グビ姉vsビールバカ、南海の大決戦!   作:三流FLASH職人

14 / 18
飯テロを文章で表現する事のなんと至難なことか・・・


第13話 グビ姉VSビールバカ、ROUND2!

 各自が自分のホイル焼き串を皿に乗せ、ぱりぱりとホイルを開いていく。

「おお~、切り身の塩焼きが3つ、コレ全部違う魚だ!」

夏海が引いたのはカワハギ、バリ、ヘダイの3種の切り身塩焼き。バリとヘダイはちゃんと

皮が付いた部分で、食感と香ばしさマシマシになっている。

「こっちはキュウセン丸ごと一匹、マヨネーズ焼きがタンパクな白身によく合う・・・」

大野が引いたのはいかにもな魚の丸焼き、焼けたマヨネーズのコクが白身魚とベストマッチだ。、

 

「あたしのは・・・これボラね、コショウが効いておいしかばい。」

脂の旨味たっぷりの身を頬張りながら満足げな黒岩、その後ろではさやかが引いた

バリの醤油と味醂の照り焼きに合う酒をクーラーボックスから物色中だ。

 

「ひえぇぇぇぇ・・・」

 陽渚が手にしているのは・・・キスのメザシだ。5匹のキスが竹串で目を貫かれており

見た目にもかなりインパクトがすごい。

「あーハズレ枠引いてもうたなぁ、陽渚ちゃん。」

 実はこれ、真面目な料理ばかりだと面白味が無いと思って仕込んだネタ枠だ。

ロクに味付けもされておらず、本人が希望すれば交換して、なでしこが味付けを

し直す算段だったんだが・・・

 

「それ美味しそう!ねぇ鶴木さん、私のと交換しない?」

そう提案したのはグビ姉だ。いいんですか?と言いつつ申し訳なさそうに鳥羽先生と

皿を交換し、再度ホイルオーペンッ!する。

「うわぁ・・・美味しそう!」

出てきたのはイサギ切り身のバター焼きだ、タマネギが多く添えられており食欲をそそる。

 

「本当にいいんですか?」

「いーのいーの、へっへっへ~、仕上げをほろうひろ~」

言いながらキスにかぶりつき、骨と頭とシッポだけにすると、その骨を再度串に絡めて

再び焚火で炙り出す。

 ほどなく香ばしい匂いになったキスの骨を日本酒の中にぶち込み、くんくん匂いを嗅いで

一気に煽るグビ姉。

「ぷっはぁ~、骨酒おいち~♪」

なるほど、交換の目的はコレか、さすがグビ姉。

 

「あたしはアジのつみれ串だな、う~ん、中に入ってるチーズがトロトロでウマ~」

「(おお!最強無敵のバター醤油焼きゲットだ!やったぜ)」

陽渚が選んだ他の2本はなかなかに当たりだったようだ、特にリンが手にしたブダイの

バター醤油焼きは、彼女が調理時から狙っていた一品だった。陽渚ちゃんナイス!

 

「ウチは切り身2枚のチーズ挟み焼きや~、ええ仕事しとるなぁ。」

「私はアジの丸焼きだよっ!『丸焼きコンビ』だね真ちゃん!」

 あおいの獲物はなでしこが作った薄切りの切り身でチーズを挟んだサンド焼き、その

なでしこがゲットしたのはあおい作のアジの丸焼きレモン汁添え、簡単な料理だが

素材の味が生きる点で下手に凝った料理よりもクオリティが高い。

 

「私は切り身焼のカレー風味、あたしが作ったやつだ・・・。」

恵那が引いたのはチヌの切り身だ、大野からチヌは少し泥臭いと聞いていたので

カレー粉をまんべんなくまぶして焼いてみたのだ。一口頬張ってにぱっ!と笑顔。

「うん、これおいしい、当たりだよ。」

「お魚にカレーって合うんですよ、ナイスです。」

大野がぐっ!と親指を立てる。

 

「しっかし、流石と言うかすごいね、即興で作ったとは思えないバリエーションの高さと多さ、

みんな料理めっちゃうまいじゃん!」

 串焼きを平らげた夏海が感心して言う。確かに一串ひと串が違う発想で調理、味付けされており

普段の彼女たちの料理のバリエーションの多さを伺わせる。

「キャンプめしは最重要課題なのですよ、コレが楽しみでキャンプしてるんだし。」

「それはなでしこだけだ。」

リンのツッコミに、なでしこはあう!と目をバツ印にした後、えへへ~と頭を掻く。

 

「でも本当に美味しいです♪」

 陽渚がハシで魚の切り身を口に運びながらご満悦だ。さっきまではドンブリの刺身とご飯

だっただけに、香ばしい焼き魚は口の中を飽きさせない味代わりを与えてくれる。

 

「まだまだ串あるから、どんどん引いてくれたまえ!」

 千明が皿に残った串を指して言う、なでしこを除けば正直もうこの一本と丼で

お腹一杯なのだが、未だに明かされてないホイルの中身には興味も沸く。

夏海が、大野が、黒岩が、そしてさやかとグビ姉が、最後になでしこが2本引いて

串焼き皿は空となった。

 

 串焼きを頬張りつつ、最後はほとんどがお茶漬けにしたドンブリをなんとか空にする。

・・・まぁドンブリ2杯目に突入しているツワモノが約1名いるのだが、そこはおいておこう。

 

「食べた~」

「まんぞくまんぞく・・・」

「食べ過ぎた、またダイエットしなきゃ。」

「私・・・もう・・・無理。」

なでしこと飲酒組以外のほぼ全員がお腹を押さえ、イスにもたれてギブアップ宣言。

 

 と、串焼き(カワハギとボラの肝焼き)を手にしたグビ姉がゆらっ!と立ち上がり、

ふらふらとなでしこに近づいていく。

「・・・鳥羽先生?」

その細目を半目にしたグビ姉がにたり、と笑ってなでしこにぐぐっと顔を近づける。

「かがみひゃらは~ん、おいひ~りょーりありがとね~。ひぇんひぇ~かんろ~しちゃった~。」

「あーあ、完全に出来上がってるね。」

「ほらほらユウ姉、お相手しなきゃ。」

 夏海の指摘にはいはい、と鳥羽先生の肩を掴む黒岩。酒瓶を片手に『お酌するばい座って』と

ジェスチャーで伝える。

 

 一方の恵那は和気藹々とさやかにお酌を続けている、というか絡み酒になる前にどんどん

お酌してリアクションを起こさせない算段のようだ。黒岩も恵那にならってグビ姉に

酒を注いでいく。

 

 周囲が空ビンで埋めつくされる頃、呑兵衛二人は机に突っ伏して高いびきと相成った。

 

「じゃあ、片付くっか!」

「「うっし!」」

 女子高生全員が立ち上がる、片付けから入浴までの用事を済ませるのは両先生がダブルKO

している今しかない、ほどよく腹もこなれた彼女達はてきぱきと皿を片付け、数人が洗い場に

持っていって洗浄にかかり、他の者はテーブルの掃除と焚火の片づけに入る。

 

 -かぽーん-

 

 今日こそはゆっくり風呂に浸かれる、と食後の入浴にご満悦の9人。

 

「でも鳥羽先生も楽しそうだったよねー、やっぱ一緒に呑む人がいるのいいんだろうね。」

「まー、あんまり絡まれるのはアレだけどね。」

そんな会話をしている時、ふとなでしこがこう言った。

 

「そういやあの二人、どっちかお酒強いんだろう・・・?」

 

「やっぱ鳥羽先生じゃない?さやか先生ってビールメインだし。」

「でも鳥羽先生ってすぐ潰れるし、小谷先生ってすごくペース早いよ?」

「さやかちゃんもすぐ寝るけんね、起きるのも早かばってん。」

「アルコール度数で言えば鳥羽先生、呑む量で言えばさやかちゃんか・・・」

喧々囂々の会議の中、千明が湯船からざばあっ!と立ち上がり、やおら手マイクでこう叫ぶ!

 

「グビ姉VSビールバカ、南海の大決戦!勝つのはどっちだ!?」

 

「なんやそれ~・・・」

「想像したくないよそんなの~」

「はた迷惑、それ以外の言葉が浮かばん!」

陽渚とリンが絵面を想像して青い顔で否定する、逆に恵那は面白そう、と顔を綻ばせる。

 

 そこから先は妄想合戦となった。山に潜む大怪獣『愚火姉』が南国の酒を求めて

列島を南下、それを阻止すべく秘密結社NOKURUの精鋭が立ちはだかる中、南国の海深くに

封じられていた大妖怪ビア・ザ・フールが呼応して目覚め、芦方の海岸で一大決戦!

地元の『堤防衛軍』がNOKURUと共にその怪獣二頭に立ち向かう!果たして日本の運命は!?

 

【挿絵表示】

 

 夏海と千明が怪獣に扮し、湯船の上で死闘を続ける2人を演ずる。が、途中で怪獣役なら

大野さんとあおいの方が適任という事でキャスト交代となる。

「(これじゃあ巨大怪獣じゃなくて巨乳怪獣だぜ・・・)」

リンが全員の代弁をする、風呂の中で裸になってみると本当にこの二人は・・・全く

羨ましい限りだぜ!

 

 

 そんな馬鹿をやっている時、食堂ではテーブルのさやかがう~ん、と頭を振って目を覚ます。

潰れるのも起きるのも早い彼女は、隣で寝ている鳥羽先生を揺すって起こす。

「ん・・・う~ん、ああ、寝ちゃってましたか。」

 目をこすって体を起こす美波。キャンプとはいえ少々ハメを外しすぎたかな、と心で反省。

と、二人の目の前にはコップと麦茶のペットボトル、生徒たちが用意してくれてたのだろう。

 

 二人はふふ、と笑い合って麦茶を注ぎ、飲み干す。

 

「小谷先生、酔い覚ましに海岸散歩しません?」

「いいわね、行きましょう。」

連れだって千鳥足で食堂を後にする、途中イスをいくつか蹴倒したようだがささいな事だ。

 

「ホントに、来てよかったです。」

「でも明日にはもう帰るんでしょ~、せっかく呑み友が出来たのに、寂しいわぁ~」

年配者のさやかの方が子供っぽい発言をする。それに応じて美波はこう返した。

「生徒たちはもっとそう思うでしょうね・・・仲良くなりすぎですよ、あの娘達。」

 あ、という顔で美波を見るさやか。確かに黒岩はともかく大野や帆高さん、鶴木さんは

彼女らが帰る時はきっと別れを惜しむだろう、泣く娘もいるかも知れない。

 

 でも、それも含めて経験なのだろう、出会いと別れ、それが人生。

満天の星空の下、夜風に当たり、潮騒をBGMにして2人の教師は生徒たちのロマンチックな

邂逅に思いを馳せていた。酔った心地よさもそんな想いに拍車をかけていく。

 

 

「あれ?先生達がいない?」

風呂上りにそう言ったのは恵那だ、さっきまで潰れていた二人の姿が消えている。

「もう寝たんじゃない?」

夏海の言葉にテントをチェックするが、どこにも二人の姿はない。よく見るとテーブルの

際のイスが薙ぎ倒されており、ただ事ではなさを予感させる。

 

「って、アレ先生たちやないか?」

あおいが指さしたのは、海岸で大の字になって寝そべってる二つの影。あそこまで足跡が

てんてんと続いている、どうやら両先生で間違いなさそうだ。

 

「かくしてグビ姉とビールバカは共倒れとなり、芦方に平和が戻ったのである!」

 

 

 風呂場の続きを奇麗に締めた千明であったが、このあと両先生をかついで帰るイベントが

彼女たちには追加されていた。

 

 ちなみに千明が鳥羽先生を担いでいる最中、いきなり背中から何かキラキラしたものが

降り注いだのだが、それは詳しく語らないでおこう。  

                            By千明




タイトル詐欺、ここに完結w
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。