私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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ここでちょっとお知らせです。


最近、投稿できてませんでしたが、理由としては実習があったからです。

ネット環境がない場所での実習でしたので、投稿まで時間がかかりました。

今は実習は終わっていますが、それでもまだ忙しいので投稿頻度は少ないです。


お知らせは以上です。


第18話 リールと模擬試合(アンナ編)

私の名前はリール。

今エレナ学院の隣にある第1魔法戦闘室にいます。

私たちは模擬試合という2学年になった人たちの最初のイベントらしいそれに参加しています。

1VS1で行うものらしく、互いに魔法をぶつけて勝敗を決めるそうです。

前回はスカーレットが出場しました。

結果は敗北でしたが、それでもスカーレットはよく頑張ったなと思っています。

次はアンナの番です。

アンナは一週間前に何やら策を練っていたらしく、今回はそれが見れたらいいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サランとスカーレットの試合が終わった。

試合はサランの勝利となり、3戦目が開始された。

3戦目は火属性VS土属性。

両者作った魔法や覚えた魔法を惜しげも無く使った。

試合時間は少し長かったが、勝負は着いた。

決め手は火属性魔法の使用による熱だった。

土属性魔法を使って自身を土で覆い、ダメージを無効化したが、火属性の熱は防ぐことができず、熱に耐えられなくなった。

集中力が切れた時、土属性魔法が効果を失い、そのまま火属性魔法を受けてしまった。

そして、3戦目は火属性魔法の勝利となった。

続いて4戦目。

4戦目は風属性魔法と雷属性魔法だった。

この試合も少し時間が長く、互いが互いの魔法を受けて共倒れという結果となった。

そして続くは5戦目。

アンナVSエル(女)の試合が始まろうとしていた。

 

リール「アンナ!」

アンナ「!」

リール「…頑張って!」

アンナ「…うん!見てて!」

 

アンナはステージに上がった。

 

エル「…」

アンナ「…」

ジーヴル先生「両者杖を構えて!」

 

アンナとエルは杖を構えた。

 

ジーヴル先生「始め!」

 

ジーヴル先生の合図が出た。

 

エル「…あなた」

アンナ「…なんですか」

エル「…あなたも水属性魔法なのね」

アンナ「…はい」

エル「ならここで負ける訳にはいかないわ」

アンナ「わ、私だって…バカにされるのはもう嫌…だからここで勝ってみんなを驚かせるの」

エル「…そう。できるといいわね」

 

話し終えるとエルは魔法を使った。

 

エル「水玉(ウォダラ)!」

 

ビュン!

すると丸い形の水が一直線にアンナに飛んできた。

 

アンナ「!」

 

アンナはそれを避け、エルに杖を向けた。

 

アンナ「水波動(ウォーター・ルーン)!」

 

ドバァァァァァ!

アンナは水属性のレーザーを放った。

 

エル「はっ!」

 

エルもその魔法を避け、次の魔法を使った。

 

エル「水柱(エルメス)!」

 

ドバァン!ドバァン!ドバァン!

魔法を唱えた途端、地面からいくつかの水の柱が形成された。

 

アンナ「!!」

 

アンナはいきなり出てきたものに驚いていた。

 

エル「ぼーっとしてたらやられるわよ!」

 

ドン!ドン!ドン!

 

アンナ「ぐっ…」

 

アンナはエルの魔法を受けた。

 

エル「まだまだ!」

 

エルは続けて魔法を放つ。

 

エル「棘水(ディナ)!」

 

するとエルの周りに水で形成された棘が展開された。

 

エル「伝水(ノル)!」

 

するとエルの周りに展開された棘が舞台全体に広がった。

 

アンナ「痛っ!」

 

アンナはその棘のダメージを負ってしまった。

 

アンナ「これは…」

エル「水で作った棘よ。痛いでしょ?」

アンナ「…っ」

 

アンナは杖を構えて魔法を使った。

 

アンナ「(レイン)!」

 

すると舞台全体に雨が降り注いだ。

 

エル「なによ…これ…」

 

エルはアンナの放った魔法をよく分かっていなかった。

 

アンナ「これで…大丈夫…」

 

ビュン!

 

エル「!?」

 

そこにいたアンナは一瞬にして消えた。

エルはアンナを完全に見失った。

 

エル「ど、どこにいるのよ…」

 

アンナはこの時もずっと舞台を走り回っている。

エルにはそれが見えていなかった。

 

エル「このままじゃ埒が明かない…」

アンナ (そろそろ…)

 

アンナは水柱(エルメス)を避け、エルに近づいた。

 

アンナ「爆ぜる雫(ドロ・ノヴァ)!」

エル「!?」

 

ドゴォォン!

エルは突然聞こえたアンナの声に驚いた。

それと同時にエルはアンナの魔法に被弾した。

 

アンナ「…」

 

アンナはエルが被弾している隙にその場から離脱した。

 

エル「…や、やるじゃない…あなた…」

アンナ「!!」

 

アンナは被弾して尚そこに立っているエルに驚いていた。

 

エル「かけといてよかったわ…かけてなかったらやられてたわね」

アンナ「な…なんで…」

エル「水避け(ミズノハゴロモ)。私が考えた魔法。相手の魔法を受け流すの。この試合が始まってすぐに使ったわ」

アンナ「でもそんな素振りは…」

エル「当たり前よ。見せたらバレるじゃない」

アンナ「そんな…」

 

爆ぜる雫(ドロ・ノヴァ)はアンナが考えた魔法の中で唯一相手にダメージを与えることが出来る魔法。

その魔法が効かないとなるとアンナには攻撃手段が無かった。

 

エル「さ、次はこっちの番ね」

アンナ「!」

 

エルは杖を下に向けた。

 

エル「棘水・突(ディナ・リーン)!」

 

ヒュッヒュッヒュッ!

グサッ!

 

アンナ「!?」

 

エルが魔法を使った途端、地面に展開されていた棘水(ディナ)が突然アンナに向かって伸びてきた。

アンナはそれに対応できず、そのまま被弾した。

 

エル「どう?棘水(ディナ)はただ設置するだけじゃないの。相手に当てることもできるのよ」

アンナ「…っ」

リール (アンナ…)

 

リールはアンナを見守る。

 

アンナ「(レイン)!」

 

アンナは魔法を使った。

 

エル「…またそれね。悪いけど対処法は思いついてるの」

 

アンナは雨の効果で身体能力が上がった。

アンナはそのままさっきと同じように舞台を駆け回った。

 

だが…

 

グイッ!

 

アンナ「!?」

 

舞台を駆け回っているアンナの足を誰かが掴んだ。

アンナは足元を確認した。

 

アンナ「こ、これって…」

 

アンナの足元には何やらドロドロとしたものがある。

 

エル「あら、気づいた?」

アンナ「!」

エル「そう。それは私が考えた魔法。名付けて水取り(トラップ)。水属性魔法の適性者にしか効果は無いけど、今なら効果抜群よね」

 

アンナはドロドロとしたものから足を剥がそうとした。

だがあまりにも強く、足を剥がすことができなかった。

 

エル「ダメよ。それは水属性魔法を使う人専用のトラップなの。その人の魔力が全て吸い取られるまで離さないわよ」

アンナ「…っ!」

 

するとアンナの魔力が吸われ始めた。

 

エル「さ、あなたはいつになったら抜けられるのかしら?」

アンナ「くっ…」

エル「ちなみにこの魔法を他の人に試したら、その人は魔力を全て吸い取られたわ」

 

アンナは必死に脱出しようとした。

 

エル「あ、ちなみになんだけど、ひとついいこと教えてあげる」

アンナ「?」

エル「あなたが魔力を吸い取られてる間、私はじっとしてないから」

アンナ「!!」

 

するとエルは杖を構えた。

 

エル「じゃ、頑張って耐えてね」

 

エルは魔法を使った。

 

エル「機関水(マシンガン・ウォーター)

 

ババババババババ!

するとエルの杖から無数の水玉が放たれた。

 

ドドドドドドドド!

 

アンナ「がっ…ぐっ…」

 

アンナはそれに被弾する。

 

ババババババババ!

エルはお構い無しに魔法を放ち続ける。

 

エル「さ、早くしないと負けちゃうよ?」

 

現在アンナは水取り(トラップ)によって魔力を吸い取られ、エルの機関水(マシンガン・ウォーター)によって体力を削られている。

 

リール「アンナ!」

アンナ (あ…リール…)

 

リールは必死にアンナに言葉をかける。

だが、その声はアンナに届いていなかった。

 

アンナ (リール…なんて言ってるんだろ…全然聞こえない…)

エル「あっはははは!さぁ!早く負けなさい!」

アンナ (どうしよう…どんどん意識が…)

 

アンナは魔力を吸い取られてる影響でどんどん意識が落ちていく。

 

アンナ (このままじゃ…負けちゃう…でも、何も出来ない…どうすれば…)

エル「さぁ!これで最後よ!」

 

エルは魔法を使った。

 

エル「波動砲(ウォーター・バーン)!」

 

するとエルは杖をアンナに向けて魔法を放った。

 

アンナ (ごめんねリール…負けちゃった…)

??? (アンナ…アンナ…)

アンナ (!!)

 

どこからか声がする。

今まで何度も聞いた、ある人の声。

 

??? (大丈夫。あなたなら知ってるはずよ。教えたじゃない)

アンナ「!!」

 

意識が薄れゆく中、アンナはある事を思い出した。

 

??? (そう、それ。私が教えたとっておきの魔法。相手に触れさせないチートギリギリの魔法。あなたなら大丈夫。だから使って。きっと今のあなたの役に立つわ)

アンナ (…お母さん…)

 

アンナは杖を構えた。

 

アンナ「…(ルーメス)

 

ドゴォォォォォン!

エルの放った波動砲(ウォーター・バーン)が直撃した。

 

エル「やったぁ!これで私の勝ちね!」

 

エルは勝利を確信した。

身動き取れず、魔力も吸われ、体力も奪われた相手に大ダメージを与える魔法を放ったからだ。

 

エル「さぁて、あの子はどうなってるかしら?」

 

エルはアンナを見た。

だが、そこにアンナはいなかった。

 

エル「?」

 

不思議に思ったエルは壁に設置されている掲示板を見た。

 

エル「!!」

 

すると、アンナの体力が波動砲(ウォーター・バーン)を放った時と全く変わっていなかった。

エルは寒気がした。

 

アンナ「流石お母さん…この魔法…ほんとに凄い…」

エル「!!」

 

アンナの声はエルの背後から聞こえた。

エルはすぐに離れた。

 

アンナ「あぁ…可哀想…」

エル「あ、あなた!ど、どうやって抜け出したのよ!この魔法は誰も抜け出せない魔法だったのよ!なのに!」

アンナ「…知らないよ。でも…」

エル「!!」

 

アンナの目は水色に光っていた。

 

アンナ「もう二度と…あなたの魔法は受け付けない。もう二度と…被弾しない」

 

エルはアンナの変貌っぷりに驚いていた。

 

エル「あなた…」

アンナ「さぁ…負ける覚悟はできた?」

 

アンナはエルに圧をかける。

 

エル「私があなたに負けるわけないでしょ!」

 

エルは魔法を使った。

 

エル「水玉(ウォダラ)!」

 

ドォン!

エルの放った水玉(ウォダラ)は一段と速く飛んだ。

 

…だが

 

スゥゥ…ドゴォン!

水玉はアンナの体を貫通して壁に当たった。

 

エル「え…なんで…」

アンナ「言ったでしょ…もう二度と…あなたの魔法は受け付けないって」

エル「!!」

 

エルは恐怖のあまり魔法を立て続けに放った。

 

エル「波動砲(ウォーター・バーン)機関水(マシンガン・ウォーター)!」

 

ババババババババ!

キィン!ドゴォォォォォン!

エルの魔法は全てアンナに向けて放たれた。

 

スゥゥ…スゥゥ…ドゴォン!ドゴォン!

だが、その魔法は全てアンナに当たらなかった。

 

エル「なんで!なんで!なんで!」

 

エルは魔法を続ける。

だが、エルの魔法はアンナに一度も当てられなかった。

 

そして…

 

エル「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

エルの魔法が途切れた。

 

エル「な…なんで…っ!」

 

エルの魔力が底をついていたのだった。

 

エル「なんで!なんで!なんで!」

 

エルは何度も魔法を放とうとしたが、魔力が尽きているため、魔法が使えなかった。

 

アンナ「…分かった?」

エル「!!」ビクッ!

 

エルはアンナの声に体を震わせた。

 

アンナ「あなたの魔法は私に届かないの。こんなに魔法を使ったら魔力が尽きるのも分かるでしょ?」

エル「あ、あんた…全然喋らない陰キャのくせに!」

アンナ「それは過去の私。今の私と一緒にしないで。私は変わったの」

エル「あ、あんたみたいなやつ全然怖くないから!全然!」

アンナ「そう…なら…」

エル「!!」ビクッ!

 

アンナは杖を構えた。

エルはそれに対して体を震わせた。

 

アンナ「…もう終わらせましょ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

 

エル「!!」

 

アンナが魔力を込めた途端、物凄い水が杖に集まった。

 

エル「ちょ!あんた!そんな魔法放ってどうするのよ!」

アンナ「…」

エル「…っ!いい加減にしなさいよ!魔力が切れたの分からないの!?」

アンナ「…」

 

アンナはじっとエルを見つめる。

 

エル「くっ…私があんたなんかに負けるはずがないわ!」

アンナ「…」

エル「こんなの無意味!その魔法を撃つだけ無駄!だから今すぐやめなさい!」

アンナ「…」

 

アンナはエルに杖を向けた。

 

エル「聞いてるの!?やめなさいって!」

アンナ「爆ぜる(ドロ)…」

エル「ひっ…」ビクッ!

 

アンナが魔法を唱えた瞬間、エルはビクついた。

 

アンナ「(ノヴァ)

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!ビュン!

するとアンナの杖から爆ぜる雫(ドロ・ノヴァ)が放たれた。

 

エル「だからやめなさいってぇぇぇぇぇぇ!」

 

ドゴォォォォォン!

その爆発は今まで見た中で最も大きな爆発だった。

 

エル「がっ…あ…」

 

まともに魔法を受けたエルの体力は魔力と共に0となった。

 

バタン!

エルはそのまま倒れた。

 

ジーヴル先生「決着!勝者!アンナ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アンナは(ルーメス)を解いた。

 

アンナ「…ふぅ」

男子「うぉぉぉぉぉぉ!」

アンナ「!?」ビクッ!

 

アンナは突然聞こえた大きな声に驚いた。

 

男子「やるなぁ!アンナのやつ!」

男子「ほんとだぜ!前までは落ちこぼれだったのによ!」

男子「さっきの魔法はなんだ!?初めて見たぞ!」

男子「しかも水なのに火属性魔法っぽいことになってたし!」

男子「それな!爆発してたしな!」

男子「てかあいつの魔法が全然効いてなかったけどなんだあれ!?」

男子「全部当たってるはずなのに全部壁に当たってたよな!?」

男子「しかも避けた様子もなかったし!」

男子「すげぇよアンナ!」

男子「やるなぁ!」

アンナ「あ、えっと…」

リール「アンナ!」

アンナ「リール!」

 

ギュッ!

リールはアンナを抱きしめた。

 

リール「凄いよアンナ!あんな魔法初めて見た!」

アンナ「えへへ…ありがとうリール」

リール「驚いちゃった!あの子の魔法が全然当たってなかったから!」

アンナ「あ、あの魔法はお母さんから教わったんだ。お母さんのとっておきの魔法なの」

リール「へぇ!あとで聞かせて!」

アンナ「うん!次はリールだね!頑張って!」

リール「うん!見てて!」

 

模擬試合 第5戦 アンナVSエル

勝者 アンナ




〜物語メモ〜

新しく出てきた魔法

水属性魔法:水玉(ウォダラ)
エルが使った魔法。
水で作った玉を相手にぶつける魔法。

水属性魔法:水柱(エルメス)
エルが使った魔法。
地面から水の柱を作り出し、相手の視界を狭める。
同時に攻撃手段として使うことも可能。

水属性魔法:棘水(ディナ)
エルが使った魔法。
周囲に水で作った棘を配置することができる。
スカーレットの魔法で言うところの地雷と同じ原理。

水属性魔法:伝水(ノル)
エルが使った魔法。
棘水と一緒に使うことで棘水の範囲を広げることができる。

水属性魔法:水避け(ミズノハゴロモ)
エルが使った魔法。
使えば相手の攻撃を受け流すことが出来る魔法。
ただし、水属性魔法にしか効果がない。

水属性魔法:棘水・突(ディナ・リーン)
エルが使った魔法。
棘水から派生する魔法で地面に設置した棘水を伸ばすことで相手にダメージを与える魔法。
当たれば体に刺さるため、痛みを伴う。

水属性魔法:水取り(トラップ)
エルが使った魔法。
水属性魔法の適正者の身動きを取れないようにする魔法。
この魔法も水属性魔法の適性者にしか効果がない。

水属性魔法:機関水(マシンガン・ウォーター)
エルが使った魔法。
使えば杖の先端から無数の水弾が放たれる。
弾数が多く、弾道速度も速いため、避けるのは難しい。

水属性魔法:波動砲(ウォーター・バーン)
エルが使った魔法。
アンナが使う水波動 (ウォーター・ルーン)と同じ水属性のレーザー型の魔法。
使えば一直線に飛んでいく。

水属性魔法:霞(ルーメス)
アンナが使った魔法。
使えば相手の攻撃を一切受け付けなくなる。
元々アンナの母が考案した魔法で今回はその魔法とアンナの考えを織り交ぜて作られた混合型の魔法。
アンナの母はこの魔法を考案した際、「チートね」と声を漏らした。

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