私、魔女さんに拾われました。   作:バスタオル

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第2話 魔女さんと私の適性魔法

私の名前はリール。

ある魔女さんと一緒に暮らしています。

今日は私の魔法の適性を見るということで外にいます。

いつも一人で勉強してたので魔女さんから直々に魔法を教えてもらうのは初めてです。

今まで魔女さんに教わったのはマナを集める方法だけで実践できる魔法は1度も習っていません。

なのでちょっと楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔女さん「さぁリール。ここでやってみましょうか」

 

私たちは広い高原に来ています。

 

リール「はい!」

 

そこは辺りに家や人は無く、魔法を使うには最適の場所だった。

 

魔女さん「ちょっと待ってくださいね」

 

すると魔女さんはブツブツと何か言ってから手を上にあげた。

 

魔女さん「結界」

 

パキパキパキ…

すると魔女さんの手に出てきた小さな玉が急激に大きくなり、次第に私たちの周りを覆った。

 

リール「魔女さん。これは?」

魔女さん「これは結界と言って敵から自分や他人を守るために使われる魔法です」

リール「え、でも周りには誰もいませんよ?」

魔女さん「使い方としては確かに人を守るための魔法ですが、今回は私たちが魔法を使うので被害を大きくしないようにするために使っています。この中なら魔法を使っても外界には被害は出ません。もちろん結界を解除すれば全て元通りになりますよ」

リール「へぇ!」

魔女さん「では、早速始めていきましょうか」

リール「はい!」

 

そして、私の魔法の勉強が始まった。

 

 

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魔女さん「じゃあまずは氷の魔法を使ってみましょうか」

リール「はい!」

魔女さん「氷の魔法は属性魔法の中で最も簡単な魔法です。なので私たちのように魔法を使う人たちの中で氷の魔法を使う人はたくさんいます。なのでまずは氷の魔法を習得していきましょう」

リール「はい!」

魔女さん「じゃあまず最初に、魔法を使うには何が必要だったか覚えていますか?」

リール「マナです!」

魔女さん「そう!正解です!ではマナを集めるにはどうすればいいですか?」

リール「えっと…こうやって掌を上に向けて…」

 

私は以前魔女さんから習った方法でマナを集めた。

すると、私の掌に魔女さんほどでは無いけどマナが集まってきた。

 

リール「こ、こうやります!」

魔女さん「はい。上出来ですね。じゃあ次は氷の魔法の事を話しましょうか」

リール「はい!」

魔女さん「あ、マナは手放しても大丈夫ですよ」

リール「あ、はい」

 

私はマナを手放すため、掌を下に向けた。

すると、マナはすぐに私の掌から離れていった。

 

魔女さん「さて、氷の魔法ですが、この魔法は他の属性魔法と違ってその場にあるものから作り出すことで魔法が成り立ちます」

リール「その場にあるもの?」

魔女さん「はい。例えば火の魔法ではマナを集めてからマナを火に変えて魔法として使います。ですが氷の魔法はマナを使わずに空気中の水を使います」

リール「空気中の…水?」

魔女さん「はい。氷の魔法だけマナを使わないんです。なのでマナを集めることができなくても氷の魔法を使う人はたくさんいます。だから氷の魔法を使う人が多いんですよ」

リール「でも空気中には水なんてありませんよ?」

魔女さん「いいえありますよ。ただ微量ですから私たちはそれを感じることが出来ないんですよ。私も感じられません」

リール「え…魔女さんでも?」

魔女さん「はい」

リール「うーん…それを使って氷…」

魔女さん「やり方は簡単ですよ。まずこうやって手を前に出してください」

リール「はい」

 

私は魔女さんの言う通りに手を前に出した。

 

魔女さん「この時掌は自分の方に向けちゃダメですよ」

リール「自分に魔法が返ってくるんですよね!」

魔女さん「その通りです」

リール「やった!」

魔女さん「さ、次に進みましょうか」

リール「はい!」

魔女さん「手を出したらこの掌の中心に意識を向けてください」

リール「意識を…」

 

私は言われた通りに意識を掌の中心に向けた。

 

魔女さん「あとは自分の手が凍るようなイメージを持ってください」

リール「手…手が凍るイメージ…」

 

私は自分の手が凍ってカチカチになるイメージを持った。

 

リール「!」

 

すると、私の手が急に冷たくなった。

 

魔女さん「リール。もう目を開けてもいいですよ」

リール「!」

 

私が目を開けると掌に氷ができていた。

 

魔女さん「これが氷の魔法です。マナを使わないので簡単にできますよ」

リール「で…できた…」

魔女さん「初めてなのにできたのはすごいですよリール。良かったです」

リール「魔女さん…」

魔女さん「はい。何でしょうか」

リール「この次はどうすれば…」

魔女さん「あ、じゃあ1番簡単なものを教えましょうか」

リール「はい!」

魔女さん「やることは単純です。掌にできた氷を勢いよく地面に叩きつけてください」

リール「え!?叩きつける!?」

魔女さん「はい。投げつけてもいいんですが、それだと危ないので掌についた氷を地面に押し付けてください」

リール「わ、分かりました…」

 

私は言われた通りに氷を地面に勢いよく押し付けた。

パキパキパキパキ!

するとその氷は辺りに広がって周囲を凍らせた。

 

リール「わ、わわわ!」

魔女さん「成功ですね。素晴らしいです」

リール「魔女さん…これは…」

魔女さん「氷の魔法は主に相手の動きを止めたり、周囲を凍らせたりする魔法です。やり方は多彩で簡単なものから難しいものまであります。なので今回は簡単なものを教えました」

リール「な、なるほど…でも魔女さん」

魔女さん「はい。何でしょうか」

リール「足…凍っちゃって動けません…」

魔女さん「え?あ…あらあら…」

 

私は初めて魔法を使ったのでまだ制御ができてませんでした。

そのため辺りだけでなく、自分の足まで凍らせてしまいました。

 

魔女さん「あらあら…ふふふ。まぁ初めてなのでこういう事もありますよ。ちょっと待ってくださいね」

 

それを見た魔女さんは私の足に向かって掌を向けた。

その後何かブツブツと言った。

すると魔女さんの手に火が出てきた。

 

魔女さん「リール。動いちゃダメですよ」

リール「え…えっと魔女さん…もしかして…私を…」

魔女さん「大丈夫ですよ。リールを燃やしたりなんかしません」

リール「あ、良かったです…」

魔女さん「さ、いきますよ」

 

ボッ!

すると魔女さんの手から離れた火は私の足元に落ちた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

その火は私の足についた氷を溶かしていった。

しばらくそのままでいると次第に足についた氷が全部溶けて動けるようになった。

 

リール「はぁ…良かったぁ…」

魔女さん「足が凍っちゃったけど無事に魔法を使うことが出来ましたね」

リール「はい…」

魔女さん「どうしましたか?」

リール「いえ…魔女さんがいなかったら私どうなってたんだろって思いました」

魔女さん「…リールは私と同じですね」

リール「私が魔女さんと?」

魔女さん「はい。私も初めて氷の魔法を習った時はリールのようになりましたよ。ただリールと違って私は氷漬けになりましたが…」

リール「こ…氷漬け…」

魔女さん「はい。リールはまだ魔力が小さいので足が凍ったくらいで済みましたが、私は魔力が大きかったので氷漬けになっちゃったんです。近くにお師匠様がいなかったら私はずっと氷漬けでしたよ」

リール「そ、その後は…」

魔女さん「その後はお師匠様が火の魔法を使って私を出してくれましたよ」

リール「ほっ…良かったです…」

魔女さん「まぁそういう事で最初は誰でも上手くいかないので落ち込む必要は無いですよ」

リール「はい。分かりました」

魔女さん「じゃあ一通り魔法を使ってみましょうか」

リール「はい!」

 

それから私は魔女さんに他の属性魔法を教わりました。

 

 

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1つ目:火属性魔法

 

魔女さん「じゃあまず最初に火の魔法を使ってみましょうか」

リール「はい!」

魔女さん「あ、その前に。属性魔法は火、水、氷、風、雷、土、光、闇、無の九つあります」

リール「無?無ってなんですか?」

魔女さん「無属性魔法の事ですよ。誰にでも等しく効果がある魔法です」

リール「どういうものが無属性魔法なんですか?」

魔女さん「そうですね…例えば回復魔法ですね。回復は誰にでも等しく効果があるので分類としては無属性魔法に含まれます」

リール「なるほど!」

魔女さん「他には味方を強くする魔法も無属性魔法ですね」

リール「味方を強くする?」

魔女さん「そうです。例えば防御力を上げる魔法を使えばその人の防御力が上がるので、やられる確率は下がります」

リール「あ、確かに」

魔女さん「攻撃力を上げれば魔法の強さが上がるので大きなダメージが期待できます」

リール「ふむふむ」

魔女さん「他にも自分の魔力を誰かに分け与えることもできますよ」

リール「おぉ!」

魔女さん「まぁ、どの魔法が使えるのかは適正があるのでそれを知っていくのが今回の授業ですね」

リール「適正が無かったらどうなるんですか?」

魔女さん「そうですね。適正が無かったら適正がある人と比べて魔法が弱くなったり、その魔法自体が使えなかったりしますね」

リール「魔女さんはどの魔法が使えますか?」

魔女さん「私ですか?私は全ての魔法を使うことができますよ」

リール「え!!魔女さん全部使えるんですか!?」

魔女さん「はい。使えますよ」

リール「おぉ…」

魔女さん「でも適正は人それぞれです。使えない魔法があっても落ち込んじゃダメですよ」

リール「はい!」

魔女さん「じゃあ始めましょうか」

リール「はい!」

魔女さん「火の魔法は物を燃やしたりさっきみたいに氷を溶かしたりできます。魔力の強さで火の効果が上がるので、その人の魔力の量も見ることができます」

リール「おぉ!」

魔女さん「やり方は簡単です。さっきのように掌を前に出してから掌の中心に意識を向けて、あとは火をイメージすれば…」

 

ボッ!

 

リール「!」

 

すると、魔女さんの手に火が出てきた。

 

魔女さん「と、こんな感じに火を出すことができますよ」

リール「おぉ!」

魔女さん「あとはこれを飛ばすだけです」

リール「どうやって飛ばすんですか?」

魔女さん「投げるのもひとつの手段としてありますが、投げるとどこに飛ぶか分からないので今回はマナを使って飛ばしますね」

リール「はい!」

魔女さん「マナを使えば思い通りの場所へ飛ばすことができます。やり方としては、まずマナを集めます」

リール「ふむふむ…」

魔女さん「集まったマナにどこに飛ばすかを指示します」

リール「ふむふむ…」

魔女さん「あとは魔力を送ればマナが飛ばしてくれます。こんな風に…」

 

ドン!ヒュゥゥゥゥ!ドーン!

魔女さんの手にあった火が一直線に飛んで結界に当たった。

 

魔女さん「こうすれば安全に正確に飛ばせますよ」

リール「おぉ!」

魔女さん「リールもやってみますか?」

リール「はい!」

 

私はさっき魔女さんがやったようにやってみた。

 

魔女さん「あとはマナを集めて…」

リール「ぐぬぬ…」

 

私はなんとかマナを集めた。

 

魔女さん「あとは頭の中でマナに指示して魔力を送るだけです」

 

私は言われた通りにやってみた。

ポスッ…シュゥゥゥゥゥゥゥ…シュポッ…

 

リール「え…」

 

するとその火は消えてしまった。

 

魔女さん「あら、ということはリールは火属性の魔法に適性が無いってことですね」

リール「ぐぬぬ…」

魔女さん「じゃあ次いってみましょうか」

リール「やります!」

 

 

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2つ目:水属性魔法

 

魔女さん「水属性魔法は火属性魔法の効果を消したり、自ら水を作り出すことで水に強い体を得ることができます。やり方は火属性魔法と同じです。手を出してイメージしてください」

リール「…」

 

私はさっきと同じようにやってみた。

すると、手が濡れたような感触があった。

 

魔女さん「じゃああとはマナを集めて…」

 

パチッ!

 

リール「!」

 

私がマナを集めようとした時、私の掌にあった水が弾けて無くなった。

 

魔女さん「あら、水属性の魔法にも適性が無いようですね」

リール「うぅ…」

魔女さん「落ち込まないでリール。この世界の人は何かしらの適性を持っています。適性を持ってない人はこの世には存在しませんよ」

リール「…はい」

 

 

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3つ目:風属性魔法

 

魔女さん「じゃあ今度は風属性魔法を使ってみましょうか」

リール「はい…」

魔女さん「風属性魔法は風を操ることで空を飛ぶことができますよ。他にも強い風で一部の属性魔法を弾くことができます。やり方は同じなのでやってみてください」

リール「分かりました」

 

私はさっきと同じようにやってみた。

ヒュゥゥゥゥ…

すると風が吹き、私の掌に集まってきた。

 

魔女さん「じゃあマナを集めてみましょうか」

リール「はい…」

 

私はなんとかマナを集めた。

 

リール (ほっ…できた…)

魔女さん「あとはそれを飛ばしてみましょうか」

リール「はい!」

 

ヒュゥ…

 

リール「!」

 

すると、私の掌から風が消えた。

 

リール「え…」

魔女さん「うーん…風属性も適性じゃないですね」

リール「魔女さん…私…本当に適性があるんでしょうか…」

魔女さん「属性魔法はあと2つありますよ。なのであと2回やってみましょう」

リール「…はい」

 

 

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4つ目:雷属性魔法

 

魔女さん「じゃあ次は雷属性魔法です。雷属性魔法は属性魔法の中で最も弾道速度が速い魔法です。相手が結界を展開していなければ必ずと言ってもいいほど魔法を当てることができます。ですがこれは静電気みたいにピリピリするので気をつけてくださいね」

リール「はい」

 

私はさっきと同じようにやってみた。

ピリピリ…

すると手がピリピリし始めた。

 

リール「どうでしょうか」

魔女さん「いいですよ。あとはマナを集めてみましょう」

リール「はい」

 

私はマナを集めた。

ジジジ…ジジジ…

すると、さっきよりも痺れが強くなった。

 

魔女さん「上手くいってますね。じゃあそれを飛ばしてみましょう」

リール「はい!」

 

ジジジ…バリバリバリ!

 

リール「!?」

 

するとその雷がいきなり暴れだした。

 

魔女さん「!!」

リール「あわわわわ!」

魔女さん「はぁっ!」

 

ジジジ…シュゥゥゥゥゥゥゥ…

魔女さんが何かした途端、雷が消えて無くなった。

 

魔女さん「リール。大丈夫ですか?」

リール「は、はい…」

魔女さん「うーん…雷属性魔法にも適性が無いみたいですね」

リール「うぅ…」

魔女さん「大丈夫です。まだあとひとつありますよ」

リール「はい…」

 

 

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5つ目:土属性魔法

 

魔女さん「最後に土属性魔法ですね。土属性魔法は地面を味方につけることができます。魔法を使って相手の魔法を防ぐことができるので、結界が使えなくても大丈夫なんですよ」

リール「なるほど…」

魔女さん「じゃあやってみましょうか」

リール「はい」

 

私はいつもの通り同じようにやって見た。

すると、自分の手に土がつくような感触があった。

 

魔女さん「いいですね。じゃあマナを集めてみましょう」

リール「…」

 

私はマナを集めてみた。

 

魔女さん「いいですね。じゃあ飛ばしてみましょうか」

リール「ふんっ!」

 

私はマナを使って飛ばしてみた。

でも…

ガラガラガラ…

 

リール「!」

魔女さん「!!」

 

私の掌にあった土が崩れて落ちてしまった。

 

リール「え…」

 

私は今まで5つの属性魔法を使ってみた。

でも、全て使えなかった。

魔女さんは絶対どれかの魔法に適性があるって言ってた。

私って…魔法が使えないのかな。

リールがそんな事を思っている中、魔女さんはあることを考えていた。

 

魔女さん (火、水、風、雷、土…全て使えなかった…これってまさか…いや…こんな事って…)

 

魔女さんは何を思ったのか、リールに話しかけた。

 

魔女さん「リール」

リール「はい。何ですか?」

魔女さん「ひとつ…試してもいいですか?」

リール「何をですか?」

魔女さん「さっき属性魔法は九つあるって言ったの覚えてますか?」

リール「はい。覚えてます」

魔女さん「実はさっきの5つは基本属性魔法に分類される魔法なんです。氷と無属性魔法は誰でも使えるので無しにして残りの2つ…光と闇の属性魔法があります」

リール「…」

魔女さん「これは特殊属性魔法と言われていて使う人はごく僅か…稀にいるかいないかくらいなんです」

リール「…」

魔女さん「それで、光もしくは闇属性魔法を使う人にはある共通点があるんです。それは…"5つの基本属性魔法が使えない"という事なんです」

リール「!!」

魔女さん「リールは5つの基本属性魔法が使えませんでした。光、闇属性魔法を使う人と同じなんです」

リール「それって…」

魔女さん「はい。もしかしたらリールの適性は光か闇属性魔法なのではないかと思います」

リール「!」

魔女さん「私も身近で光、闇属性魔法の特徴を持つ人を見るのは久しぶりです。やってみませんか?」

リール「やります!」

魔女さん「じゃあ早速やりましょう!」

リール「はい!」

 

私は急にやる気が出てきた。

 

リール (光か闇…特殊な属性魔法…ふふっ…どっちかな♪)

 

 

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6つ目:光属性魔法

 

魔女さん「光属性魔法は特殊属性魔法に分類されます。特徴としては先程言ったように基本属性魔法が使えません。それに加え、同じ特殊属性魔法である闇属性魔法も使えません。なので、使えるのは光属性魔法だけなんです」

リール「無属性魔法と氷属性魔法は使えますか?」

魔女さん「あ、それは問題ないです。無属性魔法と氷属性魔法は基本属性魔法には含まれないので光属性魔法や闇属性魔法に適正がある人でも使えますよ」

リール「ほっ…良かったです…」

魔女さん「光属性魔法は闇属性魔法を払い除ける効果を持ちます。おまけに闇属性魔法を除いた全ての属性魔法に対して耐性を持ちます」

リール「おぉ!」

魔女さん「これは相手の魔法を軽減できる効果なんですが、これは無属性魔法にも適応されます」

リール「どういう事ですか?」

魔女さん「さっきの回復魔法の話で言うと、他の人は全回復する位の回復量でも光属性魔法に適正を持つ人はその半分くらいしか回復しないんですよ」

リール「?」

魔女さん「もっと分かりやすく言うと、体力が100ある人が2人います。その内1人は光属性魔法に適正がある人です。この2人の体力が0で100まで回復させるとします」

リール「ふむふむ」

魔女さん「その内1人は当然100まで回復しますが、光属性魔法に適正がある人は50までしか回復しません。このように光属性魔法に適正がある人はあらゆる効果が半減してしまうデメリットがあります」

リール「な、なるほど…」

魔女さん「なので光属性魔法に適正がある人を100まで回復させるには200回復させるくらいの回復量が無いとダメってことです」

リール「でも他の火や水の魔法に対してもダメージは半分になるんですよね?」

魔女さん「はい。そうなりますよ」

リール「おぉ…」

魔女さん「やってみますか?」

リール「やります!」

魔女さん「なら先程と同じように掌を前に出して光を集めるイメージをしてください」

リール「はい!」

 

私は他の魔法同様掌を前に出してイメージしてみた。

 

魔女さん「リール。目を開けてみて」

 

リール「!!」

 

すると、私の掌に黄色い光の玉があった。

 

リール「すごい!出た!」

魔女さん「まだですよ。ちゃんと飛ばせないと」

リール「あ、そうだった…」

 

私はマナを集めた。

そして、マナに光の玉を飛ばすよう指示した。

すると…

ビュン!ドーン!

掌にあった光の玉が凄まじい速さで飛び、結界の壁に当たった。

 

リール「魔女さん!できました!飛びました!」

魔女さん「おめでとうリール!やりましたね」

リール「やったぁぁぁぁぁ!」

魔女さん「光属性魔法に適性があったようですね。良かったです」

リール「魔女さん!私!光属性魔法に適正があるんですよね!?」

魔女さん「はい。ありますよ」

リール「やったぁぁぁぁぁ!」

魔女さん「ふふっ…嬉しいのね」

リール「あ、そうだ魔女さん」

魔女さん「なんですか?」

リール「光属性魔法に適性がある人は他の魔法は使えないんですよね?」

魔女さん「はい。使えないですね」

リール「じゃあどうすれば?」

魔女さん「光属性や闇属性魔法に適正を持つ人はその属性を極限まで高めることができるので結果的にはそれでいいんですよ」

リール「じゃあ闇属性魔法に適性がある人はどうなるんですか?」

魔女さん「闇属性魔法に適性がある人は魔法の威力や効果を跳ね上げる特性を持ちます」

リール「光属性魔法とは逆ってことですか?」

魔女さん「そうですね。光属性魔法に適正がある人は魔法によるダメージを半減できますが、回復量も半減してしまいます」

魔女さん「逆に闇属性魔法は回復量が他の属性魔法よりも倍になりますが、受けるダメージも倍になります」

リール「へぇ!」

魔女さん「一長一短ですね。おまけにこの2つの特殊属性魔法は他の属性に対して等しくダメージを与えます」

リール「等しく?」

魔女さん「はい。例えば、火属性魔法に適正のある人がいます」

リール「はい」

魔女さん「そして、水属性、風属性、光属性魔法に適性のある人がいます」

リール「はい」

魔女さん「当然相手が火属性なので水属性が有効になります。その逆で風属性は不利な属性になります」

リール「はい」

魔女さん「火属性魔法に適正がある人にダメージを与えた時、水属性魔法ダメージを100だとすれば風属性魔法ダメージは50になります。約半分ですね」

リール「はい」

魔女さん「ここで光属性魔法ダメージを与えるとダメージは75になります」

リール「ふむふむ」

魔女さん「このように光属性魔法は不利属性がない代わりにダメージは全て等しくなります。なので、火属性に対しては水属性の方が強いですが、風属性よりかは強いです」

リール「なるほど!」

魔女さん「そしてその逆も同じです」

リール「逆?」

魔女さん「はい。光属性魔法に適性がある人には闇属性魔法しか有効打はありません。他の属性魔法は半減するので」

リール「あーなるほど」

魔女さん「闇属性も同じで光属性魔法しか有効打がありません。他の属性は少し減ります」

リール「え、でも闇属性魔法に適性がある人はダメージが倍になるって…」

魔女さん「そうです。100の威力の魔法を光属性、闇属性魔法に適正がある人に与えればその効果は半減されて50になります」

リール「ふむふむ」

魔女さん「ですが、50になるのは光属性魔法に適性がある人だけで、闇属性魔法に適性がある人は75くらいのダメージになるんです」

リール「あ、光属性と闇属性魔法に適性がある人を比べて闇属性魔法に適性がある人の方が倍のダメージを受けますよってことですか?」

魔女さん「そうですそういう事です」

リール「なるほど!」

魔女さん「でも闇属性魔法に適性がある人の魔法は全てダメージが倍になってるので気をつけてくださいね」

リール「はい!」

魔女さん「さて、リールの適性魔法が分かったところで帰りましょうか」

リール「はい!」

 

そして私と魔女さんは家に帰ることにしました。




〜物語メモ〜


属性魔法
この世界には火、水、氷、風、雷、土、光、闇、無の九つの属性魔法が存在します。
この内、氷属性と無属性は誰でも使うことができます。
残りの7つの属性に関しては適性を持つ人にしか扱うことができません。
そのため、ひとつひとつ魔法を試してどの魔法に適性があるのかを知らなければなりません。
属性魔法は「基本属性魔法」と「特殊属性魔法」に分けられます。
基本属性魔法は火、水、風、雷、土属性魔法の5つ。
特殊属性魔法は光、闇属性魔法の2つ。
基本属性魔法に適性がある人は自分の適性魔法を使うことができるが、その属性の弱点属性の魔法は使うことができません。
おまけにそれ以外の属性魔法は弱くなります。

例)火属性魔法に適性がある人
→火属性魔法を使うことができる
→水属性魔法を使うことができない
→他の基本属性魔法(風、雷、土)はそれぞれ適性を持つ人と比べると威力や効果が弱くなる

↑このようになります

以下に各属性魔法の特徴を挙げます。


火属性魔法
物を燃やしたり、氷属性の魔法を無力化することができる。
ただし、水属性魔法に対して弱くなる。
その代わり、太陽が出ていれば火属性魔法の効果が上がる。
風属性魔法に対して高い効果を発揮できる。

火属性魔法に適性がある人
使える属性魔法→火
使えない属性魔法→水
弱くなる属性魔法→風、雷、土

水属性魔法
自ら水を作り出すことで水に強い体を得ることができる。
おまけに火属性魔法の効果を打ち消すことができる。
加えて、水を操ることで思い通りのことができる。
ただし、雷属性魔法には弱くなる。
火属性魔法に対して高い効果を発揮できる。

水属性魔法に適性がある人
使える属性魔法→水
使えない属性魔法→雷
弱くなる属性魔法→火、風、土

風属性魔法
風を操ることで空を飛ぶことができる。
強い風属性魔法であれば一部の属性魔法を弾くことができる。
ただし、火属性魔法に弱い。
土属性魔法に対して高い効果を発揮できる。

風属性魔法に適性がある人
使える属性魔法→風
使えない属性魔法→火
弱くなる属性魔法→水、雷、土

雷属性魔法
5つの基本属性魔法の中で最も弾道速度が速い魔法。
雷属性魔法を見てから結界を展開すると遅い。
水属性魔法に対して高い効果を発揮できる。
ただし、土属性魔法に対して弱くなる。

雷属性魔法に適性がある人
使える属性魔法→雷
使えない属性魔法→土
弱くなる属性魔法→火、水、風

土属性魔法
地面全てを味方につけることができる。
結界が使えなくても敵の攻撃を防ぐことができる。
ただし、風属性魔法に対して弱くなる。
雷属性魔法に対して高い効果を発揮できる。

土属性魔法に適性がある人
使える属性魔法→土
使えない属性魔法→風
弱くなる属性魔法→火、水、雷

光属性魔法
特殊属性魔法に分類される属性魔法。
上記の5つの属性魔法が使えなくなる。
ただし、全ての属性魔法ダメージや効果を半減する効果を持つ。
闇属性魔法に対して高い効果を発揮できる。

光属性魔法に適性がある人
使える属性魔法→光
使えない属性魔法→火、水、風、雷、土、闇

闇属性魔法
特殊属性魔法に分類される属性魔法。
5つの基本属性魔法が使えなくなる。
属性魔法の威力や効果を跳ね上げる効果を持つ。
ただし、受けるダメージも増える。
光属性魔法に対して高い効果を発揮できる。

闇属性魔法に適性がある人
使える属性魔法→闇
使えない属性魔法→火、水、風、雷、土、光

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