私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第14話 リールと魔法の練習

私の名前はリール。

今スカーレットの家にいます。

昨日はスカーレットのお父さんに刻運命の粉というものを渡されました。

曰く光属性魔法に反応するものらしいです。

綺麗な粉なので首から下げていようと思います。

さて、今回は魔法の練習をしようとスカーレットが言ってきてくれました。

魔法を習って以来の初めての戦闘実習になるのでワクワクです。

上手くできるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー翌日ー

 

ジン「やぁリールさん。おはようございます」

リール「あ、おはようございます」

ジン「気分はどうだい?」

リール「あ、大丈夫ですよ」

ジン「そっか。それは良かった。ところで、君の話なんだが」

リール「?」

 

リールは首を傾げた。

 

ジン「あれ?忘れたんですか?リールさん私たちにお話があるって言ってませんでした?」

リール「あ、そうですあります!今日の夜でもいいですか?」

ジン「あぁ。マークにもそう言っておこう」

リール「ありがとうございます」

スカーレット「リール!」

リール「?」

スカーレット「あなたここにいたのね」

アンナ「おはようリール」

 

スカーレットとアンナが来た。

 

リール「2人ともおはようございます」

スカーレット「何話してたの?」

ジン「今晩お話することについてだよ」

スカーレット「あれ?もう話は終わったんじゃないの?」

リール「あ、私の話がまだ終わってないんです」

スカーレット「あ、なるほどね」

アンナ「大事な話?」

リール「そうですね。大事な話ですね」

ジン「さ、お話はまた後で。朝食ができてるから昨日の部屋に行ってくださいね」

スカーレット「分かったわ。お父さん」

 

スカーレットとアンナ、リールは昨日夕食を食べた部屋に向かった。

 

ジン「…」

 

 

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朝食もみんなそろって食べる。

当然、量も多く、リールは食べられるか心配だった。

でも、ご飯が美味しかったのか、すぐに手が伸びた。

それを見たスカーレットも負けじと朝食を食べた。

 

 

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リール「うっ…お腹いっぱい…」

スカーレット「あんなに食べるからよ。全く」

アンナ「すごい食べてたねリール」

リール「美味しいのが悪いんです」

スカーレット「どんな言い訳よ…」

アンナ「あ、そうだ。この後どうする?」

スカーレット「あ、じゃあ魔法の練習しない?」

アンナ「え、魔法って使っても良かったっけ?」

スカーレット「学校ではダメなのよ。ここなら地下室があるからそこで魔法も使えるわよ」

アンナ「地下室って私たちがここに来たあの部屋?」

スカーレット「あ、また違う部屋よ。お父さんや叔父さんも使ってた部屋なの」

アンナ「へぇー!」

スカーレット「さ、行くわよリール」

リール「う、うん…」

 

スカーレットとアンナ、リールは地下室に向かった。

 

 

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場所…地下室

 

スカーレット「さ、ここがさっき言った部屋よ」

リール「おぉ…」

 

その部屋は周囲が白い壁に覆われていて部屋の中心には何やら緑色の玉が浮いていた。

 

リール「スカーレット。これはなんですか?」

スカーレット「あーこれは魔玉(まぎょく)といってそれを使って各属性魔法の練習をするの。見てて」

 

ピッ…ピピピ…

スカーレットがそれに触れた時、その玉は光り出した。

 

ピピピ…ピピ…

設定が終わったのか、スカーレットがこっちに来た。

 

スカーレット「2人ともそこから動いちゃダメよ」

リール「?」

アンナ「?」

魔玉「それでは、魔法の練習を開始します」

リール「おぉ」

アンナ「喋った…」

魔玉「雷属性魔法が確認されました。敵を配置します」

 

シュゥゥゥゥゥ…

すると、地面から二体の敵が現れた。

現れたのは、水属性魔法と土属性魔法の人形だった。

 

リール「す、すごい…」

スカーレット「私の適性魔法は雷属性魔法だから雷属性魔法が有効な水属性魔法の敵と雷属性魔法の弱点である土属性魔法の敵を召喚したの。倒すのは水属性魔法の敵だけ。土属性魔法の敵は水属性魔法の敵を守りながら私に攻撃してくるの」

アンナ「あ、それで魔法の練習をするんだ」

スカーレット「そう。お父さんから使い方は聞いてるからいつでも使えるの」

リール「す、すごいですね…スカーレット」

スカーレット「ふふっ…でも見てて。私はもっとすごいから」

魔玉「戦闘を開始します」

 

魔玉がそう言うと魔玉自身は消え、取り残された水属性魔法と土属性魔法の敵が杖を構えた。

 

スカーレット「さ、これで戦闘開始よ」

ドール(水)「…」

ドール(土)「…」

 

相手は様子をうかがっていた。

 

スカーレット「こういう時は私から攻撃してもいいし、相手が攻撃した時はその隙をつくの」

 

両者、相手の行動を待っていた。

 

スカーレット (あっちは全然動かない…なら…)

スカーレット「はぁっ!」

 

ジジジ…バリバリバリ!

スカーレットは雷属性魔法を使用した。

 

スカーレット「落雷(ダリサダ)!」

 

ゴロゴロゴロ…ジジジ…

スカーレットは魔法で雷を発生させた。

 

ドール(土)「…地脈(オッドレイ)

 

ゴゴゴ…

それを見たドール(土)はドール(水)を守るため、地脈を使って防御を図った。

 

スカーレット「はぁっ!」

 

ドゴォォォォン!

スカーレットが発生させた雷はドール(水)に向けて放たれた。

 

バキ…バキバキ…

土の防御壁にヒビが入った。

 

アンナ「やった!ヒビが入った!」

 

シュゥゥゥゥゥ…

だが、スカーレットの落雷ではせいぜいヒビを入れるくらいがやっとだった。

 

ガコン!

ドール(土)は防御壁を解いた。

 

ドール(土)「…大岩石(ロック・オック)

 

ドール(土)は先程の防御壁の欠片を使って攻撃した。

 

スカーレット「!」

 

ドゴン!ドゴン!ドゴン!

スカーレットはそれに気づき、ドール(土)の攻撃を回避した。

 

スカーレット (流石土属性魔法ね…私の魔法が通らないのも無理はないわね)

アンナ「スカーレット!」

スカーレット「!」

 

スカーレットは考え事をしていて前方を見ていなかった。

アンナが声をかけたがスカーレットの反応が遅れたため、スカーレットは前方から飛んでくる岩石を避けられなかった。

そのままスカーレットは相手の魔法に被弾した。

 

スカーレット「くっ…」

アンナ「スカーレット…大丈夫?」

スカーレット「大丈夫よ」

ドール(土)「…大地裂(グランド・ブレス)

 

ドゴォォォォン!

 

スカーレット「!?」

 

ドール(土)が魔法を唱えた瞬間、スカーレットの足場以外全て破壊されてしまった。

 

スカーレット (な…身動きが…)

ドール(水)「…水遅縛(デリス)

 

ヒュッ…パシッパシッ!

 

スカーレット「!?」

 

スカーレットが困惑している隙にドール(水)がスカーレットを拘束した。

 

スカーレット (な…しまっ…)

ドール(土)「…赫石(レドオク)

 

ゴゴゴゴゴ…

スカーレットの頭上が赤く光った。

そして数秒後、赤い隕石がスカーレット目掛けて降ってきた。

 

スカーレット (な!?)

 

スカーレットはなんとか拘束を解こうとした。

 

リール「スカーレット!」

アンナ「スカーレット!」

 

リールとアンナがスカーレットを呼ぶ。

 

スカーレット (こんなんじゃ…リールにいいとこ見せられない!)

 

スカーレットは雷属性魔法をドール(水)が作った拘束に向けて放った。

 

スカーレット「放電(マギダラ)!」

 

ジジジ…バリバリバリ!

スカーレットが放った雷属性魔法はドール(水)が作った拘束を伝ってドール(水)の元へ向かった。

バリバリバリバリバリ!

 

ドール(水)「アァァァァァ!」

 

スカーレットが放った雷属性魔法が見事ドール(水)に当たった。

 

シュゥゥゥゥゥ…

するとドール(水)は形を崩して消えた。

 

スカーレット「はぁ…はぁ…」

ドール(土)「…」

 

すると、先程降ってきていた赤い隕石も同時に消え、ドール(土)は動かなくなった。

 

魔玉「クリアを確認。部屋を戻します」

 

シュゥゥゥゥゥ…

すると、先程壊れた床や壁が一瞬にして直った。

 

魔玉「見事クリアです。お疲れ様でした」

スカーレット「…ふぅ」

 

スカーレットはリールたちの元へ向かった。

 

スカーレット「…とまぁ…こんな感じね」

リール「スカーレット…あなた…ほんとすごいですね…」

スカーレット「と、当然よ…」

アンナ「でも…あんな魔法見たことないよ…」

スカーレット「これはお父さんたちが昔使ってた物なの。だからその当時使われた魔法があの魔玉に保存されてるの」

リール「あ、だから知らない魔法ばっかりだったんですね」

スカーレット「そ、その通り」

リール「でもちょっとレベル高すぎないですか?」

スカーレット「私たちは初めてだからね。仕方ないわ」

リール「そうですね」

スカーレット「じゃあ次はアンナ。やってみる?」

アンナ「え!?わ、私も!?」

スカーレット「そりゃあね。練習だから。これができればみんなと差をつけることができるよ」

アンナ「!」

 

アンナはその言葉に反応した。

 

アンナ「…やるよ。やってみる」

スカーレット「よしっ!じゃあ来て。やり方説明するから」

アンナ「うん!」

リール (…すごい。一瞬で目の色が変わった)

 

スカーレットはアンナに設定の仕方を教えた。

すると、魔玉が話し始めた。

 

魔玉「水属性魔法が確認されました。敵を配置します」

 

シュゥゥゥゥゥ…

すると、さっきと同じように二体の敵が現れた。

現れたのは、火属性魔法と雷属性魔法の人形だった。

 

スカーレット「アンナ!アンナが倒すのは火属性魔法の敵だけよ!雷属性魔法を避けつつ火属性魔法の敵を倒して!」

アンナ「わ、分かった!」

魔玉「戦闘を開始します」

 

すると、火属性魔法と雷属性魔法の人形が杖を構え、魔玉は消えてしまった。

 

アンナ (先手必勝!)

 

タッタッタッ!

アンナは敵の周囲を走り始めた。

人形たちもそれに伴って配置と向きを変える。

 

アンナ「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

アンナは水の弾を作り出し、それを敵に向けた。

 

ドール(雷)「…雷玉(サンダラ)

 

ドンドンドン!

アンナの魔法とドール(雷)の魔法がぶつかり合う。

 

アンナ「…なら」

 

ザッ!

アンナは走るのをやめ、手のひらを人形に向けた。

 

アンナ「水波動(ウォーター・ルーン)!」

 

ドォォォォォン!

アンナは手のひらから水の波動を放った。

 

ドール(雷)「…磁力(マグネット)

 

ビリビリビリ!

ドール(雷)は強力な磁場を生み出した。

 

アンナ「!」

 

すると、アンナの放った魔法がそれに吸い寄せられた。

 

スカーレット「なるほど…ああいう雷属性魔法もあるのね。勉強になるわ」

アンナ「くっ…なら…」

 

アンナは手のひらを上に向けた。

 

アンナ「(レイン)!」

ドール(雷)「…」

 

すると、この部屋の戦闘エリアに水属性魔法が降り注いだ。

 

ドール(雷)「…?」

 

ドール(雷)は何をしているのか全く分からずにいた。

だが、すぐにそれに気づいた。

 

ポタポタ…ポタポタ…

シュゥゥゥゥゥ…

 

ドール(雷)「!!」

 

ドール(雷)がドール(火)を見た時、ドール(火)は雨の影響でダメージを負っていた。

ドール(雷)はそれに気が付かなかった。

 

ドール(雷)「…雷砲(サンダー・キャノン)

 

ドール(雷)はアンナの放った魔法を防ぐ手段が無いため、一か八かの勝負に出た。

 

ジジジ…ゴゴゴゴゴ…

ドール(雷)の魔法が徐々に膨れ上がっていく。

 

アンナ (来た)

 

アンナはそれを待ってたかのように次の魔法を使った。

 

アンナ「爆ぜる雫(ドロ・ノヴァ)!」

ドール(火)「!」

ドール(雷)「!」

 

すると突然雨が止んだ。

ドール(雷)は好機だと思い、攻撃しようとした。

 

…だが

 

パァァァァァン!

後方で大きな音が鳴った。

 

ドール(雷)「!」

 

ドール(雷)はその音に気づいて振り返った。

だが、もう遅かった。

そこには深手を負ったドール(火)が倒れていた。

 

ドール(雷)「!」

 

この部屋の壁には人形と挑戦者の体力が表示されている。

ドール(火)の体力は0になっていた。

ドール(雷)はそのまま動かなくなった。

 

魔玉「クリアを確認。部屋を戻します」

 

シュゥゥゥゥゥ…

すると先程と同じように部屋が戻った。

 

魔玉「見事クリアです。お疲れ様でした」

アンナ「ひえぇぇ…か、勝ったぁ…」

スカーレット「やったじゃないアンナ。いい試合を見せてもらったわ」

アンナ「い、いやぁ…それ程でも…」

リール「凄いですよアンナ!」

アンナ「リール…」

スカーレット「さ、最後はリールね」

リール「分かりました!」

アンナ「頑張ってねリール!」

リール「はい!」

 

最後はリールの番。

スカーレットはリールにやり方を説明した。

そして、設定が終わった。

 

魔玉「光属性魔法を確認。敵を配置します」

 

シュッ!

出てきたのはドール(闇)だった。

 

リール「!」

スカーレット「!」

アンナ「!」

 

三人は驚いた。

配置された敵はたった一体。

他の2人は二体配置されたのにリールの時だけ一体だった。

 

魔玉「戦闘を開始します」

 

そして戦闘は開始された。

 

スカーレット「リール!とにかくそいつをやっつけて!」

リール「わ、分かりました」

 

リールとドール(闇)は杖を構えた。

 

ドール(闇)「…暗闇(ダーク)

 

すると、辺りが真っ暗になった。

 

リール (な…何も見えない…)

スカーレット「リール!負けないで!」

リール (声は聞こえる…でも…姿が…)

 

ドゴォン!

 

リール「!?」

 

リールは突然来た攻撃に対処できなかった。

 

リール (な、何…今の…)

 

シュゥゥゥゥゥ…ドゴォン!

 

リール 「ぐっ…」

 

リールはまた被弾した。

 

リール (相手の位置が把握できない…しかも向こうはこっちが見えてる…どうすれば…)

 

ドゴォンドゴォン!

 

リール「がっ…」

 

リールは次々に被弾する。

普通の魔法なら問題ないが、光属性魔法に唯一有効な闇属性魔法を受けているため、ダメージも相当なもの。

リールの体力はどんどん削られていく。

 

リール (こ、このままじゃ…)

 

ドゴォン!

 

リール「がっ…」

 

リールの体力が半分を切った。

 

リール (このままじゃ…)

 

リールは咄嗟に杖を向け、魔法を使った。

 

リール「閃光(フラッシュ)!」

 

シュゥゥゥゥゥ!

すると一瞬にして真っ暗な状態が解除された。

それと同時にドール(闇)は突然の光に目を眩ませた。

 

リール「今度は私の番です!」

 

リールは再度杖を構えた。

 

魔女さん (光属性魔法の最大の利点はその速さ。魔法を放てばすぐに効果が出ますよ)

リール (光属性魔法の最大の利点は…速さ…誰にも目視できないなら魔法も使えないはず!)

リール「光速(オーバースピード)!」

 

すると、黄色い光がリールを包み込んだ。

 

リール (これなら!)

 

ビュン!ビュン!ビュン!

リールは戦闘エリアを物凄い速さで駆け巡る。

 

スカーレット「す、すごい…」

アンナ「全然見えない…」

リール「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

リールはアンナがさっきやってたように走りながら魔法を放った。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

ドール(闇)は先程のリールの魔法の影響で動けないでいた。

そのため、リールの魔法を全て受けてしまった。

 

ドール(闇)「…」

 

ドール(闇)はその攻撃で目が覚めた。

 

リール「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

リールはさっきと同じ魔法を使った。

 

ドール(闇)「…闇渦(ブラックホール)

 

ドール(闇)が魔法を使った。

すると、戦闘エリアの中心に渦ができた。

 

スカーレット「なにあの魔法…」

アンナ「初めて見た…」

リール「…」

 

リールはその魔法を見て更に攻撃を重ねた。

 

リール「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

ギュォォォォォォ!

 

リール「!」

 

だが、その魔法はドール(闇)に当たらず吸い寄せられた。

 

リール (…なら)

 

リールはドール(闇)の背後に周り、杖を構えた。

 

リール 「光玉(ライダラ)!」

 

キィン…ドゴォォォォン!

リールの魔法はドール(闇)に直撃した。

 

リール「…ふぅ」

アンナ「やったよリール!」

スカーレット「すごいわねほんと…」

リール (良かった…なんとか勝て…)

 

ドゴォォォォン!

リールが一息ついた途端、リールは闇属性魔法に被弾した。

 

リール「ぐっ…」

スカーレット「リール!」

アンナ「リール!」

 

リールは起き上がり、壁に表示されている体力を見た。

 

リール「!」

 

ドール(闇)の体力はまだ尽きていなかった。

リールは体勢を立て直そうと立ち上がった。

だが、そこにはドール(闇)はいなかった。

 

ドール(闇)「…久しぶりに見た。光属性魔法」

リール「!」

 

キィン…ドゴォォォォン!

ドール(闇)はリールの背後至近距離から闇属性魔法を放った。

その威力はとても強く、半分近くあったリールの体力は0になった。

 

リール「がっ…」

 

ドサッ…

リールは体力が0になり、その場に倒れた。

 

スカーレット「リール!」

アンナ「リール!」

 

2人はリールの所に駆け寄った。

 

スカーレット「リール!しっかりして!リール!」

リール「…あれ、スカーレット…」

スカーレット「よかった…意識はあるみたいね」

リール「あれ…私…負けたんですか…」

スカーレット「…そうね。負けちゃったわね」

リール「…そうですか」

 

リールはこの時ある事を考えていた。

 

ドール(闇) (…久しぶりに見た。光属性魔法)

 

リールはその言葉が少し引っかかっていた。

 

リール (久しぶりに見た…あれは一体…)

アンナ「リール!大丈夫!?」

リール「だ、大丈夫ですよ…」

アンナ「よかった…ほんとに…」

 

シュゥゥゥゥゥ…

ドール(闇)が消えていった。

 

魔玉「クリアの確認ができませんでした。部屋を戻します」

 

シュゥゥゥゥゥ…

すると、部屋は元に戻った。

 

魔玉「クリアの確認がありませんでした。もう一度挑戦しますか?」

スカーレット「どうする?リール」

リール「えっと…今回は負けでいいです…」

スカーレット「分かったわ。再戦はなし」

魔玉「再挑戦の拒否を確認。お疲れ様でした。これにて設定した3グループ全てが終了しました。魔力瓶で魔力の補給を忘れずにお願いします」

 

ガシャン!

すると、魔力瓶×3がスカーレットとリール、アンナに与えられた。

 

アンナ「これは?」

スカーレット「これは魔力瓶って言って消費した魔力を回復させるものよ。設定したグループ全てが終わると魔玉がこれを渡してくれるの。体力の回復もできるから絶対飲んでおいてね」

アンナ「わ、分かった」

スカーレット「ほらリールも。飲める?」

リール「はい…飲めます…」

 

ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…

リールたちは魔力瓶を飲んだ。

すると、リールたちの魔力と体力が一瞬で回復した。

 

リール「わ、すごい…あんなに傷があったのに…」

スカーレット「ね、すごいでしょ」

アンナ「あ、ほんとだ…無くなった魔力も元に戻ってる…」

スカーレット「ここはいつでも使えるから気になったら使ってみて。やり方は教えた通りだから」

リール「ありがとうスカーレット」

スカーレット「べ、別にお礼なんていいわよ」

アンナ「ありがとう。スカーレット」

スカーレット「だからお礼なんて…」

 

その後リールたちはその地下室を出た。

リールはずっとあの言葉に引っかかっていた。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

???「…ほんと、久しぶりね」




〜物語メモ〜


魔法
この世界の魔法は様々。
これといって決まった魔法は無いため、自分で魔法を作って名付けることも出来る。
今回、魔玉が配置したドールたちの魔法はかつてドレインから生き残った12人の魔法使いや魔女たちが使用していた魔法の一部。



ここからは今話で出てきた魔法を紹介します。(長いです)


雷属性魔法:落雷(ダリサダ)
スカーレットが使った魔法。
頭上に雷雲を発生させ、雷を落とす魔法。
これは教科書にも書いてある程度の魔法だが、この魔法の発生を阻止するには発動者に攻撃する他はない。



土属性魔法:地脈(オッドレイ)
ドール(土)が使った魔法。
土属性魔法に適正がある人は戦闘開始時に必ず使う魔法。
この魔法を使うことで地脈を操ることができ、地震などを起こすことができる。



土属性魔法:大岩石(ロック・オック)
ドール(土)が使った魔法。
周囲の岩石もしくは魔法で作り出した岩石を操り、相手に飛ばす魔法。
これは使った魔力に応じて飛ばす岩石の数が増える。
威力の増減は無い。



土属性魔法:大地裂(グランド・ブレス)
ドール(土)が使った魔法。
周囲の地面を割り、足場を減らす魔法。
これは唯一大地を味方につけることができる土属性魔法に適正がある人にしか使えない。
ただし、空を飛ぶ相手には効果がない。



水属性魔法:水遅縛(デリス)
ドール(水)が使った魔法。
相手を拘束する魔法。
ただし、自分と相手を固定するため、自分の足元も水で繋がっている。
今回スカーレットが勝ったのはスカーレットが放電する事でドール(水)の足元まで雷属性魔法が届いたから。



土属性魔法:赫石(レドオク)
ドール(土)が使った魔法。
頭上から岩石を落とす魔法。
その岩石は赫く光り、風属性魔法以外を受け付けなくなる。



雷属性魔法:放電(マギダラ)
スカーレットが使った魔法。
自分の体から雷を発生させ、周囲に雷を放散させる魔法。
範囲は普通くらいだが、今回は水を伝ったため、有効打となった。



雷属性魔法:雷玉(サンダラ)
ドール(雷)が使った魔法。
雷の玉を作り出し、それを相手にぶつける魔法。
玉全てが雷属性魔法で覆われているため、相殺するにはそれ以上の威力で押し切らなければならない。



水属性魔法:水波動(ウォーター・ルーン)
アンナが使った魔法。
手のひらから相手に向かって放水する魔法。
一直線に飛ぶため避けるのは容易。
当たればダメージとともに、後方へ押し出される。



雷属性魔法:磁力(マグネット)
ドール(雷)が使った魔法。
使用すれば対象を引き寄せることができる。
この力はとても強いため、ほとんどのものはこれに吸い寄せられる。



水属性魔法:雨(レイン)
アンナが使った魔法。
周囲に雨を降らせる魔法。
ただし、普通の雨とは違って降ってくるものは全て水属性魔法。
なので、火属性魔法に適正がある人は雨を受けるとダメージを負うことになる。



雷属性魔法:雷砲(サンダー・キャノン)
ドール(雷)が使った魔法。
雷を溜めて相手に放つレーザー型の魔法。
放てば凄まじい威力となるが、今回はアンナの爆ぜる雫(ドロ・ノヴァ)で放つ前に負けとなった。



水属性魔法:爆ぜる雫(ドロ・ノヴァ)
アンナが使った魔法。
水を集めて破裂させる魔法。
本来は水を集めるところから始まるが、今回は先に雨(レイン)を発動していたため、その過程を飛ばして使用できた。



闇属性魔法:暗闇(ダーク)
ドール(闇)が使った魔法。
使えば周囲を真っ暗な状態にすることができる。
もちろん使用者は相手の場所が分かる。



光属性魔法:閃光(フラッシュ)
リールが使った魔法。
使えば相手の目を眩ませることができる。
一定時間動きを止める魔法だが、闇属性魔法に適正がある人に対しては効果が絶大。
これは魔女さんと魔法の練習をしている時に魔女さんから教わったもの。



光属性魔法:光速(オーバースピード)
リールが使った魔法。
使えば自分のスピードを格段に上昇させることができる。



闇属性魔法:闇渦(ブラックホール)
ドール(闇)が使った魔法。
使えば自分を中心に大きな渦が展開される。
展開されてる間、あらゆる魔法は使用者に届く前にブラックホールによって吸い取られる。



光属性魔法:光玉(ライダラ)
リールが使った魔法。
光を玉として放つ魔法。
これも魔女さんから教わった魔法のひとつ。

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