嘘つきみーくんと実力至上主義の学校   作:なっち様

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僕+よう実-マユ=プロローグ

 今日は4月5日だった。

 小中学校を卒業した人間がそれでもまだ学びたらんと親をだまくらかし、3年間恋人や友人の数で競い合う施設へ出で立つ。その記念すべき一日目だ。嘘じゃない人間もいる。

 新一年生が初登校を迎える今日の良き日、僕もその真新しい制服に身を包んだ集団の一人であるのだった。あたりを見回し僕の視神経に捉えさせる景色には自信に溢れた顔をする人間ばかりだ。

 それもそうだろう。何を隠そう国主導で運営するこの学校は希望する場所への進学率、就職率ともに100%という実績を誇っている。つまりこの学校に入学できた時点で将来は約束されたも同然、左団扇な未来が待っている選ばれた人間なのだから。学校生活は外部との接触厳禁、全寮制など厳しい制約がある反面授業料並びに電気代ガス台など勉強生活に必要な費用は全て学校持ちという太っ腹なサービスもある。そんな学校に僕はなぜ受かったのだろうかという疑問は既にやったのでまた今度。

 

 サンタクロースをいつまで信じていたかについて語れるほどのきつい登り坂もなく、暖かな春の日差しに包まれながら何事もなく登校してしまえた。というか途中までバスだった。なんの感慨もなく門をくぐるのでしたまる。

 事前に送られていたDクラスへの配属が記された入学書類の通りにDクラスの教室へ赴いた。国営名門校のぴかぴかな教室の扉に生徒の当然の権利として僕の手垢と指紋を着けて開けてみれば既に席の半分ほどは埋まってた。どうやらネームプレートで自分の席を確認するらしく『枝瀬✕✕』という瞬間的に目玉を穿り出したくなるような名前のプレートが置かれた空席が存在した。親が性別を間違えたとしか思えないような名前の置かれた席に座ると隣の席の人間が話しかけてくる。

 

「男の子だったんだね、✕✕って名前だからてっきり女の子かと、あ、私は櫛田桔梗!これから3年間よろしくね!」

「……よろしく」

 

 金髪ボブカットの可愛らしい見た目な女子が自分の名前の書かれたプレートを持ち上げて繰り出す耳がざわつくノイズ混じりの挨拶に僕が返せたのは情けないことによろしくの一言だけだ。挨拶神と呼ばれたこの僕にここまでやるなんて櫛田桔梗恐ろしい女、これは挨拶神の名を譲る時が来たのかも知れない。爽やかに嘘だ。

 

「あ、ごめん。失礼だったかな?」

 

 櫛田さんは人の機敏に敏いようであの僅かな間で自分の言葉が僕の何かに触れたことを感じ取ったらしい。でもそれは決定的に違うけど間違っていない。あの日が来る前のもっと小さな頃はそんな理由で嫌いだった気がする。

 

「ごめん、自分の名前が嫌いなんだ」

 

「そっか、なら枝瀬君って呼べばいいかな?」 

 

「うん、そうしてもらえると助かるかな」

 

「分かったよ!隣同士仲良くしていこうね!」

 

 櫛田さんのその言葉に教室の男子から嫉妬の目線が集まったのを感じた。櫛田さんの可愛さに早くもやられてしまった野郎どもは多いみたいだ。僕も逆の立場なら同じように怨嗟の視線をこの席の人間に送っていただろう。きっと悲しみと嫉妬の炎で世界は包まれ世紀末を迎えたに違いない。嘘だけど。

 

 だって僕にはどこがどうなったらそうなるのか分からないから。

 




まーちゃんのため以外にもみーくんが頑張ることって実はあるんです。ゆゆが閉じ込められたときに折られた腕で拳銃ぶっ放して開けるんですよね。あとはだいたい巡り巡ってまーちゃんの為なんですけど。
みーくんにはよう実の世界でもそんな関係を作って欲しいです。でも、みーくんであってほしいっていうジレンマ。

みーまーという作品を知らない人には本作でみーまーという作品の魅力を伝えられたらなと思います。

ついでにわたくしの他の作品も読んでいただけたら幸いです
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