今回、寮の点数のさじ加減がわかりませんでした……。あと、原作最後のグリフィンドールの逆転劇はスリザリン生の立場からだとひどいと思います。
入学の翌日からすぐにホグワーツの授業は始まった。
純血主義のスリザリンにマグル生まれの俺や亜人であるデアたちが溶け込めるかは確かに心配だったので、基本的に家柄によって上級生にもマウントが取れるドラコがかばってくれるのは助かっているといえば助かっている。
情けは人のためならずがスリザリン全体が浸透していっているのが懸念材料だが俺には都合がいいのでよしとしたい。
授業初日の朝は、夜中ぐっすり眠ることができたからか、いつものように起きることができたので朝食は大広間でドラコ達と共にとった。女子組はデアとメアリーが寝坊したため少し遅れて現れたが、朝食の時間には間に合ったので問題はないだろう。
さっきまで寝ていたというのにメアリーはシャキッとしていた。ジェーンが彼女に生命力どうこう言っていないのでおそらく生命力をもらって起床したのだろう。メアリーが「夢魔は元々夜行性だから朝に弱いだけなの。だから明日からはいいわ……」と言っていたので間違いはなさそうである。
一方デアは寝ぼけたまますごい勢いで朝食を平らげていた。昨日はかけていなかった眼鏡をかけていて少し驚いた。
「ずっとコンタクトつけてたら目がおかしくなっちゃうよ。ただでさえ目が弱いから動く必要ないときは外すか眼鏡かけてるの」
そう言っていた彼女は今、俺の数十倍くらいは食べたはずなのにそれでも足りないようで、それらを平らげながらも後で食べられるようにと用意した容器に料理を突っ込んでいった。容器には食糧を保存できる魔法がかかっているのである程度は長持ちさせることができるらしい。
次の日の朝も同じような感じだったので二人の寝坊が改善されることはないのだろう。
朝食を取り終えると少し休憩して授業の時間割を確認し、早めに教室へと向かう。
ホグワーツの校内はとても移動しにくいからだ。
階段は百四十二個もあるうえに好き勝手に動いて別の場所へつながるし、無駄に広かったり、とても狭かったりする。それならまだましで真ん中の段が途中で消えるという危険極まりないものまで存在している。
扉も扉で丁寧にお願いしないと開かないものや扉に見えてただの壁というものがあるので油断ならない。
場内にはいたるところに絵画がかかっているため、それらを目印にできればいいのだが、それはできない。肖像画の人物が意志を持っているので絵画の間を勝手に移動してしまうのである。
校内を徘徊しているゴーストに聞けば色々教えてくれるのだが彼らも彼らで記憶がおぼろげで間違っていることが多々あるのが問題だ。スリザリンのゴーストである『血みどろ男爵』は親切にしてくれる。しかし、彼は名前のように血みどろで体中に銀色の血がべったりとついているため急に出現されると心臓に悪い。
基本的にゴーストは友好的であるが、ポルターガイストとなるとそうではない。ポルターガイストのピーブズは生徒にいたずらをしかけてくる。ゴミ箱を頭の上でぶちまけたり、足元の絨毯を引っ張ったりといったことだ。
授業に遅れそうなときにピーブズに会ってしまうとその授業には遅れることが決定してしまう。
やりたい放題の彼が言うことを聞くのは血みどろ男爵といたずら仲間のフレッドとジョージだけ。スリザリンの生徒に親切な彼の言うことを聞くのは幸いだがいつもいるとは限らない。
管理人のフィルチとそのペットの猫ミセス・ノリスも別の意味で厄介である。ハリーが四階の立ち入り禁止の廊下に迷い込んだ際には、間違って入ってしまったと言っても彼には信じてもらえず、とても怒られたという。
ミセス・ノリスは猫だというのに知能が高く、彼女一匹で見回りをしており、その目の前で規則を違反しようものなら二秒後には校内にある秘密の通路を使い近道したフィルチがその場に到着するらしい。
と、原作キャラクターであればこのように困るのだが、実はオリジナルキャラクターの化け物どもと一緒であれば大体どうとにでもなる。
校内が移動しにくい? 確かに動く階段に飛び乗るのは面倒であるがそれだけである。一番の問題点は場所が覚えられないことだがタスさんと共に行動すれば迷うことはまずない。
彼女は校内のほぼすべての構造を覚えており、扉の開け方や秘密の通路も熟知している。無駄に回り道をして楽しむのが難点だが授業時間前には必ず到着するので問題はない。
ポルターガイストのピーブズ? 彼はメアリーを一目見た時点で彼女を気にいった。彼女の友人である俺たちに危害は加えない。さすがどの登場人物にも愛される理想の主人公様である。平穏な学生生活のためにピーブスには悪いが彼女の信者でいてもらおう。
フィルチとミセス・ノリス? スリザリンの連中は規則自体はある程度遵守するし、違反をするとしてもばれない範囲や許される範囲でやるので怒られることはめったにない。
タスさんがいるので立ち入り禁止の場所に迷い込むことはないし、もし侵入するとしても絶対ばれないようにするはずなので問題ない。
とはいえ、早めに行くこしたことはない。怪物たちは好き勝手やってるだけだから信用ならないしな。
これらよりもむしろ授業で彼女たちがやらかさないかの方が心配なくらいである。
水曜日の夜は「天文学」。夜中に望遠鏡で夜空を観察して星の名前や動きを学ぶ授業と魔法に関係なかったので平和そのものだった。
真夜中の授業であるため眠いのが唯一の欠点である。皆が眠そうに目をこすっている中、メアリーだけは昼間と違い妙にハイテンションだったので本当に夜行性らしい。デアが望遠鏡を壊すハプニングはあったが、星や惑星といったものであればある程度の情報が頭の中に浮かぶ俺にとってはとても楽な授業であった。
週三回の「薬草学」はずんぐり小柄なスプラウト先生が受け持っている。彼女はハッフルパフの寮監だけあって温厚な先生であった。彼女の授業では魔法植物について学ぶ。先生が授業用に用意していたきのこをデアが生でつまみ食いしたこと以外はこの授業もいたって平和であった。
「魔法史」の授業は平和すぎて逆に退屈だった。ホグワーツで唯一のゴーストの先生が教える授業ということ以外に特徴がなく、魔法界の歴史をただ覚えるだけというマグルの歴史の授業と大差ないものであったからである。
タスさんとジェーンは教科書の内容を覚えてしまっていたらしくタスさんは話を聞かずにジャグリングの練習をしていたし、ジェーンはつまらなすぎて眠りそうなメアリーに面白くアレンジした授業をしていた。ビンズ先生の一本調子な授業よりわかりやすそうだったのは気のせいだと思いたい。デアはデアで勝手に持ち込んだ食べ物を食べていてまったく話を聞いておらず、俺を含めた生徒の大半も睡眠学習へと移っていった。
彼女たちがやらかしたのは初めて杖を使った授業の「妖精の呪文」。担当はこの間メアリーが説明していたフリット・ウィック先生。小柄な彼は積み上げた本の上に乗って授業をする。
彼の授業でやらかしたのはタスさん。呪文の実習時に呪文に効果を追加したうえで効果が同様の自身の妖精の魔法と共にド派手な花火を打ち上げた。彼はそんな行動も否定せず素晴らしいと褒めスリザリンに得点をくれた。いい先生である。
この数年間スリザリンは最高得点を取り続けており、寮杯を獲得し続けている。スリザリン生は今年も取る気なので彼女が得点を獲得し喜んでいたが俺は気が気でない。なぜなら今年はグリフィンドールが優勝するはずだからだ。
このまま彼女たちが得点を取り続けるとスリザリンが優勝してしまいかねない。タスさんに聞くと「校長先生がなんとかしてくれますわ。なのでワタクシも安心して目立てるので助かりますの」とのことだった。
スリザリンがトップだったところに駆け込みで点数が入りグリフィンドールが優勝することになるはずで、そのとき点数を入れるのがダンブルドアなのだ。よって彼の意向でグリフィンソールが優勝すると言っても過言でないためよほどの点数差でなければなんとかできるだろうが、それはそれでスリザリン生がかわいそうでないかと思う。だからといってグリフィンドールが逆転できなければ困るが。
マクゴナガル先生の「変身術」の授業は最初から難易度が高かった。複雑な理論をノートに写したあと、実演として彼女が机を豚に変えてそれを戻して見せた。
大きなものを変化させられるのは難しいと、一人一本ずつマッチ棒が配られ、まずはマッチ棒を針に変える練習から始まった。
それですら一年生には難易度が高く、クラスのほとんどのマッチ棒がなんの変化もなかった。
原作で変化させることができたと明記されているのはハーマイオニーただ一人だけである。彼女はマッチ棒をほぼ針と言っていいほど銀色で細く尖らせた。そしてめったに笑わないマクゴナガル先生が微笑む。
よってスリザリンで変化させることができた奴はいない……はずだったのだが、ここでも彼女たちはやらかした。
完璧な針へと変身させたのは二人。ジェーンとタスさん。
ジェーンはドッペルゲンガーという種族の特性上、変身術が得意であるようで実習開始直後、息をするようにマッチ棒を針へと変身させた。
マクゴナガル先生もこんなにも早く完璧に仕上げる者がいるとは思っていなかったようで最初は不正を疑ったが、彼女が何回か再現してみせると素晴らしいと言って微笑みながらスリザリンに加点した。
続いてタスさんが完璧な針へと変身させ先生に提出した後、「これだけではつまらないですわ。妖精の魔法ならもっと色々できますの」と言いながら指を鳴らすと余っていたマッチ棒を勝手に針金人形に変え、サーカスを再現して先生に大量に減点されていた。ただし、先生はその後、その技術は褒められるべきであると大量に加点してくれたのでプラスマイナスゼロである。
完璧とは言えないが表面を銀色に変化させたのがメアリー。彼女がジェーンに教わりながらまったく変化のないマッチ棒を前に唸っていると杖が宙に浮き勝手に魔法をかけた。
自発性が高く、自分の判断で勝手な振る舞いをするという不死鳥の尾羽根を芯にした杖かつメアリーが完全に杖を手なずけているからといえばすごいように思えるが、ただ彼女がメアリー・スーなだけである。一応彼女も完璧に変化させたジェーンや原作のハーマイオニーには劣るが結果は出てはいるので少し点を貰い授業終了の鐘がなった。
俺とデアは他のやつらと同様に表面の色が変わった気すらしないまま授業が終わってしまった。しかし、ほとんどの生徒がそうなので変化させることのできた連中の方がおかしいのである。
そして俺が最も危険視する授業かつ、一年生が最も楽しみにしていた授業が「闇の魔術に対する防衛術」である。
一般の生徒であれば期待はずれの授業というだけだった。一年生は闇の魔術に関することをたくさん学べると期待していたのだが、担当のクィレル先生は自分がトロールが専門だと説明するとなにかに怯え始め、その後は全く授業にならなかったからである。トロールは巨人のような生き物なのだが、詳しくは後日説明することになるだろう。
彼にはルーマニアで出会った吸血鬼に怯えているという噂があり、それを立証するかのように教室にはにんにくの匂いが立ち込めている。
彼は頭にターバンを巻いていて「アフリカの王子さまを助けたときにお礼で貰ったんだよ」と授業中に言っていた。そのターバンからは変な臭いがする。フレッドとジョージはにんにくの臭いだと思っているようだがそれは違う。その匂いの原因こそ俺がこの授業を最も危険視する理由である。
ひどいネタバレだが彼の頭にヴォルデモートが取りついている。彼がルーマニアであったのも怯えているのも吸血鬼ではなくヴォルデモートなのだ。
ターバンをかぶっているのはそれを隠すため。ヴォルデモートは生き延びるためにユニコーンの血を飲んでいる。にんにくの匂いは血の匂いを隠すためのダミーだ。
最も危険視しているのは物語のラスボスに取りつかれているやつがしている授業だから、というわけである。幸い何事もなく、彼女たちもなにも変な動きを見せなかったのでよかった。今年一年なんとかこのまま乗り切りたい。
そして今日、次は初めての「魔法薬学」の授業である。この授業は三番目に警戒している。二番目は「飛行訓練」の授業。その理由はどちらもグリフィンドールの授業であるからだ。つまりハリーを含める物語の主役三人と同じ教室で授業を受けなければならない。怪物が変な真似をして原作から乖離しないことを祈るのみである。
早めに教室へ来たためかスネイプ先生の姿はなく頭痛の種たちと雑談をして先生を待つ。
教室の壁にはアルコール漬けのなんだかわからない生き物が入ったガラス瓶が無数に置いてあり気味が悪い。それに他の教室よりここは寒い。薬品の保存をするには気温は低いほういいのだろうか。
「今日はグリフィンドールとの合同なんだから変なことはしないでくれよ」
「ワタクシはいつものように魅せて目立って楽しませるだけですわ」
「それをやめてほしいんだ」
「絶対無理ですわ!」
「お前らもなんとか言ってくれ」
今回も目立つ気満々であるタスさんに注意してほしいと他の四人に頼んでみることにする。
「みんな楽しそうだしいいんじゃない? あたしは楽しんでるよー。ここの授業あたしには全部難しいしいい息抜きになるんだ」
「クィレル先生のターバンをはぎ取るとかそいういう致命的なことをしなければいいんじゃないかしら」
「そうですね。さすがにそれは危険すぎるのでやめた方がいいです」
「さすがのワタクシもそれはしないので安心してくださいな」
「それはうれしいんだが、他のも自重してほしい」
「ワタクシはここにエンターテイメントをしにきているのでそれはできないですわ」
「魔法の勉強をしにきてて欲しかった。あと、タスさん以外も全員やらかしてるからな」
「すみません。さすがに一発で変身させることはできないかと思っていたんですけど」
「ごめんなさい。杖が勝手に唱えてしまって」
「あたしは失敗続きでなにもしてないよ?」
「ジェーンはそれであってるけどメアリーはそれじゃなくてピーブズを魅了したことだ」
「ああ、ごめんなさい。ピーブズの話だったのね。でもあれは勝手にそうなっちゃうの」
「なんとかコントロールしてくれ。そしてデアは自覚すらないのか?」
「え? あたしなんかあったっけ?」
「薬草学できのこつまみ食いしたことと魔法史で勝手に持ち込んだ食べ物を食べていたこと」
「おいしかったなー」
「大きな問題につながってないからいいけど気を付けないといつか本当にやらかすかもしれないぞ」
「そのときはそのときですわ」
「適当すぎるだろ」
「自重すればいいというけれどどうすればいいのかしら? 本気ださないのも舐め腐ってる嫌な奴でしょう?」
彼女たちが自重しなければ世界観はぶっ壊れるし原作キャラを完全に喰ってしまう。しかし、自重をすれば面倒事に巻き込まれるのが嫌なのであえて手を抜くという周囲を小馬鹿にした態度が鼻に衝く。
どちらにせよ詰んでいるが、そもそも原作の世界観を覆すほど高いスペックを設定しているのが間違いなのである。
スーパーマンばかりの物語を面白くするのは難しい。弱いキャラが考えて状況を打破したり、弱いながら頑張ったりする話の方が面白く作りやすい。
まあ、メアリー・スーという時点で自己陶酔したいだけなので、おもしろさなんてものは頭の片隅にもないだろうし、こんな話は意味ないか。
それにしても彼女は卑屈すぎる。メアリー・スーとはいえ自意識過剰すぎだ。
「それはわかるが、なんでメアリーはそんなに卑屈なんだ?」
「いや、卑屈とかではなくそうなるわよ。舐めプしてなにもしなかったせいで成長できずに問題に対処できなくなっても困るわ。ただ、だからといって調子乗って全員が全力を出すとおそらく原作から外れるから未来の情報というアドバンテージが薄れるし……」
なんとなく感じていたがメアリーも俺と同じようにできるだけ原作から乖離するのは避けたいようである。ただ、それは自分の立場が危うくなるのを避けたいだけであり、全力を出しても問題ないのなら全力を出したいと思っているような気がるする。
「ワタクシは予想がつかないほうがおもしろいのでいいですわ!」
「タスさんは少し自重してほしい」
「でも、今のままでいいと思いますけど。原作から外れないように気を付けつつある程度個性を発揮していく。そうすれば原作から乖離しないで成長できます」
「そうだね。そんな感じで仲良く行こうよ。もぐもぐ」
タスさんは原作乖離を気にしておらず、ジェーンは一応は乖離させたくないが、やることはやる。デアはなんでもよさそうに骨付き肉を食べている。
「ジェーンが言ったように現状維持で手を打とうかな。ただ、できるだけ目立つなよ」
「前者は承知しましたの。後者は断りますわ」
「おい!」
「ワタクシから目立つのをとったら最適化しか残らないですわ。それでいいんですの? いいのでしたら、今年ヴォルデモート倒しますけれど」
「ごめんなさい。それはやめてください」
「えー、結局今回はどうすればいいのかしら?」
「なにもしなくてもいいと思いますよ。この授業はスリザリン生なら簡単ですから普通に受ければ」
スリザリン生だけイージーモードである理由は担当のスネイプ先生がスリザリンを贔屓してくれるからである。微妙にとか気づかれないようにとかではなく露骨にしてくれるのでスリザリン生であればまず落第することはない。
逆にグリフィンドール生は嫌われているのでハードモードである。しかもハリーは個人的に嫌われているのでベリーハードモードと言える。色々事情があるのは知っているので仕方ないとは思うが一人だけ難易度が桁違いに高いのはどうかと思う。
「でも、それでは目立てませんわ!」
「お前が目立ちまくって得点を取りすぎたらどうするんだ!」
「だからダンブルドア校長がなんとかしてくれると言っていますの」
「する保証はないだろ」
「あるんですけれど、信じられないというのならワタクシが調整しますの。ならいいでしょう?」
「それも保証がないが……まあ、大丈夫か」
「ということで楽しんでくださいな」
タスさんが俺らにウィンクすると突然の扉が開け放たれスネイプ先生が教室へと入ってきた。
出席を取り始め、そしてハリーの名前のところで名前を読み上げるのを止めた。さっそくベリーハードモードに入ったようだ。
「ハリー・ポッター、生き残った男の子。我らの新しいスターですな」
先生が猫なで声で言うと俺らの後ろに座っているドラコがクラップとゴイルと一緒に笑って冷やかす。
「このクラスでは魔法薬調剤の微妙な科学と厳密な芸術を学ぶ」
先生が話し始めたので生徒たちは静かになる。そしてハーマイオニーやジェーンといったごく一部の真面目な生徒達は羽ペンと羊皮紙を取りだし先生が言ったことをノートに書き取り始めた。
俺とメアリーは書きとめようとしたが羽ペンに慣れていないのでうまくノートを取ることができない。タスさんはまったくする気がないようだ。デアは……なんかめっちゃ速い。
「このクラスでは他のクラスとは違う。杖を振り回すようなことはしない。これでも魔法かと思う諸君が多いだろう。だが、我輩が教えるのは、名声を瓶詰にし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である。諸君がこれまで教えてきたウスノロたちより多少マシであればこの素晴らしさが理解できるだろう。……吾輩は少しも期待しておらんがな」
この時点でノートに書き写せていないが、この部分は原作で登場しているので頭の中に入っている。静まり返った教室には羽ペンのカリカリという音だけが響く。
「ポッター! アスフォルデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になる?」
突然先生がハリーに質問を投げかける。原作では『生ける屍の水薬』が答え。俺は情報が頭に浮かぶので答えられるがこの魔法薬はホグワーツでは五年生で習うものである。当然一年生のハリーに答えられるわけもなく、彼はロンに助けを求めるが彼も同様に首を振る。
唯一ハーマイオニーだけは天に届きそうなくらいにまっすぐと手を挙げている。五年生で習う魔法薬を知っているとはさすが首席(予定)だ。うちにも一人、タスさんというやつが自分が答えて目立とうと手を挙げていてさっそく頭痛がし始める。
「わかりません」
「有名なだけではどうにもならんらしいな。ではスラグホーン答えてみろ」
グリフィンドールのハーマイオニーは無視しスリザリンであるタスさんに応えるよう促した。
「グレンジャーもわかっているようですわ。なので彼女にも答えさせてあげて欲しいんですの」
彼女は苗字で呼ばれたのが気に障ったらしく嫌な顔をしながらスリザリン生はしないであろう返答をする。
にやけていた先生とドラコをはじめとするスリザリン生の表情が曇る。グリフィンドール生はひそひそ話を始めた。そして俺はというと頭を抱えたい衝動に襲われる。一応小声でやめるようには言うが効果はないだろう。
「さっきうかつな行動はするなって言ったじゃねーか」
「大丈夫ですわ。こんな八百長つまらないんですの」
「つまらないとかじゃなくてな……」
タスさんは俺を無視して全体に話し始める。
「彼女が答えたとしてもワタクシがそれを上回る回答をいたしますわ。それにこの程度の問題であればスリザリン生であれば余裕ですの」
タスさんの言葉を受けて先生はさきほどの笑みを戻すが、スリザリン生の顔は強張る。どこに四年後に習う魔法薬のこと余裕で答えられる普通のスリザリン生がいるのだろうか。
「ほぅ。ではスラグホーンはどうしたい?」
「グレンジャーが答えた後にワタクシが説明を付け加えますわ。ただ、彼女だけを当て続けるのもおもしろくありませんので他の答えられる生徒もちゃんと当ててくださいまし。あと、ワタクシはタスさんと呼んでくださいな。ちなみにさんはまで含めてニックネームですわ」
「吾輩にニックネームで呼べという要求までするとはよほど自信があるらしい。いいだろう。ではまずグレンジャーが答えろ」
ようやく答えることができてとてもうれしそうなハーマイオニーがまず答えを言う。
「強力な眠り薬である『生ける屍の水薬』です」
「チッ、正解だ」
先生が舌打ちをしながらも正解を告げるがタスさんはそれを否定する。
「いえ、不正解ですわ」
原作だと『生ける屍の水薬』が正解だったはず。先生も正解だと言っているのであっていると思う。証拠に先生が怪訝な顔をしている。
「いや、あってるだろ」
「正解は『生ける屍の水薬』だがなにが違うというんだ」
「違いますわ。アランも先生も思考停止してますわね。メアリーならわかるでしょう?」
突然振られたメアリーが驚いてジェーンの方を見る。
「メアリーならわかります」
「間違っているかもしれないけれど『生ける屍の水薬』の材料は先生が言ったもの以外にも必要だから正解は『生ける屍の水薬』の材料になる……であってるかしら?」
「正解ですわ。『生ける屍の水薬』はアスフォルデルの球根、ニガヨモギ以外にカノコソウの根や催眠豆など他の材料が必要なんですの。つまりそれらだけでは『生ける屍の水薬』にはならないのですわ」
なんだそのとんちみたいな答えは。俺もその情報は知っていたがそんな回答するわけがないだろう。そりゃ探せば二次創作を探せばそう答えた奴はいるだろうが、明らかにまっとうな答えではない。
「そこまでは求めていなかったが確かにそちらの方が正しい。グレンジャーが正解したのでグリフィンドールに一点。スリザリンの二人は吾輩の想定を上回る回答をしたので共に二点づつやろう」
ハーマイオニーに正解されたがメアリーとタスさんが合わせて完全な回答をしたため先生はご満悦のようである。
「まだまだですわ。ホグワーツで採用されている「上級魔法薬」リバチウス・ボラージ著の製法は正しいのですが効率が悪いんですの」
「お前ならもっと効率よく調合できると。ならまずはその製法から言ってみろ」
「いえ、それはアランが答えますわ」
「嫌だけど」
「なんでですの!?」
「いや、なんでわざわざ俺が答えなきゃならないんだよ」
「わざわざということはわかってはいるようだな。せっかくだ答えろ」
はい、失言。先生に言質をとられる。完璧ではないがある程度は原作で描写されており、効率よく調合できる方法も描写されているので知っている。しかし、俺は変に目立ちたくないし何より原作から乖離してほしくない。わざと少し間違える。
「最初に大鍋に煎じたニガヨモギを加える。その次にアスフォデルの球根の粉末を加えた後 五度、時計回りにかき回す。そして催眠豆の汁を加えたらナマケモノの脳味噌を加える。そして最後に時計回りに水が澄んでくるまでかき回す。記憶がおぼろげですが」
「ああ、大方あっているが細部が間違っている。魔法薬では少しの間違いが大惨事をまねくこともあるので覚えなおすように」
「承知しました」
「ちょっと!? なんでわざと間違えているんですの!?」
「わざとじゃないさ。上級魔法薬なんだから全部覚えている方がおかしいんだ」
「次は言いだした本人が答えろ」
「いえ、ワタクシの番はまだですわ。他にも答えられる者はいますの」
他にいると言うが手を挙げているのはハーマイオニーしかいない。
「グレンジャーか?」
「いえ、ジェーンですわ」
メアリー、俺と来て次は彼女か。彼女は別に原作についてそこまで詳しいわけではないはずだが、遠慮がちに俺の誤った部分を答える。
「訂正箇所は三つです。最初に時計回りにかき回す部分の回数。材料を入れる順番。そして最後に水が澄むまでかき回すところにも一つ間違いがあります。詳しくはグレンジャーさんが分かっているみたいなので彼女に聞いてあげてください」
自分はわかっていると訂正箇所を示しつつ、なおかつ他人にも手柄を分け与える余裕を見せるというお手本のような優等生ムーブをかます。いつのまに上級生の範囲まで勉強していたんだ。首席のハーマイオニーと同レベルだぞ。
「ではグレンジャー。訂正しろ」
「五度ではなく二度かき回します。ナマケモノの脳味噌を加えた後に催眠豆の汁を加えます。最後は時計回りではなく反時計回りにかき回します」
「正解だ。これで効率のいい調合法がご教授できますな」
「ええ、ただワタクシ以外にもそれを知っている者がいますのよ。ということでメアリー答えてくださいな」
「えっと……言っていいのかしら?」
「ええ、そっちのほうが楽しいですわ!」
「おいそれは本当にやめろ」
「知っているならしっかり答えろ」
「うーん。……豆はなんていったかしら?」
だめだ、答えるつもりだ。
「催眠豆だ。覚えておくように」
「ええ。それで、その催眠豆の汁を取る方法ですが、教科書にはナイフで刻むように書いてあります。しかし、ナイフの腹で押して砕いた方がより簡単に多くの汁を取ることができます。たしかですが」
スネイプ先生の顔が強張りその表情が驚愕へと変わっていく。それはそうである。なにを隠そうこの方法は学生時代の先生本人が思いついたものであるからである。
「……よく知っているな。どこでそれを知った?」
「……前にどこかで聞いたことがある気がして。どこだったのかはわかりません。これ以外も覚えていませんし」
メアリーは誤魔化したが、どこかも糞も原作で読んだだけである。
「他に知っている者は?」
教科書にすら書いていないことを答えられる者など怪物以外にいるわけがない。あのハーマイオニーですら手を挙げていないのだから。
「ワタクシの番ですわね。催眠豆は十二粒ではなく、十三粒使用する。七回反時計回りにかき回した後、一回時計回りにかき回す。あってますわよね」
「ああ、だがお前もどこでそれを知った?」
「ヒントその一、ワタクシの苗字。ヒントその二、先生の在学時の魔法薬の先生」
「そういうことか。スラグホーンの親戚だな」
「正解ですわ。スニベルス先生。はぁと」
スニベルス、その言葉に先生が固まる。理由はスニベルスは学生時代のスネイプ先生のあだ名であるからである。
彼の在学時に魔法薬学を務めていたのがホラス・スラグホーン。タスさんの親戚である。彼女はオリキャラなので正しくは彼女が彼の親戚であるのだが。
おそらく先生は親戚だから在学時の話を聞いていると思っているがそれは彼女の嘘である。実際は会ったことすらないだろう。
「スリザリン百点減点」
「フォイ!?」
スリザリン贔屓のスネイプ先生がスリザリンか大量減点をするというありえないことが起こったのでグリフィンドールとスリザリン、両方の生徒が唖然とする。百点減点といってもまだ今学期が始まって一週間たっていないので百点も溜まっていない。つまりうちの寮の合計点がゼロになりふりだしに戻った
「やりましたわ!」
絶望に染まるスリザリン生と真逆でタスさんはやり遂げた顔をしてガッツポーズをしている。いったいなにをしているのか。
「次にその名前を口にしたら罰則だ。しかし、一応正解ではある。グレンジャーが訂正したのでグリフィンドールに一点。スリザリンにはアランに一点、ジェーンに二点、メアリーに二十点、タスさんに四十点」
「タスさん、お前なにしてるんだフォイ!」
「何ってエンターテイメントですわ。スネイプ先生がスリザリンから大量に減点するなんて普通はあり得ないでしょう?」
「そういうことじゃない! 折角圧倒的に首位だったのになにをしているんだと聞いている。これのせいでグリフィンドールに負けたらどうするんだ!?」
「あわてなくてもすぐに取り戻しますわ。もうすでに六十三点で圧倒的首位ですわ。ね、セブ?」
「スリザリン千点減点」
「グリフィンドールに負けるどころかまたふりだしで最下位じゃないか……」
スリザリン生はいきなり千点も減点されてもはや声も出せないようでただ口をパクパクさせているだけである。
残りの点数が再度ゼロになり、振出しに戻ったのだから当然だが。まだ一週間目だったのが幸いだったと思いたい。
「……まあいい、もう一つ聞こう。ベアゾール石を見つけてこいと言われたら、どこを探すかね?」
ジェーンとメアリー、そしてハーマイオニーが手を挙げる。
「メアリー言ってみろ」
「羊の胃です。石という名前がついていますが内臓のような見た目をしています。解毒剤になります」
「正解。さらに詳しく説明できるものは?」
ハーマイオニが手を挙げる。ジェーンはわからないのか、それともメアリーの説明を否定するのが嫌なのか。小声でフォローしているようなのでおそらく後者である。
「羊ではなく山羊の胃です。山羊の胃から取り出す結石で見た目は萎びた肝臓のような小さな石です。ただの解毒剤ではなくたいていの薬に対する解毒剤になるほど強力なものです」
「正解。ではタスさんであればさらにふさわしい答えができるのであろうな」
「ええ、もちろんですわ。ベアゾール石は毒に浸せば何でも解毒すると考えられていましたが、一五七五年のフランスで罪人に飲ませたところ苦しんで死んだことから、なんにでも効くものではないと判明してますの。解毒できるのはヒ素の毒。ヒ酸塩と三酸化二ヒ素ですわ。ヒ酸は、化学式H3AsO4で示される無色結晶で、ヒ素のオキソ酸の一種。ヒ素は、原子番号三十三の元素。元素記号はAs。第十五族元素、窒素族元素の一つ。オキソ酸とは、ある原子にヒドロキシ基とオキソ基が結合しており、且つそのヒドロキシ基が酸性プロトンを与える化合物のことを指しますわ。ヒ酸塩には、正塩および水素塩、酸性塩、酸水素塩とヒ酸二水素塩が存在し、ヒ酸水溶液に計算量の水酸化物を溶解し濃縮すると析出し、また可溶性の金属塩水溶液にヒ酸ナトリウム水溶液またはヒ酸水素ナトリウム水溶液を加えると……」
「もういい。わかった。加点しよう」
タスさんがWEBのフリー百科事典の情報を羅列し始めたところで先生が止めた。
「グリフィンドールに一点、スリザリンに二点。それではモンクスフードとウルフスベーンの違いは何だね?」
先ほどと同じ三人が手を挙げる。メアリーとハーマイオニーはさっき答えたのでジェーンが当てられる。
「モンクスフードとウルフスベーンはどちらもトリカブトのことを指します。モンクスフードは英名、ウルフスベーンはその別名です。アコナイトという別名もありますがそれは学名です。つまりどちらも同じ植物ですがあえていうのであれば正解は、呼び名が違うです」
「完璧だ。さらに解説できるものは?」
ハーマイオニーの手が下がりタスさんが手を上げる。また、WEBのフリー百科事典の情報を羅列し始めるだろう。
「植物界、被子植物門、双子葉植物綱、モクレン亜綱、キンポウゲ目、キンポウゲ科、トリカブト属、トリカブト。比較的有名な有毒植物。主な毒成分はジテルペン系アルカロイドのアコニチンで、他にメサコニチン、アコニン、ヒバコニチン、低毒性成分のアチシンのほか、ソンゴリンなどを全草、特に根に含む。採集時期および地域によって毒の強さが異なるが、毒性の強弱にかかわらず野草を食用することは非常に危険である。食べると嘔吐、呼吸困難、臓器不全などから死に至ることもある。経皮吸収、経粘膜吸収され、経口から摂取後数十秒で死亡する即効性がある。半数致死量は〇、二グラムから一グラム。トリカブトによる死因は、心室細動ないし心停止である。下痢は普通見られない。特異的療法も解毒剤もない。漢方薬にも使われる。アコニチンは猛毒で毒薬扱い。アコニチンを含む生薬は劇薬。アコニットアルカロイドの一種で、TTX感受性ナトリウムイオンチャネルの活性化による脱分極を引き起こし、嘔吐、痙攣、呼吸困難、心臓発作を引き起こす。化学式はC34H47NO11。外観は無色透明の結晶。融点は二百四度。そして…… 」
「詳しいのはさきほどの答えと合わせてわかった。それ以上はしゃべるな」
「ここからが本番ですのに。トリカブトはギリシア神話では、地獄の番犬といわれるケルベロスのよだれから生まれたとされているんですわ。実物がいれば確かめられるのですけれど……そう、例えば四階の、んっ。んー」
「本気でそれ以上はやめろ」
タスさんがとんでもないことを言いかけたので無理やり口を塞いで止める。四階に住んでいる怪物がケルベロス、三頭犬なのだ。ある物を守るためにハグリットが配置している。
これは学校ぐるみでやっていることであり、当然スネイプ先生も把握している。生徒には伝えていないため知っている生徒はいない。原作を知っている俺ら以外は。つまり、通常は生徒が知っていてはいけない情報なのでばらされるとまずい。
「先生、これくらいで十分でしょう」
「ああ、そうだな。スリザリンに二点。ところで諸君、何故今までのことをノートに書き取らんのだ?」
いっせいに羽根ペンと羊皮紙を取り出しノートに取り始める中でタスさんはなにもしない。というかタスさんが垂れ流した言葉を一字一句書き取るのは不可能である。
「なぜ書き取らないかなんて簡単ですわ。すべて頭に入ってるからですの」
「だろうな。スリザリンに一点」
「アランもそのはずですわ」
「本当か?」
「わざと間違えなければ彼も答えられるはずですの」
「俺に振らないでくれ」
「では、トリカブトの詳細を言え」
「いえ、無理ですよ。さっきも書き取りきりませんでしたし」
「嘘ですわ」
「まじめに答えるのだ」
「わかりました。植物界、被子植物門、双子葉植物綱、モクレン亜綱、キンポウゲ目、キンポウゲ科、トリカブト属、トリカブト。有毒植物の一種として知られる。ドクウツギやドクゼリと並んで極東の島国日本では日本三大有毒植物の一つとされ……」
タスさんを睨みながら彼女とは違うWEBのフリー百科事典の項目を羅列する。主な毒成分がジテルペン系アルカロイドのアコニチンだの、アコニチンの毒性は以下になるだの、解毒剤や特効薬はないだの……やっちまった。しかし、これで満足してくれるだろう。
「……ああ、まあ、よろしいのではないか。スリザリンに二点」
先生からは呆れと諦めの雰囲気を感じる。こんな長文を連続で話し続けられれば俺もこうなる。というか基本的に項目を羅列しているだけなので聞き取りづらいだろう。
「あと、デアはすべて書き留めていますわ」
「なに? 見せてみろ」
スネイプ先生がデアのノートを手に取り中身を確認する。
「確かに完璧に書き写しているな。よくここまでの情報をすべて書き写したものだ。スリザリンに一点」
「よかったー。あたし不器用だし魔法も苦手だから体を使えることくらいでしか役に立てないからね」
「そしてジェーンのノートはわかりやすくまとめてあるはずですの」
次はジェーンのノートを確認し何度も頷く先生。しばらく読んだ後感嘆の声を上げた。
「デアと違いすべてを書き留めているわけではないがその分要点がよくまとめられている。教科書のそれよりもわかりやすいな。すばらしい。スリザリンに二点」
「私も書き留めています」
ハーマイオニーが手を挙げる。先生はしぶしぶ彼女のノートも読んだ。
「デアのものよりはまとめられているががジェーンのものよりは劣る。そしてジェーンのものより多く書き留めているがデアのものより少ない。どっちつかずだな。グリフィンドールに一点」
ハーマイオニーはとても不満そうだが、原作の加点ゼロ、減点多数よりはマシである。とはいえ、スネイプ先生のグリフィンドール嫌いがなければ彼女はもっと評価されていただろう。
「少し時間がかかってしまったが授業を始める」
まだ始まってもいなかったことに絶望しながら魔法薬学の授業が始まった。
スネイプ先生による加点&大量減点の魔法薬学の授業前編となります。授業は始まりませんでした。
スネイプ先生が学生の時の先生はスラグホーン先生で大丈夫なんですかね……。魔法界に現実の情報をどこまで適応していいのかもわかりませんし……。
実は怪物たちは何も考えずやりたい放題しているわけではないです。一応中身はタスさん以外は転生した一般人ですし、タスさんも他人のことを考えています。
ただ、それ故に怪物ですし、全員スペックは壊れてます。そして、やりたいことはやるので結局アランが困る形になります。
がんばれアランくん!
次回は魔法薬学後編、授業後にはついに登場人物に怪物たちの犠牲者が出ます。すでに出ている気もしますが……。