、お力になれず」

「そこをどうにか出来ない?」

「やれるだけやってみます」

 

 出来るとは言わないし、会わせるとは言わない。最終的な判断は壬生さんにあるべきで、俺や皇悠には決定権は無い。

 

「姫殿下とどういう関係なの?」

「一条にも聞かれたんですけど、そんなに気になるものなんですかね。姫殿下は単なる依頼人ですよ」

「どんな依頼?」

「今は護衛の仕事していますね。他はいろいろなんですけど、これ以上は秘密保護の観点からお答えできません」

「そうなの」

 

 あっさり引き下がったので、大した興味は無いのだろう。

 

 よし、終わりだな。

 

「姫殿下が老師と何を会話しているか知らない?」

 

 九島烈と皇悠が結託して何か企んでいると思っているらしい。陰謀論に繋げてばかりで生き難くないかな。

 

「孫の自慢話していたと思うんですけど、自分が関係してない話だから、覚えてないです」

 

 話は終わり、ようやく面倒な相手から解放された。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

「志村、本当に立入禁止区域に入ったのか?」

 

 一条と吉祥寺が同室なので二人がいるのは良いとして、一条が俺と将棋を指している時に話しかけてくる。集中力を乱す作戦にシフトしたのだろう。

 

「いや、別に入ってないけど」

「入ってないのかよ」

「本当は何をしたの?」

「聞きたいのか」

「ああ」

 

 一旦、将棋を止める。立ち上がって室内に天狗共が仕掛けたカメラや盗聴器を破壊する。そう数は多くないけど、最新式のものであったら気づけない所に設置するあたり性格の悪さが窺える。

 

 手際よく処理していると、二人がポカンとしているのが見えた。

 

「手伝うか?」

「誰が仕掛けたやつなんだ?」

「国防軍に決まっているだろう。ここにいる陸軍の連中は姫殿下とは敵対する側の人間が多いから、彼女と近しい人間を監視するのは当然だろう。十師族だってやってるし」

「それは……いや、そもそも知ってて今まで何もしなかったのかよ」

「待って、将輝。志村は敢えて何もしなかったんじゃないかな。外すと別の日にまた設置されるから、その度に対処する手間を省きたかったんだと思う」

「じゃあ、今になって外すってことは聞かれたら困る内容ってことか?」

「まあ、そうなる。後戻りできなくなった訳だけど、引き返すなら今の内だよ」

「大丈夫だ」

 

 何も知らないで巻き込まれるよりは幾分かマシだろう。他の人間から知らされるより、俺から話すことの方が変に拗れなくて済む。

 

「俺が国防軍に捕まったのは横浜の中華街に行ったからってのと、東アジアへの渡航歴があったからだ。状況証拠だけだが、あちらはスパイ容疑で拘束することで姫殿下に揺さぶりをかけることが目的だったんだろう。で、解放されたのは姫殿下が裏で何をしていたか知れたからだ」

「……何をしていたんだ?」

「大亜連合との和平の締結だって」

「そんなことが……」

 

 驚くのも無理はない。

 

 三年前から大亜連合とは戦争状態にあるから、ここにきて和平を結ぶのだからな。向こうはあちこちと戦いすぎて、もう戦うことに嫌気がさしているし、国力が疲弊しているので講和に走るのは自然な流れだろう。

 

 なんて言って誤魔化すのか考えていなかったのもあるが、その内知れるだろうし、今の内に話しておけばどっちに回るか推測しやすいので全部話す。フライングの批判は無しでお願いしたい。

 

「一条と吉祥寺は戦争がしたいか?」

「何を言い出すんだ。誰が好き好んで戦争するか」

「それ本気で訊いているんだったら、流石に怒るよ」

 

 吉祥寺に関してはガチだったので、これは新ソ連による侵攻で両親を亡くしていることに起因する。魔法師なら、自分の存在意義の為に戦争しなければならない生き物だから、てっきり戦争したいと言うものだと勘違いしていた。いや、これは俺の訊き方が悪かったかもしれない。誰が「戦争したいか?」と聞かれて「戦争したい」と答える人間がいるだろうか。

 

 第三次世界大戦で何十億という人間が死んだのにまだ戦争する気概があることに感心するが、そろそろいい加減に平和への道を模索してほしいところがある。そんな事しようと思えば、魔法師の存在がネックとなるのは言うまでもなく、兵器であり戦う存在である魔法師が平和な世の中に順応できるかが焦点になっていくだろう。魔法師が必要とされるのは『戦争』という需要があるからで、無くなってしまえば殆どの魔法師が存在意義を失ってしまうからな。自由や権利の次は、生き甲斐や存在意義を求めるとは何とも都合が良い。

 

 要するのに魔法師は戦争が無ければ生きていけない人種なのだ。

 

 そんな極論を展開すると、二人から「そんなことない!」と非難轟々だった。

 

「俺たちは確かに兵器として生み出されたかもしれないけど、決して戦うことだけが全てじゃないハズだ!」

「将輝の言う通りだよ。戦う事以外で活躍する魔法師だっているのにそれはあまりにも暴論だよ」

 

 その戦う以外で生きる魔法師は、魔法が収入に結びつかなかったりして魔法とは全く関係ない仕事をしている件については伏せておく。なんというか、普通に生きていく上で魔法って必要ないんだな。それが一番なんだろうけど。

 

「そういう魔法師ばかりじゃないのが現実で、魔法師が最も活躍する戦場を奪おうとしてるんだよ。大亜連合との平和条約締結はその第一歩だろう。

 

 当然、この講和に反対する人間は大亜連合にも日本にもいるから邪魔が入るだろうな。どちらにとっても確実なのは魔法師を送り込んで魔法に耐性のない講和の中心人物である姫殿下を殺すことだ。そうすれば大亜連合との講和はご破算になる。しかし、姫殿下のシンパである古式魔法師たちや軍人がクーデターを起こすだろう。全部潰せば一気に十師族の天下だ。逆に姫殿下を殺さずにいれば、この国の魔法師の自由が損なわれる。今得ている自由からさらなる自由を得るか、不自由な自由を得るかのどちらかしかない訳だけど、どっちにする?」

「どっちって……」

「戦争しない。魔法師は自由を奪われないって……都合よくいかないの?」

「都合よくいかないの」

 

 ギャグっぽい返しに白けた空気が漂う。ごめんね、下手くそで。

 

 真面目な話はここまでにしておきたいので、最後にこう締めくくる。

 

「今は頭の片隅にでも覚えておけばいい。その内知れるだろうし、周りがどう考えて動くか訊いた上で決断すればいい」

「志村は姫殿下の側につくのか?」

「当然だよ」

 

 俺は戦争したくないし。

 

 ということで、真面目な会話は終わり。将棋に戻る。

 

 穴熊囲いを築き上げた現在、じわりじわりと一条陣営の駒を磨り潰して詰めていく攻め方は断頭台で首を切られる列に並ばされている絶望感を味わっているだろう。

 

 そして、ついに残すは王将のみとなった。

 

「くっ、降参だ」

「一条は考えるより先に動く人間だからな。今まで力でゴリ押ししてきたから、戦術とか考えるのは苦手だろ?」

「それに関してはジョージがいるから大丈夫だ。なんてったって参謀だからな」

「だってさ。吉祥寺、一条家の命運は君に託されたと言っても過言でない。責任重大だ」

「僕は研究畑の人間なんだけど……」

 

 政治などには専門外だと言うが、世の中には政治や軍事に口出す魔法研究者が存在するので魔法師であれば素人でも専門外でも構わないと思われる。それに十師族なんだから自分たちの利権やら利益だけを考えて踏ん反り返ってれば良いので、求められるのは家の利益を優先できる打算的で冷酷非道な判断力だと思われる。

 

 そんな事を言えば、一条は怒るだろう。佐渡島で父親と共に義勇軍……と言えば聞こえは良いが、民兵として戦った経験があり、十師族としてそれなりに活動してきたハズの人間なのに『綺麗な部分』しか知らないからな。十師族として国家を守っている意識が大きい。

 

 利用しやすいポンコツ。担ぎやすい人間。

 

 それが一条に対する俺の評価だった。単体の戦闘力が高いのは認める。

 

 

 

 

 




補足。

主人公が拘束される原因を作ったのは藤林響子ですが、情報をリークさせたのは元老院です。姫殿下が藤林響子を怒らせる言動をしたかといえば、自分は関知していないということの証明です。

主人公は姫殿下を殺さない選択をしましたが、逆に殺していれば魔法科高校の劣等生の裏テーマの「さすおに」が始まります。そうなると、主人公は単なるかませ犬に成り下がってサンドバックになって終わります。

桐原武明が主人公が壬生紗耶香を匿っている情報を入手できたのは、彼女の父親の壬生勇三が喋ったからです。

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