私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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ここでちょっとお知らせです。

最近、リアルが忙しく、投稿頻度も落ちています。

リアルが落ち着けば戻ると思いますが、それまでは投稿頻度は少ないままになります。

頑張ったら週一くらいです。

はい。お知らせは以上です。






第11話 リールと箒

私の名前はリール。

エレナ学院に通っています。

昨日適性魔法を見てもらい、知ってましたが光属性魔法に適性がありました。

光属性魔法に適性がある人は少ないらしく、物珍しい目で見られました。

スカーレットは昔、光属性魔法を見たと言ってましたが、その魔法を使ったのが誰なのかが分からなかったそうです。

見つかるといいですね。

さて、今日は実技の前の講義だそうです。

先生が言うには魔法は危ないから事前学習が大事だそうです。

魔女さんに教わった私からすれば必要なのか分かりませんが、一応聞くことにします。

そういえば魔女さんは今頃何してるんだろ…

早く戻ってきて欲しいな…

もっと魔女さんと一緒にいたいな…

もっと魔法を教わりたいな…

もっと魔女さんのそばにいたいな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所…教室

 

ジーヴル先生「と、言うわけで始めるぞー」

男子「えー…」

ジーヴル先生「なんだ?嫌なのか?なら実技はできないな」

男子「えー!」

ジーヴル先生「魔法を使いたいならちゃんと聞けよ?聞かないとほんとに魔法は使えないからな」

男子「ぶー」

ジーヴル先生「さ、始めるぞ。まずは魔法使い、魔女になる際に必要になるものだ。必要なものは主に2つ。杖と箒だ」

男子「きたぁ!」

男子「早くしてくれ先生!」

ジーヴル先生「分かった分かった。じゃあまず箒からだ。箒は移動手段に使われる。これに乗ることが出来ればもちろん歩かなくても移動できるから移動時間を短縮することができるぞ」

男子「おぉ!」

ジーヴル先生「種類は一種類だけだ。皆同じ箒を持つことになる」

男子「先生も同じ?」

ジーヴル先生「あぁ。先生もみんなの先輩もみんな同じ箒だ。だが、その人自身が使う魔法によって少し変わってくる。元は同じだが、魔法によって箒はどんなものにでも変えることができる」

男子「食べ物とか?」

ジーヴル先生「いや、物理的に変える訳じゃなくてだな…つまりはその箒の性質だ」

男子「性質?性格みたいなもの?」

ジーヴル先生「それで通じるならそれでいいよ。例えば雷属性魔法に適性がある人の箒は他の箒よりも速く飛行することが出来る。他にも水属性魔法に適性がある人の箒は水中でも水の抵抗を受けずに飛ぶことが出来る。本来箒は水に浸かれば機動性が大幅に下がるが、水属性魔法に適性がある人が乗ればその影響を受けなくなる。このように、持つ属性魔法によって性質が変わるのが箒の面白いところだ」

男子「先生ー!」

ジーヴル先生「ん?なんだ?」

男子「他の属性も全部教えてくれよー!」

ジーヴル先生「他の属性?性質のことか?」

男子「そうそう!」

ジーヴル先生「分かった。まずは火属性だ」

男子「いぇあ!」

ジーヴル先生「火属性魔法に適性がある人の箒は他の火から身を守ることができる。他の火と言うのは例えば火事とかだ。自分の持つ火以外の火は全て遮断される。そのため、火属性魔法に適性がある人の箒は燃やそうとしても意味が無いんだ。他の属性魔法の箒は燃えちゃうけど。他にも飛行時に火を使うことで速く飛ぶことが出来る」

男子「おぉ!」

ジーヴル先生「次は水属性魔法だ。さっき言ったから軽めに説明するぞ。水属性魔法に適性がある人の箒は水の抵抗を受けなくなる。その代わり、水の中を飛行しても空を飛行しても速度は変わらない。一定の速度でしか飛ぶことができないんだ。でも、他の箒とは違って本来水に浸かることで腐敗するものが腐敗しなくなる。長所があれば短所もある。箒とはそういうものだ」

男子「なるほどな」

ジーヴル先生「次は風属性魔法だ。風属性魔法に適性がある人の箒は風の抵抗を受けなくなる。そのため、嵐の中飛んでも全く影響を受けずに飛行ができる。おまけに風を操ることで飛行速度を上げることができる。ただ、一つ難点なのが、風属性魔法に適性がある人の箒は飛行中、全く風の影響を受けないが、それは自分の周りに風の層を作ることで無理やり風を押しのけているからなんだ。これは自分以外のものに影響する。例えば木に向かって飛行した時、その人が木に接触する前に風の層が木に接触するため、その風の層が木を跳ね除けてしまい、木は倒れてしまう。これが人間相手なら、その人は切り傷を負うことになる」

男子「ひぇー…」

ジーヴル先生「まぁ、人との距離を置いて飛行すれば何も問題は無いんだけどね」

男子「おぉ…」

ジーヴル先生「さ、次は雷属性魔法だ。雷属性魔法もさっき言ったから軽めに説明するぞ。雷属性魔法に適性がある人の箒は雷を纏うことができ、それによって飛行速度を格段に上げることができる。これはどの属性魔法よりも速く、短い距離ならすぐに目的地につけるだろう。ただし、例外はあるがな。他にも飛行中に周囲から電気を集めることで、半永久的に飛行が可能だ」

男子「おぉ!」

ジーヴル先生「ただし、雷属性魔法にも難点がある。それは、その箒自体に雷や電気が纏う形になってるから飛行後も電気を纏ってて触るとピリッと静電気が発生した時みたいな感覚が起こる。雷属性魔法に適性がある人が触れれば問題ないが、他の属性魔法に適性がある人が触れるとそうなってしまう。しかも飛行中に纏った電気の量が多いと飛行後に纏う電気の量も多くなって下手したら触った人が感電死する可能性がある」

男子「ひえぇ…」

ジーヴル先生「だから雷属性魔法に適性がある人の箒には絶縁体のものが巻かれていることが多いんだ」

男子「先生〜」

ジーヴル先生「ん?」

男子「俺の知り合いに雷属性魔法に適性がある人がいるんですが、その人の箒に黒い何かが巻かれてたんですが、それが絶縁体のものですか?」

ジーヴル先生「そう。正解。色はあとで選べるけど、その子はきっと黒を選んだんだろうね」

男子「なるほど。ありがとうございます」

ジーヴル先生「はいよ。じゃあ最後に土属性魔法だ。土属性魔法に適性がある人の箒は地中を走っている地脈を感じ取ることができる。これを感じることで目的地までの道のりを示してくれたり、不祥事にはその地脈が自分を助けてくれる。まさに大地と一心同体みたいな感じだな」

男子「他の能力ってないんですか?」

ジーヴル先生「土属性魔法は5つの属性魔法の中でもシンプルさに特化した属性魔法だからね。その効果もシンプルなものが多い。故にごちゃごちゃとした効果がある訳でもなく、箒にもそれが表れる。効果は一つだけ。地脈を感じることができる。これだけだ。ただし、その地脈をどうするのかは本人次第。シンプル故に汎用性が1番高いのが特徴だな」

男子「どんなことができるんですか?」

ジーヴル先生「んー先生の知り合いにも土属性魔法に適性がある人がいて、その人は地脈を纏うことで防御力などのステータスを上昇させてたな。地脈は土属性魔法に適性がある人にしか見えないし反応もしない。故に土属性魔法に適性がある人だけが地脈を操ることができる。その地脈をどうするかは本人次第。纏えば地脈の効果でステータスの上昇が確認される。他にも大地を操ったり下手したら地震も起こせるよ」

男子「えぇ!?地震!?」

ジーヴル先生「そう。地震。地脈を操るんだから当然だよ」

男子「土属性魔法ってすげぇな…」

男子「確かに…大地全てを味方につけてる感じだよね…」

男子「そうそう…」

ジーヴル先生「ま、その代わり、飛行速度は他の属性魔法よりも遅くなるんだけどね。大地を操るが故に飛行に関しては一歩劣る。ここが土属性魔法の面白いところだな」

男子「良かった。ここで飛行速度も他の属性と同じならほんとにチートだったかもな」

男子「確かに。地震起こせるし飛べるしで…」

ジーヴル先生「さて、これまで各属性の箒について話したけど、これは先生が今まで会ってきた人たちがそうしていたってだけで、自分の箒をどうするかは君たち次第だよ。自分に合った世界に一つだけの箒を君たちで作り上げてくれ」

男子「っしゃあ!」

ジーヴル先生「さて、次に杖についてなんだが…」

 

キーンコーンカーンコーン

ここで、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。

 

ジーヴル先生「おっと…じゃあ一旦ここで終わろうかな。次は杖について話すからな」

生徒「はーい!」

ジーヴル先生「じゃあ各自休憩を取ってくれ」

 

トコトコトコ

スーッ…スーッ…

ジーヴル先生は部屋を出た。

 

アンナ「ねぇリール」

リール「ん?」

アンナ「リールって確か、光属性魔法だったよね?」

リール「え、はい。そうですよ」

アンナ「さっき先生が土属性魔法のところで最後って言ってたけど光属性魔法に適性がある人の箒ってどんなものなのかな」

リール「あぁそういうことですか。光属性魔法に適性がある人の箒って雷属性魔法に適性がある人よりも速い速度で飛ぶことができるんですよ」

アンナ「へぇ!」

リール「それに、耐久性にも優れていて中々壊れないそうですよ」

アンナ「へぇ!なんで知ってるの?」

リール「え、なんでって…そりゃあ私、自分の箒持ってるので…」

アンナ「え!?リールって自分の箒持ってるの!?」

リール「え、はい。え?みんなは持ってないんですか?」

アンナ「持ってないよ?箒もこの学年から持つことになるんだよ」

リール「へぇ…」

リール (意外。箒すら持ってないなんて…魔女さんのところで魔法を教わってた時は結構早めに箒に乗る練習してたんだけどなぁ…)

アンナ「もしかしてリールって杖も持ってたりするの?」

リール「はい。ありますよ」

 

ガサゴソ…

リールは服の下に刺してある杖を取り出した。

 

リール「はい。これです」

 

コトッ

リールは自分の杖を机に置いた。

 

アンナ「へぇ!これが杖なんだ!見てもいい?」

リール「はい。どうぞ」

 

アンナはリールの杖を手に取ってじっくり見た。

 

アンナ「綺麗な形…」

リール「これは魔女さ…私のお師匠様が私にくれた杖なんです。魔法の制御に必須なものだそうですよ」

アンナ「へぇ!」

リール「ちなみに箒も今ここにありますが見ますか?」

アンナ「見たい!」

リール「分かりました」

 

スッ…

リールは席を立ち、アンナの前に出た。

 

リール「見ててくださいね」

 

そう言ってリールは手を前に出した。

 

リール「…」

 

シュゥゥゥゥゥ…ポンッ!

リールは周囲のマナを集め、箒を出現させた。

 

アンナ「おぉ!」

リール「とまぁ、こんな感じですね」

アンナ「すごい!リールって箒も出せるんだ!」

リール「はい。普段は邪魔になったりするのでマナを使って保管してるんです」

アンナ「へぇ!私にも後で教えて!」

リール「いいですよ」

アンナ「やったぁ!」

リール「ふふっ」

スカーレット「あら、これは誰の箒なの?」

アンナ「あ、スカーレットさん」

スカーレット「スカーレットでいいわよ?」

アンナ「じゃ、じゃあ…スカーレット…」

スカーレット「…なんかむず痒いわね…」

アンナ「ま、まだ慣れてないから…」

スカーレット「そ、そうね…。ところで、何してるの?」

アンナ「あ!リールが杖を持ってるって言うから見せてもらってたの!あと箒も!」

スカーレット「杖と箒?」

アンナ「ほら!これがリールの杖だよ!」

スカーレット「触ってもいいの?」

リール「いいですよ」

スカーレット「…」

 

スカーレットは恐る恐るリールの杖を手に取った。

 

スカーレット「あ、意外…杖って触っても何も起こらないんだ…」

リール「なんで?」

スカーレット「さっき先生が雷属性魔法に適性がある人の箒は触ると危険だって言ってたでしょ?だから杖もそうなんじゃないかって思って…」

リール「大丈夫ですよ。それに私、光属性魔法に適性があるから」

スカーレット「あ、そうだったわね。…それにしても」

 

スカーレットはリールの杖を見た。

 

スカーレット「綺麗ね…杖ってこんなに形が整ってるのね」

リール「らしいよ」

スカーレット「…これはここに来る前に買ったの?」

リール「ううん。これはお師匠様が私にくれた杖なんです。なのでどこで買ったのか、そもそも売ってたものなのか分からないんです」

スカーレット「凄いね。リールのお師匠さんって…こんな綺麗な形の杖があるなんて…」

リール「?」

リール「みんな同じような杖じゃないんですか?」

スカーレット「持つ属性と人によって形は千差万別。私も本で見たことあるわ。でも…この形の杖は初めて。見たことない…」

リール「そうなんですか?」

スカーレット「えぇ…私はこの世界にある全ての杖を記した本を持ってるの。そこには杖の形と使用者の名前が刻まれていて私はいつもそれを読んでた。だから分かるわ。この杖は初めて見る形の杖だって…」

リール「ほぉ…」

アンナ「リールって凄いね…光属性魔法に適性があって初めて見る杖を持ってておまけに箒も持ってるなんて…」

スカーレット「あ、そうよ。箒も見せてもらえないかしら?」

リール「えぇ。構いませんよ」

 

スタスタスタ

スカーレットは箒をじっくり見た。

 

スカーレット「この箒もすごい…全てが均一になってる…」

リール「均一?どういう事?」

スカーレット「杖と箒って人の手で作られるの。だからその杖や箒の形状が多少ズレてたりするの。でもそれはじっくり見ないと分からないし分かるくらいにズレていたら作り直すの。でもこの箒は凄いわ…真っ直ぐに伸びてるし損傷もない…おまけに乗りやすく設計されてる…」

アンナ「スカーレット…は箒にも詳しいの?」

スカーレット「えぇ…私のお父さんが箒を作る仕事をしてるの。だからある程度分かるわ。それに、箒に関する本も持ってるし」

アンナ「す、すごい…」

スカーレット「この箒ほんとすごいわね。何一つズレていない。新品同様の箒…ねぇリール。この箒っていつから使ってるの?」

リール「えっと…お師匠様から貰った時からだから…1年と半年くらい…かな」

スカーレット「1年半使ってて全く衰えが感じられないなんて…こんなことあるのね…」

リール「どういうこと?」

スカーレット「箒って定期的に検査しないとダメなの。壊れてたりするところがあるかもしれないからね。壊れていたら直して壊れてなければそのまま使う。そうすることで安全に飛行ができるの。見たところ定期検査も受けてないみたいね?」

リール「え、うん。初めて聞いた…」

スカーレット「1年半も使ってて定期検査も受けてないのにこの綺麗さ…ほんとに凄いわねこの箒…」

リール「て、照れますね…」

スカーレット「リールのお師匠さんってどんな人?」

リール「え、うーん…実はよく分からないんです」

スカーレット「え?よく分からない?」

リール「はい」

スカーレット「ずっと一緒にいても?」

リール「はい。分かってるのはお師匠様は全属性の魔法を使うことくらいで…」

スカーレット「全属性!?」

アンナ「え!?リールのお師匠様って全属性の魔法を使えるの!?」

リール「…?」

 

リールは2人が驚いた表情を浮かべてるのを見て疑問に思った。

 

リール「え、どうしたの?」

スカーレット「どうしたのって…聞いてリール…普通は全属性の魔法を使うことってできないのよ?」

リール「え?そうなの?」

スカーレット「えぇ。使えるのは適性がある属性魔法のみ。ましてや全属性なんて…」

アンナ「私も初めて…全属性の魔法を使える人がいるなんて…」

リール (おかしいですね…魔女さんは使えるのに…)

スカーレット「リール…あなた…」

リール「?」

スカーレット「一体何者?箒が全く劣化してないしおまけに均一に作られている…全くズレもない…それにこの杖も…全てが均一に作られている…形も初めて見た…」

リール「何者って言われても…」

スカーレット「これ…お父さんが見たら驚くわ。こっちの杖も叔父さんに見せたら驚くと思う…」

アンナ「叔父さんって?」

スカーレット「あ、私のお父さんの弟さんが杖を作る仕事をしてるの。時々仕事を見に行くことがあるの」

アンナ「スカーレットも十分すごい気が…」

 

キーンコーンカーンコーン

3人で話しているとチャイムが鳴った。

 

アンナ「あ、チャイムが鳴ったね。授業が始まっちゃう」

スカーレット「あ、そ、そうね。ね、リール」

リール「はい」

スカーレット「今日授業が終わったら家に来て!お父さんに見てもらいたい!」

リール「え、ま、まぁ…いいですけど…」

スカーレット「やった…あと色々話も聞かせて!リールのお師匠さんの事も!」

リール「え、えぇ…ってあれ?ここに通ってる間って家に帰れるの?」

スカーレット「え、うん。帰れるよ?」

リール「じゃあなんでみんな寮で生活してるの?」

スカーレット「あーそれは家から通うと時間がかかるからよ。この学校って結界で守られてるから簡単には入れないの。だから一度ここを出ると次に入ってくる時少し厄介になるの。でも、大丈夫。魔法陣を使えばすぐ家に着くし簡単に学校に入ることもできるわ」

リール「そうなんだ」

ジーヴル先生「よぉしみんな席につけ〜授業始めるぞ〜」

スカーレット「こ、この事は内緒にしておいて。アンナもいい?」

アンナ「分かった」

スカーレット「それじゃあまたあとでね」

 

スタスタスタ

スカーレットは自分の席に戻った。

 

リールも自分の杖と箒を戻し、席に着いた。




〜物語メモ〜



箒は一種類しかないが、その人の持つ属性魔法や性格で箒は色々変化する。
主な変化は各属性に準じたものでその属性魔法の利点を採用している。
火属性魔法なら火に強くなり、水属性魔法なら水に強くなる。
このように箒によって様々な形に変わる。
形と言っても変わるのはその箒の性質のみ。

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